携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
~秘密基地~
新しい自分の住居に家具を設置しようとしている。
え?家具なんて持ってるの?という指摘が来そうだが、俺も何故かあるパソコンで何もないだろうなと思って起動したら、なんと自分がプレイしていたサファイアで自分の秘密基地においていたグッズがそのままあったのだ。しかもご丁寧なことに苦労してバトルタワーで勝ち抜いて手に入れた盾やコンテスト全部門制覇でもらえるガラスのオブジェまであった。そもそもどうして異世界なのにパソコンの転送機能が使えるのかはわからないが、この際気にしないことにする。
内装には絨毯とテーブル、他にも音が鳴るマットやベットに照明や数々のイスとぬいぐるみ等と、とりあえず部屋の間取りに合うように置いて見た。テレビもあったけどさすがに番組を見ることは出来ないらしい。
・・・とりあえずこんなところか。でもそのうちここで何か使えそうなものを手に入れたらインテリアに加えてみようと思う。そのあとは木の実を使った簡単な食事を作って寝た
~人里~
朝起きて軽い朝食をとった後、俺はしばらく能力の特訓をしていた。それをキリがいいところで終えて、今は人里に出かけている。まず人里には何があるのかを知りたいし必要なものを買ったり、働き口を探そうとしていた。
ここには多くの店があった。八百屋に肉屋。雑貨屋に定食屋、居酒屋。甘味処などたくさんあった。俺は肉や野菜や洗濯等の生活道具を買っていく。香霖堂であらかじめ同府や木の実を売ってお金にしておいてよかったと思う。
引き続き探索してしているとこんな店を見つけた。
(「鈴奈庵」。中の様子からして本屋かな?何か幻想郷についてもっと詳しいことが書かれている本とかないかな?)
と思い、俺は店の中に入った。
~鈴奈庵~
この店は貸本もやっているらしい。とりあえず幻想郷について何か情報が書かれている本がないか探す。するとある一つの本が目に留まる。その本の題名は「幻想郷縁起」とあった。
俺はその本を開いてみると最初のページに「素敵な貴方に安全な幻想郷ライフを。」と書かれていた。とりあえずそのまま読み進めてみると幻想郷についていろいろなことが書いてあった。幻想郷に住む妖怪や妖精などの能力や危険性、幻想郷の地理にその特徴や危険性など詳しく書かれていた。妖怪の項目に俺が戦った妖怪、ルーミアもいた。他にも半人半妖もいるようで、霖之助さんと慧音さんがそうらしい。見た目は完全に人間と変わらないのにわからないものだなと思った。とにかく情報が多い。俺はひとまずこの本を借りてみることにした。店主さんは気の良さそうな男性で、隣にまだかなり幼い頭に鈴をつけた飴色の髪をした女の子もいた。俺は貸出料を支払い、この期間までに返すようにいわれその店を後にした。
~昼下がり~
俺は定食屋で昼食をとり、今その店から出たところである。値段も安いし味もなかなかのものだった。
(とりあえず生活に必要な道具は手に入れたし、情報も確保出来そうだ。あとは働き口だな)
そう思いながら働き口を求めて歩いていると掲示板を見つける。そこにはこんな張り紙があった。
「自警団求む」
どうやら人里を警備する組織らしい。訓練もあるようだ。
(自警団か・・・。どのみち俺は能力を更に磨くためにも修行しようと思っていたし、ちょうどいいかもな。どうせなら俺の能力は人の役に立てるように使いたいし)
よし。と思った後、俺は早速自警団の募集をしている本部に向かい入団を希望した。ところが・・・
「駄目だ駄目だ。お前みたいなガキじゃ話にならん」
と髭を生やした頑固そうな男の自警団の人が言う。
「そんな。入れてください。俺は立派に戦えます。年だって16ですよ。」
「ガキじゃねえか。これは子供の遊びじゃないんだ。家に帰って勉強でもしてろ」
(くそ。頑固おやじめ)
いくら言っても入れそうもないしここはあきらめて他を探すか。そう思っていると突然向こうから悲鳴が聞こえてきた
「キャー!!」 「妖怪だ逃げろ!!」
「妖怪だと?今すぐ撃退に向かえ!」
どうやら妖怪が現れて住人を襲っているらしい。周りがあわただしくなる。俺は逃げる人達に対して逆走しながら現場に急いで向かった。
~人里の外れ~
ここでは今妖怪が人を襲っていた。狼のような獣型の妖怪と一つ目鬼のような大柄の妖怪が人里を襲っていた。どうやら獲物に飢えていてとうとう人里に獲物を求めてやってきたらしい。人々は悲鳴を上げて逃げていたがその中に逃げ遅れた二人組がいた。一人はお付きと思われる中年の男性、もう一人は着物を着て花飾りを頭につけている紫色の髪をした少女だった。
「阿求様お逃げください!!」
と男性は持っている槍で一つ目の妖怪を必死にくい止めて阿求という名前の少女を逃がそうとしていた。武術にはかなり覚えがあるようだ。しかしその隙に獣型の妖怪が少女に襲い掛かった。少女も必死に逃げるがどんどん差が縮まる。そして妖怪は少女にとびかかった。もう駄目だと少女は死を覚悟し目を閉じる・・・
ところがいくら待っても何も起こらない。不審に思い少女は恐る恐る目を開けてみると、獣の妖怪はまるで何かに締め付けられているように苦しそうな顔をしながら空中で止まっていた。そしてどこからか誰かが叫んだ。
「サイコキネシス!!」 ギリギリリィ、ヒューン・・・ドッゴーン!
すると締め付けが強くなり、そして近くにある大岩に向かってすさまじい勢いでたたきつけられた。すると次の瞬間少女と男性は一瞬で姿を消してしまい。対峙していた一つ目妖怪は困惑した様子だった
「きゃ」「これは一体!?」
二人は突然妖怪から離れた場所に現れた。
「ふう。何とか間に合ったな。今朝エスパータイプのポケモン、ケーシィの特訓しといてよかった」
「「!?」」
二人の近くにはとある少年・・・木戸真聡がそこにいた。
「さあ二人は早く安全な場所へ。俺は・・・こいつらを倒します!」
そうして俺はヨロヨロになりながらもなんとか立ち上がる獣妖怪と俺に狙いを定めた一つ目妖怪と対峙するのだった
ポケモン紹介
ピカチュウ NO.025 タイプ:でんき
ポケモンの代名詞といえるほどの看板キャラクターであり、サトシの永遠のパートナー。初登場から20年たった今もなお絶大な人気をほこり、ポケモンを知らない人でもピカチュウは知っているという方はたくさんいるだろう。ほっぺたに電気袋を持っており、思いっきり放電した電撃は雷にも匹敵する。「でんきだま」を持たせるとすべての技の威力が二倍になり第六世代まではそれを親に持たせて育て屋に預けて孵化させると専用技「ボルテッカー」を覚えた個体が手に入る。七世代では教え技になった。また専用Zワザを二つ持っていたり、ORASでは特殊な技を覚えた「おきがえピカチュウ」などもいる
オンバット NO.714 タイプ:ドラゴン・ひこう
暗い洞窟に住み、耳から超音波を放つ。超音波は20万ヘルツにもおよびレスラーでもこれを浴びると目を回して立っていられなくなってしまう。アニメではXYでサトシの手持ちポケモンとなって登場。最初は泣き虫だったが徐々に成長し、超音波で洞窟を探ったりもしている。のちにオンバーンに進化した。ちなみに最弱のドラゴンと言われているヌメラより種族値が低かったりする
ヒトカゲ NO.004 タイプ:ほのお
ポケットモンスターシリーズ最初の炎タイプの御三家。しっぽの炎は生命力を表しており、元気だと炎は燃え盛るが、弱っていると炎は弱くなってしまう。水にぬれても簡単に消えたりはしないようだ。出演作のカントー地方のジムリーダーは一人目は岩タイプ使いのタケシ、二人目は水タイプ使いのカスミと苦手なタイプを相手にしないといけないため非常に辛い戦いをすることになる
ジグザグマ NO.263 タイプ:ノーマル
コラッタやビッパなどの序盤のノーマルタイプ枠のポケモン。名前の通り草むらをジグザグと歩いているらしい。戦闘中にたまに道具を拾ってくる特性「ものひろい」にお世話になった方はきっと多いはず。ちなみに「ひみつのちから」を作中で使わせたのは作者が覚えさせていたため。秘伝技も多く覚える
ケーシィ NO.063 タイプ:エスパー
一日に18時間も寝ているポケモン。しかしその間でも様々な超能力を扱い、気配を感じたらテレポートで逃げる性質を持つ。レベルアップではテレポートしか覚えないため捕まえるのに苦労する。しかし技マシンなどを使えば多くの技を取得でき、能力も高いためリトルカップでの使用は多い