携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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メガシンカ無双


メガシンカの力

~天界~

 

「ここが天界か」

「まったくどういうつもりで私の神社でこんな真似をしようとするのかしら」

 

霊夢はかなりお怒りのようだ。まあ無理もないだろう。比那名居天子とはいったいどんな奴なのやら。そうしていると目的地が見えてきた

 

「誰かいるな」

「比那名居天子ってあんたかしら?」

 

するとその少女は振り向いた。容姿は長い青色の髪に深紅の瞳をしている。黒い帽子にも桃二つ付いているのが特徴的だった

 

「ええそうよ。こんなに早く来るとは思わなかったけど。博麗の巫女」

「なんでこんな真似をしようとしたのかしら?」

「理由?それは単純に暇だったからよ。天界は暇なんだもの」

「は?」

「何ですって!?」

「地震でも起こせばあんたは異変だと思って確実に出てくると思ったのよ。まあ結局そうする前にバレちゃったようだけど」

 

俺は正直絶句した。こんな身勝手な理由で地震を起こすとは心底呆れる。相当傲慢で我儘な女らしい

 

「霊夢・・・」

「ええ。久しぶりに本気で怒ったわよ。叩き潰してあげるから覚悟しなさい!!」

 

霊夢は完全に戦闘態勢に入る。しかし

 

「だけどね。本当の目的は博麗の巫女ではなくて後ろにいる人間、木戸真聡を呼ぶことなのよ」

「!!何だと?」

「あんたのことは知っているわ。数々の異変を解決していった。人間。様々な妖獣の能力を使っていく人間だってね。閻魔や宇宙からの侵略者まで倒したそうね。おまけに視界を奪われてもまるで問題なく動けたり、未来を見たりもするようね。だからわざわざこんな大掛かりのことをしたのよ。そうなればなるほどあんたは駆けつけるとね」

「「・・・・・」」

「まあ博麗の巫女だけでもよかったんだけどね。でも私の期待通りだったわ」

「・・・一つ聞くが、お前それで霊夢がもし大けがでもしたらどうする気だったんだ?」

「んー?まあその程度だったってことかしら」

「ほかに誰かがいてそれがなくなったとしたらどうする気だ?」

「別に知ったことじゃないわ。その時は運が悪かっただけって話」

「・・・・・・・そうか」

 

どうやら相当なものらしい。流石に怒りも湧いてくる

 

「・・・霊夢、悪いけどここは俺に任せてくれないか?」

「・・・ええ。今回は譲ってあげるわ」

「あら。そっちの人間がやるようね」

 

すると天子は要石に乗ってやってくる

 

「形式は何だ?弾幕ごっこか?それとも実戦か?」

「そうね。ここは実戦でお願いするわ。鬼や閻魔相手に実戦で勝つと聞くからね」

「そうか」

「・・・あんた後悔するんじゃないわよ。あんた程度が真聡に実戦で勝とうなんて無謀よ」

「ふん。天人を舐めないことね。能を誇れば功を喪うだろう。お前はどれほどの力を持っていたとしても人間であることを自覚せよ」

「別に人間であることを止める気はないがな」

 

斯くして俺と天子の戦いが始まった

 

すると天子はもっている剣のようなもので斬撃を放ってきた。しかしこれは簡単に避ける。しばらく連撃してくるが、素人に近い剣閃だ。その程度

 

ヒュン・・・ザン!!

「!?」

「ふいうち」

 

相手が剣を振りかぶった瞬間に超高速で移動して不意の一撃を放った。メガアブソルの力を試したのだ。そしてふき飛んだところを「あくのはどう」で飲み込んだ

 

ドッカーン!!

 

俺の反撃は鮮やかに決まった。しかし

 

「ふふ、やるわね・・・」

「・・・頑丈だな」

 

天子はダメージは負ったものの余裕で耐えて見せた

 

(まあメガシンカの練習相手にはなるかもな)

地符「不譲土壌の剣」

 

すると天子は剣を地面に突き刺す。すると大地が盛り上げってきた俺はそれを素早く動いてでかわしていく。俺は今度はこのポケモンの力を使った。今度はエルレイド、しかもメガシンカしたメガエルレイドである。俺は腕のブレードで接近戦に持ち込む

 

ガッキーンキンキン!!

 

剣技の戦いになるが、剣術にかけては俺の方が上。所々で俺は切り裂いていく。しかしこれくらいではまだ効果は薄いらしい。しかもこの持っている剣も変だ。攻撃を受け止めるだけで妙にダメージが大きい

 

「ふふ。これは「緋想の剣」と言ってね。相手の気質を見破ることによって弱点を突くことが出来るの。一太刀でもくらったら一溜まりもないわよ」

「なるほど。確かに厄介な剣だ」

「これで切り裂いてやるわ」

剣技「気炎万丈の剣」

 

するとその剣を使って滅多切りにしようとしてきた。剣閃は早い。しかしただ早いだけだ

 

「あまり俺を舐めるなよ。「真・インファイト・斬!!」

 

すると俺は姿は一瞬で消えて

 

ズバババババババババババババババズッザン!!

「がは!!」

 

メガシンカにより、速さもパワーも前のものよりも桁違いに上がっていた。その圧倒的な速さと手数、そして一つ一つが並の妖怪では一撃で倒せるほどの威力を持った剣技だった。これには天子も大きなダメージを受ける

 

「くう・・・」

「ふん。この程度の剣技じゃ、妖夢と戦ったらあっという間に斬られるぞ」

 

これに耐えるのは流石は天人と言ったところか。しかしこいつはただ単に能力にかまけているだけ。いくら強い装備を持っていても本人の技量が伴わなければ存分に力を発揮できない。そんな至極当たり前のことだった

 

「どうすんだ?これ以上抵抗する気かい?」

「まだまだ・・・」

 

何とか立ち上がるが、もうだいぶボロボロだった。すると今度は天から要石が降り注いできた

 

要石「天地開闢プレス」

 

すると天子はそれに乗って特大の要石江押し潰そうとしてくる。更に他の小さな要石が降り注ぐ

 

ドスン!!ドッスーン!!ズッシーン!!!

 

要石の波状攻撃が続く。これをかわしながら次のことを考える

 

「次はこいつかな」

 

すると俺はついに天子の特大の要石に潰された

 

「あはははははは!!天人を舐めるからそうなるのよ!!」

 

と高らかに笑うが

 

ピキ・・ボッカーン!!

「え!?」

 

すると突然天子の乗っている要石が粉々に砕け散った。そして辺りに砂嵐が発生する。いきなりのことで天子はそのままバランスを崩して落下する。そして

 

「じしん」

ドッズズズズズズガァーン!!

 

拳の一撃に地震のエネルギーをのせた強烈な一撃をくらって吹き飛んだ。俺が今宿しているのはメガバンギラスだ。ただでさえ吸血鬼のフランの全力のパンチを軽々受け止め、片腕だけで山を粉砕するほどのパワーの持ち主だ。それがメガシンカした時のパワーなど想像もつかない。この大きさの要石程度なら軽々と破壊できる。それをまともにくらえばひとたまりもないだろう。しかし

 

「やれやれ。タフさだけはずば抜けているな」

「・・・・・」

 

それでも立った。彼女の持つプライドがそうさせたのだろうか。彼女としても信じられないのだろう。自信満々で挑んでおきながらコテンパンに蹂躙されているのだから。しかもいくら強い力を持つとは言え、人間相手にだ。今まで散々見下していた存在にここまでされてプライドが許さないらしい。そして彼女は緋想の剣を構える

 

「こうなったらこれですべて消し飛ばしてやるわ!!」

 

すると剣に膨大な気が集まり出す。あれを撃ちだすつもりなのだろう

 

「気」か。ならばこちらもこの技で仕留めるか

 

俺はまた違うポケモンを宿す。それは

 

ゴオオオオオオオオオオオオオ!!

 

俺はメガルカリオを宿した。すると以前萃香と戦った時のものと比べ物にならないほどの波導があふれだした

 

「全人類の緋想天!!」

 

すると天子の緋想の剣から超高密度の気の集まりを超高速で極太の赤いレーザーのようにして撃ちだした。あれをくらえばひとたまりもないだろう

しかし俺はあの技で迎え撃とうとする

メガシンカしたことによるパワー、洗練されたルカリオの力と己の波導。それを全て一つにした大技

 

「はどうのあらし!!」

「!?」

 

すると超極太の波導を解き放った。大きさも威力も別格であり、「全人類の緋想天」を容易く押し出した。そしてそのまま天子はなすすべなく飲み込まれた。だがこれでもかなり加減した。流石に死んでしまったら困るからな

 

「まあ。いいメガシンカの練習相手にはなったよ。しかしたぶん霊夢とやっても同じ結果だろうよ。次からは修行をし、もっと広い視野を得るのだな」

 

そう言って倒れた天子に「いやしのはどう」をかけてあげて、そのまま霊夢と共に帰るのだった

 

 




天子がひたすら蹂躙されてしまいました。天子ファンの方々はすみませんでした

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