携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
~守矢神社外れ~
「・・・・・・・・」
今俺はデオキシスと対峙していた。おそらくあの隕石とともにやってきたんだろう。しかし何故この世界に現れて、しかも俺のところに迷いなくやってきたのか。そもそもなぜ俺を狙うのかがわからなかった。とにかくこいつが俺に敵意を持っているのは確かだ
「早苗。お前は今すぐここから離れろ」
「そんな!!あなたを一人にするわけには」
「気持ちは嬉しいけどお前も見ただろ。極太の光線を放ち、更にあそこから一瞬でここに来るスピード。しかも過去を見たけどあれでノーマルフォルムだ。他の形態だとどうなるか想像もつかない。流石にお前ではまだ力不足だ。頼むわかってくれ!!」
「・・・わかりました。・・・気を付けてくださいね!!」
「ああ!」
(こんな言い方してしまって悪いけど、わかってくれ)
そしてデオキシスは戦闘態勢になった。すると大量の「シャドーボール」や「でんじほう」などのエネルギー弾が放たれた。俺は早苗と話している間に力を溜めていた。そしてあるポケモンの力を宿す。そして早苗をテレポートで離脱させた。そしてこちらも「シャドーボール」をマシンガンのように高速連射する「シャドーマシンガン」で攻撃した。俺の宿したのは元祖禁止伝説級のポケモン、ミュウツーである
両者の技の激突であちこちに大爆発が発生して地形が変わり始める
(このままじゃ妖怪の山が持ちそうもないな。ここは場所を変えよう)
俺は「テレポート」でデオキシスと一緒にある場所に向かった
~とある平原~
「ここならいいだろう」
ここは以前、伊吹萃香と激闘をした場所だ。ここなら人里や妖怪の山とも離れているし、妖怪もほとんどいない
「さあ。覚悟しろよ!!」
「*?>?<*‘+‘‘‘‘@@@!!!」
何を言っているのかわからないが「掛かって来い」とでも言っているのだろうか。何にせよここで倒す
「サイコキネシス」!!
「!!!!」
するとデオキシスも放ち、両者のサイコパワーが激突する
「はあああああああ!!!」
「!!!!!!!!!!!」
威力は互角。そのぶつかり合いで大地は抉れ、大岩が浮遊しだして木々が吹き飛んでいく。完全に拮抗状態となりお互い埒が明かないと判断してサイコパワーの方向を逸らした。その衝撃波で遥か彼方の物が吹き飛ばされる
「いくぞ!「サイキックスプーン」!!」
「!?」
俺はポケスペのミュウツーが使っていた念で生み出した特大のスプーンを生みだして反撃した。俺はこれを「サイキックスプーン」と名付けた
ドコ!!ブオン!!・・・ドカーン!!
抜群の威力を持つ近接戦の要となる技。更にこれを応用して振ると同時に「サイコウェーブ」のような念力波を発射できるようにした。それによって遠距離にも対応できるようにした。しかしデオキシスは素早い。ノーマルでもミュウツーをも上回るほどだ。そのスピードで華麗にかわしていく。更にその合間に相手も「シャドーマシンガン」を使ってきた。おそらく俺のを見て学習して習得したのだろう。しかし俺はスプーンを使って弾いたり、時には打ち返す。やがてデオキシスに一発跳ね返って被弾する。俺はここぞと思ってテレポートで移動してスプーンを振って吹き飛ばした。そして吹き飛んだところをまた殴るというド〇ゴンボ〇ルのような連撃を放とうとしたが、その一撃は受け流されてしまう
「!?」
「ドゴォーン」!!
俺は上空に殴り飛ばされた。どうやら「カウンター」で反撃したようだ。しかもいつの間にかディフェンスフォルムに変化していたのだ。持ち前の防御能力で敵の攻撃をいなし、「カウンター」を決めたのだ。ディフェンスフォルムの時は何というか体が超高度であるとかのように硬いのではなく、自由に変化できる肉体を利用して衝撃を受け流したり、吸収するという感じだった。俺は体勢を取り戻して、迎え撃とうとすると
「いないだ」
ヒュン・・・ドドドドドドドドド!!!
「カハ」
振り向いたときは姿は見えず、次の瞬間には強烈な連撃をくらった。おそらく「しんそく」だろう。しかし早い。あまりにも早すぎて姿どころか自分が攻撃されたことすらわからなかった。しかし息つく間もなく反撃してくる
ドドドドドド!!
「ガハ!!くっ「バリア」!!」
俺は全身に「バリア」を張って防御する。しかしデオキシスの打撃とエネルギー弾などによる苛烈な攻撃を仕掛けてくる。おそらく今はスピードフォルムだろう。全く目に映らない速度は恐ろしいものだった。正直文さんよりずっと早かった。だが
「サイキックトルネード!!」
俺はポケスペのミュウツーが行っていたサイコウェーブによる巨大な竜巻を生みだした。これも独自に名前を付けた技だ。映画でのミュウツーは軽く指を振るだけで天候を操作して大嵐を生みだせた。これくらいは朝飯前だ。流石に飛びづらくなったようでスピードは落ち、やがて竜巻に巻き込まれる。そして更に竜巻の威力を上げてその圧力でねじ切ろうとした。しかしデオキシスは竜巻を上回る速度を「しんそく」で出して脱出した。しかし
「くらえ!!」
「!?」
しかしそれを波導を使って予測しており、ぬけ出した瞬間に「テレポート」で移動して思いっきりスプーンで叩きつけた。そしてデオキシスは吹き飛ばされて竜巻の根元まで飛んでいった。俺は竜巻の力を更に加える。それは大嵐が一つに圧縮されたような巨大なものだ。大地は大きく抉れている。もはや風、いや嵐の領域を超えかねない風力だ。俺は全く手をゆるませずの攻撃し続けるが
カッ!!
「!?」
ゴオオオオオオオオオ!!
何と相手は巨大竜巻を操っている念力波に抵抗してきた。そして自身の竜巻を生み出す。しかもそれは驚くことに自分よりもはるかに強いエネルギーだった。ミュウツーをも上回るサイコパワー。これはつまり
「アタックフォルムか!!」
デオキシスはミュウツーをも上回るパワーを出す。俺はどんどん押されていった
「ちっ」
俺は「テレポート」で遠くへと抜け出した。下手すれば今度は自分が竜巻に飲み込まれてしまうからだ。しかしそれがいけなかった。俺は今大きなミスをしてしまったのだ
竜巻は均衡が崩れたことにより、抑えられ続けたエネルギーが行き場を失って放出される。それは巨大ハリケーンと化して強烈なダウンバーストを引き起こした
「まずい!!」
このままでは人里や妖怪の山までいってしまう。そうなると甚大な被害が出ることは想像に難しくない
俺は周辺に巨大なバリアを張って、更にサイコパワーで押し返そうとした。しかし威力もだが範囲も広すぎる。止めるのに大苦戦した
「うおおおおおおおおおおおおおお」
必死で抑えるこもうとするが、あろうことかデオキシスは更に威力を強めてくる。デオキシスにとってこの幻想郷がどうなろうと知ったことではないし、呼吸が出来ないほどの風圧でも宇宙で活動できるポケモンなので呼吸を必要としていない。状況は最悪だった
「くそ!!このままじゃ」
「諦めるんじゃないよ」
「!?」
するといつの間にか神奈子さんが現れた
すると加奈子さんの手が輝きだす。すると風がみるみる弱まり始めた
「お前が起こしたものは大した威力の風だ。でも風に関しては私の方が数段上だよ」
これが神力というものだろうか。膨大な風の力を霧散させた
「す・凄い!!」
全盛期よりも力が衰えたとはいえ、流石は風を司る軍神というところだろうか
「ありがとうございます。俺の判断ミスで危うく・・・」
「気にするな。やつは相当な力を持っている。仕方はないさ。それに」
「私たちは真聡にはいろいろ恩があるからね」
「諏訪子さんも!!」
するといつの間にか諏訪子さんもいた。そして二人は俺にこういった
「お前は幼いころから一人で物事を背負いすぎる」
「!?」
「大切な人を守りたい気持ちはわかるけど、時には他人に頼ることも必要だよ」
「・・・・・」
「責任を感じているんならあいつを倒すことを考えろ。あいつは相当な力を持っている。このまま放っておいたら幻想郷は滅茶苦茶になる」
「私たちが衝撃を抑え込んでいるから、真聡はあいつを倒してみせなよ。心配しないで。全盛期より衰えたとは言え、まだまだ並の神には負けないよ」
「お二人とも・・・」
するとデオキシスは俺をにらみつけてきた。強烈な「プレッシャー」を感じる。しかし俺は全く恐れずに対峙する。そして
「ありがとうございます」
ヒュン・・・
「!?」
「シャドーボール!!」
俺はテレポートで一気に近づいて、ゼロ距離で最大まで強めた特大の「シャドーボール」を叩き込んだ。相手は瞬時にディフェンスフォルムになったが、これはかなり効いたようだ
そして俺はその隙に「めいそう」を積んだ
(ここまでされたら負けるわけにはいかない!!)
俺も「プレッシャー」を全開して迎え撃つ
デオキシスも当然起き上がる
そして戦いの第二ラウンドが今始まろうとしていた
デオキシス NO.386 タイプ:エスパー
宇宙から来た幻のポケモン。宇宙のウイルスのDNAが突然変異して誕生したらしい。胸の水晶体は脳の役目を持ち、そこからレーザーを放つことが出来る。また映画では水晶だけの状態になっても、時間はかかるが再生するようだ。ポケモン史上初のフォルムチェンジを持ったポケモン。普段の姿であるノーマルフォルム、圧倒的な攻撃性能を持つアタックフォルム、防御性能に優れたディフェンスフォルム、禅ポケモン最高のすばやさを持つスピードフォルムの四つの形態がある。ゲームでは隕石に触れると変化するが、アニメでは自由にフォルムチェンジすることが出来る。それを活かして状況に合わせて使い分けて戦うようだ。ORASではエピソードデルタにてメガレックウザによって破壊した巨大隕石に引っ付いており、そのままバトルに突入する。幻のポケモンが正式でストーリー上で手に入れることが出来る様になった初めてのポケモンである