携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
修行と隕石と・・・
~守矢神社・裏~
異変が終わって一週間が過ぎた。現在守矢神社は信仰を集めるために奮闘しているようだ。今日は俺の仕事は休日。なので今守矢神社で早苗の志願もあり、弾幕ごっこの特訓をしていた
秘術「グレイソーマタージ」
早苗がそう宣言すると、星の形をした弾幕の線がいくつか出来てやがてそれは拡散して弾幕を形成していく。しかし俺は軽々とかわしていく
「それでは当たらないよ。今度はこっちからといこうか
大炎符「だいもんじ」
俺は小手調べに良く使うこのスペルを発動した。とはいえ並のスペルよりずっと難しくしたつもりだが。巨大な大の字型の火炎から放たれる無数の火球。更に俺自身から放つ火球と火龍の形の弾幕が一気に襲い掛かる
「うわわわ」
早苗は素人臭いおぼつかない動きだが、何とかかわしている。やがて何とかスペルブレイクに成功した。しかし俺はすかさず
実念符「サイコショック」
俺は実体化したサイコパワーの礫を形成して一気に発射した。今回はサーナイトで行っているため、小型ブラックホール付きだ。早苗は必死にかわしていくが
ピチューン!!
吸引力もあってやがて被弾した。とりあえず今回も俺の圧勝という結果で終わった
「いたた・・・」
「大丈夫か?今「いやしのはどう」をかけるから」
おれは「いやしのはどう」で傷を治してあげた
「ふう。ありがとうございます。やはりお強いですね。全然かないません」
「まあこれでもいろいろと異変を解決してきたんでな。まあ俺の場合はほとんど実戦だったけど」
「ええ、聞いています。あなたから貸してもらった新刊の「幻想郷縁起」にもしっかり書かれてましたから」
俺は早苗についこの間発行された最新の「幻想郷縁起」を早苗に渡した。理由は早苗がぼろを出すことを控えさせるためだ。早苗は幻想郷、「東方project」のことを知っているイレギュラーな存在だ。怪しまれてはまずいのであらかじめ「これを読んで知りました」ということにしておいた方がいいと思ったのだ。それに早苗には課題がある。それは
「お前はまず素の力を上げないとだめだ。以前霊夢と戦ってある程度善戦できたのは霊夢の弾幕のパターンを知っていたからだ。だが、二次元のゲームと違ってここは三次元の現実だから違うし、当たり前のことだがゲームと現実は違う。それに俺みたいにデータのない相手とも戦わないといけない場面がこの先来るだろう。だからそういった状況でも対応できるようにしておかないといけない。わかるな?」
「はい。私もこれからどんどん異変に関わるようになっていくようですし、もっと強くなった方がいいと思います。ですからもう一度お願いします」
「その意気だ。いくぞ!!」
「はい!!」
そのあとも修行が続いた。それと近接戦闘についても教えてあげた。主に戦闘の技を教える。更により実戦的にするため組手もさせた。流石に俺自身の体や能力で早苗を殴るなんてマネはしたくないので、俺は当たっても痛くない柔らかい綿で出来た人形に、俺がゴーストタイプの力で憑依して俺が攻撃してくるからどうするのかというような感じの方法で修行させた
俺は普段は自警団の仕事をしているため、一週間おきになることが多いのだが、彼女も一人の時には神奈子さんと諏訪子さんにもお願いして修行しているようだ。その甲斐もあって元々早苗は突出した才能の持ち主なので、三カ月以上経つとだいぶ戦闘に慣れてきていた
攻防雷「カウンターシールド」
俺はその場を回転して雷を周囲にまき散らした攻防一体の攻撃を繰り出す。更に上から小型の「かみなり」に時折「ほうでん」で全方位を一気に焼き尽くす攻撃をする。今回はだいぶ本気で行ってはいるが、早苗はこれを華麗に避けていく。時折弾幕で相殺をしたり、近接戦の修行で身に着けた体捌きを応用した動きも使ってかわしていく
秘術「一子相伝の弾幕」
早苗は「グレイソ―マタージ」強化版ともいえる弾幕を放って攻撃してくる。かなり技の精度も上がっているし、更に自身の風を操る力で小型の竜巻を発生してくるようになった。俺もこれにはだいぶ苦戦するが、回避には成功した
「よし、今日は耐久スペルを放つぞ。耐えてみろ!!」
龍星撃「流星のドラゴンダイブ」!!
すると俺は隕石を模したエネルギーを空を覆うほど大量に放つ。そして俺は隕石の一部を取り込んで強力になった「ドラゴンダイブ」の猛攻を行った
(見た目は魔理沙の「ブレイジングスター」に似ているけど、あれよりもさらにやばそうな気がします。「りゅうせいぐん」の隕石を取り込んで「ドラゴンダイブ」を強力にするとは・・・。ゲームでは出来ない方法です)
時間がたてばたつほど苛烈になるエネルギー弾幕のうえに更に速度が違う。3分の2ほどまでは粘ったが、最後は隕石に阻まれて動けず、「ドラゴンダイブ」に飲み込まれていった
「くう・・あとちょっとだったのに・・・」
「はは。でも初見でよくここまでよく粘れたよ。強くなったじゃないか。早苗」
「だといいのですが」
本当に成長したなとつくづく思う。才能もあるが、ここまでまっすぐに努力してきた結果だろう。だから俺もやりがいがあるというものだ
もう時間も遅くなる俺は早苗に別れを告げて戻ろうとすると
「!?あれは!!」
すると空から何かが降ってくる。おそらくあれは隕石。かなり大きい。あのままでは紅魔館に激突してしまうだろう。俺は急いで破壊しようとするが
「大丈夫です。あれはフランドールが破壊しますから」
「何?」
すると突然爆発して木端微塵になった
「あれは知っていたのか?」
「はい。あれは儚月抄であるんですけど、犯人は不明ですが隕石が紅魔館に落ちてくるという事件が起こったんです。でもあのようにフランドールが能力で破壊しますから問題ないんです」
「そうなんだ。やっぱりあいつの能力は怖いな。「おまじない」がなければヤバかったわ」
「「幻想郷縁起」でフランドールの能力を無効化したってありましたけど「おまじない」の力だったんですか。急所にあたらなくなる技でしたね」
「まあな。とにかくこれで終わってよかった。じゃあ今度こそ俺はこれで」
「はい」
と言って帰ろうとしたが
ドッカーン!!
「「!?」」
何といきなり紅魔館が極太の光線に薙ぎ払われて木端微塵に破壊されてしまったのだ。その被害は光線の発射された方向の前方を広範囲に吹き飛ばして、核爆発のような爆発が発生した
「なっ!!」
「そんな!!こんな展開はない筈ですよ!!」
「!なんだ!?」
俺は波導で察知した。何か恐ろしい力を持った存在がこちらに来る。あと数秒だ
「早苗!!」
俺は早苗の前に立ち塞がって
「ファストガード」!!
すると何者かが一瞬でここまできて反撃してきた。早すぎて全く見えなかった。その衝撃波で周りの地形はかわり、木々は吹き飛ばされた
「大丈夫か!?早苗!!」
「はい。大丈夫です。それにしても一体何が・・・」
するとその張本人が俺の前に姿を現した
俺たちはその犯人の名前知っていた。それ故に驚きで動揺を隠せない
「そんな・・・どうして・・・」
「なん・・で・・」
その姿は異形だった。ひものような触手にオレンジと青の体。そして体の中心に水晶体を持っており、宇宙人のような姿をしていた。それは知っている者からすれば見間違う筈がないだろう。それは
「なんでデオキシスがここにいるんだよ!!!」
「・・・・・・・」
この世界には存在しないはずの存在・・・ポケモンがここに現れたのだった
まさかのあいつが登場です。次回はバトルになります