携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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妖怪の山の神社を探して

翌日俺は霊夢と合流して、早速妖怪の山へと向かった場所までは知らないので俺たちは一緒に行動して探した。本来ならばらける方が早いかもしれないが、霊夢は俺と違って入山を許可されていない。おそらく直に来るだろうし、ばらけるとかえって面倒くさくなる。だから霊夢は俺についていく形にしている。そしてしばらくしたら案の定

 

「何者だお前たち・・ってあなたは」

「やあ。久しぶりだね椛」

 

出てきたのは犬走椛だった。大きな剣と紅葉が描かれた盾を持っている白狼天狗である。以前の宴会で知り合い、お互い見回りや警備など似たような仕事をしているので、気が合って友人になった

 

「真聡さん。どうしてここに?」

「ちょっと調査に来たんだよ。最近この山に出来たという神社にね」

「ああ、あそこですか」

 

そのあとは事情を説明した。それと霊夢に関しては俺の目が届く場所以外にはいかせないし、監視もするからという条件で連れていくことを許可してくれないかと頼んだ。そしてしばらく待たされた後に許可が下りた

 

「あの神社はここから更に上にあります。以前文さんと弾幕ごっこをしていた場所の川上に沿っていけば着くかと」

「そうか。ありがとう。手間をとらせて悪かったね」

 

そうして白狼天狗たちは帰っていった。まあおそらく遠くから何人かは監視しているだろうけどね

 

「さあ行こうか」

「本当にここの天狗たちと親交があったのね。後あんたどうして文と弾幕ごっこしてたの?」

「俺の強さを知りたいからだってさ。その時ここを治める天魔さんが見に来ていてな、それから宴会に誘われて天狗たちとは仲良くなったんだ。天魔さんにも気に入られたしな」

「あんた本当にいろんなことしてるわね」

「ただの成り行きさ。でもお前も人里の人たちとも積極的に交流して、参拝客を増やす努力はするべきだと思うぞ」

 

しばらく雑談をした後に俺たちは向かった。テレポートをしてもいいんだが、あれは行ったことがある場所じゃないといけない。この山は範囲が広くて、あの時は霊も一日では全て集まらなかったし、あとは天狗たちの里くらいしか行っていない。もう少しここの地理も知りたいし、俺は普通に飛んで探すことにした

 

 

~玄武の沢~

 

ザアアアアアアアアアア・・・

 

しばらく移動していると大きな滝を見つけた。この滝を昇っていけばいいだろう。そう思っていたのだが

 

「姿は見えなくてもそこに誰かがいるのはわかっている。大人しく出てきてくれないかな?」

「何?誰かいるの?」

「ああ。あそこの岩場にな」

 

そして俺は能力の練習も兼ねて、自力で「でんきショック」を発動しようとしていると

 

「わああ。待った待った降参だよ。まさか光学迷彩をしていてバレるとは」

 

すると透明な状態から人影が現れた。カクレオンのように透明化する代物らしい。でも波導の前では通用しない。あともしかしたら「デボンスコープ」でも見つけられるかもしれない

 

「君は?」

「私は河城にとり。ここに住む河童だよ。あんたは木戸真聡でしょ?天狗様たちからも聞いているよ」

「そうか」

「しかも後ろには博麗の巫女までいるんだねえ」

「で?なんであんたは私たちを付けてたわけ?」

「ここじゃ人間はめったにこないからね。しかも博麗の巫女に今話題の人間まで来たんだから興味があったのさ。そっちこそ、どうしてこの山に来たのかい?」

「最近ここに現れた神社の調査に来ただけだ。別にここを荒らしに来たとかじゃない」

「あ~最近できたらしいわね。私らこの山に住む妖怪たちはみんな不審がってたよ」

「そうか。じゃ俺たちはそろそろ行くな」

 

と言って先に進もうとするが

 

「ちょっと待ってくれ」

「何だい?」

「新聞であったんだけどさ、あんたって変わった機械を持っているらしいね」

「例えば?」

「人里で売られているポフィンという菓子は機械を使っているそうじゃないか。ちょっと見せてくれない?私たち河童はそういうのに目がないんだ」

「うーん」

 

河童が機械に精通しているのは「幻想郷縁起」で書かれていて知っている。しかし初対面で渡していいものかと思ったが、最悪フーパのリングで取り返せばいいかと考えてここは渡した

 

「へえ~これがそうか。フムフムなるほどねー。でもこれなら何とか作れるかもな」

 

このセリフに俺は考えが出た

 

「作れるって本当か?」

「うん。かなり高度な技術で出来ているけど作れないこともないと思うよ」

「じゃあ報酬は払うからさ、よければ生産してくれないか?」

「どうして?」

「それは一つしかないからポロックは数が少なくてよく売り切れになるんだよ。でも人里では誰もそれを作ることが出来ないからね。長い間その問題は解決してなかったんだ。君が良ければでいいからお願いできないか?」

「いいよ」

「ちょっとあんたいいの?妖怪に頼んで」

「一応私たちは人間には友好的な種族だよ。ちゃんと約束は守るさ」

「まあ最悪の場合は取り返せばいいし、ちょっと試してみようと思ってね。まあとにかく頼んだよ。しばらくしたらそこに行くから」

 

ということでにとりにポロックキットを預けて生産してもらうことになった。河童の技術力には興味があったし、お手並み拝見と行くことにした

そして俺は滝を昇っていく。せっかくだから俺は「たきのぼり」で移動した。その様子には霊夢も遠くから見ていたにとりも驚いていたようだ。たまに妖精がいたずらしようとしてきたが、俺がタックルしたり、霊夢が大半を蹴散らしてくれた。まあ仕掛けてきたのはあっちだしいいよね?

 

そうして俺たちは登り切り、神社を目指した。俺の記憶が正しければ、その神社の名前は

 

「守矢神社だったな。もし本当にそうだったら懐かしいんだがな・・」

 


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