携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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花映塚編は今回で終わりです


七日目:自分のしたいこととは

~自宅~

 

俺はあの後ケーシィ―で「テレポート」をして自宅へ戻った。そして家に入り、ドアを閉めた瞬間、俺は糸が切れた人形のように倒れて眠ってしまった。禁止伝説級のポケモンをあれだけ使えばそうなるだろう。俺は多分泥のようになっていただろう

そして気が付けばまた夜だった。自宅に辿り着いたのも夜だったが、おそらく俺は丸一日眠っていたのだろう。一応「ねむる」を使っていたので傷はほとんど癒えていた。丸一日ではあるが、これでも今までの激闘の会った後の睡眠時間の中ではかなり短い。俺もそれだけ強くなれたということなのだろうか

 

「・・・・・・・・・」

 

俺はとりあえず外に出ていった

 

 

~霧の湖~

 

俺は何となくここに来ていた。俺はこの小島の上でふと考える

 

(思えば自分の幻想郷での生活が始まったのはこの場所だったなあ。初めの頃は慣れない戦闘が来て間もない頃から始まって困惑してたのも懐かしい)

 

(それからはいろいろあった。自警団に入って人里の警備や大雪を溶かしたり、子供たちと遊んであげたり、木の実やポフィン、ポロックの提供などもした。そして異変にも立ち会った。紅霧異変、春雪異変、妖霧異変、永夜異変あと今回のもそうなのかな?壊してしまった場所を修復したりもしたな。何度も一歩間違えたら死んでいそうなこともあったけ・・・)

 

もうこの世界に移り住んで4年が経とうとしていた。もうそろそろ二十歳だ。時が経つのは早いものだと痛感する。そして俺は今回の旅で得たものは・・・

 

(俺が俺らしく生きるには誰かを助け、そしてそのために強くなる。やはりこれだろうな)

 

永夜異変の時のように確かに俺はこの世界を滅ぼしかねない力を持っている。今回宿したイッシュの伝説のドラゴン3体とゼクシレムにもそれが出来るだろう。あの閻魔が言っていたように俺は危険な存在であるというのは違いない

 

だが、恐れずに向き合えば正しい道も見つかる。だれも見たことのないポケモンの力を使うことが出来たのは伝説のポケモンに向き合えたからだと思う。理想論ではある。だけど危険な力から逃げたって、いずれその力がまた暴走することがあるかもしれない。過去にもしもはないが、未来には大いにある。たとえ未来が見えても完璧に防げるとは限らない。実際永夜異変の時も事前に来ることはわかっていても防げなかった。それを無くし、制御できるようにするためには自分自身がそれに向き合うしかない

 

まだまだ分からないことは多い。メガシンカやZワザだって残っている。俺はそれらのことももっともっと知りたい。そしてまだまだ強くなっていきたい。多くの人を守れるように

 

俺はかつては人に守られてばかりだった。なんでこの世界に来てしまったのかは未だにわからない

でも俺はこの与えられた力を大切にしたい

死ぬはずだったのがまた生き返り、そして大いなる力を授かった

普通ではありえないことが起こったのだ。ならば俺は自分のしたいことに使いたい。そのしたいこととは

 

「大切な人たちを守るという現世の自分では出来なかったことをすること」

 

それが自分なんだと、この旅で気づいたのである

 

すると東の空から朝日が昇り始める。俺はそれをじっと見つめていた

 

「綺麗だな・・・」

 

朝日は何度も見たけど今日のは格段に美しく感じた。自分で言ってて非常に恥ずかしいが、俺の心に抱えていた闇に光が差したかのように感じた

 

俺はしばらく見つめた後に、俺は自宅に戻った。俺がもらった休みは今日で終わりだ。いつまでも我儘をしているわけにもいかない。俺は普段行っている自分の今すべきことをするために支度にかかる。それと途中で魔理沙と霊夢が来た。昨日の戦いを見ていたようで、霊夢から「あんた幻想郷をぶっ壊す気なの!!」と怒られた。どうやら結界もちょっとぶっ壊してしまったらしい。一応閻魔を殺さないために威力は調整したのだが、俺はまだまだのようだ

 

 

~自警団本部~

 

「君の悩みは晴れたかね?」

「はい、おかげさまで。この一週間自分のわがままを聞いていただき、ありがとうございました」

「まあ人生そういうときが誰にでもある。尤も君は我々よりもさらに深い理由だろうけどね」

「いえいえそんなことは」

 

俺はしばらく所長にお礼と仕事を復帰することを伝えに言った。俺の悩みが晴れた様子を嬉しそうに聞いてくれた。本当にこの人には感謝だ。「最初は俺はガキだから入るな」とか言われてたのになと心の中で少し思った

 

「それでは本官は仕事に復帰させていただきます」

「うむ。頑張ってくれよ。君は人里中の人たちに頼りにされている大切な人材だからな。存分にその腕を振るってくれたまえ」

「了解しました!」

 

そして俺は仕事に入る。またいつものように人里の見回りをし、部下の訓練の指導をし、木の実と支給してあげたりする日常がまた始まる。そしてそんな日常を守るために俺は更に強くなっていくことを誓うのだった

 

それが自分の生きる道なのだと言い聞かせて・・・

 

 

一方地獄では大騒ぎになっていた。閻魔が人間にやられたからである。もちろん死んではいないが

それと最後の攻撃の余波によって地獄の奥地に新たな場所が出来た。絶対零度の世界にある超高温の炎と超電圧の雷。そしてドラゴンエネルギーによる謎の怪現象。コキュートスの遥かに上を行く場所になった。以後そこは新しい地獄として利用することになり、緊急の会議の末に木戸真聡が死んだら、そこの管理者になってもらうことが決まったのだそうな

 

 

 




花映塚編は終わりです。正直言うと花映塚で登場するキャラが登場する別のイベントと化しましたが、無事に書き終えました

今回はオリジナルアイテムについにポケモンまで出しましたけどいかがだったでしょうか?閲覧数も10000を超え、お気に入りも100を突破して本当に嬉しいです。まだまだ続きますので、暇の時にでも皆様に読んでいただければ幸いです

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