携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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昨日と一昨日は忙しくて、投稿できずにすみませんでした
たまに更新がない日があるかもしれませんが失踪はしません


魂の返還。閻魔の説法

~再思の道~

 

今俺はようやく死神と出会うことが出来た。出会って死神の名は小野塚小町という方だそうだ

 

「じゃあお前さんは集めた霊をあたいら死神に届けに来たってことかい?」

「はい。これがその霊達が入っている袋です」

 

俺は小町さんにそれを渡す

 

「多分1500は入っていると思います」

「1500もかい!?」

「はい」

 

小町さんは死神の特有の能力で大まかではあるが、数え切ったらしい

 

「本当にいるとはねえ。いやーこれは助かるよ。この時期は広い範囲にいっぱい来てあたいら死神は大変なんだよね~」

(その割にはこの人寝ていたけどな・・・)

 

とりあえず無事に死神に会えて、魂を渡すことが出来た。あと「れいかいのふくろ」は小町さんに差し上げた。また取り寄せて作ればいいだけだし。小町さんも便利な袋が手に入ったと大喜びしていた

 

「じゃあ後はこれをあたいがちゃんと送っておくね」

「よろしくお願します」

「しかし、あんたは人間なのに凄いよ。よかったら死神の仕事に就いてみないかい?」

「はは。遠慮しておきますよ。まだ生きてやることがたくさんあるのでね。それではこれで」

 

俺は小町さんと別れようとしたが

 

「お待ちなさい、人間。いや木戸真聡」

 

すると後ろから誰かが声をかけてきた。振り向くと

 

「し・四季様!?いらしていたんですか?」

「四季様?」

「あたいの上司にしてこの幻想郷を担当する閻魔様だよ」

「閻魔様?この方が?」

 

何とここで閻魔様が現れた。正直俺にイメージとは非常にかけ離れていたが、しかし彼女からあふれる力は凄まじいものだった

 

「四季様。この男に用があるようですが、一体なぜ?」

「・・・ここでは少しあれです。小町、あなたの能力で三途の川の岸に連れて行きなさい」

「三途の川の岸にですか?いったいなぜ?」

「早くしなさい。さっき寝ていた罰を与えますよ」

「りょ・了解しました!!」

 

すると小町さんの能力で三途の川の岸に移動した

 

 

~三途の川・岸~

 

小町さんの能力であっという間についた。この人もテレポートの類が使えるようだ

 

「それで、私に何の御用でしょうか?閻魔様?」

 

とはいうものの、俺は何となく内容は察していた

 

「私は貴方に言いたいことがあってきました。あなたは人間なのに少し、いやあまりにも力を持ちすぎています」

「・・・・・・」

 

予想通りだった。そして閻魔は話を続けて俺は黙って耳を傾ける

 

「古来より人間は妖怪よりも弱い存在。幻想郷では最も力が強い存在でなくてはならない。だからこそ妖怪や妖精がここで生活することが出来る」

「・・・・・・・・」

「しかし、貴方はそれを逸脱し過ぎている。吸血鬼や鬼にも真正面から挑んで勝利を収め、紫でも手出しができない西行妖の力ですら弱めて見せた。更にあなたは人里に住む妖怪たち以外とも友好関係を築き、まるで恐れていない。こんな人間は今まででも前例がありません」

「・・・・・」

「そしてそれでもまだマシなのです。私には感じます。世界を終焉へと導く大陸の化身、始まりへと還す大海の化身、天空を統べる星の守護神たる龍神。時空を創造した神々に、世界中を焼き滅ぼす炎と雷の力を秘めた龍、また生命を破壊したり反対に蘇らせる・・・他にもまだあるようですが、いずれも神々にも匹敵する力を持った存在の力を宿すことが出来る。そしてこれでも貴方はまだ発展途上。末恐ろしいものです。実際一度幻想郷を滅ぼしかけましたしね」

「・・・やはり閻魔様にはあの時のこともご存知なのですね」

「ええもちろんです。時間を巻き戻したとしても、犯した罪は消えません」

「それは承知しています。私もあの時の罪から逃れる気はありません」

「貴方の本質は善人そのもの。善行を積んでいるのも事実です。しかし罪も大きすぎる。このままでは間違いなく地獄行きです。しかも相当重い場所に」

「・・・・・・・・」

 

と閻魔様から直々に言われた。俺はしばらく黙った後に言った

 

「では俺はどうすればいいんですか?」

「もう二度と幻想郷にどんな危機が襲おうとしても立ち向かわずにいること。そして普通の人間として過ごす。それだけです」

「・・・・・・・・」

 

俺はしばらく黙り込んだ。正直どれも正論だし、俺は罪を犯しすぎている。それはわかっていた。しかし

 

「ですが、私はこれからも人里やみんなを守るために力をふるう気です」

「なぜですか!?今の話が理解できなかったというのですか」

「いえ。理解はしています。しかし私はこれからも人里の人々たちをはじめとした人達を守るために戦うと言っているんです。私は現世では不治の病で家族や友人たちをはじめとした多くの大切な人たちに迷惑をかけてばかりでした。その人たちが大変なことになっても俺は何もできなかった。言葉すらまともに出せなかった」

 

しばらく黙ったが俺は口を開く

 

「しかし俺にはどういうわけか、また再び生きることが出来て更に力も授かった。確かに危険なところもあるが、人を守る力も持つ。それが私の持つ「ポケットモンスター」という力。ここには現世での人たちはいませんが、せっかくまた授かった命と力。俺は守るべき者たちを守るために使わせてもらいます!!」

「貴方は己の危険性と危機をよく理解していないようですね。罪からは逃れられませんし、このままだと地獄行きですよ!!」

「先ほど申しましたが、俺は逃れる気はありません!!生きているものたちの償いは自分が生きていないと出来ない。俺は自分の命が尽きるその日までは危機が迫ったら戦います。そしたら地獄にでも何でも行きましょう!!」

「もはやあなたには何を言っても無駄なようですね。いいでしょう。ならばこの私が直々に貴方を地獄に連れて行ってあげましょう」

 

すると強烈な気があふれ出した。周りの風景も変わり始め、結界が張られる。小町さんはすでに結界の外に出ていったようだ。おそらくこの閻魔を倒さない限りは「テレポート」をしても逃れられないだろう

 

「貴方はどうあがいても「黒」です。覚悟なさい!!」

「「黒」ですか。ならば私は「白」といきましょうか」

 

俺は今はどういうわけか力が溢れてすぐに使えるようになっていた。精神状況も関係するのだろうか?俺は力を込めると

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

「!?」

 

するとこの結界の中を超高温の巨大な炎が覆い始める。それは地獄の灼熱地獄をも凌駕しかねないほどに

俺は閻魔相手に抗うことになった

 

自分の中にある「理想」と「真実」を信じて

 

 

 


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