携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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後半になっていきます


六日目:漸くの出会い

今俺は風見幽香との激しい戦闘を繰り広げていた。今のところは接近戦では俺、遠距離戦では幽香さんが優勢だった。しかしこのままでは埒が明かないし、弾幕で少しづつ被弾し始めてダメージが蓄積していた。俺は自分で編み出したある技に打って出た

 

「ハイドロポンプ!!」

 

ボーマンダがタマゴ技で習得する高圧水流を放つ技を発射した。しかしある程度は光弾を貫通しても途中で相殺されてただの水しぶきに変わってしまう。しかしそれでもひたすら連射した

 

「芸がないわね。さっきからそればかりだけど、どうしても私を濡らしたいのかしら?」

 

と言っていたが、幽香は少し違和感を覚えていた。幽香は再び「マスタースパーク」を発動しようとするが、途中で幽香の体に異変が起こる

 

「ガ・ガフ!!こ・これはまさか、毒!?」

 

上手くいったようだ。俺はあの「ハイドロポンプ」に猛毒にする技「どくどく」を混ぜておいたのだ。「どくどく」はコイキングなどの一部の技マシンの技が使えないポケモンを除けばすべてのポケモンが覚えられる非常に汎用性が高い技なのだ。どくタイプに限らず、弱点とするくさとフェアリータイプも例外ではない。毒とは無縁のポケモンでも使える謎の技なのだが、俺はおそらくほとんどのポケモンには扱える量には差があっても、体内に何かしらの毒を形成しているのではないかと思ったのだ。そこで俺は水タイプの技に猛毒液を混ぜた技を編み出したのだ。さっきのはいわゆる「猛毒のハイドロポンプ」である。俺は少しだけ威力を弱めて、光弾と相殺させた。そしてそれを水しぶきに変えて地上と幽香に降らすことで、広範囲に毒水を雨のように降らせて、相手を確実に毒に侵すことが出来るのだ。直接当てるのと比べて即効性に欠けるが、少しずつでも塵も積もれば毒の量は確実に蓄積して、体を犯し続ける。相手は毒で動きが鈍った。俺はここぞとばかりに大技を仕掛ける

 

「りゅうせいぐん!!」

「そして「流星のドラゴンダイブ」!!」

 

俺は大量の隕石エネルギーを落として更にそれを纏って「流星のドラゴンダイブ」で攻撃した。カイリューより速度が劣るが、その代わり、パワーは少し上回り、ボーマンダが持つ強力な爪を使うことで鋭さが加わる。俺は全力で攻撃した

 

ズッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!!!!

 

以前妖々夢で使った時は直撃させなかったが、今回は直撃させた。手を抜いたら絶対に勝てない相手だったからだ。その破壊力は紅魔郷で使った時のものを遥かに凌ぐ威力だった。結界もこれには耐えきれずに破壊された。しかし、結界の外で被害はほとんどなかった。おそらく太陽の花畑に被害が及ばないようにするためだろう。この結界があったという理由も大きかった

 

俺は今のうちに逃走を図った。これ以上やると双方の被害は大きくなる一方だ。これでは死なないだろうし、おそらく自身に防御結界のようなものを張っていただろう。俺は大急ぎで退散する。そして案の定

 

「ツインスパーク」

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

「!?」

 

なんと「マスタースパーク」を二つ同時に放ってきたのだ。俺は慌てて地面に急降下して回避する。そしてすぐにフーディンに代えて「テレポート」で脱出した。たとえ防御結界を張ったとしても相当なダメージが入ったのにもかかわらず、あんな大技をすぐに放ったのには驚きだ。俺の考えは正しかったようだ。あのまま続ければ幻想郷そのものが危なくなりそうだなとつくづく思った

 

「・・・・・・・ふう・・・」

 

幽香は俺が避けたことは当然気づいていた。真聡の予想通り防御結界を張っていたが、甚大なダメージを受けてはいた。しかし彼女はまだ戦える状態だった

 

「逃げられちゃったか・・・」

 

そして少し物足りない表情をしながら帰っていった

 

 

~魔法の森~

 

俺はあそこからかなり離れている霧の湖付近の魔法の森にテレポートをした。俺は簡易基地を作り、キズぐすりで傷を治療して、木の実とあらかじめ作っておいた料理を食べた。そして「おいしいみず」を飲んで今日は休むことにした

 

翌日俺は昼間まで休んでから出発した。もちろん行先は太陽の畑とは別の方向だ。俺は今日も霊を見つけたら回収をしながら上空を移動する。するとやがて今度は彼岸花に覆われた場所を見つけた

 

 

~再思の道~

 

周りは彼岸花の赤でいっぱいだった。なんだかどこか物悲しい雰囲気がする場所だ。しかし不思議と生きる気力が湧いてくる場所でもあった。この彼岸花の力なのだろうか。とりあえずここにいる霊たちも捕まえながら進んでいく。しばらくすると誰かが寝ているのを発見する

 

「グーグー・・ZZZ・・・・」

「・・・寝てるな」

 

するとそこには赤髪のツインテールをした女性がいた。服装は半袖で腰巻をした青い着物のようなロングスカートを着ていた。そばには大きな鎌があった。この時ふと思った。ゴーストタイプに似た力を感じており、この鎌からしてもしやと思った。俺は体を揺さぶって起こそうとするが起きない。俺は仕方なくフシギバナになって「なやみのタネ」を発射した。すると

 

「ハッ!!あれ?急に全然眠くならなくなったような」

「あのーすみません」

「うわ!!驚かさないでおくれよ」

 

と言ってその人は起き出した。どうやら眠気は一気に吹き飛んだらしい

 

「一つお聞きしたいのですが、あなたは死神ですか?」

「ああそうだけど。お前さんはあたいに何の用があるんだい?」

 

俺はようやく死神と出会うことが出来たのだった

 

 




幽香は別に異変に関わっているというわけでもないので、被害が広がるのを防いだり、消耗を減らすためにここは撤退させました

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