携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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人里にて

~上空~

 

今俺はオンバットの能力を使って森の上空を飛行している。とりあえずあの少女が言っていた方向に向かっているのだが・・

 

「もうほとんど夜だ。早く人里を見つけないと・・・ん?もしかしてあれか?」

 

ようやく人が住んでいそうな集落を見つける。少女の言っていた方角で間違いはなかったようだ。ひとまず安堵し、迷わず人里へ向かった

 

 

 

 

~人里の周辺~

 

いきなり空から来たら不審がられるかもしれないので、人がいない少し離れた場所に着地した。そしてそのまま人里に入った。もうすっかり夜になっていたが街灯には明かりが灯って明るかった。周りの建物や住人の服装もひと昔前の日本のような雰囲気が漂っていた。そのせいか今の自分の格好はかなり珍しいようで周りからじろじろ見られている視線を感じた。そう思っていると突然めまいがした

 

(!?)

 

そして膝を地面に着き、そのまま崩れるように地面に倒れてしまう。どうやら生まれて初めての戦闘の影響で体力を相当消耗していたようだ。しかも先ほどの戦いで相手の攻撃によって少し傷を負っている。立ち上がろうとするものの力が入らず、そのまま意識を失ってしまった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~??~

 

目が覚めると自分は布団の中にいた。内装は和風で下には畳が敷いてある。どうやら生き倒れになった自分を誰かが介抱してくれたらしい。傷口も治療してくれたようで包帯が巻かれていた。傷はまだ少し痛むが体力はだいぶ回復していた。近くに自分のバックが置かれていた。真聡はそこからオレンの実を取り出し食べた

 

(初めてだけど甘くて美味しい。みかんに近いけどあれよりもさらに甘みがあるな)

 

しかも食べると体力が回復し、傷も癒えてきた。もう一つ食べながら

 

(まずは自分を介抱してくれた人にお礼を言わないとな)

 

と思っていると、ふすまが突然開いた。

 

「・・・・あっ、目が覚めたようだな。体調はどうだ?」

 

すると女性が現れた。容姿は青みがかかった長い銀髪にワンピースのような青い服を着ている。ここだけの話だがかなりの美人である。そう思いながら訪ねてみる

 

「あの、あなたが俺を介抱してくれたんですか?」

「いや周りにいた住人達が倒れている君を介抱してくれているところに私が通り

かかってそのまま私の家に君を運んだんだ」

(じゃあ後でその人たちにもお礼を言わないとな)

 

そう思いながら何にせよ助けてくれた恩人であることには変わりはない。だから俺は精一杯の感謝の気持ちを込めてお礼を言った。女性は「気にするな」と笑ってくれた

 

「私は上白沢慧音。人里で寺子屋を開き教師をやっているものだ。ところで君は傷も負っていたし、ここ最近では見ない顔だけど一体どうしたんだ?」

 

と女性は自己紹介をしたあと俺に訪ねてきた。この人は慧音という名前のようだ。とりあえず俺は自己紹介とここまでの経緯を正直に話した

 

    少年説明中・・・・

 

説明が終わったあと、慧音という少し黙った後に女性はこういった

 

「事情は分かった。そして真聡君でいいのかな?やはり君は外来人なんだな」

 

と言ってきた。それに対して俺は

 

「あの時に俺を襲ってきたやつも言っていましたが外来人というのは一体何なのでしょうか?そしてこの世界についても教えてくださいませんか?」

 

慧音さんはしばらく間を置いたあと

 

「ここは幻想郷と言って妖怪や妖精、神などの外の世界で忘れ去られた者たちが集う場所だ。そして君みたいに外の世界から来た者のことを外来人というんだ」

 

と答えてくれた。そして「幻想郷」という言葉でピーンときた。自分が現世にいたときに友人が好きだったゲームに、確かそういう言う名前の世界のゲームがあったことを思い出した。そのゲームについて教えてくれたのはだいぶ前のことになるが、そういえばこの女性も昨日出くわした少女もその時に見せてもらったキャラクターの中でいたような気がした。

そして俺はこの世界は幻想郷、つまり『東方project』の世界であることに気づいたのである

 




慧音の口調はこれでよかったのでしょうか?

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