携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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萃香戦です。萃夢想はシューティングとはまた違うので少し手間取りました


VS伊吹萃香

~とある平原~

 

「さーてやろうか!」

 

と萃香は腕を鳴らして殴りかかるが

 

「バレットパンチ」

「!?」

ドドドドドド

 

目にも止まらぬ、正に弾丸の如きスピードの拳が萃香の腹にヒットする。が

 

「速さには驚かされたけど、重みが足らないね」

(威力が低い技とはいえ、直撃したのにあまり効いた様子はないか・・。流石は鬼といったところか)

 

でも今のはほんの小手調べ。俺はまた一気に近づき、拳を突き出す

 

ドカ

「ふん!軽いね、この程度」

 

と余裕で受ける。でも俺は懲りずに二撃繰り出す

 

ドカッドカ!

「!?」

 

萃香は違和感を覚え始める。殴るたびに拳が重くなっていくからだ

 

ドゴ!!

「!!ちっ」

 

これ以上受けるべきではないと判断して距離を置く萃香。しかしそれは波導で読み取っており、萃香の腹に「はっけい」を打ち込んだ

 

「カハ」

 

スマブラのルカリオのように強烈な波導の衝撃波をもろにくらった。しかも

 

「攻撃する度に拳が強力になる技か。面白い技を持っているねぇ」

「ほう。気づいていたか」

 

最初の連撃の正体は「グロウパンチ」である。技名のグロウは成長するという意味の英語。威力が低いが、一撃当てるたびに攻撃力が上昇する技だ

 

「でもその程度で鬼である私を倒せると思わないでよね」

 

符の壱「戸隠山投げ」

 

すると、どこからからか岩が集まってやがて巨石となった。それを軽々と片手で持ち上げて、投げつけてきた。俺はそれを向かい打つ

 

「おお、「はどうだん」!!」

「!?」

 

すると真聡は先ほど博麗神社で発射されたものよりも更に大きな「はどうだん」が放ったのだ。そして岩と「はどうだん」はぶつかり合って相殺と思いきや・・・

 

ドッカーン!!

 

破壊した後も萃香に迫ってきたのだ。慌てて回避しようとするが、追尾機能もあるこの技をかわすには至らずに命中した

 

「そっちこそ、その程度で俺を倒せると思わないことだな」

「っ、やってくれるじゃない!」

(あの時はルカリオの波導だけで放ったからな)

 

俺は修行中にあることに気づいた。俺は波導を習得して以来も毎日鍛錬したおかげで、ますます洗練された。いろいろなポケモンの力でも自分自身の波導が使えるということは、戦闘をより有利にすることが出来た

では元から波導を操ることが出来るポケモンを宿した場合はどうだろうか?その答えはルカリオが持つ波導の力に自分の波導が付加されるということだ。ルカリオと比べれば自分は半分ほどだが、50%でも足せば150%の力を発揮できる

そしてポケモンの能力も洗練すればするほど強くなる。レベルアップのようなものだ。その中でもルカリオの力を宿した時は、洗練してさらに強力になったルカリオの波導に自分自身が成長した波導の力も加えられる

 

つまりルカリオを宿すと「自分自身の成長」が最も強く反映されるのだ

 

ルカリオの波導に自分自身の波導を加えた一撃は凄まじいものとなる

 

「はああああああ!!」

ズドドドドドド

 

俺はド〇ゴンボ〇ルのベ〇ータお得意のグミ撃ち、もとい連続エネルギー弾の要領で「はどうだん」を連射した。威力と追尾性能は劣るが、その代わり弾速が非常に速くなり、連射が利くようになる。更に自分の波導を合わせることで、一つ一つが不一致「はどうだん」くらいの威力は出せた。俺の猛攻は凄まじく萃香もかなり苦戦しているようだ

 

「ちい。鬱陶しい技だね。ならこれはどうかな?」

 

符の弐「坤軸の大鬼」

 

すると萃香は上空に飛んでいった。俺は上空を警戒して待つ。すると

 

「!?、やばい」

 

ドッスーン!!

 

すると上空から巨大化した萃香が降ってきて踏みつぶそうとしてきたのだ。回避できたが、もしくらったらペチャンコになってしまうだろう。クレーターも出来ている。そして絶え間なく跳躍を続けて連続で踏みつけようとしてくる

 

ドスーン!ドスーン!ドッスン!

 

平原は穴ぼこだらけになっていく、でももう慣れた

 

ドッスーン!!ヒュン・・・

「本家スマブラ式・かげぶんしん」

ドゴオ

「カハ」

 

妖々夢の時はエルレイドで行ったが、今回は本家のルカリオで行うカウンター式の「かげぶんしん」がうまくヒットした。そしてそれをくらって体勢が崩れた萃香に「とびひざげり」を叩き込んだ

単純な威力では「インファイト」をも上回る一撃に、萃香は大きなダメージを受けた。しかしさすがは妖怪、いや鬼といったところかタフネスは凄まじく、まだまだ倒れそうもない

 

「これは本気でやらないとまずいね」

鬼神「ミッシングパープルパワー」

「!?」

 

すると萃香が巨大化した上に弾幕まで放ってきたのだ。そして萃香自身もパンチとキックの応酬が始める

 

ズシーン。ズッドーン!!

「くそ!!」

 

俺は「しんそく」を駆使して敵をかく乱する作戦に打って出る。相手も目に映すことも困難な神速の速度には手を焼いているようだ。そして少しずつではあるが着実にダメージを与えていく

 

「地上に関しては天狗よりも早い。厄介な技だ。じゃあこれならどうかな?

符の参「追儺返しブラックホール」

ギュオオオオオーー

 

するとブラックホールが発生する。強烈な吸引力で機動力が大幅に低下してしまい、弾幕が直撃してしまう

 

「くそ!「まもる」!」

 

俺は「まもる」で何とか凌いでいくがこれではいつか破られる。俺は一旦エルレイドに替えて「テレポート」で上空へ移動する。そして落下時の重力、更にブラックホールの吸引力を利用した「インファイト・斬」を叩き込む

 

ズバババババ・・・・

 

凄まじい斬撃の乱舞が襲い掛かる。とにかく俺は攻めて攻めて攻めまくった。萃香もこれには防御体勢をとるが・・・

 

「ふふ、こんなに楽しい戦いは久しぶりだよ。だが」

 

萃香は力ずくで跳ね除けて、俺は空中に投げ出される。萃香の巨大な拳が迫る

 

「まずい!」

 

俺は「テレポート」で地上に脱出する。そしてもう一度ルカリオに戻り

 

「きんぞくおん」

ギギギーーーー

 

強烈な金属音が萃香にの耳に響き、彼女は思わず耳をふさいだ。これによりとくぼうが二段階下がった。そして

 

「おおおおおお!!「はどうだん」!!」

 

俺は限界まで波導を溜めて、最高の威力の「はどうだん」を発射した。その大きさは巨大化した萃香の拳にも勝るとも劣らない大きさだ

 

「いい一撃だけどね・・・なめるなぁーーー」

四天王奥義「三歩壊廃」

 

すると萃香は渾身の力を込めたパンチを叩き込んだ。しばらく拮抗したがやがて押し負ける。そして

 

ズッドォーーーーーーーーン!!!!

 

とてつもない轟音が鳴り響く。あまりの威力で平原は大きく陥没してしまった

 

ゴオオオオオオオオオ・・・

「終わったね。殺すのは惜しい相手だったが、全力の勝負の末のことだ。仕方がない」

 

と言って去ろうとしたが

 

「・・・・待てよ」

「!?そんな!あれを直撃してどうやって耐えたんだ?」

「気合で「こらえる」を発動してギリギリ踏みとどまったのさ・・・」

 

俺は命中する直前に「こらえる」を発動させてギリギリで踏みとどまった。だがはっきり言ってもう虫の息。次に攻撃をくらったら今度こそお終いだ

 

「その状態にまで戦う気概は認めるが、もうお前に勝ち目はない。素直に負けを認めれば命は取らんこともないよ」

「・・・・・・・・・・」

 

正直俺はどうしてここまでして立つのかがよくわからなかった。でもしばらく経つにつれて、その答えがわかった気がした

 

「・・・俺は現世でたくさんの悔いを残して死んでしまった。しかしどういうわけかまた生きることが出来て、新たな力を授かった・・・」

 

傷だらけで苦しいが、俺は言った

 

「あの時とは違って、俺には力がある。お前を倒すことだってできる力もな。まだやれることがあるのにやらないで後悔するよりは・・・・」

 

「やって後悔した方がマシだ」

「・・・たとえ死んだとしてもか」

「死ぬのは一度経験している。やれることやった末の結果ならまだいいさ」

 

俺は大きく息を吸う

 

「覚悟しろよ!!俺の全力はまだまだこんなものじゃない!!!」

 

するとそれに呼応したかのように

 

ゴオオオオオオオオオ!!

「!?」

 

俺の体の周りに膨大な波導の力があふれ出した

 


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