携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
~冥界~
「ふう。何とか撃破したか。しっかしこれもまた想像以上の威力が出たな。直撃は避けたし、地面には激突せずにしたというのに衝撃波だけでこれか・・・」
俺はあの時、扇子の結界を破壊した後は勢いを急速に緩め、地面には激突せずに急上昇させた。スピードが乗っていて難しかったが冥界の地面への直撃は避けれた。さもないとこの白玉楼を階段のある場所まで丸ごと消滅しかねないからだ。山を片腕一本で破壊する怪力を持つポケモンと同等のこうげきだ。以前考察したように純粋な腕力ではそこまでなくとも、それに匹敵する破壊力を出せるかもしれないのである。腕力と破壊力は別の話なのだから
しかしそれでも衝撃波だけで周辺の木はほとんど吹き飛び、大地が抉れてしまっていた。おまけに「りゅうせいぐん」であちらこちらに大きなクレーターが出来てしまった
「こりゃまた修復作業かな・・・伝説のポケモンの力が使えればいいのだが」
これでも一応出来なくはないところまでは強くはなれた。ただそれを宿すにはかなり時間がかかる上に宿せる時間はごくわずか。体力の消費も激しい。禁止伝説クラスは宿したことがないがもっと難しいだろう。正にここぞというときの切り札なのだ
「さてと」
俺は西行妖の元に向かった。改めてみると本当に不気味な桜だ。いくら直撃しなかったとはいえ、ほんの少し傷を負っただけで平然と立っていた
俺はネイティオになり、過去を見ようと手に触れる
「くっ。す・・凄い力」
手に触れた瞬間禍々しい妖気が伝わってくる。気を抜いたら倒れてしまいそうだ。しかし俺は何とか過去を見ることが出来た。そして分かったのである。この妖怪桜に封じられているものは
「西行寺幽々子本人の亡骸・・・」
と思っていると・・
ズズズズズズズズ
「!?こ・これは!!」
なんと西行妖が倒れた幽々子に取り憑き始めたのだ。そしてたまっていた力を放出するように木の根まで動き始める。そして俺を捉えようとし始めた
「まずい!「テレポート」!!」
俺は急いで離脱した。しかし根がすぐに追いかけてきた。俺はリザードンの力を宿して「かえんほうしゃ」で焼き払った。しかししばらくしたらまたすぐに再生する
「このままじゃやばい、どうすればいいんだ!?」
すると
「おーい真聡!!」
「!、魔理沙!!霊夢に咲夜も!!」
すると霊夢と魔理沙、そして咲夜がやってきた。これはありがたい
「無事だったか」
「まあな。だけど今は・・」
「・・・相当やばいことになっているようね」
西行妖は見る見るうちに力を付け始める。このままでは幽々子の亡骸が解放されて「死」の力があふれ出てしまう。そうなれば幻想郷にまで広がって死の世界になってしまう
「とにかく止めるぞ!!」
「おう!」
「「わかったわ!!」」
俺たちはいっせいに西行妖を攻撃した
「だいもんじ」!!
「夢想封印・集」!!
「ノンディレクショナルレーザー」!!
「ジャックザリッパー」!!
しばらくは押していくが根を破壊してもまた再生する。しかも本体には大量の根と桜の結界でなかなかダメージが通らない
「このままじゃ埒が明かない。私が根を一気に破壊するから、お前らは本体を一気に攻撃してくれ!!」
「「「わかった(わ)」」」!!!
「これでもくらいな!「マスタースパーク」」!!
魔理沙は極太のレーザーを発射した。あれから修行をしてきて威力は格段に上がっていた。そして根と結界を一気に破壊した
「今だ!!」
「オーバーヒート」!!
「二重結界」!!
「殺人ドール」!!
ドッカーン!!
三人の渾身の一撃が本体に直撃した。黒い煙が立ちこもる。俺は下がったとくこうを直すために「スペシャルアップ」で回復した。ダメージは確実に通ったが・・
「くそ!!まだ足りないか!!」
それでもまだまだ余裕を持っていた。しかし俺たちはあきらめずに攻撃するが
(このままじゃ先にこちらが消耗しきってやられてしまう・・・)
そうしていると
「はあああああ!!」
ズバババババ!!
妖夢が現れて根を一斉に切ったのだ
「お前は!!」
「私も助太刀します。それに私だけではないですよ!!」
「何!?」
結界「夢と現の呪」
すると大量の弾幕がどこからともなく発射された
「あなたは・・」
「紫!!」
そこに現れたのは八雲紫だった