携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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記念すべき?この小説の初登場を飾る東方キャラ、ルーミアが出てきます


人ならざる者との初めての遭遇

ザァーザァーと風が吹く音を除いて今少年と謎の少女との間に深い沈黙が支配していた

真聡は注意深く少女を観察する

 

(見た目はあどけなさを持ったかわいらしい少女だな。俺はロリコンなんかじゃないけど正直ここまで可愛い少女は見たことはない。ただ・・)

 

この子の持つ気配は人間のそれとは違う。どこか異質で危険な雰囲気がする。そう思っていると

 

「ねぇ、あなたは人里に住んでいる人間なの?」

 

と少女は聞いてきた。緊張はしたがここは正直に

「俺は人里の場所は知らない。ここがどこで何という場所なのかすらわからないんだ」

と応答して

 

「ふーん」

 

と彼女は言った

 

(とりあえず人里というからには恐らく人間が住んでいるんだろう・・・。ここはひとつ場所の方向だけでも聞いてみるか)

 

と彼は意を決して訪ねてみる

 

「俺はその人里という場所に行きたいんだ。方向だけでいいからは教えてくれないかな?」

 

すると

 

「ここから南東に行けばあるわよ」

 

と方向を指さしながら教えてくれた。本当かどうかはわからないが何も手がかりがなく闇雲に行くよりはマシだ。それに飛行できるポケモンの力で空を飛び上空から見ればわかるはず。尤もまだ試したことがないのだが。とりあえず俺はお礼を言い、その場を立ち去ろうとした。すると

 

「あなたってもしかして外来人なの?」

 

と聞いてきた。外来人とはどういうことかはわからないが

 

「少なくとも俺はここに来たことは今日までない。だから君の言う通り俺は外来人なんだろうな」

 

と答える。

 

「そーなのかー」

 

とどこか間の抜けた受け答えをした。すると突然雰囲気が変わり

 

「じゃあ目の前にいるのは取って食べれる人類なのね」

 

といった直後彼女はとびかかってきた。何とか交わしたが彼女は獲物を狙う獣のように赤い瞳をこちらに向ける。おそらく彼女は人食いなのだろうとこの時悟った

その後彼女から逃げ切るために相手の追跡を交わしながら走っていく。この時俺はあることに気づく。それは自分の身体能力が格段に良くなっていることだ。元気な時でもこんなに動けたことはなかった。そしてある仮説を立てる

 

「俺が目を覚めた時に力が満ちるような感覚はただ単に健康になっただけではないんじゃ・・・」

 

という思考に至った。そして俺はさらに力を込めて全速力で走ってみた。するとすごいスピードで走れた。アニメでサトシが「こうそくいどう」を発動した時のように。そしてその時、自分の身体能力はマサラ人をはじめとしたポケモンの住人クラスにまで強化されたということに気づいたのである。このままいけば逃げ切れるかもと振り向かずに全速力で走った。・・・だがそれがいけなかった。突然後ろが光り出し、振り向くと光弾が俺に迫ってきた。

 

「何だこれ?クソッ」

 

とっさに横にとび直撃は避けれたが爆風で少し吹き飛び、近くに木にぶつかってしまう

痛みをこらえて目を開けると、先ほどの少女が空中に浮いてこちらを見ていた

 

「ねえあなた本当に人間なの?私が飛んで弾幕を打たないと追いつけないだなんて。こんな人間は初めてだわ。・・・まあだからこそますます食べてみたいんだけど」

 

少女は恐ろしげに言う。とてもではないがあの幼い姿からは想像がつかないほどに

真聡は

 

「このままじゃ俺は食われて彼女の胃袋の中で一生を終えることになってしまう。せっかくまた生きることができたのに、こんなにあっさり一生を終わるなんて絶対嫌だ。」

 

こうなるとやることは一つ。それは彼女と戦うことだ。まともにやればいくらマサラ人並の身体能力を手にしても、喧嘩もまともにしたことがない自分じゃ到底勝てない。だが自分には与えられた能力がある。さっき修行して強くなることは決めたばかりではないかと自分に言い聞かせる

 

「どうするの?このままたべちゃってもいいのかしら?」

 

という問いに俺は立ち上がり、そして

 

「俺はこんなところで簡単に食われるような人間ではないよ」

 

と言い真聡はピカチュウをイメージする。そしてバリバリと電気が周りにあふれ出した

 

(正直人生初の戦いがこんな相手だとは思わなかったな)

 

戦闘経験はろくになく負ければ死が待っている状況ではあるが、今まで味わったことのない謎の高揚感に体が支配されていることを感じた。具体的な理由はよくわからない。しかしこれだけはわかった。それは闘病生活の時の自分では絶対に味わえなかった

 

敵と戦うという

今までにできなかったことの一つを今やろうとしている

 

ということである。その高揚感に呼応するようにエネルギーがますます強くなり、彼は生き延びるため、そして強くなるために未知なる敵に戦いを挑むのだった

        




ルーミアは一応二次創作でよく見る「~なのだ~」という口調ではなく、原作を意識した口調にしたつもりですが、いかがだったでしょうか。次は初めてバトル描写を書くので緊張していますが精一杯書こうと思います。
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