携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
~図書館~
俺は今図書館でテーブルに座っている。するとレミリアが
「図書館の泥棒を捕まえたそうじゃない」
「あの後魔理沙さんはどうなったんです?」
という小悪魔の問いに対して俺は
「一応所長さんのところに届けて説教してもらってます。あの人の説教は長いからきっと相当絞られるでしょうね」
「そう」
「でもあいつなかなか懲りないからな~。また盗まれたときは言ってくださいよ。いつでも取り返してあげますので」
「その時はお願いするわね」
「あの~そういえばあの時使っていた黄金の輪っかは何なんでしょうか?」
「そういえばあの時それを使って取り返していたわね」
どうやらこの「フーパのリング」が気になるようだ
「これは「フーパのリング」と言う代物です。フーパっていう時空を歪めてこのリングからなんでも取り出すポケモンがいまして、これはそのリングを模して造られたようです。本物よりは力が弱いですが」
「そのフーパというのは何かしら?それとポケモンって・・・」
「・・・・!!そういえば確か・・・」
パチュリーさんは立ち上がり、ある本をとってきた
「ポケモンってもしかして、これのこと?」
「あ!そうです。それのことです」
パチュリーさんは初代ポケモンの赤・緑の攻略本を持ってきた
「ポケットモンスター・・・。つまり真聡はこの妖獣のようなものの力を扱えるのね」
「そうですね」
「真聡お兄ちゃん。このネズミみたいのは何?」
「それはピカチュウというポケモンで・・・」
俺はしばらくポケモンについていろいろなことを話した。タイプ、モンスターボール、どんなポケモンがいるのかなどを用意された紅茶を飲みながらひと通り話した
~少年説明中~
「なるほど。そういうのがあるのね」
「まあこれもほんの氷山の一角にすぎませんがね」
「ねえねえお兄ちゃん。そろそろフランと遊ぼうよ」
「おう。そうだな。何して遊ぶか?」
「弾幕ごっこ!!」
「わかった」
と言って俺はそれを了承する
「あの真聡様、あまり被害は・・・」
「わかってますよ。ちゃんと部屋の周りに「リフレクター」と「ひかりのかべ」を何重にも張っておきますから」
「その「リフレクター」と「ひかりのかべ」というのは?」
「結界のようなものです」
そう言って俺は新しいフランの部屋に向かった
地下ではあるが前よりも格段に明るくなっており、広さも十分だ
「準備完了だ!さあこいフラン!!」
「よーし。いっくよー!!」
こうしてしばらく修行を兼ねた弾幕ごっこが始まった・・・
~3時間後~
「ふう。腕を上げたじゃないか。フラン」
「お兄ちゃんもね。あ~楽しかった」
所々傷ついてはいるが修復できる範囲だし、フランもだいぶコントロールが出来る様になっていた。しばらく片付けていると
「真聡様。よければ夕食を召し上がっていきませんか?もうすぐ夕食時ですし」
「いいんですか?じゃあいただきます」
「私おなかペコペコ~」
俺とフランは汚れを落とした後、食堂へ向かった
~食堂~
「おいしいです!!」
「それはよかったですわ」
「うちのメイド長の料理の腕は確かなものでしょう?」
咲夜さんの夕食をいただいたが、どれもこれも実に美味い。肉の焼き加減、野菜の新鮮さやうまみを損なわずに生かされており、煮具合など文句のつけようがなかった。中でも驚いたのは
「これは俺が上げた木の実を使ったんですね!!」
「はい。木の実を使ったグリル、ソテーなどを作ってみました。辛い木の実はよい香辛料として使っております。クラボの実は唐辛子とは違う辛みがあってまた違う使い方ができますね」
「よければその調味料のレシピだけでも教えてくれませんか?」
「いいですよ」
こうして俺は料理に舌鼓を打ちながら堪能させてもらった。俺も一応料理はするけど、新たな使い方を発見できて勉強になった。最後はデザートにカイスやモモンなどを使ったパフェまで出てきた
こうして俺はすっかりごちそうになって、そのあと人里に戻ることにした
「今日はありがとうございました」
するとフランたちが
「いいのよ。こっちもいろんな話が聞けて楽しかったわよ」
「あのポケモンというのはずっと気になっていたからよかったわ」
「またお越しくださいね」
「あなたなら門をお通ししますので、いつでもどうぞ」
「図書館の本を取り返していただいてありがとうございました」
「真聡お兄ちゃん。またフランと遊んでね。次会うまでにはもっと強くなってるからね」
それぞれの見送りの言葉をもらい俺は人里へと帰っていった
~人里前~
「さ~てもう遅くなったしさっさと帰って寝るか」
と思って自宅へ歩いていくと
「・・・ん?」
~草むら~
「ウフフきたきた。よーしもう少しで来るぞ~」
草むらから誰かが真聡を狙っていた。何かを持って構えていた
「よ~し、せーのっ驚けーーーーーー!!」
といきなり少女が飛び出してくるが・・・
シュン・・
「え!?ちょっと、き・消えちゃった?」
「君何やってるの?」
「うっうわああああああ!!」
俺はあの時まだ少ししか感じられないが、波導で誰かがいることを察していた。俺はカクレオンの力を宿してあらかじめ「かげぶんしん」で分身を作って、そのあと透明化してこっそり後ろに回り込んだのである
「うう~うまくいくと思ったのに~。まさかこのわちきが驚かされるなんて・・・」
「ごめんごめん。ところで君はこんなところで何してたの?」
見た目は水色のショートボブに唐笠お化けのように一つ目と長い舌のある大きな紫色の傘を持っているオッドアイの少女だった。しばらくしていると
グゥ~
「おなかすいたな~」
どうやら空腹らしい
「よかったら飯食ってくかい?簡単なものでよければだが」
「いいの!?わ~い」
それを聞いたら元気になった。なんか面白そうな子だなと思った
~自宅~
「ふう。ご馳走様。おいしかったよ」
「お粗末様」
食べたらすっかり元気になった。この子は多々良小傘という妖怪で人を驚かすことが生きがいらしい。驚かせるとおなかが膨れるとのことだ
「最近では人里の人間たちも慣れてきちゃってなかなか驚かなくなったのよね~」
「そうか」
「特に前の紅い異変で恐怖に対してだいぶ耐性が付いたみたいで、ますます驚く人間の数が減っちゃったのよね。あの時は衝撃波に巻き込まれかけるし・・・」
「そ、そう・・・」
それに触れられると正直いつも後ろめたくなる
「ねえ?何かいい方法とかないかな?」
「う~んそうだな・・」
とりあえずしばらく一緒に考えてあげた。何かないだろうか・・・
「もう少しパターン増やしてみたら?あればかりじゃ飽きられそうだしさ」
「パターンかぁ・・・」
こうしてその夜はその話を始め、いろんな話で盛り上がっていた
~翌朝~
「う、うう~ん」
「よう!おはよう!昨日は寝れた?今朝食作ってるから待ってろ」
俺は朝食を作ってやり一緒に食べた。そのあと俺は仕事で出るのでそこで別れることにした
「あまり力になってあげられなくてゴメンな」
「ううん。いいの。ご飯はおいしかったし、あんなに人としゃべったのは久しぶりで楽しかった。ここまで私のことを一緒に考えてくれた人間は初めてだったよ」
と嬉しそうに語っていた
「真聡さん。わちきこう見えても鍛冶仕事がすごく得意でそれで生計を立ててるんだ。もし鍛冶仕事をしてほしかったら言いに来てね。真聡さんなら歓迎するよ」
「そうなんだ。じゃあその時はお願いするね。小傘」
人里に近づき
「じゃあ小傘。元気でな」
「うん。それと言い忘れたけど、昨日霊たちがここ周辺で何かやっていたのを見たんだ。だから気を付けてね」
「そうか。ありがとうな」
こうして俺と小傘は別れた。話してみるとなかなかいい子だった
(それにしてもここ周辺で霊たちが何かやってるのか。気になるな・・・)
ヒュウ~
と冷たい風が吹き始める
(もう春が近いというのにまだ寒いな)
しかしこれが異変の予兆だということをこの時はまだ知らなかった・・・
カクレオン NO.352 タイプ:ノーマル
色を変色させて周りの景色と同化して、透明になれるポケモン。ヒマワキシティでは透明になって主人公を通せんぼしており、ダイゴから「デボンスコープ」で正体を見破り、倒すか捕まえないと先に進めないイベントがある。特性は受けた技のタイプによって自身のタイプをその技のタイプになる専用特性の「へんしょく」
ポケダンシリーズでは店の店主役として登場する。ダンジョン内でも店を開いて売っている時があり、そこに置いてあるアイテムのお金を支払うと購入できる。ただし泥棒すると常に4倍速状態で何匹も集団で一気に襲ってくる。滅茶苦茶強いので泥棒はしない方が無難。しかしうまくそのフロアを脱出すると盗んだものはタダで手に入る