携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

22 / 123
決着の時

ドォーーーーーン・・・

 

大爆発による爆風が紅い空を覆う

そしてその中から俺は落ちた

 

(このまま水に落ちたらまずい。何とかあの小島に・・・)

 

俺は力を振り絞り宙に浮く、そして徐々に降下して小島に着陸した。大ダメージを受けてしまい、俺はそのまま倒れてしまう

 

「ウッ、ハアハア・・・やって・・くれるじゃない」

 

霊夢は何とか結界が持ち堪えたおかげで直撃は避けれたが、霊力を大幅に削ってしまった

 

(最初の方で防御結界のようなものを張っていたから、防御手段は持っていると思っていたけど、甘かったわ・・・。霊力も消耗してしまったし、これは本当に・・・)

 

まだ戦えはするもののかなり厳しい状況に陥ってしまった

それでもこの戦いには負けられない。そう奮い立たせながら再び宙に浮き、二人の前に向かうのだった

 

 

~紅魔館前~

 

「クソ!何をやってるんだ私は!」

 

と悔しそうな声を上げる少女がいた。魔理沙である。フランとの戦いに敗れ、魔力を完全に消費してしまった今の状態だと空を飛ぶことさえままならない

 

「私は何のためにここまで修行してきたんだ・・・」

 

己の無力さをただただ悔やむ。今に出来ることは霊夢と真敏を信じることしかできなかった

 

 

~霧の湖の小島~

 

「・・・してやられたな。まさか分身を作る魔力を残しておくとは・・・」

俺は紅い空を地べたで大の字になって見つめながらつぶやく

 

「バックは爆発でどこか遠くにとばされてしまった。あの時とっさにバッグに手を入れて、とったオボンのみが一つだけ」

 

しかし食べないよりはマシだと考え、それを食べて体力が少し回復した。でもなかなか立ち上がれない。相手も消耗しきってはいるとはいえ、2対1だ。いくら霊夢でも限界がある。だからなんとしても立ち上がらないといけない

だから俺は最後の力を振り絞り、リザードンのあの能力(・・・・)にすべてを賭けた

 

~上空~

 

「はあ、はあ・・・」

 

霊夢も懸命に戦ったがやはり人間であることには変わらない。攻撃にはどうしても霊力が必要であり、霊力を纏わなければ妖怪相手にはダメージを与えるのは難しい。そうなると素の身体能力で人間を遥かに上回る吸血鬼の二人の方が有利なのだ

 

「あなたとあの男は本当によくやったわ。でももうここで終わりにしましょう」

 

そしてレミリアとフランは弾幕を展開しようと魔法陣を出す

 

(万事休すかしら)

 

霊夢は今、正に絶体絶命だった

 

その時・・・

 

 

ピカ!!ボオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

すると後ろにとてつもない熱気が発生してそれは巨大な火柱となり、雲を突き抜けて登っていく。あまりの熱気に霧の湖が茹で上がり蒸発し始める

 

「な、なにあれ?」

「これは・・まさか!?」

「おおおおおおおおおおおおおお!!」

 

すると真聡は火柱から飛び出した。彼は最後の切り札とも言っていい力。リザードンをはじめとした歴代炎タイプの御三家のとくせい「もうか」を発動したのだ。ピンチの時にしか発動しないが、炎タイプの技の威力が上昇する特性である

 

「すまん心配かけたな」

「あんた、それは一体?」

「その話はあとだ。今はまずこの勝負を決めるぞ!!」

 

そして俺はスカーレット姉妹を見据え

 

「フラン、さっきの作戦は見事だったぜ。 完全に出し抜かれた。でももう一つ教えてやる。勝負は相手が完全に倒れるまでは油断するなということをな」

「ふふふ、本当にどこまでも楽しませてくれるわね。だからこそ・・・」

「この勝負は負けないんだから!!!」

 

すると二人は強烈な弾幕を同時に展開するが

 

「今までとはわけが違うぞ。「かえんほうしゃ」!!」

「「「!????」」」

 

すると今までとは比べ物にならない強力な「かえんほうしゃ」が放たれた。それは二人の弾幕をたやすく呑み込み焼き尽くしながら迫る。二人は間一髪で回避するが

 

「ウッ」

「あ・熱い!」

 

あまりの炎の温度で直撃しなくてもすさまじい熱気を肌で感じたのだ。その様子には霊夢も驚いていた

 

(まだこれほどの力を持っていたなんて、この男一体・・・)

 

一方ではレミリアは空中で

(このままやりあっては余計な消耗を増やすだけかも。ならば!)

 

 

「フラン!こうなったら今持てる力を最大まで高めて強烈な一撃を同時に放つわよ。いい?」

「わかったわ、お姉さま!!」

 

すでに夜は更けっていて紅い月が上っており、しかも満月。吸血鬼の力が最も強くなる時だ

 

「「はあああああああああ!!」」

 

レミリアはグングニルを、フランはレーヴァテインに膨大な魔力を込める。先程紅魔館で二人がぶつけ合った時よりもさらに強力な力を持っていた

 

「相手は一気に勝負をつける気らしいな」

「そうなるとやることは一つね」

 

そして俺はさらに炎の力をため込み、霊夢は最後の力を振り絞り霊力を最大まで引き出す

 

両者の最大限の力が今ぶつかり合おうとしていた。そしてこれが最後の一撃となるだろう

 

そして・・・

神槍「スピア・ザ・グングニル!!!」

禁忌「レーヴァテイン!!!」

 

そしてほぼ同時に

「猛火のブラストバーン!!!」

霊符「夢想封印!!!」

 

極限まで威力が強くなった槍と炎の剣と色とりどりの巨大な霊力弾の数々と超巨大な火炎がぶつかり合った

その衝撃と熱気は紅魔館はおろか霧の湖を全域すら余裕で飲み込むほどだった。今度は小細工なしの力と力のぶつかり合いだった

 

ズズズズズズ

 

どちらが勝ってもおかしくはない勝負。その勝敗の行方は誰にも予想できない

 

(くう、なんて威力だ。こっちも最強の一撃を放ってるというのに・・・

でも俺は負けるわけにはいかない。絶対に)

 

「勝つんだああああああ!!!」

 

するとそれに呼応するかのように炎の力は強まり、色も青白い炎へと変わった。更に巨大化し霊夢の夢想封印すら取り込み始める

 

「!?」

 

そして少しずつ押していき、やがて・・・

 

ズッ・・・ドオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!

 

両者の力の激突の末、四人の力が混ざり合った超巨大な青白い灼熱の炎が立ち昇っていった

 




リザードン   NO.6   タイプ:ほのお・ひこう

元祖初代炎タイプ御三家の最終進化形。全ポケモンの中でも知名度と人気はトップクラスであり、炎タイプのポケモンを代表すると言ってもいいだろう
口から吐く灼熱の炎はあらゆるものを溶かし、苦しい戦いを経験した個体ほど温度は高くなると言われている。しかし自分より弱いポケモンに炎を吐くことはしない誇り高い習性を持つ。高度1400メートルまで飛べるが初代赤・緑・青ではなぜか「そらをとぶ」を覚えられなかったが黄色版からはちゃんと覚えるようになった。第七世代ではサンムーンのみでは手に入らないのにも関わらず、ライドギアで「そらをとぶ」と同じ役割を持つ「リザードンフライト」のポケモンとして登場している。ちなみにその個体では図鑑に登録されない

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。