携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
~紅魔館上空~
「うわ~。実際に近くで見ると本当に派手にやってくれたわね」
その声の主はほかでもない博麗の巫女こと、博麗霊夢だった。
彼女は博麗神社の巫女であり、妖怪退治と異変解決のスペシャリストである。異変がおきたらそれを解決するために現場へ向かうのだが、今回は出発するのが遅れた。元々めんどくさがりのところもあるのだが今回はわけがあった
(紫に呼び出されてスキマから様子を見ていて、魔理沙からも強いことは聞いていたけどここまでとはね。
・・・まだ紫が言っていたように幻想郷に仇なす者かはわからないけど)
そう思いながら、彼女は紅魔館に乗り込むのだった
~紅魔館・廊下~
俺は今廊下を突き進んでいた。どういうわけか妨害がない。ネイティオの能力で過去を見てみるとどうやら魔理沙が蹴散らしていたようだ。そうしていると破壊された扉があった。おそらく魔理沙によるものだろう。俺はとりあえずその部屋に入った
~図書館~
「こりゃ凄いな。こんなにたくさんの本を見たのは初めてだ」
中には膨大な数の本があり、本棚だけでも数十メートルはあった。書斎というより図書館といった方がいいだろう。俺はとりあえず散策する。本には見たこともない字で書かれた魔導書のようなものや現世でも見たことのある本など様々だ。漫画まであった。しばらく歩いているとかなり荒れ果てた場所があった。少し焦げている。おそらく魔理沙が誰かと戦った跡だろう。すると近くに人影を見つける。とりあえず近づいて話しかけようとすると、その人影はこちらを振り向き目が合った。見た目は紅いロングヘアーの女性だ。見た目は悪魔っぽい。しかしその女性は俺を見つけたとたん固まってしまったようだ。しかししばらくすると
「ま、また侵入者ですか!?うう、パチュリー様は魔理沙とかいう魔女との戦いに敗れてしまってもう戦えませんし、やっぱり私が・・・」
(とりあえず魔理沙は勝ったんだな)
「ああ、俺は別に挑んでこないものには手を出さないからさ、いったん落ち着いてくれないか?」
「そ、そんなこと言って私を倒すおつもりでしょう?この小悪魔、我が主パチュリー・ノーレッジ様の為なら力は弱くても全力でお守り・・・」
「だから。心配しなくても挑んでこなければ俺は何もしないってば!」
(やれやれどうしたものか)
そう思っていると
「うう、いったいどうしたのよ小悪魔」
「パチュリー様!?来てはなりません。この人間は私が倒しますから!さあ覚悟し・・ってあれ?き、消えた?」
「お前がパチュリーさんか?」
「「!?」」
俺は小悪魔という人がパチュリーという人の方を向いている隙に「テレポート」で別の場所に移動したのだ。パチュリーという人は薄紫色の服を着ていて、三日月の飾りがついたドアキャップのようなものはかぶっていた。
「俺は木戸真敏。人里で自警団の隊長をやっているものだ。俺は確かにこの霧の異変を解決しにここに乗り込んできたけど、戦えないものにとどめを刺したりはしない。ひとまず話くらいは聞いてくれないか?」
「・・・・いいわよ。どちらにしろ今の状態だとあなたには勝てそうもないし」
どうやらわかってくれたようだ。そして俺は質問をする
「俺が聞きたいことは二つだ。一つはお前の主はなんでこのような異変をおこしたのか、二つ目はそいつは今どこにいるのかだ」
しばらく黙っていたが彼女は質問に応じた
「この館の主のレミィは吸血鬼でね、太陽の光が苦手なの。だから幻想郷を紅い霧で覆って太陽の光をさえぎってしまおうとしたの。そうすれば昼でも騒げるんじゃないかって言っていたわ」
「・・・そうか」
理由はわかった。しかしそれはなんとも自分勝手な理由だった。俺は静かに怒りを覚える
「それとレミィは上の階にいるわよ」
俺は魔理沙を追いかけるために過去を見て地下へと続く道に向かったが、やはり上に行く道がありそこにいるらしい。何にせよ、この館の主にきつい灸を据えてやらないといけない。魔理沙はきっと大丈夫だろう
「わかった。場所を教えてくれてありがとう」
そう言った後、来た道を戻り上へ向かおうとすると突如ズズズと地響きがした。
(今のは下からした。まさか魔理沙に何かあったのか?)
「あの、パチュリー様これってまさか」
「・・・ええ。まずいことになったわね」
「どういうことだ?」
「ここから更に地下の部屋にはね、吸血鬼でレミィの妹がいるのよ」
「もう一人だと?」
(まさかもう一人いるとはな。だが妙だ。どうして姉妹なのに姉は上階の部屋にいて妹は地下にいるんだ?日光が苦手でも家の中なら過ごせるはずだが)
「いったいどうしてここから更に地下の部屋に実の妹がいるんだ?」
と俺は聞いてみた。
「レミィの妹のフランことフランドール・スカーレットはあまりに危険な能力を持っていてね、だいたい495年かしら?地下に閉じ込めていたの」
「よ、495年もだと!?」
(500年近くも解禁してたのかよ。それが姉のすることなのか?)
「もう一つだけ質問する。その妹の能力っていったいどんな能力なんだ?」
「それは・・・」
~地下の部屋~
「あはははは。それそれ~」
フランは凄まじい弾幕を放ってくる。
(クソ、こいつはマジでやばいぜ。このままじゃやられてしまう!)
魔理沙は必死に抵抗してきたがもう体力も魔力も限界だった。魔理沙はここで賭けに出ることにした。
(一か八かだがこれしかない!)
魔理沙はミニ八卦炉をフランに向けて構えた。そして渾身の一撃を放つ
「くらえ!恋符「マスタースパーク」!!!」
そして強烈な極太のレーザーを放った。そのレーザーはフランを弾幕ごと飲み込んだ
「はあ、はあ・・・どうだ!」
そのレーザーは的確にヒットした。しかし・・・
「フフフ。今のは結構効いたよ。でもここまでみたいね」
確かにダメージを与えたが倒すには至らず。そして無情にも魔理沙の魔力はもう限界を迎えた
「あはは。きゅっとして・・・」
「まずい!!」
「ドカーン!」
すると魔理沙の後ろにあった扉が突然木端微塵になった。
「あれれ逃げちゃった。でも次はどうかな?」
それは魔理沙を狙っていたが間一髪で避けれた。しかしもう体力も限界寸前。正に絶体絶命のピンチだ
「クソ!こんなところで!」
魔理沙は悔しそうな表情を浮かべる。しかし次の瞬間、突然魔理沙に不思議な光に包まれた。まるで何かから守るように
そしてフランは能力をまた再び使おうとしていた。ところが
「あ、あれ?嘘!?なんで?どうしてあいつの目が捉えられないの?」
フランは突然自分の能力が使えなくなってひどく困惑した。すると奥から
「ふう。何とか間に合ったか」
「「!?」」
すると扉から木戸真敏が現れた。
「真聡!」
「無事でよかったよ。大丈夫か?」
魔理沙は自分の友人の声を聴き喜ぶ。そして俺はフランの方を向いた
「よう。お前がフランドール・スカーレットだな」
「あんたね?いったい何をしたの?」
「俺の「おまじない」が効いたんじゃないか?」
そう俺はあの後パチュリーから能力について聞いたのだ。フランの能力はあらゆる物質を破壊することが出来るという恐ろしい能力だ。その原理は物質には「目」という一番緊張している部分があり、フランはそれを自分の手の中に移動させて直接握りつぶして破壊することが出来るようだ
この時俺はあることを考え付く。その「目」とはいわばあらゆる物質の核となる部分であり、それが物質の急所なのではないかと。そこで俺はネイティオが覚える、攻撃が急所に当たらなくなる技「おまじない」を魔理沙にかけたのだ。もちろん自分にもかけてある。うまく効いてくれてよかった。しかし知らないものからすればふざけた回答だと思われるだろう。そして案の定
「ふざけないで!!お前なんて壊れちゃえ!!!」
と激高し、猛スピードで俺に突っ込みパンチを仕掛けようとしてきた
ガシッ
「!?」
「痛えな。流石は吸血鬼といったところか?」
しかし俺はそれを片手で受け止める。人間が吸血鬼のパンチを力で受け止めるなど不可能だ。たとえマサラ人であったとしてもだ。俺は「おまじない」をかけた後、あらかじめネイティオからバンギラスの能力に変えていたのだ。そして俺は拳にあくタイプのエネルギーを纏い「しっぺがえし」で攻撃した
ボカッ
フランはすさまじい勢いで吹き飛ばされる。俺はすかさず
「ストーンエッジ!!」 ズッガーン!!
地面から巨大な岩の槍がフランを下から突き上げる。そして上に吹き飛んだところを
「あくのはどう!!」 ゴオオオオ・ドカーン!!
手から膨大な黒い波動を放ち正確にヒットさせた。ゲームではできない三連コンボが見事に決まった。しかしこれでは倒せない。それくらいはわかっていた。だから一切の油断をせずに魔理沙にあるものを渡した
「これは?」
「それは「ぼうじんゴーグル」お前はそれをしてここから出ろ!」
そしてバンギラスのとくせい「すなおこし」を発動させる。部屋の中ですさまじい砂嵐が吹き荒れる
「まだ倒れちゃいないんだろ?こい!今度は俺が相手だ!!」
砂嵐の向こうで立ち上がる人影を見据え。俺は身構えた
バンギラス NO.248 タイプ:いわ・あく
金銀クリスタルで登場した第二の600族。片腕を動かすだけで山を破壊し、地響きを起こすとてつもないパワーを秘めたポケモン。地響きを起こして歩くだけでも大きな山も崩れだすらしい。ふてぶてしい性格で周りの被害を気にしないポケモンで、自分の住処を作るために山を破壊したり、川を埋め立てるため、そのたびに地図を書き直さないといけないとのこと。おまけに頑丈な体に任せて強敵を求めてさすらう習性もあるので、もはや歩く天災ともいえるポケモンである。進化前のヨーギラスは山一つ分の土を食べ、サナギラスもあちこち飛び跳ねて山を壊すため、ポケモンの世界は大丈夫なのか気になるものである