携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
~???~
「にぎやかになったものだわ。でもたまにはこんな日もいいかもね」
と、とある個室に一人の少女がまぶく。「きりばらい」で払われた空もすでに紅く染まっており、それを眺めてる
「窓が割られてしまったけど、まあこうして風に当たりぱなしというのも悪くないわ」
そして紅茶を少し飲む。今日のは格別においしく感じるような気がした
「どこまで楽しませてくれるのかしらね。人間の魔女と博麗の巫女、そして・・・私たちと同じく外の世界からやってきた人間よ」
そういいながら少女はまた優雅に紅茶を飲むのだった
~ホール~
奇術「幻惑ミスディレクション」!
その号令と共に大量の紅い苦無のような弾幕が放たれる。俺はそれをかわして「ラスターカノン」で攻撃する。数は多いが威力はこっちが上。それをたやすく呑み込み敵に突き進むが
「ちっ。またか!」
しかしまたしても手ごたえがない。しかも放って間もないのに全く別の方向からナイフの弾幕が襲ってくる。応戦して何とか凌ぐがそれでもかなり厳しい
(どうやっているのかわからないが、こいつ瞬間移動してやがる。テレポートかと思ったけどどこか違和感がある。しかも普通に投げてきたはずなのにナイフが一本から10数本にまで同時に増えている。これは一体?)
「ふふ。どうですか?降参します?」
「誰がするかよ!」
俺は「マグネットボム」と「ミラーショット」を操作して弾幕を作り出す。だがやはり交わされる。「マグネットボム」は自動追尾する技なのにいきなり消えて対象を見失ったしまう
「これはどうですか?」
幻惑「ジャック・ザ・ルビドレ」
今度はやや大きめの紅い弾幕がばらまかれる。俺はそれを「10万ボルト」で相殺していく。そしてその隙に俺は咲夜に接近する。しかし一瞬謎の違和感が体を支配する。
すると次の瞬間大量のナイフが襲い掛かる。そしてを俺は全身をナイフに刺されてしまう。そして俺はハリネズミのようになった
「ふう。終わったわね」
と少し安堵する・・・が次の瞬間
ヒューン、ドーン!
突然別の方向から銀色のエネルギー弾が飛んできた。そしてそれは咲夜に命中し、吹き飛ばされる。とっさに動いて直撃はしなかったがそれでもダメージはしっかり入った
「へへ、まずは一本だな」
「うっ、あなたは全身を刺されたはずじゃ・・・」
「よく見ろよ」
「!?これは!」
刺されたのはただのぬいぐるみ。真聡は「みがわり」を発動したのである。そしてそれに視線がいっているうちに素早く別の方向に逃れたのである
「目には目をってね。ナイフがいきなり来るのは予測できたしな」
「・・・・」
するとまた姿を消す。そして別の場所から
「これは申し訳ございませんでしたわね。少し甘く見すぎていたようで」
すると再びナイフの弾幕を放つが激しさは増す一方。しかしそれでも交わすのは大して難しくはなかった
(さて、まずは一本取ったけどこれからどうするかな。まだ能力の正体はわからずじまいだしな・・・・・まあ一応見当はついては来たが、とりあえずこいつの能力を使うか)
そして俺ジバコイルから別のあるポケモンの力を借りる。そしてその能力を使ってしばらく探る。すると答えが見えたのだ
(なるほど・・・そういうことか)
そうこうしていると咲夜がまた弾幕を放つ
幻世「ザ・ワールド」!
俺は突っ込んでいくが、一瞬にして俺の周りを大量のナイフが阻む・・・と思われたが
「芸がないですわね。そう何度もかかりませんよ」
とすぐに俺の姿を見つける。別の場所から俺は咲夜に突っ込んでくる。咲夜は冷静に瞬間移動を発動して別の場所に移動されるが
「テレポート」
シュン
「え?」
しかしその先にはすでに俺がいた。そして俺はある技をかけてそして再び「テレポート」で離れる。そしてこういった
「お前の能力はもうどんなのかわかっている。もうお前の能力は通じないし今の技をかけたられた時点でもうこの勝負は終わりだ」
「それはどういうことかしら?」
「直に分かる」
「っ、戯言を!」
普段の丁寧な口調からずれ始める。そして彼女は放つ
メイド秘技「殺人ドール」!
最初に青と赤の大量のナイフの弾幕が大量にばら撒かれる。そして今度は一瞬で大量の緑色のナイフが現れる俺はそれを回避したり「リフレクター」で防ぐ
ある程度経つとと更に青と赤のナイフが現れる。そして緑のナイフの弾幕が来る・・・はずだった
ドッカーン!
突如紫色の大爆発が発生する。そして咲夜は力なく空から落下してきた。だがそれを俺は「ねんりき」で受け止めて地面におろした。先に進もうとするとボロボロになりながらも咲夜は口を開いた。
「どう・・して・時をと・・め・・た・・のに攻撃が来るの・・よ」
俺は足を止めて咲夜に語る
「ネイティオと言ってね。過去と未来を見ることが出来るポケモンがいるんだ。俺はお前の過去を見てその能力に気づいた。お前が時を止めている間に移動していることもナイフを回収していることもな。そして俺は未来を見る能力でお前が時を止めているところに「みらいよち」をかけたのさ」
「なんで・・時間を止めて・・いるのに・・見えるのよ」
「過去とは過ぎ去った出来事、未来はこれから起きる出来事のことだ。
お前が時を止めようともそれは時間が止まったという過去と未来の出来事でしかない。
つまり時を止めても過去と未来に起こる出来事というのは変わらないのさ。故にたとえ時が止まっていても過去と未来のことである以上見ることが出来るというわけ」
と説明する。それを聞き終えると咲夜は気を失った。
(まあ俺にあのポケモンの力が使えればもっと簡単だったんだろうけどな。尤もそのポケモンの力は強力すぎるのが欠点だが)と少しだけ思った
「さて魔理沙を追いかけるか」
と言い、俺は空中を飛んで移動した。
~???~
「はあ、はあ・・・ちっ」
「あはは、もう終わりなの?もう少し遊ぼうよ」
この館のどこかでは、今一人窮地に立たされている少女がいた
ネイティオ NO.178 タイプ:エスパー・ひこう
「トゥートゥー」という独特で特徴的な鳴き声をするポケモン。普段は太陽を見つめてじっとしている。そして過去と未来を見渡す能力を持ち、右目は未来、左目は過去を見ることが出来ると言われている。それ故にこれからの未来でおこる恐ろしいことにおびえているらしい。また神の使いとして崇拝する地域もあるようだ
鳴き声と見た目でネタにされがちですけど、何気に凄い能力を持ってますよねコイツ