携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

16 / 123
なんか主人公がどんどんもの壊しているような気がしてきた


紅魔館での戦い

~紅魔館・エントランス~

 

「お前も来たのか」

『まあな。お前があの門番と戦っているところも遠くから見てたぜ。それにしても最後は派手にやったな。その前の空からの攻撃もお前だろ?』

「ああ、そうだ」

『あの時この館に行く途中に妖精に邪魔されていて戦ってたんだけどさ、お前のせいで私は衝撃波に巻き込まれかけたんだぞ。すぐに気づいて急いで離れたけど、危うくどこかに吹き飛ばされるところだったぜ』

「一応予め館周辺を見渡して誰もいないか確認していたんだがな・・・。予想以上に威力が出てしまった。すまなかったな」

『まあいいぜ。おかげで妖精たちはほとんど逃げ遅れて吹っ飛んでったしな。おかげでそれ以降は楽に行けたぜ』

 

魔理沙は俺が初めて香霖堂で出会って以来もたまに会っていた。俺があげた「しあわせたまご」は効果があったようでみるみる成長していき、魔理沙も感謝してくれた。自信家で生意気なやつだが、根はまっすぐでいつも隠れて努力して己を高めていることは知っている。時々弾幕を撃ってもらって弾幕に慣れる訓練をしたり、彼女の特訓にも付き合ったりした。何というか腐れ縁というか戦友といった仲だ

 

「博麗の巫女はどうした?来てないのか?」

『さあ?私は見なかったけど。あいつのことだ、多分めんどくさがってなかなか来ないんだろ』

「それでいいのかよ・・」

『まああいつもこのまま黙ってみていることはないだろうし、そのうち来るさ。それより今は・・・』

「ああ、そうだな」

 

しばらく話していると、ここに住んでいる妖精たちがいっぱい来た。目的は言うまでもなく俺たちを排除することだろう。

「とりあえずこいつらを片付けるぞ!」

『おう!』

 

魔理沙は素早く放棄に乗って飛行し、俺はジバコイルの力を借りて戦闘する

魔理沙はショットやレーザー。俺は「ミラーショット」や「マグネットボム」などで蹴散らしていく。こいつらは弱く、俺も魔理沙も余裕で倒せる。しかしいかんせん数が多すぎる。やられてもどんどん出てくるしこのままだときりがないし、やられることはなくても消耗が多くなる。俺たちはこの先にいる異変の首謀者やその部下たちと戦わないといけないのだから無駄に消耗したくはない。そこで

 

「ラスターカノン!」

 

俺はマスタースパークほどではないが太くて強力な銀色のレーザーで一気に薙ぎ払った。そして

 

「魔理沙!一旦屋敷の外に出ていてくれないか。一気に倒す。追いかけてくる敵はお前が処理して、なるべく外に出さないでくれ」

『わかったぜ』

 

魔理沙は俺の言う通り一旦屋敷の外に出た。何人かは追いかけていたけど俺と比べればはるかに数は少ない。俺は敵の中心にもぐりこみそして力を込める

 

「ほうでん!」

バリバリバリバリバリィーーーー

 

俺は体から膨大な電撃を全方向に解き放った。それは広いエントランスにいる妖精たちをたやすく呑み込み一気に殲滅した。魔理沙をいったん外に出させたのは電撃に巻き込まれないようにするためだ

 

『おお!一気に片付いたな。ちょっと熱いけど』

 

その威力と範囲でエントランスは黒焦げになり、階段も破壊された。中心部では電熱で床が融解してしまったところもあった。とにかくここは片付いた。俺は魔理沙と共に奥に進んだ

 

道中にまた妖精たちや毛玉のようなものが襲ってきたが難なく蹴散らし、先に進む。そうしていると俺はある違和感を覚えた

 

(ここの館は確かに大きいがさすがに広すぎる。何か特殊な能力を持っている奴がいるのかもな)

 

そうしていると広いホールにたどり着いた。パーティー会場か何かだろうか?

 

『広いわりに誰もいないな。怪しいぜ』

 

確かにこれだけ広ければ敵が一人や二人いてもいいはずだ。誰もいないということは・・・そうしていると次の瞬間

 

「魔理沙!危ない!」

 

突然現れた人影を発見する。魔理沙を狙っていたようでナイフを正確無比に投げつけてきた。俺は素早くナイフの進行方向に向かい、そして「ラスターカノン」で攻撃した

 

ドッカーン!

 

何者かがいた場所は破壊されて大穴が出来た。そこには紅い空が見える。しかし手ごたえがない。回避されたようだ。そしてその人影はようやく正体を明かす。髪はみつあみをした銀髪のボブカット。そして来ている服装からしておそらくこの館のメイドだ。しかしあのナイフ投げの精度からしてただ者ではない

 

「あなた方ですか。どれほど破壊すれば気が済むのかしら」

『言っておくが、外の被害も、門番との戦いに出来た庭の被害もエントランスを焼き尽くしたのも私の隣にいるこいつだぜ』

「お前はここのメイドか?」

「ええ。この紅魔館のメイド長を務めております十六夜咲夜と申します。以後お見知りおきを。ご用件は・・・言わなくてもいいですわね」

「ああ。今すぐにこの赤い霧を止めろ。そうすればここでもうおしまい。あとは館の修復でも何でもするさ」

「メイドである私だけでは決められませんわ」

「じゃあここの主に会わせろ」

「生憎ですがわが主、レミリア・スカーレットお嬢様に合わせるわけにはいけません。代わりにこの私がお相手し、殲滅させていただきますわ!」

 

すると素早く大量のナイフを投げてきた。その技術は非常に洗練されている。敵ながら見事な腕だ。しかし俺も魔理沙もなんとか交わしていく。そしてどこからともなく大量のナイフの弾幕が襲ってくる。それに俺たちも応戦する。しばらく避けていると俺は魔理沙にこういった

 

「こいつは俺が相手をする。隙を作るからお前は急いで先に進め。ちゃんとサポートもする」

『わかったぜ。だけどあいつは相当厄介そうな相手だ。気をつけろよ』

「ああ、もちろんだ。お前も気をつけてな。」

 

そして改めて敵に向き

 

「フラッシュ!」

 

俺は強烈な光を放った。それで相手は目がくらんだようだ

 

その隙に魔理沙は先に進もうとする

 

「行かせると思いですか?」

 

当然それを阻止するためにナイフの弾幕を放つ。しかし

キン、キン!

 

それは魔理沙を覆っていたバリアに防がれる。フラッシュで目をくらませた隙に魔理沙に「リフレクター」を張っておいたのだ。あれくらいの威力なら簡単に防げる。そして俺はすかさず攻撃する。交わされるがそのころには魔理沙の姿は見えなくなっていた

 

「やってくれましたわね。あなたはやはりただの人間ではないようで」

「それはお互い様だろ?御託はいい。この木戸真敏。引き受けたからにはお前を倒させてもらうぞ」

「いいですよ。私のナイフ捌きをとくとご覧くださいませ。そしてあなたを排除させてもらいます」

 

こうして両者は負けるわけにはいかない戦いが始まるのであった

 




ジバコイル   NO.462   タイプ:でんき・はがね

第四世代になって新たに判明したレアコイルの進化形。テンガン山や電気石の洞穴など各世代ごとの特定の場所でレアコイルをレベルアップすると進化する。とくこうの高さは電気タイプの中でもトップクラス。強力な磁力を持っていたり回電波を発信しながら電波を受信していたりしているようだ。また見た目が似ているからか、飛んでいるジバコイルをUFOと間違われることが多いらしい


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。