携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
開戦
俺はクレーターの真ん中から早速目の前の紅い館へと歩き出す・・・が
ザッパーン!!
!?
どうやら先ほどの一撃で出来たクレーターが予想以上に大きく、霧の湖にも及んでしまったらしい。そして湖から大量の水が入ってきて俺に押し寄せてきた
俺はとりあえず無言で空を飛んで逃げた。上空から見ると広範囲にわたって木々が吹き飛んで更地化しておりクレーターの大きさは数百メートルにも及んでいる。
「うーんこれはさすがにやりすぎたな・・・まさかここまでの威力がでるとは」
カイリューのこうげき種族値はバンギラスと同じである。バンギラスは片腕だけで山を粉砕し地響きを起こすほどのパワーを持つとされているポケモンだ。あれと数値上は同じだからといってカイリューも素でそれほどの怪力があるというわけではないとは思うが、それに匹敵する破壊力は出せるのかもしれないと思った。
そもそもこうげき種族値の数値が=力ということではないだろう。デオキシスとかあのほっそい腕でバンギラスを超えるほどの怪力が素であるとは思えない。俺が思うにこうげき種族値とは、物理的なダメージを与える技の威力を強くする力を引き出す力の強さを表しているのではないかと考える
すばやさもまたそうだ。カイリューは音速を凌駕する飛行速度を出せる設定だが、すばやさの種族値は並程度だ。先ほど飛び回って気づいたが、最高速に達するには少し時間がかかったし、方向転換もかなり大きめに曲がらないといけない。おそらく戦闘に関しては最高速度まで出すのはかなり難しく急な方向転換は出来ない。それなら最高速は劣っても瞬発力が高く、瞬時に方向転換できる方がおそらく役に立つはずだ。少なくともすばやさ=最高速度ではないのは間違いないだろう
そんなことを考えながら俺は館の扉前に向かう
~紅魔館の扉前~
改めてみると本当に真っ赤だ。赤は目に悪い色だと聞いたことがあるが、この館を見るとそれもわかるような気がする。気になるのはこの館はあまり被害が大きくないことだ。直接はやらなかったとは言え衝撃波はまともに受けたはず。門とその壁は消し飛んだのに窓ガラスが割れたくらいの被害だ。クレーターも門を境に途切れているし、庭も多少荒れていたが、門のおかげもあり外と比べれば被害はかなり少なかった
(おそらく館全体に結界を張っていたんだろうけど、館を覆う大きさの結界を瞬時で張れるのだろうか。あらかじめから張っていたことも考えられるが、もしかしたら
そして俺は館の扉を開けた
すると次の瞬間何者かが俺の前に蹴りかかってきた。俺はとっさに腕を交差して相手の飛び蹴りをガードする。そして俺は一旦扉から離れ、広い庭の中心まで下がる。そして俺に蹴りかかった者が話しかけてくる
「あなたですね。いきなり空から降ってきてここまでの被害を出したのは」
見た目は淡い緑色のチャイナドレスに近い中華風の服を着た、赤いストレートヘアーの女性だった
「お嬢様の支持通り館の中にいなかったらどうなっていたか・・・」
(お嬢様とはここの主だろうか。やはり予めこうなることがわかっていたのか)
「せっかく私が育てていた花畑の花まで滅茶苦茶にして許しませんよ!」
「それは悪いことをしたな。実際やった本人である俺も正直やりすぎたとは思うよ。だがなんの目的があるのかは知らないが、幻想郷中にこんな霧を出したのはお前たちだ。そのせいで人里では多くの人たちが苦しんでいる。今すぐにこの霧を出すのをやめろ。そうすれば謝罪でもこの館の修復でもなんでもしてやるさ」
と俺は言い返す
「そうはいきません。門は無くなってしまいましたけど、私はこの紅魔館の門番としてお嬢様のところに行かせるわけにはいきません。侵入者は排除させてもらいます!」
やはりというか早速戦うことになるようだ
(さっきの蹴りからして、この人はおそらく武芸に優れておりそれは相当のものだ。カイリューのままでもいいが、こっちも接近戦で勝負してみるか)
そして俺は相手も中華風なのもあってか、こっちもそれに近いポケモン、コジョンドの力を宿した。
「はあああああああああ」
「おおおおおおおおおお」
そしてほぼ同時にお互いが動き出し蹴りを放つ。そしてそれはぶつかり合う。威力は互角。しばらく拮抗し、そして弾かれるようにお互いが距離をとった。
こうして俺の異変解決による初めての戦いが幕を開けた
紅魔郷編がスタートです
今回出てきたこうげきとすばやさの考え方はあくまで私個人の考え方なのであしからず
それと今回はチルノと大妖精、ルーミアの出番はありませんがいずれはちゃんと出します