携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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さほど重要な点ではない気もしますが一つ補足しておきます。妖精大戦争では弱い存在であるチルノの主観から見た光景のため激しく見えるだけという設定ですが、今作では前回に描かれた通り妖精たちの力が強くなっているので本当に激しい弾幕を撃ってくるという設定になります


チルノの戦い①

~真聡の自宅前~

 

「いよいよだな」

「はい!!」

「お前は前よりもさらに強くなったと自覚して言い。いつも通り自信をもって挑め」

「はい!!師匠!!」

「じゃあ行ってこい!!」

「はい!!と言いたいんだけど一つだけお願いを聞いてくれない?」

「何だ?」

「実は・・・」

 

 

~霧の湖~

 

「さあ妖精たち準備はいいかしら?」

「いよいよ人里に襲撃する時が来たわ」

「力が前よりもパワーアップした私たちならいけるわ!!」

 

今霧の湖には大勢の妖精たちがいた。ことの発端は光の三妖精の一人サニーミルクによるものである。今年の正月に妖精たちが一致団結して大戦争を起こす初夢を見たのだ。それを見たときサニーはそれを実行したくなったのだ。最近は森が成長して力が以前よりはるかに強くなっている。今まで妖精たちを馬鹿にしてきた人間たちに思い知らせてやろうと考えたのだ。そしてその後同じく三妖精で仲間でもあるルナチャイルドとスターサファイアと共にそれを決行することにしたのだ。しかし妖精は気ままな種族で普通にやっては従わせることは難しい。だから並の妖精たちよりも強い力を持つ自分たちで妖精たちを力でねじ伏せて従えることにしたのである。今は機は熟したと言わんばかりに人里に総攻撃を仕掛けようとしているのである。しかしそれに異論を唱える者がいた。その者は厄介と判断して妖精たちに厳重に警備をするように言った。もし妙な手を使おうとするものなら攻撃してよいと命じて

 

(やっぱりこんなの無謀だよ・・・)

 

そう思う妖精の正体は大妖精だ。彼女はこの計画は実に無謀だとわかっていた。いくら自分たち妖精の力が強くなっているとはいえあの霊夢や魔理沙たちを敵に回しては勝つことは難しい。それでもまだ多勢という武器を活かしてねじ伏せることも出来るかもしれない。しかしそうはさせてくれない人間がいる。それは人里の自警団の隊長を務める人間、木戸真聡の存在だ。あの人間を敵に回せばこの程度の軍勢はあっという間に殲滅されるだろう。それにあの人間の強さを彼女は他の妖精達よりも知っていた。以前この湖を消しとばしたのはあの人間であり、またこの森を強くしたきっかけとなったのもあの人間であるということを

 

(チルノちゃんと戦ってその成長を褒めてくれていたけど、きっとぜんぜん本気を出してない。あの時あの人は炎の力でこの湖を消しとばした。でもチルノちゃんと戦うときは一度も使わなかった。それどころか同じ氷の力で応対していた。本当ならチルノちゃんの苦手な炎の力で一瞬で勝負をつけることが出来るはずなのに・・・多分チルノちゃんに合わせてくれただけだよ)

 

そう判断できた妖精は彼女だけだった。妖精は基本的に頭が悪い。物事をすぐに忘れてしまうものが多い。それに力が強くなったことによる高揚感で舞い上がって冷静な判断が出来なくなているのだ。大妖精は瞬間移動する能力がある。それで真聡たちに知らせたかったのだが、四六時中見張りがあって下手に動けない。初めは彼女も抵抗したのだが、その時はチルノと一緒ではなくやられてしまった。後にチルノが助けようとしてくれたのだが、3対1では敵わず追い払われてしまった。だから最後のアドバイスとしてチルノに叫んだのだ。「強くなりたいのなら強い人に教えてもらった方がいいんじゃないかな?」と。そうすればきっとチルノは真聡を選ぶと、そしてあの人なら協力してくれて、事情も分かってくれると考えたのだ。そうしているとリーダーのサニーミルクは言った

 

「行くわよ!!人里へ向けて出陣!!」

『オ―――――!!!』

 

そして妖精たちが一斉に進行した。すると

 

「待てーーー!!」

『!?』

「む?何者かしら?」

「あ!!あれは!!」

 

すると妖精たちの目の前にチルノが現れたのだ

 

「やい!!この間はよくもあたいの家を壊してくれたわね!!それと大ちゃんを返せ!!」

「チルノちゃん!!」

「あれは協力を求めようとしただけよ。力でねじ伏せるのはサニーのアイデアだけどね」

「協力ってあたい達妖精で人間を恐怖に陥れることでしょ!!第一他人の家壊しといて協力するやつがどこにいるのよ!!!」

「じゃああんたの協力なんていらないわ。この数の妖精たち相手にあなた一人で抗えるのかしら?」

「ふん!!あたいを舐めないでよね。以前と比べてもっともっと強くなったんだから!!!」

「その余裕がいつまで続くかしら?」

「それにあたいは頭があまりよくないけどこれだけはわかる。人里に襲撃したところであたいの師匠にあんたたちなんてあっという間に全滅するよ。そして・・・」

 

するとチルノは身構える

 

「今のあたいを倒せないのなら師匠なんて夢のまた夢なんだよ!!」

「生意気ね」

「炎弾が撃てる妖精たち!!やってしまいなさい!!」

 

すると炎の弾幕を発射できる妖精たちに命じて炎弾を発射された。一つ一つはさして大きくないが、数は多くてスキマはほとんどなかった。しかしチルノは恐れず前に出て冷気を溜め始める。するとその余波だけでチルノのいる場所を中心に霧の湖の水がどんどん凍りつき始める

 

「はああああああ!!!」

『!?』

 

するとチルノは冷気を一気に放出した。するとなんと炎弾は全て凍結して落下してしまったのだ。それと同時に湖が全て凍り付いてしまった

 

「な!?」

「嘘でしょ!?」

「スペルカードでもないのにあの量の炎弾を全て凍結させたですって!?」

 

これには驚きを隠せなかった。以前チルノが攻めてきたときこの炎弾で追い払ったのだ。「パーフェクトフリーズ」でも使わないと炎弾は凍結することが出来ずに多勢に押されて撤退を余儀なくされてしまった。しかし今のチルノは妖精が放つ程度の温度の炎なら凍結して無力化できるようになったのだ

 

「こんな炎、師匠の作った灼熱地獄の部屋と比べたら屁でもない!!」

「くっ!!」

「さあ、覚悟しろ!!」

 

そしてチルノは単騎で妖精の大群に挑みかかった

 

「相手はたった一人よ!!やってしまえ!!」

「あの~」

「何の用?」

「大妖精が突然出てきた輪っかに吸い込まれて消えてしまいました」

「何ですって!?」

「よそ見していていいのかな?」

「!?」

凍符「瞬間冷凍ビーム!!」

 

ビカーーー!!

 

すると前よりも更にパワーアップした氷の光線を発射した。しかも三方向に拡散させて薙ぎ払った。命中した妖精は一瞬で凍りつき戦闘不能になった。今のでかなりの数の妖精が倒された

 

チルノの快進撃が今始まる

 

 




主人公の修行によって普通のアイスバリアでも妖精が放つ程度の炎弾なら凍らせることが出来るようになりました。原作よりも格段にパワーアップしています

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