携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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影の正体

美鈴を目覚めさせることに成功したあと、詫びとも兼ねて夕食をご馳走になった。異変を解決するためにすぐに妖怪の山に向かってもよかったのだが、美鈴が見たのは早朝と言っていたので、それまで待ってみてもいいかもしれないと思った。だからお言葉に甘えて夕食をいただきついでに夜明けまで居させてもらった。夕食を食べたらすぐに風呂を入って寝た。吸血鬼って風呂は大丈夫なのかと疑問に思って聞いたけど流水じゃないから大丈夫らしい

そしてもう夜明けまでわずかの時刻になった。俺は外に出てレミリアに礼を言って別れた。そしてやがて太陽が東から昇り始める。するとどういうわけか霧が出ていた。夏だというのに朝霧が出るのだろうかと疑問に思い始める。そして妖怪の山を見ると

 

「あれは!!」

 

すると確かに巨大な影を見つけた。霧のせいもあって揺らめいているが確かにあった。俺は「テレポート」で妖怪の山に直行した

 

 

~妖怪の山~

 

俺はそのままピジョットの力で高速で飛行していく。その影の正体を突き止めるために。そして飛行していくうちに違和感を覚える。それはまず波導で感じることが出来ないこと、そしてこの霧が妙に暑いのだ。まるで蒸気のようだった。そして俺は大空を飛んでいくとついにその物体を見つけた

 

「何だこれは!?」

 

すると目の前には巨大なロボットがあったのだ。大きさはざっと100メートルくらいはあった。見た目はガ〇ダムとかではなくマ〇ン〇ーZみたいな古いロボットアニメで出てきそうなものだった。とりあえず俺は周囲を飛んで観察してみる。どうやら蒸気はこいつから出ているらしい。すると突然

 

ブオン!!

「うお!!」

 

何と突然右腕でパンチしてきたのだ。俺は何とか回避に成功する。しかもこいつには波導が存在しないのでいきなり来ると困るのだ。そうしていると今度は左手が来た。俺は腕だけカイリキーの力を宿し

 

「250連釘パンチ!!」

ドドドドドドドドドドドド!!!

 

巨大ロボットはあっさりそれで力負けして腕は破壊された。すると中から膨大な水蒸気が出始める。この時俺は直感で嫌な予感を感じた。俺はミュウツーの力を変えてロボットを急いで上空に転移させて、瞬時に頑強なバリアーをロボット全体を覆うように張った。すると

 

バーーーーーーーーン!!!!

 

するとロボットは大爆発を起こした。蒸気機関車は上記の圧力を利用してピストンを動かして走る。ではあれほどの巨大な物体のエネルギー源が蒸気なら途轍もない蒸気圧がかかっているはずだ。それを無理やり破壊したら溜めていた蒸気が一気にあふれて大爆発が起こってしまうのだ。我ながら馬鹿なことをしたものだと思ったが時すでに遅しでバリアーで被害を止めるしかなかった。強烈な衝撃だったが何とか防ぎきった

 

「ふう・・何とか被害はあのロボットだけで済んだな」

 

ミュウツーにしたのはあいつならあの大きさでも転移は大丈夫だろうと思ったからだ。実際映画でキロ単位の大きさの湖の水を全て転移させるという芸当を見せているし、100メートルくらいの物体を上空にやるくらいは大丈夫だと踏んだのだ。そしてバリアーで防いで周りの被害はなし。何とかすべて丸く収まったようだ

 

と思われたが・・・

 

「あんた・・・何てことしてくれたのよ・・」

「へ?・・・す、諏訪子さん?」

 

途轍もない殺気が俺を飲み込んだ・・・どうやらちょっとやらかしてしまったらしい

 

「いいからこっちに来なさい・・・ね?」

「は・・はい・・」

 

 

~河童のドック~

 

「えーと・・たまたま動作テストをしている時に俺が通りかかってしまったと」

「ああ。まさか上空に誰かいるとは気づかなくてね」

「であのロボとはアドバルーンで未来水妖バザーの目玉として作り出していただけで別に異変を起こす気はなかったというわけですね」

「ああ、その通りだよ」

「・・・・・・」

 

真相はわかったがあれは木っ端微塵になってしまった。こうなると申し訳が立たない。今回はどう考えても俺が悪い。なので

 

「時間巻き戻し!!」

 

俺はディアルガの能力で時間を巻き戻してなかったことにした

 

 

~妖怪の山~

 

「ふう・・とりあえず元に戻ったな」

 

俺は先ほどの時間まで戻した。非想天則は元通りになっていた。この手段は出来るだけやりたくないのだが、今回はロボットを直すためにも致し方なし。俺はとりあえずまた観察をしていると

 

「あっ真聡さん」

「何だあんたも見つけたのか」

「早苗、諏訪子さんも」

 

しばらくしていると早苗と諏訪子さんがやってきた。俺は巨大な影を見たのでその正体を暴きに来たと言った。そして今河童のドックに向かうところだから来ないか?と言われたので俺はそうするとした

 

 

~河童のドック~

 

俺は諏訪子さんとにとりをはじめとした河童たちに非想天則からの説明を聞いた。これは先ほどまでと同じだが、気になることがあった。すると先に早苗が言い出した

 

「中身を空っぽにして何も思考しないようにした意味って何ですか?」

「それはね、付喪神化を防ぐためなんだよ」

「なるほど。だから思考を持たないようにしたというわけですか。ここは現世と違って幻想郷ですから意味のある行動を続けると思考が生まれる。そうなるとやがてが意思が生まれて付喪神になってしまうと」

「その通り。あんな大きなものが付喪神になったら困るからね」

 

真相は何もかもわかった。どうやら自分の取り越し苦労に終わったようである

その後いろいろと見学させてもらった。いろいろな未来的な道具がいっぱいあって興味深かった。特に早苗は大興奮していた。そういえば現世でもロボットアニメとかが好きだったな

 

 

その後未来水妖バザーを開かれ、俺はそこの警備員として一緒に働くことになった。商品は現代的な機械や河童らしく尻子玉もあった。誰のものなのか気になったが聞かないことにした。そして更にポロックキットの最新型まで売ってあった。しかもなんとポフィンが作れるようになり、ジュースや薬品まで作れるようになるまで進化させている。河童の技術力はすごいものである。バザーには人間も妖怪もたくさん訪れた。妖怪が人を食べないように厳重に警備した。妖怪たちも俺には逆らってはならないと自覚しているようで何もしなかった

目玉の非想天則は大好評だった。子供はもちろん大人や妖怪も魅了していた。でもどうやら妖怪たちにとってはそれだけではないらしい

諏訪子さんが教えてくれたが妖怪たちはそこから無我の境地について学ぶものがあるのではないかと言っていた。人形は悟っているのか?そして人を捨てることが悟りにつながるのか?人間よりも遥かに長い年月を生きる妖怪たちにとっては確かに学ぶことがたくさんあったようである

 

そしてバザーは大盛況に終わったのであった

 

・・・また一つ俺だけが知る罪が増えるのとともに

 




今回は珍しく主人公だけ悪いことをしてしまいました

それと主人公の一人であるチルノは登場しませんでしたが、妖怪大戦争で活躍させますのでご了承を

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