携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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非想天則、ダブルスポイラー、妖精大戦争を小出しにした章になります


混章:三つの異変編
美鈴の夢の中


~修行部屋~

 

「おお!!ダークラッシュ!!」

ドッゴーン!!

 

俺はしばらくして永遠亭を退院した。今はすっかり完治して今はダーク化のコントロールの修行をしている。癖はあるが強力な力である。だいぶコントロールが出来る様になったが、気を抜くと危ないのは相変わらずだ。ダークポケモンはたまに「ハイパー状態」、もしくは「リバース状態」になってしまうことがある。「ハイパー状態」はダーク技が強力になるが、コントロールが効かず自我を完全に失ってしまい、「リバース状態」だと自傷し始めてしまう。その時はトレーナーから呼びかけてもらうと元に戻るが、俺の場合は一人でも何とかしなくてはならない。そうならないために慣れる必要があるのだ。今はまだ未熟で実戦にはまだ使えないのが現状である

 

「ふう・・・そろそろ休むか」

 

俺は修行部屋から出て休もうとした。すると

 

「真聡さん。ちょっといいかかしら?」

「おお、咲夜さん」

 

咲夜さんが俺に話しかけてきた。普段もたまに修行部屋にレミリアとフランたちと一緒にやってくる。この部屋のおかげでフランは能力をほぼ完全にコントロールすることが可能になったとのことだ

 

「何かご用ですか?」

「ええ。実はちょっと厄介な問題があって、お嬢様の命で貴方に相談に来たのよ」

「厄介な問題というと?」

「うちの門番の様子がおかしいのよ」

「美鈴さんがですか?」

 

美鈴さんは普段は門番の仕事をしているが、時間があるときはここで修行しに来る時がある。でも割とよく寝ちゃってその度に咲夜さんのナイフのお仕置きがあるのがお決まりだ。しかし今回はかなり深刻らしい

 

「あなたがくれたカゴの実とラムの実で一時的に目を覚ますけど寝ぼけていて目が覚めている自覚がないようなの。そして数分後には寝てしまうの繰り返しで困ってるのよ」

「それは確かに変ですね・・・とりあえず現場に案内してください」

「助かるわ」

 

こうして俺は紅魔館へと向かうのだった

 

 

~紅魔館~

 

俺は紅魔館についた。部屋に案内されると寝ている美鈴さんがいた。しばらくするとレミリアとパチュリーが入ってきた

 

「グーグー・・ホアチャー!!覚悟しろ・・・」

「・・・確かに変ですね」

「さっきからずっとこの調子よ」

「三日前に私に訳の分からないことを言ってから一日だけ臨時休暇をもらうといきなり言い出したのよ。そして次の日に戻って来たんだけど、それからはずっとこんな感じなの」

「訳の分からないこと?」

 

レミリアの発言に疑問を感じて質問をしてみると、なんでも朝に巨大な人影を見たらしくそして「太歳星君に違いない」と言って全妖怪と協力して戦うべきだと言い出したようだ。太歳星君というのは中国に伝わる祟り神のことらしい。眠気を覚ます道具を使ってもダメとなると

 

「直接彼女の夢に入るしかないでしょうね」

「!?そんなことが可能なんですか?」

「ええ、できますとも」

「・・・真聡に尋ねろと言って正解だったでしょ?咲夜」

「はい。まあ真聡さんなら出来てもおかしくはないわね」

「多分大抵の無茶な要求はその気になればできると思うわよ」

「他にも誰か行きますか?」

「私も行かせてくれないかしら?美鈴を叩き起こしてあげたいし」

「私も頼むわ。夢の世界というのにも興味があるしね。パチェは?」

「わたしはいいわ」

「じゃあ決まりですね」

 

俺はスリープの力を宿す。ポケダンで悪夢で目覚めなくなったルリリを救うためにスリープの力を借りてルリリの夢の中に入る場面がある。それをここでやろうとしているのだ

 

「じゃあ行きますよ」

「はい」

「おねがいするわ」

「では」

 

俺は念じだすと紫色のオーラに包まれる。そしてそのまま夢の世界へと向かった

 

 

~夢の中~

 

「成功しました」

「本当に入れたわね」

「これが美鈴が見ているゆ・・」

ズッズーーン!!ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

『!?』

「地震!?」

 

すると突然大きな地震が発生した。どうやらただ事じゃないらしい。俺たちは揺れのした方へ進むと今度は電撃が発生した。どうやら何かが放電しているらしい。するとやがて美鈴を発見した

 

「美鈴!!」

「!!咲夜さん、お嬢様と真聡さんまで!!今ちょっと取り込み中でして・・・」

「そのようね」

「・・・えらいデカいな」

 

美鈴の目の前には巨大なナマズがいた。どうやらこいつと戦っていたらしい

 

「あっはっは。まさか応援がくるとは思わなかったのお」

「しゃ、しゃべった!!」

「そりゃわしは長い時を生きているからのお」

「美鈴さんの夢の中に入って一体何のつもりだ?」

「え?夢の中?」

「あなたはここは夢なのよ。でもあなたは一向に目が覚めないし、目覚めてもすぐに寝ちゃうから夢の中に入ったのよ」

「・・・ええ!?そうだったんですか?」

『・・・・・・・・』

「まあただ単に暇つぶしよ。わしもたまには・・・暴れたいからのお」

 

すると地震を起こし、上から大量の落石が降り注ぐ。しかしそれを全員躱していく。その後ナマズは飛んで地震で攻撃して来ようとした。俺も他のみんなも飛んで衝撃波を躱す

 

「とりあえずこれでもくらいなさい!!」

神槍「スピアザグングニル!!」

 

するとレミリアから巨大な槍が放たれる。紅霧異変の時のを遥かに凌ぐほど強力になっていた。その槍は大ナマズに直撃する

 

「ぐおおおおおお!!」

「まだまだ行くわよ!!」

光速「Cリコシェ」

 

すると高速で何かか飛び回る。そしてしばらくすると大ナマズにナイフが直撃した

 

「くう・・なかなかやるようじゃのう・・だが舐めるな!!」

バリバリバリ!!ドーン!!

 

すると大規模な放電攻撃と地震と落石が襲い掛かった。だが直後膨大な黒い波動が大ナマズを飲み込んだ

 

「ここは夢の中だしちょっと派手に暴れようか・・・」

 

すると周りの空間が暗くなった。俺は悪夢を見せる幻のポケモンダークライの力を宿したのだ

 

「今の夢の主導権は俺。お前に悪夢を見せてやろうか」

 

すると周りから巨大な黒い腕が大ナマズを襲い掛かる。ナマズは抵抗するが、結局捕まりその腕から「あくのはどう」を連発される

 

「グハ!!お・・おのれ!!」

「悪いけどさっさと終わらせてもらうぞ。共鳴バースト!!」

 

俺はさらに苛烈な攻撃を大ナマズに仕掛ける。今は夢の中でダークライはめっぽう強くなる。地上を崩壊させるという大ナマズであっても抗えず、完全な蹂躙劇になってしまう。レミリアたちは安全な結界にいてもらっている。その様子をゆっくり眺めていた

 

「お前が何者か知らないけどこれで終わりだ」

「無限エクリプス!!!」

 

すると俺の後ろに新月が現れる。そして額縁のようなものから更に巨大な黒い腕が一斉に大ナマズに襲い掛かった。その腕たちは大ナマズを一瞬で飲み込み抵抗すら許さない。そして俺は超巨大な黒い闇の塊となる。それはまるで恐怖の大魔王や悪魔王のようなものだった。そして黒い球体の中に大ナマズは閉じ込められて、それを超巨大な両腕がつかんで強烈な波動を叩き込む。本当は別の方法で止めを刺すのだが、俺はあえてとどめは刺さない。そして美鈴にこういった

 

「ことの発端はあなたです。ですからけじめをつけるのも兼ねてあなたが止めを刺してください」

「!!・・・わかりました!!」

 

すると美鈴を結界から出させた。そして美鈴は拳にありったけの気を集中させて

 

華符「彩光蓮華嘗!!!」

 

すると超高速で大ナマズに渾身の掌底をぶち込んだ。次の瞬間大ナマズは全身から七色の眩しい光が差し込んで

 

ドッカーン!!!

 

体内から気が大爆発した。この一撃にはさすがに堪え

 

「見事じゃ・・・ガフ!!」

 

大ナマズは光の粒子となって消え失せた。そして俺たちは元の世界へと戻るのだった

 

 

~紅魔館~

 

「このたびはご迷惑をおかけしました・・・」

「全くよ。面倒な事態にしてくれちゃって!!」

「すみませんでした・・・」

 

その後美鈴は咲夜とレミリアの説教を受けていた。とりあえず元には戻ったようだ。それにしてもあの大ナマズは本当になんだったんだろうか・・・

 

「でも巨大な影を見たのは本当なんです」

「どこで見たのかしら?」

「妖怪の山の方でした」

「妖怪の山か・・・」

 

見たところ美鈴は嘘を言ってるようには見えない。そのあとこんな事態になったし、何かが起こっているのかもしれない

 

「行ってみようかな・・・」

 

俺は次に何をするべきかを考えるのであった

 

 




スリープ   NO.96   タイプ:エスパー

夢を食べる伝説の生物バクの子孫と言われており、ムンナとムシャーナと祖先が共通しているのではないかと考えれているらしい。楽しい夢が好物だが、悪い夢はおいしくないようで食べ過ぎるとおなかを壊す。鼻をひくひくさせるとどんな夢を見ているかわかり、なつくと一番おいしかった夢を見せてくれる時があるという
ポケモン不思議のダンジョン時・闇・空では悪党として登場。お宝を手に入れようとしたが、スリープでは入れないほど小さな穴なのでルリリを攫ってとってこらせようとした。主人公たちに懲らしめられたは反省して修行の山にこもっていた。そしてルリリが悪夢で目覚めないのを救うためにスリープに会いに行き、罪滅ぼしを兼ねて主人公たちをルリリの見ている夢の中に送り込むために一役買ってくれる


ダークライ   NO.491   タイプ:あく

新月の夜に活動し、人々やポケモンに恐ろしい悪夢を見せる幻のポケモン。BW2ではそれによってなくなってしまった幽霊が登場している。しかしダークライ自体は自分から襲うような凶悪なポケモンではなく大人しい性質。しかしコントロールが効かないようである。ダークライは悪夢を見せることは望んでいないようで孤独に生きているらしい
映画ではディアルガとパルキアの襲来をいち早く察知して町の人々やポケモンたちを救おうと奮闘する。「ポケモンレンジャーバトナージ」では人々の悪い心を吸収して水晶に補完する能力を持つ。それに宿った悪い心を利用されて操られてしまう。しかし本来は悪いポケモンではないようで恩返しとして空間を操り、一瞬で遠く離れた海に悪人を引きずり込むような芸当もしている
ポケモン不思議のダンジョン時・闇・空でも登場し、こちらは闇の世界にしようと企てるという完全な悪役である
アニメでもたびたび登場しており、特にポケモンリーグでタクトが使っていたことが印象に残るだろう。その強さは圧倒的でサトシのヘラクロス、コータス、フカマルをあっさり倒し、ジュカインでようやく戦闘不能にできた。それまでは誰にも倒されなかったようである

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