携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

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今作は使えるものはいろいろ使っていく方針です


魔界での戦い

~聖輦船組side~

 

「着きました!!」

「あれが・・聖白蓮ね・・・」

 

星輦船に乗っている者たちはついに聖白蓮が封印されている場所に辿り着いた。そしてついに発見したのである。琥珀のような結晶の中に彼女はいた。その周りにはお札と鎖で締め付けられていて眠っているようだった

 

「長い間待たせてしまいましたね聖。今解放しますからね」

 

と星が封印されている聖の前に向かう。そして集めた飛倉の破片を取り出し、そして宝塔を掲げる。そして何らかの呪文を唱え始めたすると宝塔と飛倉のかけらが光り始める。そしてお札が一枚、二枚と剥がれていく

 

バキ―ン!バキバキ・・・

 

今度は鎖にひびが入ってきて壊れていき、やがてとうとう結晶にもひびが入り始める。残りの者たちは固唾をのんで見守っていた

 

ピキピキピキピキ!!!

 

結晶のひびがどんどん広がっていく。そして

 

パッリーン!!

 

結晶は遂に砕け散った。そして強い光が差し込み目がくらんだ。そして光が収まった後恐る恐る目を開いていくと

 

「・・・ん・・ここは・・」

「聖!!目が覚めたんですね!!わ・・私が誰かわかりますか?」

 

星の声は少し震えていた。しばらくの間沈黙が続いたが

 

「・・・ええ。忘れるわけないじゃないですか・・・星」

「!?ひ・・・聖!!」

「!!あらあら」

 

その言葉を聞いて感極まり、星は聖に抱き着いていた。そして残りの妖怪組の者たちも聖に我先にと向かっていった。もちろん聖もそれを温かく迎えていた。およそ千年の時を経た再会はその者たちにとって感極まるものだった。その様子を霊夢、早苗、ぬえは後ろから見守っていた

 

「みなさん。本当にありがとう・・・ところでそちらにいる方々は?」

「途中から聖の救出に協力してくれたんです」

「そうですか。この子たちがどうもお世話になりました」

 

と聖は深々と頭を下げて礼を言った

 

「いえいえ、私たちは特に何も」

「まあ乗り掛かった舟ってところよ」

「私は・・・ちょっと迷惑かけちゃったしね・・・」

「それと姐さん。実はもう一人いるんだよ」

「もう一人ですか?その方は今どこに?」

「えっと・・・それは」

「!?皆さん危ない!!」

「「え!?」」

 

すると突然後ろから上空にいる彼女たちすら覆い尽くすほどの超巨大な斬撃が迫ってきた。聖はそれにいち早く気づいたが、回避は間に合わないと悟り、自分を助けに来てくれた大切な仲間たちをを守るために斬撃に立ち向かった

 

超人「聖白蓮!!」

 

すると一瞬姿が消えるほどの猛スピードで移動して大量の弾幕を斬撃に向かって一転集中させる。そしてパワーアップした身体能力と膨大な魔力を乗せた強烈な正拳を放った

 

ドッゴーーーン!!

 

その一撃は斬撃を相殺させることに成功した。彼女は大魔法使いと呼ばれ、中でも身体能力向上を得意とする。その魔術を使った時の聖は非常に強いのである。蘇って間もないのにこの力。妖怪組はもちろん霊夢と早苗も驚いていた

 

「皆さん。大丈夫ですか?」

「あ・・はい!!」

「ねえ!空を見て!!」

「こ、これは!!」

 

すると空は黒みがかった紫色のような深い霧が魔界を覆い始めてきた。聖は全員に急いで聖輦船に戻るように指示した。そして自身の法力で結界を作り出した

 

「ふう・・・何とか間に合いました」

「何なのよこれは!!」

「おそらくレミリアが起こした赤い霧と同じようなものね・・・でも」

 

そう、それはあの時の物よりも遥かに強大な魔力を持った霧だった。聖が一早く気づいてみんなを船に乗せ、結界を張らなければ全員体に異常が起こったことだろう。そしてこの原因はほぼ間違いなく

 

「夢子とかいうメイドの仕業ね」

「でもここまでの力があるとは思えませんでしたよ。きっと何らかの手を」

「そうでしょうね。真聡は多分大丈夫だと思うけど・・・」

「その方がもう一人の協力者ですか?」

「うん。正直ここまでこれたのは真聡さんのおかげです」

「そうですか・・・みなさん!!」

「はい!!」

 

こうして彼女たちは戦いの渦中へと向かうのだった

 

 

~真聡side~

 

「おっと・・私としたことが。魔界を荒らすなと言っておいて自分が荒らしたら示しがつきませんわね」

 

すると夢子は広範囲にわたって堅固な結界を生み出して周りを覆った。空はすっかり魔力の霧で浸食されている。普通の人間はおろか妖怪でも吸いすぎればあっという間に死に至るだろう。レミリアも似たような霧を生みだしていたが、その魔力は遥かに上回っていた。これが魔界を創造した神の力というべきか

 

「さあ準備は整いました・・・さっさと終わらせましょう」

 

そしてまた剣を振るった。今度は本気であり先ほどよりもさらに強力だ。俺は武器を全て俺の間に集めて盾のようにして受け止めた

 

ガッキー―――――ン!!!

「くっ」

 

これでも全くひびが入らないのは流石というほどの強度だが、それを受け止めたときの衝撃だけでもすさまじかった。俺はメガミュウツーYを宿したままもう一度レールガンを発射した。夢子も剣の一つ一つに膨大な魔力を纏わせてそれを迎え撃ってきた

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガ!!!

 

威力は互角。しかし手数は夢子の方が多くてこちらの方が不利だった。俺は「テレポート」で後ろに周りこみ、「サイキックスプーン」で夢子を攻撃した。夢子はそれに瞬時に反応して剣で受け止める

 

ガッキーン!!

 

メガシンカによってパワーアップしたスプーンだが、彼女は全く動かなかった。接近戦は不利と判断し、遠距離戦に打って出た

 

「サイコキネシス!!」

 

俺はメガシンカでパワーアップした凄まじい「サイコキネシス」を叩き込んだ。余波だけで大地がめくりあがるほどの威力だ。しかし夢子はそれすら受け止めて見せた。それには驚愕したが、俺は「サイコキネシス」をさらに強めて押し切ろうとした。しばらく拮抗していたが、夢子は後ろから大量に弾幕を発射してきた。俺はそれをテレポートで躱すが夢子はすかさず斬撃を連続で放ってきた。それは結界内の大地と山を容易く切断していった。しかし結界は一向に壊れる気配はなかった。くらえばただでは済まないことが容易にわかる

 

「サイキックストーム」

 

俺はポケスペでもあった念力の巨大な竜巻をいくつも生みだした。そして「サイコブレイク」との同時攻撃で攻め立てる。対して夢子はそれを光弾を回避しながら剣で切り裂いたりレーザーや弾幕で反撃してくる。俺は移動しながらある技を発動する

 

「はあ!!」

 

すると地面が光り始める。そしてそこから大量のレーザーが発射された。下からの突然の攻撃に夢子は一瞬戸惑ったがそれを冷静に対処していく。そしてやがて俺の姿を見つけて夢子は剣で切り裂いた。しかし

 

ドドドドドド!!

「ぐは!!?」

 

すると切ったものからいきなりエネルギー弾が発射されたのだ。いきなりのことでさすがに対応できずに被弾する。そしてその隙に下から極太の紫のレーザーで攻撃した

 

ド――――――ン!!

「これもなかなか使えるな」

 

今はなった三つの攻撃はゲーム本編では存在しない技だ。しかしオリジナルでもないし、ミュウツー自身が放っていた攻撃ではあった。これはポケモンの外伝に当たる作品の一つ「ポケモンレンジャー 光の軌跡」にて登場するミュウツーの攻撃を再現したものなのだ。外伝であってもミュウツーであることは変わらないからきっとできると考えて修行した結果遂に完成させたのである。実戦で使うのは初めてだったが、うまくハマったようだ。しかもそれをメガシンカで行うのだから威力は絶大なはずだった

 

「くう・・・油断しました」

 

しかし夢子はまだまだ余裕で戦えそうだった。もうあの手は通じないだろう。俺は今度はYからXに変えて挑んだ俺は「サイキックスプーン」で攻撃する。夢子は受け止めたが今度は接近戦特化のタイプであり強引に押し切って吹き飛ばす。そして俺は勝負に出る

 

「共鳴バースト!!」

 

俺は強力なオーラに包まれる。そしてさらにパワーアップした状態での猛攻を仕掛ける。勝負に出たのは早く終わらせるためもあるがもう一つはこの霧のせいでもあった。俺は少しずつではあるが体に浸食されていた。このままではどうなるかわからないし少なくとも俺にとって不利な状態になる確率が高い。だから一気に勝負をつけたかったのだ

 

「オラオラオラ!!」

ドカ!!バキ!!

 

凄まじい接近戦が繰り広げられる。しかし共鳴バーストの時間切れも刻々と迫ってきた。俺は一気に決めるために強烈なサマーソルトキックを決める

 

ドッゴーン!!

 

そいて相手を念力で拘束する。そしてありったけのサイコパワーを拳に込める。俺はバーストアタックで一気に勝負を決めようとした

 

「サイコディザスター!!!」

 

俺は渾身の一撃を叩き込もうと超高速で突撃する。しかし

 

「甘いわよ」

「!?」

 

なんと夢子は拘束から脱出していたのだ。そして夢子の前に膨大な魔力が渦巻いていた。これは自身の魔力に加え、霧の魔力を自身に集めて収束させているのである。そして溜め込んだ魔力を一気に解放した

 

「!?」

ドオオオオオオン!!

 

俺は「サイコディザスタ―」で迎え撃った。しかし周りの霧の影響でどんどん威力が上がっていた。そしてとうとう俺は押し返されてしまい

 

「うわあああああああああああ!!」

 

俺はそれに飲み込まれてしまった

 

 

~数分後~

 

結界を張っていた範囲は完全に消滅していた。結界も崩壊寸前にまで追い詰められていた。結界自体も魔力の霧によって強化していたのだが、ここまでの威力が出るとは夢子も思ってはいなかったらしい。すると遠くで聖輦船が見えた。それを見て彼女は

 

「さて、今度はあの者たちを始末せねば」

 

夢子は標的を聖輦船に変えてそこから斬撃を放とうとした

 

ズッガーン!!!

「!?」

 

突然後ろから爆発が起こった

そしてそこから途轍もない暗黒のオーラが出てきて魔界の空に立ち昇るのであった

 


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