携帯獣の能力を宿す者の幻想伝 作:幕の内
そして今回もまたオリジナル展開になります
~聖輦船~
「私の名前は夢子。我が魔界の主、神綺様に使えるメイドよ」
「そうですか」
俺は今夢子というメイドさんと対峙していた。そして相当の強者のようだ。なんせ少数とはいえこちらは雲山を含めて9人いるというのにたったひとりで来たのだ。相当強いに違いない
「あなた方は魔界を滅茶苦茶にした。それ相応の代償を払ってもらいます」
と殺気を放ってきた
「ならば他の奴らだけは許してくれないか?今回の被害の原因はほぼ100%俺のせいだ。俺たちは最初から魔界を荒らしたり侵略をする気もない。せめてこの方々の目的だけは果たさせてくれないか?処罰を受けるのは俺だけで十分なはずだ」
「では何が目的なのかしら?」
「魔界に封印されている私たちの恩人、聖白蓮を解放するためです」
「・・・あの封印されている魔女ですか」
「その目的を果たさせてはくれませんか?それが済んだら処罰は受けます」
「・・・・・・残念だけどそれは無理よ」
「何故です?」
「そもそも無断で魔界に来ること自体が大罪。この者たちもあなたほどではなくても魔物たちを倒していき荒らしていった・・・残念ですがあなた方はここで死んでもらいます!!」
するとあたり一面から大きな剣が大量に現れた。それらが雨のように大量に降り注いだ。しかし俺はそれを「サイコキネシス」で受け止めて夢子に跳ね返した。しかし夢子は表情一つ変えずに冷静に対処した
「シャドーマシンガン」
ドドドドドドドドドドドド!!
俺はマシンガンの如き高速で大量に連射した。しかしそれも剣で払われる。しかしこれはもともと牽制。俺は「テレポート」で更に後方に移動した。夢子は俺から標的を変えて船にいる者たちを狙おうとするが
「サイドチェンジ」
「!?」
俺は夢子との場所を入れ替えた。夢子は聖輦船からかなり離れてしまった。そして俺は船を進行方向に向かって「テレポート」させた。聖さんがいる場所に送りたいところだが、さすがに行ったこともない場所には「テレポート」出来ない。だからせめて目視で見える最大限までの距離にまで移動させた。そして
「あいつは俺がくい止めるから先へと向かえ!!」
そう言い残し、夢子の元へと向かった
「待たせたな」
「やってくれますね」
「罪を犯しておいて悪いけどここを通すわけにはいかない」
「ならさっさとあなたを倒すまでです」
そしてまた大量の剣が放たれる。しかし
ガキキーン!!
「!?」
「まさかここで役に立つとはな」
すると俺に周りにも大量のナイフと剣が空を舞っていた。小傘に作ってもらった特製の武器だ。俺はそれを全て「サイコキネシス」で浮かばせて操作しているのだ
「行け!!」
ズドドドドドドドドドドドド!!!
一斉に夢子に向かってナイフと剣を発射した。夢子もお返しとばかりに放つ
ガキキキキキキィ!!
数では俺の方が劣るが、その代わり一つ一つを正確に操作して応戦する。俺は今メガフーディンの力を宿らせている。元々知能指数が5000を超える頭脳を持つポケモンだ。それがメガシンカによりサイコパワーと共に格段にパワーアップしている。その頭脳で一つ一つを正確に把握し、精密な操作を可能とする。更に「サイコショック」も混ぜて数を補う。しかし夢子も赤い光弾を大量に発射していく。一進一退の攻防である
キンキンキン!!
しばらく撃ち合いが続いていくが
ピキピキ・・・パッキーン!!
「な!?」
なんと夢子の剣が折れてしまったのだ。そして次第に折れてくるものが増え始めてきた。対して俺のはひび一つ入っていない。そして弾幕を突破して夢子に襲い掛かる弾幕が増え始めてきた
「くう!!」
夢子は咄嗟に結界を張って防御姿勢に入る。かなりの硬度を誇るが守りに入った故に攻撃が手薄になりいつの間にか大量の武器に囲まれた。そして武器が夢子に集中したため今度はメガミュウツーYの力を宿した。そして夢子への攻撃に加え、一方で俺は腕に電撃を込める。そしてたまり切ったら夢子に「かみなり」を放った
ピカ!!ゴロゴロゴロ!!
夢子に巨大な雷が直撃する。しかしそれでも夢子の結界はひび一つ付かない。しかし本当の狙いは武器に雷の電力を纏わせるためだ。そしてすかさず「サイコキネシス」を全ての武器に向かって全力で放った。そうこれは某ビリビリ中学生を参考にして作ったもの。しかしあれと違って大量にある。電力も抜群だ。あとは「サイコキネシス」で一気に撃ちだした
ズドドドドドドドドドドドド------ン!!
凄まじい威力のレールガンが雨のように放たれるその威力でとうとう結界にひびが入り始める
「!!」
「いっけーー!!」
バッキーン!!
遂に結界が破られた。そして夢子にレールガンが襲い掛かる。しかし
「なめるな!!」
しかし夢子は膨大な魔力を一斉に解き放った。ただ単に守っていただけではないらしく、反撃に転じたときのための魔力を溜め込んでいたらしい。最初から守りに徹するふりをしてその間に魔力を溜めていたのだ。しかしまさか破られるとは思ってはおらず威力不足だった。そして威力は大幅に下がったものの真聡の攻撃が夢子に直撃した
「ぐう・・・」
夢子は血を吐き倒れそうだった。かなりの数の武器がささってしまっていた
「どうして私の剣より、貴方の武器の方が強いのよ・・・」
「まあ素材にはこだわったからな」
実のところあの武器たちは全てレジギガスの力で生み出した金属で出来たものなのだ。レジギガスに作られたポケモン、レジスチルは特殊なマグマによって生み出された存在である。俺は地底の灼熱地獄の奥地へとこっそり向かってレジギガスの力でそれを完成させたのだ。その物質はあらゆる金属よりも固く、しかも伸縮性にも優れた超物質である。それを小傘の鍛冶の技術によって生み出されたものだ。更に実はあの時自宅へと送っていてディアルガの力で生み出した時間の流れがものすごく速い部屋の大地の奥深くに埋めておいたのだ。そこは時間の流れが極端に速い。俺が今まで向かっている間に何十億年も経っていたらしい。元々レジスチルは何万年ものの長い年月の間、地下の圧力で鍛え上げて作られた存在だ。何十億年も鍛えればその強度は計り知れない。正に究極の物質で生み出した剣やナイフと槍と言えるだろう
「もう終わりにしないか?そうすれば俺は素直に罰を受けるけど」
「・・・・」
夢子は黙ったまま動かなかった。俺は仕方なくまずはディアルガで時間を巻き戻して元に戻そうとしていた。しかし次の瞬間
ドオオオオオオオオオオオオオオ!!
「!?な・なんだ!?」
すると夢子が強大な魔力に包まれた。そして一言こういった
「この手は最終手段でしたけど神綺様の御力を借りさせていただきます!!」
すると腕に何かの紋章が浮かんでいた。夢子は主にして自分と魔界そのものを生みだした女神、神綺の魔力をその身に宿らせたのだ。依姫の神降ろしに近いものだが、あれよりもさらに強力なものだった。そして剣を縦に振るいだした。俺は咄嗟に「テレポート」で避けた
ズッバーン!!
一振りで魔界の大地が切れてしまった。その軌跡上の森と山は消えて底が見えない谷が出来ていた
「あいつらに当たってないだろうな・・・」
と心配したが、今はそんな暇はないらしい
「いきます・・・」
夢子は俺にそう言い放つのだった
今ここで魔界史上最大クラスの戦いが始まろうとしていた