携帯獣の能力を宿す者の幻想伝   作:幕の内

103 / 123
今回もオリジナル展開になります


魔界

~聖輦船・甲板~

 

「それじゃ魔界に向かうわよ!!」

「わかった」

「りょうかーい!!」

「・・・なんで私まで」

「まあいいじゃないですか。せっかくこの船に乗り込んだんですし」

 

俺たちは飛行船で魔界へ向かおうとしていた。それとこの船の名前は聖輦船というらしい。俺はこの人たちに協力することにした。霊夢と早苗も協力してくれた(霊夢は渋々と言ったところだが)。魔理沙は「まんたんのくすり」で傷を治した後に「テレポート」で魔理沙の自宅に送ってベットに寝かせた。そして船はやがて魔界の入り口を通って魔界に向かうのだった

 

 

~魔界~

 

「ここが魔界か」

「空気の悪いところですね」

「う・・・妖怪である私ですら気持ち悪いよ」

 

魔界は何というか不快な土地だった。真っ黒な空に不気味な森。よく見たら悪魔の顔みたいになっていて今にも動き出しそうだ。歪な形をした頭蓋骨や毒々しい沼やマグマの川も見えた

 

「魔界って本当に「魔界〇」の背景みたいなんだな」

「ええ。ゲームだけかなと思ってましたけど実際にあんな感じなんですね」

「二人は魔界に行ったことがあるの?」

「いや。ないけど?」

「えっと・・・その、おとぎ話とかで出てくる魔界の光景みたいだなあって思っただけですよ」

「?そう・・」

 

そんなことを話しているのもつかの間。俺は大量の波動を感知した。そして

 

「うわあ・・・これはこれは」

「完全に囲まれたわね」

 

すると大量の魔物が聖輦船を取り囲んでいた。小さな羽が付いた悪魔やどことなくレッ〇アリー〇ーみたいなちょっと大きめのもの。ワイバーンのような飛行するドラゴンや骨の怪物などいっぱいいた。こいつらは自分たちの縄張りに侵入してきたことに腹を立てて襲ってきたようだ。おまけに新鮮な肉にもありつけると言った魂胆だろう。話し合いが通じそうな相手ではないし、ここは蹴散らすしかないようである

 

「やるしかないか」

「そのようですね。みなさん!!これくらいでは私たちの大恩人である聖の救出をあきらめたりしませんね?」

「もちろんだよ、ご主人」

「ええ、私たちの恩人を助けるためだもの」

「姉さんのためにここはやるわよ!!雲山!!」

「コク・・・」

「まあ私も迷惑かけちゃったしこれくらいやってやりますか」

 

みんなやる気は十分のようだ。霊夢と早苗も協力を決意した

 

「さあ行きますよ!!」

『おーーー!!!』

 

掛け声と共に聖輦船の船員たちが先陣を切った

 

宝塔「レディアントトレジャーガン!!」

 

まずは星が宝塔から全方位に青いレーザーを放った後にそのレーザーを這うように曲がったレーザーが発射される。そしてそのあと大量の弾幕になっていった

 

「行くわよムラサ!雲山!」

「うん!」

 

潰滅「天上天下連続フック!!」

湊符「幽霊船永久停泊!!」

 

するとムラサと一輪が弾幕を展開する。一輪は相棒である入道の雲山を操り巨大な拳の連続フックを、ムラサは周囲に巨大な錨の形をした弾幕を放つ。二人とも非常に豪快な弾幕であり、それに見合う強力な攻撃である。しかしそれを潜り抜けて二人に攻撃しようと魔物たちは迫る。しかし次の瞬間二人は姿を消した

 

「ギャウ?」

 

魔物たちは急に姿を見失って混乱した。そして次の瞬間

 

捜符「ゴールドディレクター」

 

すると今度はナズーリンから黄色いレーザーが放たれた。そして更に今度は別のところで魔物たちが悲鳴を上げ、そして爆発した。見えないところからの攻撃で魔物たちはパニックになっていた

 

「へへ。どうだい?私の能力は」

 

これはぬえの能力によるものだった。彼女の「正体不明にする程度の能力」により彼女を認知できなくしているのだ。波導が使える俺はどこにいるかはすぐにわかるが、わからないものにとっては脅威の能力と言えるだろう

 

「なかなかやるな」

「私たちも負けてられませんね!!」

 

そして俺と早苗と霊夢も魔物を蹴散らしていった

 

しかし敵の数が尋常じゃないほど多く、いくら倒してもキリがない。このままではこちらがじり貧になる。そこで俺は全員船に移動させて周りに「リフレクター」と「ひかりのかべ」を何重にも張った堅固なバリアを船ごと張った

 

「「だいちのちから」、続いて「ふんえん」」

 

俺はメガバクーダの力を宿して地面に着地した。そしてそこから魔物を一気に攻撃した。そして「だいちのちから」によって生まれた地割れが光り出し、地面が揺れ始める。そして

 

ピキピキピキピキ!!

「ふんか!!」

ズッガア―ン!!!

 

天高く超巨大なマグマの柱が立ち昇った。バクーダはもともと摂氏一万度のマグマを生みだすポケモン。メガシンカと俺自身の修行の成果によって温度は数十万度に達して最早マグマの域は完全に超えている。まあ元からマグマの温度ではないのだが。更にそこから巨大な火山弾となって天からいくつも落ちてきた。船には当てないようにしているし、ちゃんと堅固なバリアーを張ってあるから乗員を含めてダメージはなかった

しばらくすると別のところからも噴出して、マグマ柱と火山弾の雨が魔物たちを襲った

 

ドーーン!!ズドドーーン!!

 

魔物たちは次々倒されていった。しかし炎を操る魔物は体の中にある耐性のおかげかギリギリで生き残る者がいた。それ以外にも中級、上級ぽい者たちも生き残りはいた。逃げていった魔物が大半だが、群れの上司からの命令なのか無理矢理連れ戻されたりまた新たな仲間を連れて来た。しかし俺はまた攻撃に移る

 

ヒュン・・・ズガア!!

「「!?」」

 

いつの間にか遠くにいた下級らしき小型の魔物が攻撃を喰らって下に落ちていった。しかも

 

ドカ!!ズバア!!

 

一体、また一体と倒されていく。しばらくすると

 

ビュゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

猛烈な暴風が発生する。そしてやがて巨大な竜巻へと変わっていった。真聡が宿したのはメガピジョット。元からマッハ2の速度で飛べるピジョットがメガシンカにより更に早くなり、「でんこうせっか」で更に早く移動していた。そして以前文さんとの弾幕ごっこで繰り出した超高速移動からの竜巻を生み出す「電光石風」で次々と蹴散らしていく。ある程度数を増やしたらパワーを込めた「ぼうふう」で超巨大な竜巻を生み出していった

 

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

魔物たちを木々や瓦礫などと一緒に吹き飛ばされて、やがてその圧力で潰されていった。しかも先程の「ふんか」によってできたマグマも浮き上がっていき、それで燃えていく魔物もいた。さらに「かぜおこし」を応用した風の弾丸もばら撒いていった。メガピジョットは巨木を一撃でへし折る突風をただの羽ばたきで生み出す。その攻撃も魔物を倒すには十分だった。真聡は「おいかぜ」と「こうそくいどう」でますますスピードを上げていき、更に竜巻が増えていった

 

この大自然の天災ともいえる超常的な光景に船にいる妖怪組はただただ唖然としていた。大して霊夢と早苗は落ち着いていて互いに船に結界を張って待機していた。付き合いの頻度によるものなのだろうか。唖然としている妖怪組に霊夢は

 

「言っとくけどこれでも多分手加減しているし、さらに強力な力もあるわよ」

 

と言っておいた。妖怪組は今日ほど味方でよかったと思ったことはなかったと全員が心の中で思ったという

 

 

~魔界・上空~

 

「目的地まではどれくらいなんだい?」

「あともう少しだと思います」

「いよいよか・・・」

 

魔物たちを撃退して船はひたすら前進していた。どうやらあと少しのようだ。しかし次の瞬間

 

ズドドドドドドドドドドドド!!

「サイコキネシス!!」

 

すると突然剣が大量に降り注いだ。俺はそれを全て「サイコキネシス」で止めた。するとどこからか女性が現れた

 

「あなたですね。魔界で大暴れしてあそこの魔物たちを壊滅させたのは」

「・・・まあそうですけど」

「ていうかあんた誰よ!!」

 

容姿は長い金髪にエプロンの下に赤い半袖のメイド服を着ていた

 

(ちょっとやりすぎたかな・・・いややりすぎたか。これはまたひと悶着ありそうだな・・・)

 

そう心の中で思うのだった

 




バクーダ    NO.323   タイプ:ほのお・じめん

火山の火口で生活するポケモン。起こったら背中のこぶからマグマを出して噴火する。10年周期で大噴火を起こすらしくその原因の研究が進められている。マグマの温度は1万度に達する。ちなみにこれは太陽の表面温度や地球の内核よりも高い温度である。果たしてこれはマグマと言えるのか個人的に疑問である
メガシンカすると体毛が増殖して足は覆われ、二つのこぶは一つになって小さな火山の形をしている。とくせいは「ちからずく」に変化する

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。