ソードアートBro's   作:名無しの権左衛門

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文字がおかしいのは、txtから直接コピペしてるからです。
なるべく直してますので、ご了承ください。


2:道標

2:道標

 

「クライン、ここら辺のリソースは限られている。

 今からでもいい、俺と一緒に次の村まで来てくれ。

 俺は全ての安全なポイントを知っている。

 レベル1でもたどり着ける」

 

「すまねえ、キリト。

 俺はこのゲームをあいつらと徹夜して買ったんだ。

 今更置いていくわけにゃいかねぇ。

 なあ、後でいいからよ、あいつらと顔あわせてやってくんねえか?

 キリトの技術は目を見張るものがあっからさ」

 

「……分かった。先に行ってるよ、フレンド登録しようぜ」

「応!」

 

 そう云って、俺はクラインとフレンド登録して、次の村へ向かった。

俺はこの後彼等と会う事ができないまま、レベリングをしてしまう。

なんだか、違う世界に住んでいるような気がして……しり込みしてしまったんだ。

 

最初この世界に来たとき、俺の行動からテスターと見抜いたクラインは俺にこの世界での戦闘を教わった。

……わかってる。其々の生き方があるんだって。

 

でも、助けられるなら、助けたかった。

 

まだ、クラインの名前は灰色じゃない。

 

 そして、俺の運命もこの日変わってしまったのかもしれない。

 

ある日、俺はとあるクエストに繰り出してた。

普通だったら何事もなく撃破できていたはずだった。

 

でも、素早かった。

 

一歩。

 

あと一歩で、アニールブレードを入手できたのに……!

 

 俺はこの世界で、砕け散ってしまう……死にたくない。

そんな思いとは裏腹に、HPは徐々に0に近づいていく。

 

「1UPキノコって知っているかな?」

 

そんな声がして、俺の口に何かを入れられる。

その物体を口の中で転がす暇もなく、喉奥へ呑みこむ。

何故か。

 

「まずぅぅうう!!?」

「良薬は口に苦しだよ、少年」

「え、え!?」

 

 いつの間にか、全損HPが全快していた。

しかも、起き上がった俺の目の前には、鼻の下から髭を生やしたおっさんがいた。

革靴に青のオーバーオール。黄色い『M』が描かれた赤い帽子。

 

「戸惑うのは後だ、少年!今はこいつを倒すぞ!」

「はい!」

 

 土壇場で、年上な方に敬語で応える。

 

「ほっはっやっふううう!!ふんっ!」

 

 おじさんはホップステップジャンプして、空中で座って敵をおしりの下敷きにした。

どういうことなの?

ホップはまだいいさ。

ステップも、まだ人間の範囲……外だよな?

ジャンプでステップの2,5倍の高さまで上がって、空中で前転しながらそのまま真下へ落下したんだ。

 

 敵は麺棒で引き伸ばされた生地の様に伸ばされていて、そのままポリゴンとなって消える。

 

 

 

「えーと、助けてくださりありがとうございます」

「敬語はなくていいよ。それに、僕らはお互いをリスペクトしあわないと生きていけないらしいしさ」

「わ、わかったよ。あ、俺はキリト。貴方は?」

「僕はマリオっていうんだ。職業は、配管工・医者・ゴミ処理業者・下水処理・花屋・サッカー選手・野球選手・テニス選手・オリンピック全種選手・シムシティ観光業者……色々かな?」

「へーそうなんですか」

 

 一通り会話した後、マリオは俺の武器取得を手伝ってくれた。

 

 マリオは基本的に、拳闘で戦闘する。

黄色いマント・火の玉・ポンプ等を利用して、より戦闘を有利にする。

おかげで、攻撃範囲外の敵を戦略的に排除できた。

 

「体力が減ったなら、このキノコを食べてみてくれ」

「これか?どう見ても、毒キノコ……」

「さあ」

「え」

「さあ!」

「わ、わかったよ」

 

 グイグイと押してくるマリオに負けて食べてみた。

別にポーションがあるってことを云えなかった。

キノコの味はまあまあおいしいかな?

 

「お」

 

 独特なSEが3回鳴って、体が3回点滅して、体力ゲージも3回光って体力が全快した。

俺の驚く様子を見て、マリオは笑う。

 

「よし、今度はキリトがこのゲーム[世界]の事を教えてくれないか?」

 

 マリオが周囲を見て、敵が居ない事を確認してからそういう。

俺は街に戻ってからでもいいと思った。

しかし彼等[英雄]は、全てのプレイヤーと共に歩む事が可能なのだろうかと思う。

現に今、俺のところに居るのはその英雄の内の一人だと思う。

 思うのは一人の英雄につき、一人のプレイヤーだということ。

そしてあの戦艦に乗った亀、クッパがいう事を吟味すると……。

全てのプレイヤーに英雄が、相棒として付く可能性がひくい。

だから今この状況で帰るのは、少々分が悪い。

英雄を奪おう―正確にはストックを利用するため―と思うプレイヤーに、俺が狙われないという可能性はない。

ありえない。

 

 マリオは本当にちょうどいい時に話しかけてくれた。

俺は久しぶりにたくさん話した。

マリオは聞き上手のようで、俺は苦も無く話続けられた。

 

俺はソロでもいいかもしれないという心があった。

でも、今回で身にしみてわかったよ。

やっぱり、自分一人では何もできないことの方が多いんだって。

 

あー、でもマリオは一人で何でもしてるな。うん。

 

「そういえばマリオは、いろんな職業になっていろんな場所を冒険しているみたいだけど、

 どんな目的で旅してるんだ?」

「んー、そうだね。僕にとって一番大切な人を、いろんな悪い奴から救うためさ」

 

 マリオはさらっと口にする。

 

「ええ!?マリオ、恋人……結婚してんだ!?」

「あー誤解してるね。結婚もしてないし、恋人でも……多分違う」

「え、じゃあ、なんで?」

「さあね。でも、昔でっかいゴリラにつかまっていた彼女を助けた結果、こういう関係になったんだ。

 ゴリラに攫われ、クッパに攫われ、ゲラコビッツやゲドンコ姫に拉致拘束されたり……。

 ただの配管工がこうして、キノコ王国の王女と関係を持てたのは、奇跡的というしかないよ」

「マリオは凄いなぁ。身分的に手が届かないのに、いっつもそのピーチ姫を助けているんだからさ」

「偶然みたいなもんだよ」

 

 お互いに情報を小出ししながら、次の目的地へ向かう。

そうして、俺達は4週間共に行動する。

 

そう、この4週間後に初のフロアボス討伐会議が行われるからだ。

今はまだ予定。

俺と違ってパーティを組める人達が、迷宮区に挑んでいる。

そこでフロアボスの部屋を見つけられれば、もっと期間が短くなる可能性がある。

 

 きっと今俺達が向かっても、無残に殺されてしまうだけだ。

だからマリオと共に、レべ上げを頑張る事にする。

 




キリト君の性格がおかしかったのはごめんなさい。
サクサクやっていきたいので、恋慕や心理描写はカットしていきます。
愉しければ僥倖です。是非またいらしてください。

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