多重人格なツチノコ   作:☆ショウ★

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一ヶ月一回投稿がデフォになりつつあります。

中々文章が纏まらなくて苦労してます。

さて、今回はツチノコの性格についてのお話です。

この話が終わると、他のちほーのフレンズ達とどったんばったん大騒ぎするお話になっていきます。書いてる自分でも楽しみです。

では、どうぞ。


第三話 ツチノコと仲間

ツチノコ「ところで、お前らが知ってるツチノコってどんなヤツなんだ?」

 

洞窟に向かう道中、ツチノコがサーバル、かばんにそれとなく質問をした。

 

サーバル「えーっとね、まずはとっても恥ずかしがり屋だったね!」

 

かばん「うん。遺跡の壁から体を少しだけ出して大きい声を上げたり威嚇したりしてましたね」

 

ツチノコ「えー・・・それ小心者のやる事じゃないか・・・」

 

かばん「他にもやたら濁った声で奇声を上げてました」

 

ツチノコ「しっかりしろ!私!」

 

ツチノコが悔しそうに呟く。

 

サーバル「でもでも、すっごい所もあるんだよ!」

 

かばん「ピット器官?だとかで赤外線が見れて、なんでもお見通しらしいですし、空気の匂いで何処が遺跡の出口かも分かるんですって。スゴイですよね!」

 

ツチノコ「まあ、凄いも何も私だがな・・・ただまあ、悪い気はしんな。さて、着いたぞ」

 

ツチノコの言うように目的地の洞窟はもう目の前だった。

 

サーバル「よーし!とつげきー!」

 

かばん「わああ待ってサーバルちゃん!プレーリーさんじゃないんだから突っ込まないでー!」

 

全速力で突っ走るサーバルに慌てて抑えるかばん。

 

ツチノコ「(いいコンビだな・・・)ま、落ち着け。騒いだら何が来るか分からんからな」

 

と、まるで仕事人のようなことを言うツチノコ。

 

かばん「まあ、慎重に行くことに越した事は無いでしょう」

 

サーバル、かばん、ツチノコは少しずつ洞窟の暗闇に入っていった。

 

サーバル「くらいねー」

 

かばん「ちょっと怖いです・・・」

 

ツチノコ「静かにしろ。・・・何か居るぞ・・・」

 

かばん「え!」

 

ツチノコ「気配を感じる」

 

サーバル「え・えー?どこー?」

 

何処までも呑気なサーバル。

 

そして暗闇から声が響く。

 

???「ふっふっふ。遂にアライさんの出番が来たのだ!」

 

???「アライさーん、それじゃ名前の???が意味無いよー」

 

ツチノコ「何言ってんだアイツら」

 

意味不明なことを口走るフェネックに冷めた口調で呟くツチノコ。

 

フェネック「そして私らを隠すつもりも無い地の文さん」

 

ツチノコ「だからお前は何を言ってんだ」

 

何処までもメタいフェネック。

 

アライさん「茶番はそこまでなのだー!」

 

アライさんが仕切り直す。

 

アライさん「ふっふっふ、アライさん参上!ここから先は行かせないのだ!」

 

サーバル「え?何かあるの?」

 

フェネック「まあ特になにも無いんだけどねー」

 

サーバル「無いのー!?」

 

かばん「じゃあなんでそんな事言ったんですか」

 

アライさん「それっぽい事言ってみたかったのだ」

 

ツチノコ「それよりも、お前ら酒を知らないか?」

 

ツチノコが強引に話を戻す。

 

フェネック「あー、それっぽいのはアライさんが見つけてたよー」

 

アライさん「これなのかー?」

 

アライさんが酒ビンを取り出す。

 

ツチノコ「おお!正しくそれだ!よくやったアライさん!」

 

ツチノコが珍しく興奮しながらアライさんに向かっていく。

 

アライさん「待ったなのだ!これはアライさんが先に見つけたのだ!そう簡単には渡せないのだー」

 

サーバル「えー!なんでー」

 

アライさん「何故ならこれはアライさんのものだからなのだー」

 

フェネック「アライさーん、そこは渡した方が良いよー?」

 

アライさん「フェネック?」

 

フェネック「アライさん知らない?ツチノコってお酒が大好物なんだよー?」

 

アライさん「えっ?そーなのかー?」

 

ツチノコ「・・・ああ」

 

恥ずかしそうにそっぽを向きつつ肯定する。

 

フェネック「そんな好物を目の前にして手に入れられ無いのは可哀想じゃないかなー?」

 

アライさん「うーん・・・」

 

フェネック「それに、お酒なんてアライさん飲めないよね?」

 

アライさん「フェネックぅ、そもそもお酒って何なのだ?」

 

ツチノコ「え、知らずに言ってたのか」

 

フェネック「えーっとお酒ってね、おいしいんだけど身体にはちょっと悪い飲み物なんだー」

 

アライさん「え、身体に悪いのか?」

 

ツチノコ「ま、まあ私ぐらいのけものじゃないと酒はちょっと厳しいかもな」

 

フェネック「そうだよアライさん。ここは譲ってあげよ?」

 

アライさん「ぐぬぬ・・・」

 

アライさんはフェネック達の説得に心が揺れ動いてるようだ。

 

フェネックは目で「出来るだけのことはやった。後はアライさん次第」という旨の事をツチノコに伝えた。

 

ツチノコはそれを目礼して返す。

 

アライさん「ぐぬぬ・・・」

 

アライさんはまだ悩んでいた。他のみんなはじっとアライさんの答えを待つ。

 

そして、三十分後・・・

 

アライさん「決めたのだ!」

 

遂に結論が出たようだ。

 

ツチノコ「なげえよ」

 

かばん「サーバルちゃん起きて」

 

サーバル「ん?ああ、やっと決まったの?」

 

サーバルに至っては昼寝をしていた。洞窟の地面が冷たくて気持ちいいらしい。

 

フェネック「んで、どうするのー?」

 

アライさん「ふっふっふー。ツチノコ!アライさんと勝負するのだ!」

 

ツチノコ「ぇ」

 

ツチノコは僅かに怯んだような顔を見せた。

 

サーバル「勝負?」

 

アライさん「そう!勝負なのだ!」

 

フェネック「でもアライさーん、勝負といっても色々あるよー?何するのー?」

 

アライさん「バトルなのだー!コブシとコブシのぶつかり合いなのだー!ツチノコにはアライさんスペシャルを食らわせて沈めてやるのだ!」

 

フェネック「おーやる気だねー」

 

ツチノコ「・・・っぐ、マジか・・・」

 

ツチノコは心底嫌そうに顔を歪ませる。

 

アライさん「この勝負に勝てたら、おさけを譲ってやるのだ!でもアライさんが勝ったらあれはアライさんのものなのだ!それでいいかー?」

 

ツチノコ「・・・しゃーない、やってやるよ」

 

アライさん「よし!どんとこいなの(シュン)・・・だ・・・?」

 

アライさんが喋ってる頃にはもう戦闘は開始されていた。ツチノコは猛スピードでアライさんの元に近づき、膝をアライさんの腹のギリギリのとこで寸止めしていた。

 

かばん「この間、わずか0.2秒!」

 

サーバル「かばんちゃん急にどうしたの!?」

 

ツチノコ「数百年以上も人間から逃げ回っていた私の速さを舐めるなよ?伊達に「訊ねけもの」なんて呼ばれてねえんだ」

 

アライさん「・・・」

 

ツチノコ「今の膝が入っていればお前はこの数週間、いや、数ヶ月以上は腹痛に悩む生活を強いられていただろうな」

 

アライさん「んぐっ・・・」

 

フェネック「アライさん・・・」

 

ツチノコ「どうするよ?まだやるか?」

 

アライさんは俯いている。が、次の瞬間、輝かしい程の顔を上げこう言い張った。

 

アライさん「まだまだなのだ!アライさんのガッツはこんなもんじゃ無いのだ!」

 

ツチノコ「んなっ!?」

 

アライさん「まだまだ勝負は終わってないのだ!アライさんが諦めない限り、終わらないのだ!そしてアライさんが諦めるなんて万に一つでもありえないのだ!」

 

ツチノコ「っぐ・・・」

 

アライさん「さあ勝負なのだツチノコ!」

 

ツチノコ「・・・いや、もういい。私の負けだ」

 

ツチノコは消え入りそうな小さな声で呟いた。

 

アライさん「え・・・?」

 

サーバル「え、どうしてー?」

 

ツチノコ「そんなの決まってるだろ・・・」

 

ツチノコは恥ずかしそうにフードを深く被り、誰もいない方に言い放った。

 

ツチノコ「友達を傷つけて飲む酒がおいしい訳無いだろ・・・オレは仲間と笑いながら飲む酒の方がいい。お前を倒さないと手に入れられない酒なんて、いくらへびごろしだろうと要らねえよ」

 

そう言うとツチノコはフードが千切れる程の勢いで目深に被り端っこで小さくなっていた。

 

かばん(あれ?今ツチノコさん・・・)

 

フェネック「いい事言うねー」

 

ツチノコ「うるせえ!突っつくな!」

 

サーバル「照れなくてもいいよ!実際かっこよかったよ!」

 

ツチノコ「やめろやめろー!!」

 

ツチノコは猛スピードで走って壁の後ろに隠れた

 

フェネック「ねえアライさん。すごいよねーツチノコ」

 

アライさん「・・・」

 

アライさんは固まったまま微動だにしない。

 

フェネック「あれ?アライさん?」

 

アライさん「・・・」

 

フェネック「あー」

 

サーバル「あれ、フェネック、アライさんどうしたの?」

 

フェネック「アライさん気絶してるみたい」

 

皆「えええ!?」

 

フェネック「アライさん、すごく感銘を受けると立ったまま固まっちゃうっていう何処ぞのペンギンみたいな事になるんだよねー」

 

ツチノコ「なんじゃそりゃ・・・」

 

フェネック「まあ面白いじゃん。・・・それとツチノコ。これ」

 

フェネックはツチノコにアライさんが持ってた酒ビンを手渡した。

 

ツチノコ「え、なんで・・・?」

 

フェネック「ほら、アライさん気絶しちゃったじゃん。これ、ツチノコの勝ちで良いんじゃないかな」

 

かばん「えー・・・?」

 

ツチノコ「ま、まあありがたく貰っておくよ」

 

フェネック「そういえば、カバがなにか面白いもの見つけたって言ってたよー。行ってみたらどうかなー?」

 

ツチノコ「なに!?だったら行く!よし、サーバル、かばん!着いてこい!」

 

サーバル「わー待って!」

 

かばん「置いてかないでくださーい!」

 

フェネック「行っちゃったなー。さて、私はアライさんの目覚めを待とうかな」

 

 

〜サバンナの水場への道中〜

 

かばん「色々ありましたが、無事お酒を手に入れることが出来て良かったですね」

 

ツチノコ「ああ、これはアライさんとフェネック、そしてコノハとミミのお陰だ・・・よ・・・?アレ?」

 

サーバル「どうしたの?」

 

ツチノコ「これ、よく見たら「へびごろし」じゃなくて「べいひろごし」じゃねえか!つかなんだ「べいひろごし」って!業界用語か!」

 

かばん「落ち着いてツチノコさん!」

 

サーバル「熱くなりすぎだよ!」

 

結局、へびごろしでは無かったとさ。




アライさんのコウテイネタはオリジナルです。知ってると思うけど。

仕方ないんです・・・こうしないとアライさん達が付いてくるように出来ないんです・・・

ま、次回からは各ちほーを回っていきます。お楽しみにー

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