ぱびりおんが楽しすぎて色々身に入らないです!後はハクトウワシでアーカイブが埋まる!
と、雑談は置いといて、そろそろよきタイミングでカクヨムの方にも新しい小説を書いてく予定が出来ました。
「ただでさえ更新ペース遅いのに掛け持ちして大丈夫か?」って疑問もあるかもですが、まあ、善処します。
毎週土曜日に多重人格のツチノコを更新し、日曜にカクヨム小説を更新出来たらいいな。って感じです。
「さてさて、さばくへ行くのはいいんだけど、歩いて踏破するのは厳しいんじゃないかな?」
こうざんの麓へ降りた一同。次の目的地であるさばくへ向かうための話し合いをしていた。その最中、ルルの発言だ。
「やっぱりバスが無いと。あの暑い中歩くのはわたし溶けちゃうよ」
サーバルもルルの意見に同意する。
「でもバスは船に改造しちゃいましたしね・・・」
かつてかばんとサーバルとラッキービーストがパーク中を走り回った思い出のジャパリバスは、かばんの新たな船出の為、船へと姿を変えた。
一度は船出をしたかばんとラッキービースト、そしてサーバル達だったが、電池切れという最後の最後でラッキービーストのむの・・・残念な部分が発揮される。
その後は充電の為、またあの島へと引き返した。
かばんは、あの時のことは永遠に忘れることは出来ないだろうと思う。今でも鮮明に思い出せるあの光景・・・
かばんとラッキービースト、そして着いて行ったサーバルとアラフェネがまたヒノデ港へ帰って来た時、まだそこに残ってたフレンズ達は思い思いの反応を見せた。
「わあ!!かばん達が帰ってきたあ!!」
と、喜ぶものや、
「え、も、もう来たの?」
と、戸惑うもの、
「もう帰ってきたのですか・・・」
と、呆れ気味にいうもの。
ただ皆、喜んでいたという点だけは一緒だった。
「もう帰ってきたのですか。随分短い旅立ちですね」
と、コノハ博士が帰ってきたかばんに笑みを浮かべながら話しかける。しかし、
「ええ、すみませんね。でも、またすぐ出発しますよ」
というかばんの一言に場の空気が凍りついた。
「バスの電池が無くなったので充電しに来たんです。終わり次第、また出発します。出鼻挫いちゃいましたね」
とかばんは自虐的に笑うが、島に残っていたフレンズ達からはまばらまばらに複雑な笑みが漏れるだけだった。
そしてその空気に気付かないほど、かばんも鈍感ではない。
「えっと、皆さんどうしたんですか・・・?」
「な、なんでも無いのです!」
強がるようにコノハが声を上げる。
でもみんながみんな、コノハの様に強がれるかと言えばそうではなく、
「お願いかばん!!もうどこにも行かないで!」
と、コツメカワウソがかばんの胸へ泣きついてきた。いつも明るく、楽しみを見つける天才が、だ。その顔には楽しさなんてなく、ただただ、かばんを失いたくないと願う気持ちが涙となって濡らしていた。
「その子ね、君が旅立ったあと崩れ落ちるように泣いちゃったんだ。よっぽど別れが辛かったんだろうね」
ジャガーが泣きつくカワウソを見ながら、かばんに事情を説明する。
「一回目はなんとか涙を堪えて、君に心配させないように見送りが出来たけど、こんな姿を見せちゃった以上、もう出来そうにないね」
かばんはカワウソを胸に抱きながらジャガーの言葉を聴いていた。
「そしてそう思ってるのはカワウソだけじゃないよ。みんなもそうだ」
そう言いながらジャガーは後ろへ手を向けた。そこには喜びムードから一転、暗く悲しい空気が場を支配していた。かばんに向けられる表情はどれも眉が釣り下がり、辛そうな顔をしていた。
そしてカワウソをきっかけに決壊をしてしまい、顔を涙で濡らしながらもう行かないでと、真摯に訴えかける面々。かばんは気圧された様に固まってしまっていた。
「みんな、別れが悲しくて辛かったんだよ。他ならぬ、あだしも・・・」
そんなジャガーも決壊し涙を目に浮かべながら言う。
「もう君とは別れたくないんだ・・・ずっどここに・・・」
遂にはジャガーも言葉を紡げなくなってしまう。
「我々も・・・限界なのです・・・」
果てにはコノハとミミちゃんもその大きな瞳を濡らしていた。
「別れというのは、こんなに辛いものだったのですね。博士・・・」
「お願いなのです・・かばん・・・」
コノハは大粒の雫を零しながら真っ直ぐかばんを見据えて、苦しそうに言った。
「これ以上、もう我々に辛い体験をさせないで下さい!!」
こんなことがあって、また海へ行くほど、かばんは薄情者では無かった。行けるわけなかった。
(ホントにぼくは、この島でみんなと出会って幸せ者だなあ)
と、改めて話し合いをしている面々を見ながら思っていた。
「船にしたジャパリバスはまだヒノデ港にあるから使えないよね」
サーバルが困ったように言う。
「ラッキービーストに聞けば、他のジャパリバスの場所がわかるんじゃないか?」
「あ、なら早速聞いてみますね」
ぼんやりと思い出に浸っていたかばんはツチノコの言葉で引き戻され、早速ツチノコ案を採用する。
「ジャパリバスはロープウェイ乗り場に一台ある筈だよ」
ラッキービーストに聞くとそんな答えが返ってきた。
「ロープウェイ乗り場ってちょうどこの辺りだな、あれじゃないか?」
と目ざとくツチノコが指す。その先には確かにジャパリバスが鎮座してた。
「おお、ナイスツチノコ!」
ルルが飛び跳ねながらジャパリバスに近づいていき、「待ってー!」とサーバルも続く。
「これがあればさばくちほーも幾分かマシになりますね」
かばんが安心したように一息ついて、バスのフロントに触れる。が、
「まさかこれも電池切れとか無いですよね・・・?」
そう呟いたかばんの声に被せるように、ラッキービーストが言った。
「電池がなくなってるみたいだね」
「やっと動くか・・・」
ツチノコが疲れたように、ガタガタと揺れ動くバスに体を預けてぐったりとしていた。バスの充電のため、またこうざんへ登っていったからだ。
無論、押し付けられたとかではなく、「タイムアタックをしてみたい」という一瞬で後悔するような事を言ってしまったからだ。
それにしてもミスったな、とツチノコは思う。
こうざんへ改めて登る時もかばんが「嫌ならぼくが行きますよ?」という助け舟を出してくれた。
それなのにツチノコは「それはありがたいが、ホントは自分で行きたいが、お前らがどうしてもって言うから仕方なくお前らに譲るという形で辞退したい」なんて言ってしまった。
それをルルとサーバルは理解出来ずに「じゃあ行きたいならツチノコが行きなよ!」と言われたらそれまでだった。かばんに助けを求めようとアイコンタクトを送っても、かばんは困ったように笑みを作るだけだった。
結局ツチノコが行き、また滑落しそうになりかけ、ルルにも負けず劣らずなトラウマを抱えることとなった。
ツチノコは改めて車内を見回す。
ルルが落ち着きなくあちらこちらへ行き、窓から外の景色を眺めては目を輝かせていた。
かばんは運転席にてハンドルを握っていた。動かしてる訳じゃなく、ラッキービーストの自動運転だが、なんとなく握っていたいのはヒトの性か。
サーバルはジャパリバスの助手席に座り、かばんとお喋りをしていた。ハンドルを握っているかばんが新鮮なのだろうか。ルルに負けないほどに目を輝かせていた。
ツチノコはぼんやりとその風景を眺めていたが、やがて瞼が重たくなってきた。バスの心地よい揺れと、山登りでの心身共の疲れだろうか。
起きたらもう目的地に着いてるかな、なんて考えながらツチノコは目を閉じ、深い眠りについた。
はい。タイトル詐欺ですねこれ。さばくと言いつつ、ほぼ回想・・・
さばくへ行くための準備回ってやつです。というかそうさせてくださいな。
一話にて、かばんちゃんがなんで島に残ったかを適当に流しました。が、改めて考えると沢山のフレンズがかばんちゃんの旅立ちのため頑張ってました。だから明らかにしとこうかなと思いまして、急遽回想をねじ込みました。
みんなかばんちゃんと別れたくない、いつかまた会えるとしてもいつ会えるか分からないし怖い、という気持ちを押し殺してかばんちゃんの為に頑張って、見送った。って感じで、最終回のあの桟橋の妙な空気にこんな想いがあったら素敵だなと思い、書いてみました。
さて、前回のあとがきに「今後も何らかの形でアニメ登場の全フレンズは出す!」とか何かある感じで書いてましたが、普通にアニメ登場順に書いてきます。予定変わりました。
そして今回、色んな小説を読み直し、勉強をしてから書き始めました。おかげか書いてて楽しかったです。今後ももっともっと質のいい小説を提供していきたいですねえ。
次回はアラフェネ忘れませんよーに・・・!