多重人格なツチノコ   作:☆ショウ★

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どうも、ショウたけと申します。

前、幽夢という名で小説投稿してましたが、今回改めてけものフレンズの小説を書こうと、全てをリセットしました。

消した方の話は今度また新たに設定を練り直して続けていこうと考えてます。

なお、投稿ペースは遅めです。ご了承ください。


第一話 ツチノコと酒

ここはジャパリパーク。この世界の何処かにある、巨大総合動物園だ。ここにはサンドスターによってヒトの姿になった動物達、『フレンズ』が住んでいる。

そんなフレンズ達だが、動物だけでなく世間一般で知られていない生き物、所謂UMAだとか妖怪だとか言われる者達もフレンズとして生きている。

 

そんな未確認生物の一匹であるツチノコもフレンズとしてジャパリパークに住んでいた。

 

「おい博士。助手。頼みがある」

 

水色の髪にヘビ柄のフード、そしてワンピース風のパーカーに一本下駄という出で立ちの少女、ツチノコがジャパリパークにある図書館へと足を踏み入れた。

 

「む、ツチノコですか。珍しいですね」

 

「お前が我々を頼るとは何かあったのですか?」

 

そんなツチノコに応じるのはアフリカオオコノハズクのフレンズである博士、通称コノハ博士とワシミミズクのフレンズである博士の助手、通称ミミちゃん助手だ。

 

「ああ、遺跡を一通り探索して見つからなかったからな。ここが最後の希望だ」

 

ツチノコは少し恥ずかしげに言う。コノハ博士やミミちゃん助手にも勝るとも劣らない知能を持つツチノコには他人を頼るのはあまり好ましくない事のようだ。

 

「いいから早く要件を言うのです」

 

「我々はまだかばんの手伝いをしないといけないのですよ」

 

「なにっ、かばんが来てるのか!?」

 

「かばん」というのは、ジャパリパークへ突然現れた謎が多い少女だ。最近の騒ぎでその正体はヒトという動物のフレンズだと言う事が分かった。

 

その後は、他のヒトに会うため海へ出たがなんだかんだ言って結局また戻ってきてこの島に住んでいる。

 

「ええ、かばんはヒトとしてもっともっと沢山の知識を付けたいと読書中なのです」

「我々はそんなかばんの為に補佐をしているのですよ。ま、何故かサーバルも着いてきているのですが」

 

「当たり前だよ!私とかばんちゃんは素敵なコンビなんだから!」

「サーバルちゃん、ちょっと恥ずかしいよ」

 

遠くから二人の声が聞こえた。一つは先程から話に出てたヒトのフレンズであるかばん。もう一つはさばんなちほーからずっとかばんを支えてきたサーバルキャットのフレンズであるサーバル。

 

「あ、ツチノコさんお久しぶりですね」

 

「ああ、かばん。お前も元気そうだな」

 

お互いに挨拶するツチノコとかばん。そして

 

「ツチノコが自らここに来るなんて珍しいね!」

 

「わああああ!!」

 

ツチノコにいきなり飛びつくサーバル。そして奇声を上げながら図書館の陰に隠れるツチノコ。よくある光景だ。

 

「なんだコノヤロー!キッシャー!」

 

ツチノコが遠くから威嚇するまでセットで。

 

「ツチノコ!さっさと要件を言うのです!」

 

さっきより微妙に怒りがこもった感じでコノハ博士が言う。

 

「ああ、オレの要件はな・・・酒を恵んでほしい」

 

ツチノコがそう告げる。

 

「やはり酒でしたか。お前は相も変わらず酒好きですね」

 

「ああ。最近呑んで無いからな。久しぶり呑みたくなった」

 

「ねえツチノコ、さけって何?」

 

サーバルが純新無垢な瞳でツチノコに問いかける。

 

「あ、僕も知りたいです。教えてくれませんか?」

 

かばんもサーバルに続く。そんな二人を見て「仕方ないな」言わんばかりにツチノコが興奮気味に説明する。

 

「酒っていうのはダナ、普通の水のように見えて味とかは全然違う最高に美味い飲み物だぞ!オレの好物でな、喉越しが最高で味もよくってすんごく美味いんだ!」

 

「へえー!すごーい!私も飲みたーい!」

 

「止めといた方がいいのです」

 

サーバルの興味津々な声に待ったをかけたのはミミちゃん助手。

 

「ええーなんでえ!?」

 

サーバルが心底残念そうに口を曲げる。

 

「酒にはアルコールというものが入っていて、飲むと一種のトリップ状態のような感覚に陥るのです」

 

「酔っ払ってるとも言うのです」

 

コノハ博士が説明し、ミミちゃん助手が付け加える。

 

「酔っ払うとどうなるんですか?」

 

かばんが読んでた本を閉じ、本格的に話に入り込んでくる。

 

「そうですねえ、個人差がありますが、酔うと足元が覚束無くなったり、急に泣いたり怒ったり笑ったり情緒不安定になったりします」

 

「例えばアライグマが酒を呑んだ時は「洗い上戸」になったらしいですよ。片っ端から何でも洗いたくなったみたいです」

 

「まあ、オレは酔ったことなんて無いがな」

 

博士助手コンビの説明を、ツチノコの自慢で終わらせる。

 

「なるほど、面白いですね。僕やサーバルちゃんが呑んだらどうなるのかな…」

 

「興味本位で呑むのはオススメしないのです」

 

「酒は人体に悪い影響を及ぼす可能性があるので止めておいた方がいいですよ」

 

「うーん、そうですか…」

 

かばんが残念そうに呟く。

 

「それより博士、酒あるのか?」

 

ツチノコがワクワクしながら博士に聞く。

 

「はい、酒瓶が一本だけ見つかったのです」

 

「中身はしっかり入ってますよ」

 

コノハ博士の言葉に合わせてミミちゃん助手が図書館から酒瓶を持ってくる。

 

「おおっ!久しぶりの酒だああ!」

 

ツチノコはひどく興奮しながら酒瓶を受け取った。

 

「お返しはジャパリまん二週間分です」

 

「ああ、了解した。今度持ってくるよ」

 

ツチノコが軽く博士と会話すると、早速が酒瓶を開け、酒を飲み始めた。そして、

 

ドサッ

 

その場で倒れた。

 

「ツチノコ!?ど、どうしたの!?」

 

「ツチノコさんっ!?」

 

サーバルとかばんが慌ててツチノコに駆け寄って声をかける。すると、

 

「う、うう…」

 

ツチノコが静かに唸る。

 

「ツチノコ!大丈夫!?」

 

更にサーバルが声をかけると、

 

「ああ、うぐっ」

 

苦しそうにしながらツチノコが起き上がった。

 

「良かった〜」

 

サーバルが胸に手を当て一息つく。

 

「どうしました?何があったんですか?」

 

かばんが心配そうにツチノコの顔を覗き込む。暫くボケっとしていたツチノコだったが、かばんが被っている赤と青の羽根がついた帽子を見て目を見開いた。

 

「お、お前、パークガイドのミライかっ!?」




さて、久しぶりに書きましたが、楽しいものですね。
学校で思いついたネタでしたが、自分の妄想だけで終わらすのは少し勿体ない気がしたので小説にしてみました。

はっきり言ってただの自己満です。そんな小説ですが、まったりゆっくり付き合ってやって下さいな。

それでは次に話でお会いしましょう。多分六月以降になります。

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