ソードアート・オンライン――紅の聖騎士と白の剣士―― 作:焔威乃火躙
主人公のレイの容姿で何か参考になる意見・要望を募集しています。何かいい案のある方は感想の欄に書き込んでください。可能な限り意見・要望を取り込むことできるよう努力します。たくさんの意見・要望をお待ちしております。
以上、ニュースアート・オンラインでした。
鐘の音がフィールドを包んだと思ったら、今度は俺の体が青白い光に包まれた。
光が消えると、そこは茜色に染まっていた草原から石畳の広場にいた。俺はいつの間にか《はじまりの街》の広場にいた。
辺りを見回すと、いくつかの青白い光からプレイヤーたちが出てくる。その時初めて転移させられたことに気づく。
すぐ近くにいる先生……この世界ではヒースクリフに一体何が起きているのか聞こうとした。だが、なにやらそわそわしている様子だったので気が引けてしまった。
何故こんなことになったのか理解できずに困惑していたとき、誰かが空を指差し叫んだ。ふと見上げると、夕焼けの空を埋め尽くす赤いウィンドウ、そして、巨大なローブ姿の顔無しアバターが現れた。
『プレイヤー諸君、私の世界へようこそ。私の名は茅場明彦、今やこの世界を制御できる唯一の存在だ』
茅場明彦、奴ははっきりとそう言った。
つまり、あのアバターは先生だということであり、同時にこの状況を造り出した張本人でもある。しかし、今俺が把握しているのは、俺たちは先生によってここに集められたことと先生以外の者はこの世界をコントロールすることができないということだけだ。
そんなことを考えていると、巨大なアバターが再びしゃべり出した。
『すでに
俺は唖然とした。ログアウト不能?現実世界に戻れない?HP0になったら死ぬ?一体、先生は何を考えているのか?理解できない、先生は何を考えているか全くわからない。今にも頭がパンクしそうになる。
だが、この状況を確かめる方法はある。それは、ログアウトしてみることだ。もし奴の言うことが事実だとすると、ログアウトしようとすると何らかのトラブルが起きるはずだ。俺はすぐに《メインメニュー》を開きログアウトボタンに指を運ぶ…………ことができなかった。
理由は単純だ、
そして、奴の言うことは事実であると証明されたのだ。俺たちはこの世界で死ぬのかと思った。そして、内心読んだかのように奴は口を開く。
『だが、この世界から脱出する方法は1つだけある。それは、この鉄の城、《アインクラッド》を攻略しゲームクリアすることだ』
《アインクラッド》の攻略、奴はこれを脱出の条件とすると言った。《アインクラッド》は全100層の階層でできている。そして、各層の最終エリア、迷宮区の最深部には強力なボスモンスターが存在するという。それを100回も繰り返さなければいけない。プレイヤーたちは口々に文句を放つ。だが、現状ではそれ以外の方法はない。
『では、最後に私からのプレゼントだ。アイテムストレージに送ったので確認してくれたまえ』
そして、アイテムストレージを開くとそこには〈手鏡〉があった。何故これを?と思い先生の方を見た。先生は周りを見回していた。すると、誰かの声と同時に青白い光が現れた。それはみるみる広がっていき、『はじまりの街』は青白い光に包まれた。その眩しさに俺は目を閉じた。目を開いて周りを見回したが何も変わってない気がした。だが、何やら騒がしい。よく聞くと、現実の体になっていると言ってる。その時、俺は先生の現実世界で言ってたことを思い出す。
『これはゲームであっても遊びではない』
俺は今やっと、先生がこの世界を造り出した意味を理解した。この世界は単なるゲームではなく、
『これで『ソードアート・オンライン』の正式チュートリアルを終了する。諸君らの健闘を祈る』
と言い残し、奴は赤いウィンドウと共に消えていった。
プレイヤーたちの大半は取り乱し、怒り、嘆き、荒れ狂っていた。他の者たち早々にこの場を離れて行く。
俺と先生はしばらくその場に立ち尽くしていた。《はじまりの街》の広場には俺たちしかいなかった。
「……先生……」
「何かな?」
「……これから、どうするつもり何ですか?」
「そうだねぇ、取り敢えず狩りをしてアバターを強くするかね」
「そう……ですか……」
話が続かない。
無理もない、いきなり死の宣告をされたのだ。しかも、俺が一番慕っていた人から告げられたのだから、動揺しない方がおかしい。
「君はどうするんだい?」
「私は……」
「君も来るといい。歓迎するよ、レイ君」
答えを出せずにいた俺に先生が手を差し伸べてくれた。
あの時のように……
「はい……よろしく、ヒースクリフ」
こうして、2人の旅は始まりを告げたのだ。
DATE
《heathcliff》
メインキャラ、茅場明彦のアバターであり
突然告げられるデスゲームの始まり
そんな世界で2人は何を描くのか
そしてこの世界の真実を求め
ボスに立ち向かう
次回『ボス攻略戦』