第1章 横須賀鎮守府編
第6話 初の対面
鎮守府内の敷地を歩いているが、他の艦娘を見かけない。どこかで待機しているのか、はたまた出撃や遠征で出払っているのか、そんな事を考えていたら鎮守府の庁舎に着いた。外見は赤レンガでできておりありきたりな庁舎である。
中に入ったら、一階の小さな会議室に案内された。部屋の前には、妙高と那智が艤装を装備した状態で立っていた。何か不審なことをしたら即時砲撃だろうか。神通によると中で少し待っていて欲しいとのこと。
俺は素直に指示に従って大人しく待つことした。いや、別に怪しい行動は元からするつもりは無かったよ。
20分程経っただろうか。まぁ、暇である。会議室の窓から外を見る、海が太陽の光を反射して輝いている。
しばらく窓から海を見た後、会議室の中を歩き回る。まだ、誰も呼びにこない。
おそらく今までの経緯の説明を翔鶴さんがしているのだろう。
─と考えながら俺は、剣道の中段の構えをしてみる。これをすると気持ちが落ち着く。自分なりの精神統一だ。
会議室に案内されて30分程経過しただろうか。
コンコン、会議室のドアがノックされた。
裕一「はい。」
神通「お待たせしました。執務室に案内します。」
いよいよ、鎮守府の長である提督との対面である。てか、もう少し早くなりませんでしたかね。
裕一「お願いします。」
もちろん、言葉には出さない。
部屋を出た後。神通の後ろに付いて行き中央の階段を上る。
どうやら執務室は2階のようだ。
そして、ある両開きのドアの前で神通が止まる。扉の横には執務室と書かれたプレートがある。神通が扉をノックし
神通「提督、デスピナさんをお連れしました。」
??「入ってくれ。」
部屋から男性の声が聞こえた。おそらく提督だろう、いや、提督以外ありえないか。
神通は、ドアを開け
神通「失礼します。」
と入っていく。俺も続いて
裕一「失礼します。」
部屋に入り、入り口でそう告げる。
部屋には、正面に椅子に座り軍服を着た男、見た目は30代前半。顔立ちから良い司令官であると考えられる。提督の他に神通以外の艦娘の長門、陸奥、赤城、翔鶴、高雄、大淀、吹雪、伊58、そして妖精が何人かいた。
裕一「初めまして、デスピナ級要塞航空母艦一番艦デスピナであります。今回は、お時間を頂きありがとうございます。」
と、右手を胸の前にかざして言った。
提督は、少し驚いたようだか表情すぐ戻し、椅子から立って、
中村「日本国防海軍、横須賀鎮守府、司令の中村 京介(なかむら きょうすけ)大将だ。デスピナ、会えて嬉しい。」
と敬礼をして、右手を差し出してきた。握手であろうか、フレンドリーなのか?分からないが打ち解けようとする意志が感じられる。俺は、その手を握る。
裕一「こちらもです、閣下。」
互いに力強く握手を交わした。どうやら、最初の対面はうまく言ったようだ。
中村「そうそう、ここにいるメンバーを紹介しなげればな。常任秘書艦の長門、常任秘書艦補佐の陸奥と大淀、各艦種の代表の赤城、高雄、神通、吹雪、伊58。空母、翔鶴。そして、工廠長妖精だ。」
一通り自己紹介が終わり、中村提督が聴いてきた。
中村「さて、デスピナ。まずは君のことについて教えてくれ。おそらく初の男の艦娘だからな。大淀、記録を。」
裕一「わかりました。まず、私の艦種は─」
自分の艦種、兵装(衛星軌道兵器と戦略級兵器を除く)について説明した。全員、終始聞いている間非常に驚いていた。
中村「核融合炉により燃料の心配なく、弾薬も自ら作れる。さらに、強力な武装。恐ろしいものだな。」
中村提督は、頷きながらそう答えた。確かにそうだ。技術のレベルが違いますよ。地球外テクノロジーですもん。
中村「それでは、次に先ほど敬礼ではなく文民の礼をしていたが、何か理由でも?」
裕一(やはり訊いてきたな。ここからが話の肝だ、本腰を入れていこう。)
意図して行った先ほどの行動をしっかり拾ってもらえたので、転生したことについても話すことにする。
裕一「はい。その理由とここまでの経緯を説明します。」
現在、9話まで完成しています。
それ以降は大雑把ではありますが構想はあります。
そのため、9話以降については少しお時間を頂きます。
読者の皆さんには、少しお待ち頂けると幸いです。
引き続き、要塞空母デスピナ出撃す。をよろしくお願いします。