要塞空母デスピナ出撃す。 第1篇仮初の世界   作:まはまは

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お待たせしました。第35話です。
いよいよ、フォーリナーとの直接戦闘が始まります。
そして、新たな陰謀が…




第35話 西方方面反撃作戦 第一段階 ジャワ島攻略戦2

第4章 西方海域編

第35話 西方方面反撃作戦 第一段階 ジャワ島攻略戦2

 

1月15日 09:24

ジャワ島

 

朝方、目覚まし代わりに行われたタウイタウイ泊地航空隊の一式陸攻による爆撃で若干まだ熱が残る道に兵士を乗せたトラックや高機動車、周りを警戒するように装甲車と90式戦車が走っていく。

 

昼近くに中部ジャワに入り、ブローラと言う街に到着。

そこを拠点に数日間周辺を探索するも、地元民を発見出来ず。さらに、敵勢力との接触も無かった。

 

1月21日 16:32

ジャワ島 スマラン

 

ブローラを出発し、国防陸軍はスマランへと到着。

ここでも数日間、周辺の探索を実施。

結果は、ブローラと同様であった。

「はぁー…」

上陸部隊である第6師団の団長の中将が野営地にある本部テントの中で報告書を見ながらため息を吐く。

「中将、コーヒーでも如何ですか?」

そこに、2つのマグカップを持った第6師団の参謀長を務めている大佐がやってきた。

「おう、貰うよ」

コーヒー好きな大佐からコーヒーの入ったマグカップを貰い、一口。

「…うまい」

そのまま、二口目。大佐オリジナルのブレンドコーヒーを堪能する。

「それで、中将。今日も成果なしですか」

タイミングを見計らい大佐が中将に聞く。

「あぁ、島の反対側にも部隊を送ったが誰もいなかったそうだ」

ごちそうさま、と言いカップを今日の報告書が置かれている自分のデスクに置く。

「では、明後日にはここを出発ですかね」

「そうなるな」

中将はそう言って、地図を出し老眼用のメガネをかける。

「大佐、ルートはどうする」

「今までどおり、海側を通って海軍からの支援を受けることが出来るように動きましょう。今まで敵が出てきていませんが」

「しかし、海軍のあの艦娘、じゃなくて艦息の予測だろう?陸上型の深海棲艦がいるというのは」

「まぁ、そうなのですが。実際に、交戦の跡は見つかっていますからね」

実際に、探索した全ての街で何らかの交戦の痕跡は確認されていた。

深海棲艦からの海上からの砲撃ではなく、陸での銃撃戦の跡が。

「そうなんだよな…。とりあえず、明後日に出発してチルボンまで行くか」

西ジャワ州にあるチルボンを指さしながら言う。

「そこからそのまま首都へ?」

「いや、バンドンに向かおう」

チルボンからだいたい直線で60km先にある山に囲まれた都市、バンドンを指さす。

「バンドンです、か…」

「海上からの砲撃支援は無くなるが、完全に支援が無くなる訳では無いし、大丈夫だろう」

「中将、それフラグですよ…」

大佐は呆れながらそれを指摘すると、中将はニヤリと笑い

「俺を誰だと思ってる、斎藤さんだぞ」

「…。では、細かいところ詰めてきます」

昔、流行ったネタをして盛大にすべる斎藤中将であった。

 

1月27日 10:32

ジャワ島 サウスサマダン

 

上陸部隊は、バンドンの途中にあるサウスサマダンに入った。

「内陸部の方もやはりひどいな…」

高機動車の中から多くの崩れた家を眺めながら斎藤中将は呟く。

幸運にも道路にガレキがないため行軍は、スムーズだった。

そんな崩れた家々を眺めていた時、瓦礫の影から何かが飛び出したのを発見する。

「止めろ!」

その声に反応して運転手が急ブレーキを踏み、高機動車を停止させる。

これに後続のトラックも急ブレーキをかけ乗員がつんのめって何人か頭をぶつけてしまった。

「どうしたのですか?いきなり」

「さっき、瓦礫の影から人影が飛び出したのが見えた。すぐさま、周辺の捜索をしろ!」

現地人か、それとも敵か。師団全員が今1度装備の点検を行い、捜索部隊が人影の向かった先へ向かう。

小銃を構え、周囲をクリアリングしながら進む。

「!?」

突如、ガレキが崩れる音が聞こえ、その音の方向に部隊全員が銃口を向ける。

部隊内の緊張が高まる。

音の聞こえた場所に音を極力たてないように進むと、瓦礫に足を挟まれた男の子がいた。

「大丈夫か!誰か衛生兵を呼べ!」

共に来ていた隊員達と、瓦礫を退かしやって来た衛生兵に男の子の足を見てもらう。部隊長は、インドネシア語をある程度出来る隊員を通訳として男の子にいくつかの質問を行った。

男の子によると、ここから5km先の街の中心部に50人程の住民達と暮らしているとのこと。食料は山にあるものやたまに海にまで出て魚介類を手に入れていたらしい。

男の子は、ここを襲った怪物が来ないか3日に1度偵察を行っていたらしい。

そして、今日戦車や装甲車を見てびっくりし大人達に報告しに行こうとしたところ転んで瓦礫に足を挟まれ今に至る。

「さて、ジョン君。我々には君たちにあげる食料があるのだけど案内してくれないか?」

部隊長の言葉を通訳の隊員から聞いた男の子は、目を輝かせて首を縦に振った。

 

男の子の案内のもと街の中心部にあるショッピングモールにやって来た。

中に入ると、武器を持って警戒する男達がいた。

『待って!この人達は日本の軍人さんなんだ!僕達を助けに来たんだ!』

『来なさいジョン!あの時もそうだった、人間の振りをして俺たちを襲った!』

男達は、男の子の言葉を信用しない。

「なんて言ってるんだ?」

「ジョン君は私たちを味方と言っているみたいですが、大人はそれを信用してくれないみたいです」

部隊長は少し考え、隊員達にある物を持ってこさせた。

それを男達の前まで運ぶ。

「それは食料です!我々はあなた達を保護しに来ました」

男達は顔を見合わせ、ゆっくりと近づきダンボールを開けると

「「「Oh CUPNOODLE!!!」」」

そう日○のカップヌードルである!CMでは某国民的アニメも出てくるあのカップヌードルである!

今回は、醤油、シーフード、カレーの三種類を住民達用に用意。

 

ちなみに、○清のカップヌードルを選んだのはカップメン大好きで自分の執務室に10種類以上のストックを常に用意している国防陸軍の参謀総長だったりする。

さておき、男達が住民達を呼びどれを食べるか決めお湯を沸かし待つこと3分。

先までとは雰囲気も変わりそこでは楽しそうにカップヌードルを食べる住民達。

食べ物を出されただけで警戒心を解いてしまうということはそれだけ追い詰められた状態であった事が分かる。

 

その後、斎藤中将ら率いる本隊も合流し、リーダーとなっている男性と会見した。

『まずはありがとう、私はここの者らを束ねているサントスじゃ』

スマホの翻訳機能を使って会話する。

「日本国防陸軍中将、斎藤始です。早速ですが、ここで起きたことをお聞きしたい」

『分かった』

サントスは目を瞑って思い出すように語り始めた。

 

2020年に起きた第二次ミッドウェー海戦において各国の海軍が集結しそしてその殆どが沈んだと噂で聞いた。インドネシア海軍も派遣した戦闘艦艇の殆どを失ったとも聞いた。海上は、怪物達による通商破壊によって海運は全滅。経済は悪化したが食料はなんとかなった。

 

そして4年前、あれはお昼時だったかな。街に私も初めて聞いた空襲警報が鳴り、避難するよう放送もあった。

最初は、誰もが戸惑いその場にいた。だが、上空に無数の影が見えそこから何かが落ちてきた。そして、街の至る所で爆発が起き街はパニックになった。

私も、逃げようとしたがどこへ向かうべきか分からなかった。とにかく街から出ようと山の方へ車を走らせた。

だが、道路は車で大渋滞だった。一向に進まないからその場に車を捨てて走った。

途中振り返ると、先ほど車を置いた場所でも爆発が起きていた。

そこから走り続け山までたどり着いた時街は、至る所で火が出て燃え広がり火の海だった。

長いこと火に包まれている街を見ていたら、反対側の山から銀色の頭に赤い目をしたロボットが何体も現れ、街に攻撃を加えていた。たまに、こちらにも攻撃が飛んで来るかまた、逃げた。

それから、逃げ延びた人達と数日間山の中で暮らし何人かで街の様子を見に行った。

街は、今の通りの状態だった。

それから、数日に1度街に行って食料などを調達した。

途中、怪物に見たかって殺された者もいた。ここを住処としたのは今から半年前。

怪物達が何日もいないことが分かり、街に戻った。

今も何人かは山で暮らしているよ。

 

 

「そうですか…。話の途中にあった銀色のロボットについて詳しく聞かせて貰えますか」

『銀色のロボットは二足歩行だった。両手に武器を持っていて、マシンガンのようなものや大砲のようなものや、とんがったものを持っていた』

「なるほど。それで怪物とはどんなものでしたか?」

サントスは少し考える素振りを見せ、近くにいた男性と何かを話し

『実は、その死体が少し離れたところにある』

「本当ですか!?ぜひ、見せていただきたい」

『では、案内しよう』

 

ショッピングモールから5分程のところにその死体が置かれていた。

すぐさま、東京とタウイタウイ、いずもに中継を繋いだ。

大きさは180cmほど、人型で肌は灰色。頭部は深海棲艦の駆逐艦ハ級に酷似していた。

「深海棲艦だな…」

海軍から深海棲艦であることが判明し詳しく調査を行うためにサンプルの輸送を頼まれ輸送の準備を整えて近くの空港に運んでおくように指示して斎藤中将達はショッピングモールに戻った。

その後、住民達に近くの空港で航空機を使ってタウイタウイ泊地まで連れていくことを提案すると、ぜひとお願いされた。

他の所にいる住民達にも伝えたいとのことで三日後このショッピングモールに集合してもらうことになった。

その期間を活用して、施設部隊の皆さんが空港の滑走路を急ピッチで整備を始めたのだった。

 

タウイタウイ泊地

その日のうちにいずもの輸送ヘリがサンプルをタウイタウイ泊地の工廠に運び込まれた。

裕一「これは、またよく似ているね」

ホルマリン漬けにされたサンプルを見ている裕一が呟く。

明石「えぇ、放置されていた割には結構キレイなままでしてねー。あ、見ます?」

同じく横須賀の明石が解析のデータを持ってやって来た。

裕一「え、いいの?」

明石「構いませんよ、私もここの提督は大嫌いなので」

貰った解析データには、

身体は人間と酷似。

頭部は、センサー類が集中。口内には6inch砲が搭載。

装甲のような物は確認されなかった。

裕一「ってことは、普通に銃弾で殺せるのか」

明石「はい、歩兵型は人間と強度は変わらないみたいですからね。あ、でも頭部は主砲があるからかかなり硬いので胴体狙った方がいいですね」

裕一「それにしても…」

再び視線を明石からホルマリン漬けの深海棲艦いや、呼称名 深海歩兵をまじまじと見る。

裕一「改めて見ると、こんな奴と戦っていたのか」

明石「私も何回も調査とかで見てますけど、どうも嫌悪感が出てくるんですよねー。おっとそろそろあの提督に持っていかないと」

明石に労いの言葉をかけてから工廠を後にした。

部屋に行く途中、俺は昼間の報告のことを思い浮かべていた。

地元民が言っていたという証言。

 

『深海棲艦の街の侵攻時、二足歩行型のロボットが確認された』

 

裕一「ヘクトル…か」

予想では、あそこにはいないはず。いや、ただの予想だ。フォーリナーがいる可能性も充分にある。

どうするべきか、決まらず悶々としたまま部屋に入った。

 

 

1月30日 11:24

フセイン・サストラネガラ空港

 

ショッピングモールの近くにあった空港は、滑走路が整備され既に空軍の輸送機 C-130H 3機と護衛のF-15J 4機が駐機していた。

昨日のうちに15機の輸送機が到着。今日の7時頃から順に住民達の避難を開始。

現在、最後の便に乗る住民達を誘導中である。

その様子を見ていた斎藤中将のもとに、参謀長の大佐がアイスコーヒーを持ってやって来た。

「中将、先ほど第1便がタウイタウイ泊地に到着したそうですよ」

「無事に着いたか、良かった」

アイスコーヒーを受け取り、よく冷えたコーヒーで喉を潤す。

「第2便と第3便も今のところ平穏らしいです」

「海軍さん、念入りに掃滅戦をやったみたいだな」

ごちそーうさん、と言って空になったコップを返す。

「失礼します!残りの住民の皆さんが集まりました」

「うん、では見送りに行くか─」

そう、腰をあげた時

「敵襲ーー!!」

叫び声と同時に空港近くで爆発が起きた。その後もたて続けに爆発が起きる。

「状況を知らせ!」

無線で状況を確認するも、混線しておりなかなか応答がない。

「くそ…」

応答が無いことに悪態をつくも、すぐさま輸送機が駐機してあるところに向かった。

 

「ちっ、直撃してたか」

斎藤中将が着いた時そこには爆発でひっしゃげたF-15Jがあった。

幸いにも、パイロットは搭乗していなかった。

しかし、一機の輸送機も主翼が折れ使い物にならなくなっていた。

「中将、いきなり走り出さないでください」

後から、おってきた参謀長が愚痴りながら無線で来た報告を伝える。

「現在、三方向から敵の攻撃を受けてます。滑走路は問題なく使えるので残った機体は直ちに離陸態勢に入るそうです」

「住民の皆さんには悪いが一部の人は新しい機体が来るまで待ってもらうか…」

斎藤中将は、苦虫を潰したような表情をする。

「輸送機のキャパ的には2機でも大丈夫ですよ?」

「彼らは民間人だ。無茶をさせることはできない」

「そう、ですね…」

参謀長は自分の発言を恥じる。

「とにかく、空港に周辺に防衛線を展開しろ。後、海軍に支援要請とタウイタウイから新しい輸送機の要請」

「わかりました、通信兵!」

参謀長が指示を出しに行くのと入れ替わりに別の通信兵がやって来た。

「報告します!南西方向に敵影を確認!」

その方向には、山の稜線から1つだけ目の付いた銀色に輝く二足歩行ロボットが出てきた。その数は、既に100を超え空港にプラズマ弾を撃ってきた。

「全部隊へ、攻撃を許可!空港に近づけさせるな!」

そこに、新たな通信兵

「報告、現在、海上でも戦闘中のため支援は不可能とのこと」

「タウイタウイ泊地に航空支援も要請しろ!ちっ、当面は俺たちだけでやらなきゃな」

バンドンにおいて決死の防衛戦が始まった。

 

「照準良し、撃て!」

空港近くに展開した戦車大隊74式戦車48両、砲兵隊による一斉射撃が始まった。

「弾ちゃーく、いま!」

二足歩行ロボットに全弾命中し、爆炎があがる。しかし

「目標…ダメージを与えるも健在」

ロボットからは煙も出て、火花が散っているのが確認出来たが動いていた。ロボットはお返しとばかりにプラズマ弾を撃ち、50m手前に着弾する。

「対戦車榴弾を撃ち込め!」

戦車大隊が今度は確実に仕留めるために対戦車榴弾を撃ち込む。

「弾ちゃーく、いま!」

今度も、二足歩行ロボットの胴体に命中し、爆発。二足歩行ロボットはそのまま小さな爆発をいくつか起こしながら崩れ落ち、最後は爆発四散した。

「17体、撃破!」

「良し、このまま─」

しかし、言葉を続けることはできなかった。ついにプラズマ砲が複数命中し、運悪く指揮官の乗る戦車が破壊されたからだ。

「指揮官がやられた!」

「真司!くそ、お返しだ!!」

砲兵隊も155mm榴弾砲の装填が終わり、プラズマ弾を撃ってきたロボットを狙う

砲兵隊が再び砲撃し、ロボットの周辺に着弾し爆炎があがる。

プラズマ砲持ちをまとめて24体撃破した。

 

西と南の2方向を戦車大隊が抑えている頃、北側は3個歩兵連隊が対処にあたっていた。

「撃て、撃てー!!」

89式5.56mm小銃が弾幕を形成し、110mm対戦車弾も使用して二足歩行ロボットへ攻撃する。

空港に近づこうとするプラズマ砲持ちの二足歩行ロボットに、1中隊が5.56mm小銃で牽制する。5.56mmでは、貫通できないのかロボットに当たる度に甲高い音をたてる。

二足歩行ロボットは、それが鬱陶しいのか歩兵にプラズマ砲を向けチャージを始め頭を体から出した時、

突如その頭が吹き飛び、間髪入れずに対戦車弾が飛来し胴体に着弾し、爆発をおこして崩れ落ちた。

「ナイスです、少尉」

「…次はどれだ」

空港の建物の屋上には、伏せた状態で対物ライフルを撃つ狙撃部隊がいた。

先程、二足歩行ロボットの頭を吹き飛ばしたのは彼らである。

「11時方向、2体です」

スポッターの隊員が地上の部隊からの情報と自ら双眼鏡を使って優先目標を設定して狙撃手に伝える。

狙撃手は返事はせずすぐさま狙いを定め、引き金を引く。

普通のライフルより猛烈な銃声が響き、計算尽くされた弾道を描き二足歩行ロボットの頭部の目の部分に命中した。

「命中」

そのまますぐに、隣の二足歩行ロボットの頭部へと狙いを定め再び猛烈な銃声とともに1発の弾丸が飛び出す。

こちらも二足歩行ロボットの頭部の目の部分に命中した。

「命中です、流石です」

スポッターがそう、褒めるも返事をしない少尉。しかし、その目は少し嬉しそうであった。

 

そして、滑走路から輸送機2機が離陸準備を終え、飛び立とうとしていた。

「全部隊へ、輸送機が離陸する。敵を近づけるな!」

一機目の輸送機が滑走路へはいり、離陸しようとしているところに2体の二足歩行ロボットが防衛線を突破してプラズマ弾を輸送機へと撃ち込もうとする。

「させるかー!」

そこに、二足歩行ロボットを追い掛けてきた2両の74式戦車が対戦車榴弾を撃ち込み、撃破する。

一機目の輸送機は、二足歩行ロボットが爆発四散すると同時に地上から空へと飛んだ。

「一機目の離陸を確認」

二足歩行ロボットは飛び上がった輸送機を落とそうと、攻撃したが射程外にまで輸送機は高度をあげていたため落とすことはできなかった。その後、二機目の輸送機も離陸しタウイタウイへと護衛機と共に向かった。

 

タウイタウイ泊地 提督室

第6師団が戦闘中、提督室で太田はその報告を聞いていた。

太田「ジャワ島では二足歩行ロボットに、海では深海棲艦の大群に襲われていると…」

目に光の灯ってない大淀が頷く。

太田「穂高少将は?」

大淀「スクランブルをかけ、飛行隊を向かわせましたが途中深海棲艦の艦載機に遭遇し、ジャワ島には辿り着いていません」

その声には抑揚はなく無機質なものであった。

太田「よし、陸攻を海上の援護に回しておけ。あー、わかっていると思うが」

大淀「はい、全弾外すよう伝えておきます」

大淀が提督室を出た後、1人の女が提督室の奥の隣の部屋から入ってきた。

??「上手くいっているみたいね」

どこか楽しそうな声で提督室の応接用のソファーに座る。

太田「あぁ、今のところはな。だが、あの男がどう動くか」

??「大丈夫よ、今から向かっても間に合わないわ。航空機だけ向かわせてもドローンが対応してくれるわ」

女はすらっと伸びた真っ白な両足を組み、太田を誘う。

太田は、その脚を見ながら

太田「しかして万が一はあるだろう」

そう、疑問を呈する。

??「問題ないわ。上陸部隊に大きな被害を出せれば充分だから」

ソファーから立ち上がり、太田の後ろに回りこみ抱きつく。

太田「そうか」

満足そうな笑顔して立ち上がり太田は女を連れて、隣の部屋に入っていった。

 

14:59

ジャワ島 バンドン フセイン・サストラネガラ空港

 

その後も、順調に敵を撃破していき、100体いたロボットも残りわずかになっていた。

「これで終わり!」

74式戦車から対戦車榴弾が放たれ命中した二足歩行ロボットが崩れ落ち爆発四散した。

「これで、全部殺ったか?」

最後のロボットを殺った戦車の車長がそんなフラグを建てる。

「車長!それフラグ!」

射撃手がそうツッコミを入れると同時に無線から

「新たなロボットを確認!」

今度は、200を超えるロボットが現れ、空からプラズマ弾が降ってくる。しかもプラズマ砲を持つタイプとは別のタイプもいる。

74式戦車は急ぎ回避しつつ、走行間射撃を行う。

しかし、砲兵隊はそうもいかず

「グワーッ!」

プラズマ弾が直撃し吹き飛ばされる兵士達。

さらに、移動の速いロボットが近くまで接近しており粒子ガトリング砲でさらに砲兵達の体を蜂の巣にし、さらに155mm砲を破壊していく。

北側でも兵士は、110mm対戦車弾で攻撃するもなかなか倒しきれず殺されていく。

第6師団と二足歩行ロボットの戦いは第2ラウンドへと突入した。

 

 


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