要塞空母デスピナ出撃す。 第1篇仮初の世界   作:まはまは

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読者の皆様、お久しぶりです。
そして、お待たせしました。第31話です。

今話からいよいよ第4章 西方海域編 となります。
私としては、この章は戦闘多めで行きたいなー…。なったらいいな…できるように頑張ります。

あ、あと三博士が画期的な開発してます。
やったね!裕一君。自重なんて忘れてしまえ!

では、本編をどうぞ



第4章 西方海域編 西方方面反撃作戦
第31話 西方方面反撃作戦 準備1


第4章 西方海域編

第31話 西方方面反撃作戦準備1

 

11月30日 10:00

横須賀鎮守府 グラウンド

 

冷たい風が吹く中、横須賀鎮守府所属の全艦娘がグラウンドに集まっていた。

中村「昨日、国防軍統合参謀本部から通達があった。」

中村「北方方面の戦線後退と敵の戦力の弱体化から統合参謀本部は年明けに西方方面への陸、海、空軍の大規模戦力を動員し西方方面への反撃作戦を行うことが決まった。」

艦娘達がざわつき始める。

裕一(いよいよ、西方か。)

中村「今作戦は、深海棲艦の出没から初めての3軍が連携して行う作戦となった。それだけ、今作戦は非常に重要なものである事は分かるであろう。」

中村「我が横須賀鎮守府は主力メンバーを総動員して今作戦に参加する。この後、参加メンバーを発表するが、参加メンバーはこれまで以上に念入りな準備を求める。では、長門。」

長門「今作戦の参加メンバーを伝える。戦艦組から、大和、武蔵、扶桑、山城、アイオワ、ウォースパイト。」

「空母は、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、大鳳、サラトガ、千歳、千代田、瑞鳳、龍鳳。」

「続いて重巡。妙高、那智、足柄、羽黒、古鷹、加古、青葉、衣笠、鈴谷、熊野、ザラ、ポーラ。」

「軽巡組は、川内、神通、那珂、北上、大井、木曽、長良、名取、五十鈴、阿武隈、鬼怒、阿賀野、能代、矢矧。」

「駆逐艦、綾波、暁、ヴェールヌイ、初霜、時雨、夕立、山風、朝潮、大潮、荒潮、霞、雪風、時津風、天津風、浦風、磯風、浜風、秋月、照月、初月。」

「潜水艦、伊168、伊58、伊19、伊8、伊401、呂500。他に、工作艦明石、揚陸艦あきつ丸、要塞空母デスピナ、以上72名が作戦参加メンバーである。この後、詳細を第1会議室で伝えるので集合せよ。では解散!」

 

横須賀鎮守府 第1会議室

中村「では、まず今作戦の編成を伝える。第1艦隊、大和を旗艦とし、武蔵、アイオワ、ウォースパイト、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、那智、足柄、古鷹、加古、川内、神通、木曽、長良、能代、暁、ヴェールヌイ、初霜、時雨、夕立、照月、初月の24名。」

「次に第2艦隊、大鳳を旗艦とし、サラトガ、千歳、千代田、鈴谷、熊野、那珂、名取、大潮、荒潮、時津風、天津風の12名。」

「第3艦隊、扶桑を旗艦とし、山城、妙高、羽黒、青葉、衣笠、北上、大井、雪風、浦風、磯風、浜風の12名。」

「第4艦隊、ザラを旗艦とし、瑞鳳、龍鳳、ポーラ、五十鈴、阿武隈、鬼怒、阿賀野、矢矧、綾波、山風、霞の12名。」

「第5艦隊、デスピナを旗艦とし、翔鶴、瑞鶴、朝潮、秋月、あきつ丸、明石の6名。明石は、あちらでは戦闘に参加しないので実質5名だ。」

「最後に第6艦隊は、伊58を旗艦とし、伊168、伊19、伊8、伊401、呂500の6名だ。」

部屋が暗くなり、スクリーンが降りてきてプロジェクターが起動する。

中村提督が会議室のスクリーンに西方方面の海域図を出す。

タウイタウイ泊地から海峡を通りジャワ海に出るように矢印が伸びる。

中村「続いて今作戦の詳細を伝える。まず第一段階、ジャワ島攻略。目的はインドネシア国民の生存確認及び、簡易補給基地の設営だ。我々、海軍の仕事はマカッサル海峡とジャワ海の制海権の確保だ。ここでは、第1艦隊を主力とし、第3艦隊が陸軍を乗せた揚陸艦を護衛するために参加する。」

次に、ジャワ海からマレー島沖に矢印が伸びるものと、シンガポールのある辺りに伸びる矢印が表示され、その後、一つの矢印となって、マラッカ海峡に伸びている。

中村「次に、第二段階、マレー半島攻略及びマラッカ海峡突破。ジャワ海を経由してまず、マレー半島東部沖の制海権を確保。その後、シンガポール辺りにある敵の航空基地を叩く。その後、航空基地を確保する。その後、航空支援の下、海峡に居座る敵の主力艦隊を撃滅する。第1、第2、第3艦隊はマレー半島東部沖の制海権の確保及び敵の主力艦隊の撃滅に。第4艦隊は陸軍の護衛に。第5艦隊は、敵の航空基地の無力化もしくは破壊。第6艦隊は、全体の側面支援となる。」

中村「ちなみに、第二段階終了後、リンガ島に簡易的な基地を建設する予定だ。そこが次の段階の前線基地になる。」

そして、スクリーンは次の物へ。中村提督が言ったリンガ泊地からマラッカ海峡を経由してリランカ島とセイロン島、正式名スリランカ島へ矢印が伸びる。

中村「第三段階、リランカ島攻略。ベンガル湾、アラビア海をつなぐ深海棲艦の拠点がこの島にある可能性が高いとの推察が国防海軍で出ていた。そして今回、その存在が確認された。これに伴い、リランカ島にある基地を即時に無力化もしくは破壊することになった。まずベンガル湾において制海権の確保もしくは、深海棲艦の数を減らし、陸軍がリランカ島へ上陸する。そして敵の基地を無力化する。第1、第2、第3、第4艦隊は制海権確保に。第5艦隊は陸軍の護衛をしつつ、共に敵基地への攻撃に参加する。」

最後に、西方方面全体の海図に変わる。

中村「最後の第四段階は、西方方面の深海棲艦の数を減らすための戦い、掃討戦になる。そして、第6艦隊はマダガスカル島の辺りに出撃してもらう。」

スクリーンが上がり、部屋が明るくなる。

中村「ここまでが今作戦の流れだ。質問のある者は?」

裕一「はい。第三段階において第5艦隊は陸軍と共に攻撃に参加とありましたがそれは、ミサイルや砲撃による支援のことですか?」

中村「もちろん、それも含まれるが。デスピナ、確か歩兵の妖精を持っているよな?」

裕一「えぇ、レンジャー妖精、エアレイダー妖精、フェンサー妖精がいます。」

中村「統合参謀本部は、妖精達も上陸作戦に参加出来ると判断した。作戦までに、妖精達の上陸作戦の訓練を行わせてくれ。統合参謀本部からは、陸軍の訓練に参加できるように手配は済ませてあるそうだ。」

裕一「了解しました。」

中村「あ、そうだ。皆に1つ伝え忘れていた。」

質問されて、なにかを思い出したのか、再び中村提督が説明する

中村「今作戦では、艦娘と陸軍、海軍、空軍の初の共同作戦となる。そのため、いくつかテストをしつつ、作戦を行う。一つは、各軍の連携による戦術のいくつかのテスト。これは、まぁ、気にしなくていい。次に今作戦では、横須賀鎮守府所属の参加艦娘の一部にデスピナが開発した装備の実戦テストがある。該当者は後で追加の説明があるので残ってくれ。」

該当者として、アイオワ、妙高、足柄、が呼ばれそれ以外は解散となった。

 

12:32

横須賀鎮守府 食堂

 

瑞鶴「いよいよ、西方かー。」

瑞鶴がオムライスを食べながら呟く。

瑞鶴「ついこの間まで沖ノ島がどうたら言ってたのに、もう西方にまで進出しようとしてる。ほんと、改めてデスピナさんのお蔭ね。」

裕一「自分でも、驚くほどの戦果だよ。」

そう言って、鯖の味噌煮を箸でつつく。

裕一「それよりも、今回の作戦立案って統合参謀本部だったから、軍は本気で西方を取りにいくつもりだよなー。」

瑞鶴「資源目的かな?資源ポイントからの供給が間に合わなくなってきたのかな。」

瑞鶴が理由を予測してみる。そこに翔鶴さんが付け加える。

翔鶴「それもあるかもしれないけど、多分欧州じゃないかしら?今回はその下準備になるのではないかしら。」

裕一「欧州、ですか…。まだまだ先になりそうですね。」

そう言いつつ、ウォースパイトさんとの約束もあったな、と思った。

続けて、瑞鶴が先程のことを話題にする。

瑞鶴「そういえば、デスピナさんの開発した兵器、実戦での評価取るみたいだけどなんでわざわざ作戦の時にやるんだろう?」

翔鶴「瑞鶴の言う通り、あれは不自然よね。」

と翔鶴が同意を示す。

裕一「多分ですけど、中村提督は他の鎮守府に見せつけたいんじゃないですかね。」

瑞鶴「でも、わざわざ作戦中にテストするー?そう言うことは、あらかじめテストしてから実戦配備するのが普通じゃない?」

裕一「まぁ、確かにね。いったい、何を考えているのかな?」

と、昼食を食べ終え話は終わりとなった。

 

12月1日 10:25

自室

裕一「さて、妖精諸君。昨日、西方方面への大規模攻勢が決まった。」

部屋にあるテーブルの周りに副長をはじめ、砲雷長、航空参謀、各航空大隊の隊長、三博士、そして、今回初登場の機関長とレンジャー、フェンサー、エアレイダーの各部隊長のデスピナの幹部妖精達が人サイズになって集まっていた。

砲雷長「いよいよ、ですか。」

それに副長が頷き、

航空参謀「裕一さん、空爆はどれ位できますかー?」

その問いに各航空大隊長が目を輝かせてこちらを見て、

オハラ博士「僚艦の艦娘、魔改造する?しちゃう?やっても良いですか?」

と三博士が魔改造案を出してきたり、

白ひげを生やした機関長が温かい目でみんなを見ていたり。

とても個性のある反応だ。

それより、機関長が妖精特有の性別がわからない状態ではなく、バッチリ男であることが分かる。

裕一「まずは、提督から伝えられた作戦の内容とスパコンでの計算結果を見てくれ。」

そう言って、俺はテーブルの上に不自然にあるコンソールを操作する。すると、テーブルの上部がスライドし、下にはテーブルの大きさとほぼ同じサイズの画面が出てきた。

実は、自分の自室を俺と妖精達で案を出して魔改造したひとつである。

テーブルの横にあるアダプターの接続部分にUSBメモリーを差し込み、今作戦の作戦内容が書かれた文書と海図データを表示。それと同時にデスピナの艤装にあるスパコンでの作戦推移予測も出しておいた。

裕一「作戦内容は、見ての通りだ。」

妖精達が画面を見たり、画面を操作して海図を拡大したりしている。

副長「見たところ、特に不備は無いですね。」

航空参謀「うーむ、空爆が足りない。」

レンジャー部隊長「いよいよ、我々の出番ですね!かなり前から待ってました!」

裕一「副長が言った通り、不備はない。だが、ここにはフォーリナーの参戦を想定していない。いや、想定出来るはずもないか。」

俺の口からフォーリナーと言う単語が出た途端、全員の顔に緊張が走る。

砲雷長「ということは…」

裕一「我々は今作戦の遂行中の間、フォーリナーの参戦の可能性が高いものとして万全の体制で望まなければならない。そして…」

俺は、画面を操作してスリランカ島周辺の海図を表示する。

裕一「フォーリナーが参戦してくる可能性が最も高いのが第三段階だと俺は、考えている。」

機関長「裕一殿。その根拠は?」

裕一「前回の北方での戦いの時、奴らが現れたのが敵の基地を破壊した後だった。まず、ここで奴らが深海棲艦と協力関係であることは分かる。それよりも前、俺たちが北海道に侵攻してきた敵の大規模艦隊を殲滅しても奴らは現れなかった。よって、第1、第2段階での参戦は可能性としては低いと思う。」

そして、その次の言葉を副長が言う。

副長「それで、敵の基地攻撃である第三段階でフォーリナーが出てくると。」

裕一「ああ。」

俺は、また画面を操作して今度はいくつかのデータを表示する。

裕一「そして、フォーリナーが参戦した場合、どういった戦力がでてくるかも予測した。」

画面には、銀色の飛行物体の飛行ドローン、そして同じ形で赤色に塗られたレッドカラードローン。地上戦力として二足歩行兵器ヘクトル。そして輸送の役割を担う輸送船、キャリアーのEDFのデータが表示されていた。

裕一「あくまで予測であってその通りに出てくるかは分からないが、現時点で出てくる可能性のあるものだ。」

フェンサー部隊長「我々は元々フォーリナーとの戦闘が任務だった。この世界でも出てくる事が分かっているならば対応はできる。だが…」

フェンサー部隊長の言葉に続けてレンジャー部隊長が言う。

レンジャー部隊長「現状の装備では火力不足が否めません。」

裕一「それは理解している。それでだ。」

三博士に目を向け、

裕一「三博士、開発機はランダムになっていますが、狙った装備を引き出すことは出来ますよね?」

結城博士「可能だ。この前工廠に忍び込んで調べたらある方法でできる。」

なぜ、忍び込んで調べたのかは愚問かな?工廠長は喋ってくれなさそうだし。

裕一「その方法は?」

飯綱博士がなぜか腹の部分にあったポケットからある装置を取り出す。

飯綱博士「チャララチャッチャチャー、乱数制御装置。」

オハラ博士「説明しよう!開発装置は開発の艦娘、資源の量などから乱数を当てはめていき、装備を作る。そこでこの乱数制御装置を開発機に取り付け、欲しい装備を設定すると、自動で乱数調整を行い、目的の装備を作ることが出来るのである。」

と三博士がドヤ顔してくる。

裕一「ありがとう、三博士。ということで、乱数制御装置を使って近く追加の開発を行うので問題ない。」

三博士に礼を述べ、

裕一「これより、我々はフォーリナーへの対策のため装備の新調及び訓練を実施する。各員、作戦開始までに万全の体制を整えろ!」

「「「「「「了解!」」」」」」

全員が敬礼し、俺も答礼し作戦会議が終わった。

 

12月3日 10:02

横須賀鎮守府 工廠エリア

 

裕一「工廠長、今日もよろしくお願いします。」

工廠長「あぁ、それにしても今回はお前さんから提督に頼んだのか。」

裕一「えぇ、次の作戦は俺も万全の体制を整えたいので。」

そう話しながら、開発機の前までやってきた。

工廠長「今回は、レシピ指定なしの10回。では、始めようか。」

裕一「はい。」

早速、開発機のメーターの所に乱数制御装置を接続し、乱数制御装置から欲しい装備を入力する。

すると、勝手に資材数が設定される。今回は、燃料10、弾薬248、鋼材124、ボーキサイト73である。そのまま、レバーを下ろす。

チーン

とお馴染みの音がなり、扉が開く。今回開発したのは─

 

Lv64 AF99

弾数 160発

発射速度 15.0 発/秒

射程 240m

精度A

ズーム 2倍

 

続けて、燃料10、弾薬180、鋼材154、ボーキサイト98

 

Lv70 ライサンダーF

弾数 7発

発射速度 0.3 発/秒

射程 975.0m

精度S+

ズーム10倍

 

次は、燃料80、弾薬268、鋼材159、ボーキサイト214

 

Lv47 MLRA-TW

弾数 20発

発射速度 10.0×20 発/秒

爆破範囲 半径1m

ロックオン 250m/20体/0.1秒 (距離/最大数/時間)

誘導性能B-

 

その他にも以下の装備を開発した。

 

Lv67 リムペット·スナイプガンMA2

設置数 2

連射速度 1.5 発/秒

爆破範囲 半径2.5m

 

Lv46 ZERA-GAN

設置数 2

弾数400

探知距離 300m

 

Lv50 スパインドライバーM3

弾数 7

連射速度 0.9 発/秒

射程 80m

 

Lv57 タワーシールド4E

耐久 7,000

防御角度 150

防御率 85

反転範囲 大

 

Lv65 FG20ハンドガトリング

弾数 480

連射速度 20.0 発/秒

射程 240m

精度B-

準備時間 1秒

 

Lv68 ガリオン速射機関砲M2

弾数 40

連射速度 6.0 発/秒

射程 495m

精度 B-

 

Lv70 35ミリ ガリア重キャノン砲

弾数 10

連射速度 0.3 発/秒

射程 1,020m

精度S+

 

 

開発を終え、工廠長に1枚の紙を渡す。

裕一「では、工廠長。開発した装備をこの数だけ複製をお願いします。」

工廠長「ずいぶんと用意がいいな。提督は?」

裕一「問題ありません。許可は貰っています。」

工廠長「そうか、三日ほどですべて複製し終えるからまた取りに来てくれ。」

裕一「ありがとうございます。」

工廠長にお礼を述べて工廠施設から出た。

 




そういえば、そろそろ設定集更新しなきゃ
11月23日 更新しました。

11月30日
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