もう一度言います。とても短いです。すぐに読み終わります。
ちなみに、この番外編。後々、本編にも影響を与えるかも…
番外編
2024年 8月15日 10:34
富山県富山市JR富山駅
時はすこし遡る。翔鶴達と出かけた2日後、裕一は朝早くから北陸新幹線に乗って富山県に来ていた。
裕一「やっぱり変わってないな…。世界が変わっても。」
富山駅を出てそのまま富山地方鉄道に乗り換える。
そしてまた、電車に揺られる。
電車内は、そんなに人がおらずただ電車の走る音が車内に響く。
今日は、お盆。そして第二次世界大戦の終戦日。そのため裕一はふと自分の故郷の富山県に帰省しようと思いたったのだ。そして知りたかった…。この世界に自分はいるのか、そして家族はいるのか…、と。
電車内で同じようなことをただただ長く考えていた。
もし、自分がいたらどうするか。自分はどんな反応をするのか。家族はどんな反応をするのか。まぁ、実際に会おうとは思ってない。ただ、確認したかった。
11:54
富山県某所
目的の駅で電車を降り、タクシーを拾う。行き先は元の世界にあった自宅の住所である。
タクシーに揺られること15分後、だんだん見慣れた景色が見えてきた。生まれた時から見ていたあの懐かしい景色。すこし感動から涙が出る。そしてタクシーが止まる。目的地に着いた。料金を支払いタクシーを降りる。
そして、自分が慣れしたんだ実家は……
あった。
外見も自分が最後見たとおりである。表札も自分の苗字と同じく山本だった。
そして、インターホンを押そうとした。
しかし、ボタンの前で指が止まる。
本当に良いのかと。本当に家族とあって良いのかと。もし、自分がいたら家族は困惑するだろう。また、自分が存在していなかったら家族はそれでも困惑するだろう。
玄関前に数分ほど立ったまま動けなかった。
やっと我に帰りインターホンから指を離した。
自分は関わるべきではないと…。
でも、お墓だけはお参りしておくことにした。
12:09
近くの墓地
裕一「じいちゃん、ばあちゃん。久しぶり。まぁこの世界ではまったくの他人かもしれないけどね…。」
線香をたきお墓の前にしゃがんで骨壷が納められている所に向かって話しかける。
裕一「俺ね、実は前の世界で多分死んだんだと思う。でも実際はその前に転移してきたんだけどね。今はね、艦娘として深海棲艦と戦ってるんだ。みんなの前では頼りになる様に振舞ってるけど…」
だんだん、視界が涙でぼやけ、声も鼻水で鼻声になってくる。
裕一「あれ、涙が…。じいちゃん、ばあちゃん…俺、すごく怖いんだ…。いつ死ぬか常に恐怖があるんだ…。」
呼吸を荒くなり、涙が地面を濡らす。
裕一「…自分で、決めて、この世界に来た。でもね…ヒック、怖くて怖くて、ヒック。ちょっと、弱音を吐かせて…。」
すこし呼吸を整える。でもさほど変わらない。
裕一「誰か…助けてよ…。俺、まだ死にたくないよ…。」
そして、
涙腺が決壊し、しばらく声をあげて泣いた。はたして何年ぶりに泣いただろうか。自分の中に秘めた思いを吐き出すように…
だんだん落ち着いてきて、涙を拭い立ち上がる。
裕一「多分、もうここには来ないと思う。これが最後。じいちゃん、ばあちゃん。ありがとう。でもまた、来てしまったらよろしくね。」
そう言って、お墓の前から去った。立ち去る時すこしだけじいちゃんとばあちゃんが見えた気がした。そして、無理しられんなーと言ってるように聞こえた。
その日は、富山で泊まり次の日の朝、横須賀への帰路についた。
???
???? ???
??「どうやら彼は、上手く立ち回ってるようだね…。」
??「えぇ、沖ノ島海域については驚きました。」
??「そうだね。でもあれだけの力が無ければ奴らに勝てない。何としても彼には勝ってもらわなければならない。」
??「では、引き続き彼を見守ることにしましょう。」
??「あぁ、頼むよ。」
??がいなくなって、
??「それにしても、奴は随分面倒くさいものを引き込んでしまった。彼には楽な戦いではない。」
奴が暴走を始めてからだんだんおかしくなってきた。このままではまずい。でも彼の出現によってその速度は遅くなった。でも、猶予が出来ただけでまだ油断を許さない。
??「さて、そろそろ戻るか…。」
??もその場から消えた。
今度は、本編25話でお会いしましょう。