今回は比較的短めです。
さて、皆さんイベントの進捗はどうですか?私はまだE2です。今年は時間がないので全部丙で攻略します。
そのうち、この作品で今回のイベントを出したいです。まぁ、まだ先になると思いますが。
では、どうぞ。
第24話 北方へ
第3章 北方海域編
第24話 北方へ
9月5日 16:43
横須賀鎮守府本館 第1会議室
中村「全員楽にしてくれ。」
訓練が終わり部屋でのんびりしていた頃、突如呼び出され現在第1会議室にいる。他には秘書艦の長門、陸奥、大淀、ビスマルク。他には、大和、アイオワ、蒼龍、飛龍、大鳳、阿武隈、那智、足柄、睦月、如月、文月がいる。
正面のスクリーンが降りてきてスクリーンに地図が映し出される。
中村「集まってもらったのは他でもない。先ほど国防省から命令が下った。本日14:25に、北海道から東に約700km地点において深海棲艦の大艦隊が確認された。国防省はこれを深海棲艦の北海道への侵攻の可能性ありと判断し16:03に各四鎮守に艦隊派遣命令を発令した。我が横須賀鎮守府からは旗艦を大和とし、蒼龍、飛龍、大鳳、デスピナ、アイオワ、阿武隈、睦月、如月、文月、那智、足柄を出撃させる。今回は移動に時間をかけることが出来ないため艤装は先に大湊警備府へ輸送する。出撃メンバーは空路で大湊まで行ってもらう。出発は07:20。何か質問は?」
裕一「はい。」
中村「デスピナ、なにかね?」
裕一「まず、艤装の輸送ですがどのように?」
中村「本日中に鉄道による輸送を行う。」
裕一「艦娘の移動に空路とおっしゃりましたがどのように?また、護衛は?」
中村「陸軍の輸送ヘリを拝借して空軍の戦闘機が護衛につく予定だ。」
裕一「まだ予定なのですね?」
中村「あぁ、その通りだ。」
裕一「でしたら、うちの輸送ヘリ部隊、ポーターズを使用した移動を具申します。」
中村「理由は?」
裕一「はい。理由としてはヒドラを使用した人員輸送の迅速性を確認するためであります。利用価値が実証できれば、今後の作戦の柔軟性が更に広がります。」
中村「まぁ、よかろう。他には?」
裕一「ありません。」
中村「では、出撃メンバーは直ちに艤装を点検し輸送準備を行え。そして、明日07:20にデスピナの輸送ヘリで大湊に向かってもらう。以上解散。」
9月6日 06:52
横須賀鎮守府 ヘリポート
艤装から大型輸送ヘリ CH-65ヒドラをだし、地面におく。すると、原寸大に徐々に大きくなった。すでにコンテナの部分は人員輸送用のものに換装してある。
中村「大丈夫そうだな。」
裕一「えぇ。後は飛ばすだけです。」
中村「事故だけはやめてくれよ。」
裕一「大丈夫ですよ。安全には特に気を使っていますので。」
中村「そうか。おっと、来たようだな。」
中村提督がそう言うと向こうから艦娘達がやって来た。どうやら見送りの艦娘もたくさんいるようだ。
大和「おはようございます。提督。」
中村「あぁ、おはよう大和。艦隊の事任せるぞ。」
大和「はい。任されました。デスピナさん、よろしくお願いしますね♪」
裕一「はい、よろしくお願いします。」
提督と比べるとすこしテンションが違うが、まぁいいか。
そして、翔鶴さんがこちらにやって来た。
翔鶴「デスピナさん。お気を付けて。」
裕一「ありがとうございます。ちゃんと帰ってきますよ。」
翔鶴「はい、帰りを待ってます。」
そう言うと大和さんのほうを向き
翔鶴「大和さん、どうか私の恩人で仲良しのデスピナさんのことをよろしくお願いしますね。」
大和「分かっていますよ。私の随伴艦で仲良しのデスピナさんの事は任せてください。」
2人とも笑顔で言っているが、なんだろう。目が笑っていない。ちょっとこわい。
中村「全員揃ったか?それでは全員搭乗!」
タイミングよく提督の指示が出たのですこし張り詰めた空気は消え出撃メンバーはヒドラのコンテナの中に乗っていく。
コンテナの中は座席が36席ある。ちなみにコンテナは空中降下も可能になっている。また、窓もついているので外の景色も見える。
中村「デスピナ、頼んだぞ。」
裕一「はい。任務を果たしてきます。」
コンテナの扉を閉め
裕一「コックピットへ、離陸を開始せよ。」
パイロット妖精「コクピット了解。メインローター始動。」
ヒドラのプロペラが回り始め周りに強い風が吹き始める。すでに見送りに来た艦娘達は距離を開けている。
裕一「皆さん、今一度シートベルトを確認してください。」
搭乗している艦娘がシートベルトをしているか確認し終わり
パイロット妖精「これより離陸します。」
ゆっくりとヒドラが上へ浮かんだ。搭乗している艦娘が下の見送りの艦娘に手を振る。翔鶴さんと瑞鶴も手を降っていたので俺も振り返しておく。
そして、俺たちを載せたヒドラは大湊警備府へ飛行を開始した。
11:02
青森県 大湊警備府上空
大湊から着陸許可が下りて、大湊警備府のヘリポートへ着陸した。
扉が開く。艦娘たちがコンテナを降りる。
アイオワ「ウ〜ン、着いたー!」
蒼龍「楽しかったね、飛龍♪」
飛龍「そうだね、いつも艦載機を飛ばしてるけど、自分たちが空を飛ぶことはないからね。」
道中、国防空軍の戦闘機F-2の護衛のもと無事大湊に着いた。人員輸送のデータも取れたのでよかった。それにしても長時間座りぱなしだったのですこし疲れた。ぐーと、体をのばすと背骨がポキポキと音が鳴る。
少しして警備府から艦娘がやって来た。
漣「ようこそ、大湊へ。ここの秘書艦をやっています、漣です。」
と敬礼をしながら自己紹介。対して大和さんも答礼し挨拶する。
大和「横須賀鎮守府派遣艦隊旗艦の大和です。これからお世話になります。」
後ろにいた俺達も大和さんにならった。
「お世話になります。」
漣「では、宿舎に案内いたします。そこで荷物を置かれた後提督のもとにご同行していただきます。それでは付いてきてください。」
俺達は荷物を持って漣に続いた。
ここ大湊警備府は、第2次戦力増強計画のもとにタウイタウイ泊地、パラオ泊地、トラック泊地と共に整備された。完成したのは8月の初めだったか。まだ艦娘は少ないが国防海軍にて訓練を済ませており実戦投入可能なレベルになっている。これにより横須賀、呉、舞鶴、佐世保、大湊が本土を守る要となり、タウイタウイ、パラオ、トラックが南西方面の前線を支えることになる。
しかし、艦娘の人数、練度もまだ四鎮守と比べると低く、今回の作戦には役不足ということで四鎮守に派遣命令を出したというわけだ。
宿舎に着いた訳だかここで問題が。部屋は2人1部屋なのだが男である俺のことを考慮しておらず、艦娘の誰かと同じ部屋で寝泊まりすることになってしまったのだ。そしてルームメイトは
大和「ふふふ♪デスピナさん。よろしくお願いしますね♪♪」
とても機嫌がいい大和さんと一緒である。いや、全然嫌じゃないけど、俺も年頃の男の子な訳ですよ。綺麗な大和さんと同じ部屋というだけでちょっと緊張してしまいますよ。別の部屋はないか漣に確認したが
漣「ごめんなさい、まだ宿舎の数も少なくて空きの部屋がないんです。」
との事。まぁ、何かハプニングが起こらないように気をつければいいのだが、部屋でも寛ぐことが出来ないとは今回はすこし大変そうだ。
部屋に荷物を置いて警備府の本館へ。そして執務室の前まで来た。
漣「ご主人様。横須賀の皆さんが到着しました。」
「はーい、中に入ってー。」
中にはなんと若い女性の提督がいた。2列横隊で並び敬礼する。
大和「横須賀鎮守府派遣艦隊旗艦大和です。」
高野「大湊警備府を預かっています。高野綾香です。ようこそ大湊へ。」
高野提督も答礼する。
高野「さて、すでに舞鶴の艦隊は到着しており、残りももうすぐ到着します。本日17:00に各艦隊の主要メンバーで迎撃戦の作戦を詰めますので執務室に集まってもらいます。また、明日、明後日には出撃になると思いますので艤装のチェックと休息をしっかりとって戦いに備えて下さい。では、よろしくお願いします。」
「「はっ。」」
高野「あ、そうそう。もう既に食堂を利用できるようにしましたのでお昼ごはん食べてくださいねー。使い方は皆さんの利用している食堂のものと同じですので。」
俺達はそれを聞き執務室を退室した。
高野「漣、先に食堂に行ってて。すこし書類を片付けたらいくからー。」
漣「手伝いますよ?」
高野「いいの、いいの。ほら行ってて。すぐ行くから。」
漣「分かりました。では先に行ってますね。」
高野「はーい。」
漣も執務室を退室したのを確認して、
高野「さてと…、おじいちゃんが言っていた横須賀の切り札。どんな働きをしてくれるのかな?楽しみだなー。見た目は、男って事以外は普通だったけど…まぁ、悪くはないかな。」
先ほど会った、艦息を思い浮かべおじいちゃん、現国防海軍総長の言っていたことを思い出した。
高野「それにしても、北方からの侵攻か…。キス島に確か陸軍の部隊がいたはずよね。大丈夫かしら?」
北方の最前線キス島の陸軍の安否が気になるが、それより先に侵攻艦隊の迎撃戦の作戦を今一度確認することにした。
12:02
大湊警備府 食堂
大和「デ·ス·ピ·ナさん、一緒に食べましょ♪」
裕一「え、えぇ。いいですよ。」
大和さんがいつもより上機嫌なのですこし戸惑う。いったい何があったんだ?
カウンターで定食を受け取り席に座る。そしてなぜか大和さんが横に座ろうとする。
裕一「あの…大和さん?前、あいてますよ?」
大和「デスピナさん…私が隣は嫌ですか?」
そして何時ぞやの上目遣いで見てくる。だからその目はやめて、断れないから!
裕一「いえ、問題ないです…。」
案の定、断れませんでした。大和さんが隣に座り食べ始める。よく食事を一緒にとる翔鶴さんと瑞鶴は、反対側に座り隣に座ることはない。駆逐艦の娘たちは人数が多いから誰かしら隣にくるのは仕方がないが、どうしても小さな妹のようにしか思えず気にはならなかった。大人の女性と隣あわせで食事するのは人生で初めてと言う事もあり、すこし緊張する。そしてちょくちょく隣の大和さんを見てしまう。大和さんが美味しそうに食事をする様子に見蕩れてしまう。
大和「どうかしましたか? デスピナさん。」
裕一「いえ、何でもないです。」
大和「?そうですか。」
言えませんよ。あなたの食事する姿に見蕩れていましたとか、どこのキザ野郎だよ。俺は女性の前ならいつでも無駄に格好つけようとする男ではない。
さて、食事も終わり食後の一杯に俺はコーヒーを、大和さんはミルクティーを飲みながら雑談。そして話題は今回の作戦に移る。
大和「そうだ、デスピナさん。今日の作戦会議は、一緒に参加して下さいね?」
裕一「あ、はい。分かりました。ということは俺は今回の艦隊の主要メンバーなんですね。」
大和「えぇ。頼りにしてますよ。」
話題は変わり、
大和「そういえば、今回の作戦。二年前の日本近海防衛戦以来の規模になるそうですよ。」
裕一「日本近海防衛戦?」
そんな戦いがあったのか。知らなかった。
大和「あ、そうか。この戦いは情報公開されていない極秘情報でした。」
裕一「えっ…、大丈夫何ですか言っても?」
大和「大丈夫ですよ。周りで聞いている人はいませんし、第一ここには部外者いません。」
裕一「まぁ、そうですけど……それで、その近海防衛戦とは?」
大和「えっと、確か2年前、深海棲艦の大規模な艦隊が日本本土近海、領海ぎりぎりまで侵攻して来た事があったんです。」
裕一「へぇー、今では考えれませんね。」
大和「はい。当時はまだ鎮守府が横須賀にしか無くて、艦娘も20人といなかったはずです。そんな時に、深海棲艦の大規模な侵攻があったそうなんです。」
裕一「それだけの戦力でよくこの国生き残りましたね……。いや、何か別の要因があったのかな?」
大和「その通りです。今は退役され、新任の艦娘を指導している金剛教官に聞いた話だと、私より大きな艤装を扱う人達に助けられた、と。」
裕一「その人達とは?」
大和「残念ながら、詳しいことは当事者以外には機密事項らしくて、金剛教官も教えてくれませんでした。」
裕一「そうですか…。でもそんな人達がいるなら、いつか会ってみたいですね。」
大和「その人たちも、デスピナさんみたいにとても強かったらしいですよ。」
俺みたいにか…。まさか衛星兵器持ってたりしないよな?いや、それはないか。だったら航空機をたくさん飛ばせるのかな?それとも馬鹿でかい主砲でも持っているのかな?
裕一「ふっふっふ…。」
大和「デスピナさん?」
裕一「あ、ごめんなさい。俺と勝負したらどんな戦いになるのか、想像してたら楽しくなって。」
大和「戦いがお好きなんですか?」
裕一「いえ全然。私は平和主義ですよ。ただ、強敵と手合わせするのは男として燃えるってだけです。」
大和「ふふ、やっぱりデスピナさんは素敵です。」
大和さんがとても優しい笑顔を向けてきた。
惚れてまうやろー!と、心の中で叫んでしまう。
そんな楽しいお昼でした。
17:00
大湊警備府 執務室
再び、執務室。執務室には高野提督、秘書艦の漣。横須賀からは大和さん、俺、阿武隈。呉からは長門、霧島、神通。佐世保からは矢矧、時雨。舞鶴からは利根、筑摩がいる。
ここで今回の各艦隊の編成を確認しよう。
まず、横須賀は旗艦を大和とし、アイオワ、蒼龍、飛龍、大鳳、デスピナ、阿武隈、那智、足柄、睦月、如月、文月。
呉は旗艦を長門とし、比叡、霧島、摩耶、千歳、千代田、神通、
青葉、衣笠、木曽、吹雪、叢雲。
佐世保は旗艦を矢矧とし、酒匂、暁、ヴェーヌルイ、雷、電。
舞鶴は旗艦を利根とし、筑摩、天龍、陽炎、雪風、時津風。
佐世保、舞鶴は今回の作戦の他に、パラオ、タウイタウイ、トラックに戦力の増強のため艦隊を派遣しているため大湊には6隻しか送れなかったのだ。
高野「さて、そろそろ始めようかな。」
高野提督は執務室のホワイトボードに貼ってある地図を使って説明を始める。
高野「まず、深海棲艦の艦隊はすでに400km地点まで到達。偵察機からの情報によると、総数は1,000は超えているとの事です。あまり時間がありません。よって、艦隊は明朝06:00に出撃し、150km地点で迎え撃ちます。また、防衛線の維持のため120km地点に補給艦を配備しますので、補給が必要な場合は海上で補給を受けてください。とにかく、見敵必殺で片っ端から深海棲艦を撃沈して下さい。」
長門「各艦隊の配備はどうなるんだ。」
高野「はい、長門さん。横須賀、呉で防衛線を構築。佐世保、舞鶴は135km地点で突破した深海棲艦を撃破する形になります。」
裕一「遠慮なくやっちゃっていいんですよね?」
高野「はい。バンバン撃って敵を潰して下さい。他には…無いですね。では皆さんよろしくお願いします!」
とにかく敵を殲滅しろという命令である。敵の編成も伝えないのは、作戦としてちょっと大雑把な気もするが、特に何か考える必要も無さそうだし、俺にとっては今回の戦闘は楽である。久しぶりに航空隊が『ヒャッハー!汚物は消毒だ!!』『欲望が足りん。』『熱いめうううううう!!!!!!』的な感じになると思うと…、今回はすこしハメを外してもいいよね…?俺もそろそろゲーム以外でヒャッハーしたいし…。
大和「デスピナさん、何か作戦はありますか?」
裕一「いや、高野提督の言った通り見敵必殺でいいと思う。火力で圧倒して敵を殲滅する、それでいこう。」
大和「そうですね、私の主砲の威力を見せます!」
裕一「えぇ、私も久しぶりに大盤振る舞い出来そうです。」
大和「ふふふ、デスピナさんが本気出したら深海棲艦もあっという間に殲滅出来そうですね。」
裕一「もちろん。詳しいことは部屋で。」
大和「そうですね、では部屋に戻りましょうか。」
会議?を終え大和さんと部屋に戻った。
17:35
大湊警備府 宿舎
部屋に横須賀派遣メンバーが集まっている。大和さんが「2人っきりじゃないんだ…。」とすこし不貞腐れていたので、小声で「後で頭を撫でる」ことを伝えで機嫌を直してもらった。何故か横須賀鎮守府内での俺のナデナデは、艦種問わず人気である。気を取り直して、明日の作戦の事を艦隊のメンバーに伝えた。
蒼龍「ふむふむ、艦載機で、主砲で、魚雷でたくさん敵を倒せばいいのね。」
裕一「ああ、木っ端微塵にしろとしか言われてない。」
飛龍「簡単な説明で終わる防衛戦…、深海棲艦の皆さんお疲れ様でしたー。」
那智「油断は禁物だ。気を引き締めなければ。」
裕一「那智さんの言う通り、敵をうち漏らして轟沈者を出さないように各員気をつけてもらう。」
アイオワ「大和ー、弾薬とかは?」
大和「補給艦も出るそうなので、海上補給ですね。弾薬の残量を気にせずバンバン撃っても大丈夫です。」
アイオワ「Oh, great!アイオワ級の力見せてあげる。」
裕一「では、明日頑張っていきましょー!」
「「おー!」」
みんなが部屋に帰った後、
大和「デスピナさん♪早く♪」
裕一「はいはい、そこに座ってね。」
大和さんを座らせる。そして幻覚で猫の尻尾が振れているのが見えた。
大和さんの頭を優しく撫でてあげる。
大和「♪♪」
嬉しそうにしている。反応が可愛すぎて、この後20分くらい撫で続けた。だって反応が可愛すぎだもん。大事な事なので二回言いました。俺は悪くない。
さて、今回の章では大和との絡みが多くなります。
翔鶴も良いけど大和も…。
うん?誰か訪ねてきたようだ。誰だろう…。