第19話です。
いつもと比べて長くなりました。そのため文が安定してないと思います。ごめんなさい。
そういえば、余談ですがローソンコラボのタペストリーがポーラですね。三越みたいになるのかな?
7月17日 新しい小説を投稿しました。
タイトルは、異世界でEDF装備を使ってみたら です。
ぜひ、見てください。
第2章 沖ノ島海域編
第19話 沖ノ島海域攻略準備1
2024年 7月14日 10:35
国防省 第一会議室
会議室の中には、国防海軍の高級将校達がいた。久しぶりに会ったのか挨拶するもの、先日公開されたアニメの劇場版がどうだったなど思い思いに雑談している。第二次深海大戦により海軍の上層部は20代から30代の者が多い。
そこに会議室の扉が開き、会議室が静まり、将校達は自分の席に戻っていく。
そして、敬礼をしてある人物を待つ。入って来た人物は、国防海軍のトップ、軍令部総長。
高野公佑 元帥である。第二次深海大戦の名将たる彼の覇気は昨年、総長就任で後方に下がったものの衰えることは全く無い。
高野は会議室の上座にある自分の席に行き、敬礼を返す。
高野「それでは始めようか。」
その言葉を言って席につき、他の将校も席につく。そして、今回の会議の進行を務める将校が、
司会「これより、沖ノ島海域奪回作戦の会議を始めます。」
高野「それでは、作戦部。作戦の詳細の説明を頼む。」
作戦部長「はっ。お手元の資料をご覧ください。」
作戦部長が資料をめくるのを確認し、話し始める。
作戦部長「今作戦は、沖ノ島海域にいる深海棲艦の侵攻主力艦隊を撃破し沖ノ島海域の奪回が目的となります。先日の伊豆半島沖の迎撃戦を受け政府より強く要請があり、本来の日程を繰り上げ7月30日に作戦決行日を設定しました。」
作戦部長は1拍置いて、
作戦部長「作戦における投入戦力ですが、先日の大規模演習に参加した艦娘を主力とし、支援艦隊など大規模な戦力を投入いたします。編成は資料に書かれておりますので説明を省略させていただきます。」
高野「ご苦労。何か質問はあるか?」
海軍中将A「一つよろしいですか?」
高野「なんだね?」
海軍中将A「はい。支援を行う艦隊についてですが、遊撃隊として編成される要塞空母の彼が単艦のみとなっているのですが?」
作戦部 中佐「それについては、先日の演習、そして迎撃戦において彼の力を存分に発揮させるには単艦での遊撃が最適と考えたからであります。」
海軍中将B「一人か二人護衛をつけるべきでは?駆逐艦による対潜警戒を行い、彼の負担を減らすべきだ。」
高野「確かにその通りだ。護衛に関しては彼に選抜させようと思うがどうかね?信頼できる者に任せたいだろう彼も。」
作戦部長「では、その通りに計らいます。」
高野「うむ。では、次に戦務部。」
戦務部長「はい。現在作戦の拠点となる佐世保鎮守府に必要資材の輸送準備が八割方完了しています。」
佐世保提督「こちらもすでに各鎮守府の艦娘の受け入れ態勢を整えてあります。」
高野「ご苦労。輸送は作戦決行の五日前に完了させてくれ。」
戦務部長「分かりました。」
高野「次に情報部。」
情報部長「はい。空軍の協力により侵攻主力艦隊の位置を絞り込むことに成功しました。現在、主力艦隊の移動は確認されていません。」
高野「ご苦労だった。他にこの場で報告する者はいるか?」
中村「こちらから一つよろしいですか?」
高野「なんだね?」
中村「昨日、彼。要塞空母デスピナが開発を行いました。」
高野「ほぅ、それで?」
中村「結果は艦載機はもちろんでありますが、異世界の兵器の開発に成功しました。」
技術局長「本当か!ぜひ、資料を送ってくれ!」
中村「後日、皆様に資料を送らせていただきます。」
高野「よくやった。それは艦娘に装備出来るのか?」
中村「できるようです。」
高野「よし。艦娘のさらなる強化ができるのは喜ばしいことだ。他からは何かあるかね?では、7月30日の決行日に向け行動を開始せよ。」
全員「「「「「「はっ。」」」」」」
こうして、沖ノ島海域奪回作戦が始動した。
同日 16:42
横須賀鎮守府執務室
中村「今日、沖ノ島海域奪回作戦が発令された。」
裕一「いよいよですか。」
中村「詳細は明日伝えるが、その前に一つ決めなければならないことがある。」
裕一「何でしょう?」
中村「デスピナ、君は支援組のうち、遊撃隊として参加してもらう事になるのだが単艦なのだ。会議で護衛を何隻かつけることになり、それを君の判断に任せるということになったのだ。」
裕一「あー、なるほど。ちなみに何隻までですか?」
中村「2隻程かな。すまないが明日の08:00までに決めてくれ。」
裕一「分かりました。」
中村「うん。話は以上だ。」
裕一「では、失礼します。」
俺は執務室を退出し、部屋に戻りながら、護衛について考える。
裕一(さて、護衛は…。駆逐艦の娘に頼むか。役割はほとんどないとは思うが念のため対潜警戒としてついてもらうか…。誰にしようかな?)
空母寮の自室に戻り、艦娘を頭の中でピックアップする。
裕一(ここは、安心と信頼の朝潮型の娘たちに頼むのが一番かな。汎用性もあっていざという時にしっかり動けそうだし。さてそうなると食堂で話さないとな。)
俺はさっそく行動を始めた。
18:18
食堂
俺は夕食に鯖の味噌煮を選び朝潮型の娘たちを探す。
探してみると、食堂の奥の方に姉妹揃うまで待っているようだ。
俺は朝潮型の方へ行き、
裕一「こんばんは、一緒に食べていいかい?」
朝潮「!?デスピナさん!もちろんです。隣りにどうぞ!」
声をかけられて、驚いた表情を見せるもすぐに喜びに溢れた表情になる。朝潮は素直で可愛い。
裕一「ありがとう。失礼するね。」
そう言って裕一は朝潮の隣りに座る。ついでに、朝潮の頭を撫でておく。朝潮は、周りの目を気にせずナデナデを堪能する。
荒潮「あら~、デスピナさんが一緒に食べようなんて珍しいわね。」
裕一「はは、実は少し頼み事があってね。」
荒潮は幼い見た目からは考えられないほど大人の色っぽさが出ている。
少しして朝潮型姉妹が全員集まり、食べ始める。朝潮型姉妹と一緒に仲良く談笑しながら夕食を楽しんだ。
(この時、裕一は気づいていないがちなみに周りから結構視線が集まっていたりする。
先ほど荒潮が言っていたとおり、裕一から誰かのもとに行き一緒に食べること自体初なのである。そのため、ある艦娘達は悔しそうにしていたりした。例えば、ある艦娘は黒いオーラを出し、ハイライトが消えた目でデスピナのほうを見ていたり、ある艦娘は駆逐艦に戦艦が負けるなんてと呟いて倒れていたりするなどした。)
ある程度食べ終わった頃を見計らい俺は本題を切り出した。
裕一「朝潮型のみんなに頼みがあるんだ。」
霞「うん?なによ。」
裕一「まず、近く沖ノ島海域奪回作戦が発動される。明日にはみんなに伝えられるんだけど。
俺もこの作戦に参加する。そこで朝潮型姉妹から二人程護衛として一緒に作戦に参加してほしいんだ。」
朝潮、大潮、満潮、荒潮、朝雲、山雲、霰、霞の8人を順番に見ながら説明した。
裕一「俺の希望としては、朝潮、霞の2人にぜひ、引き受けて欲しい。」
そう言って俺は頭を下げる。
少しして、
朝潮「もちろんです!駆逐艦朝潮全身全霊をもってデスピナさんを護衛します!」
朝潮は目をキラキラさせながら顔を目の前まで近づけてくる。朝潮、興奮しているのは分かったから顔を遠ざけてね。近いから。
霞「仕方ないわね、引き受けてあげるわよ。」
霞は、どこか嬉しそうな表情を隠すようにそっぽを向きながら言った。
裕一「ありがとう。では、朝潮、霞。よろしく頼む。」
朝潮、霞「わかりました!(わかったわ)」
無事、護衛を確保することに成功した。
7月15日 09:00
グラウンド
グラウンドには横須賀鎮守府の全艦娘が集まっている。中村提督がマイクの前に立つと同時に全員が敬礼する。
中村「集まって貰ったのは他でもない。昨日、国防省より沖ノ島海域奪回作戦が発令された。」
少しだけざわついたがすぐに静かになる。
中村「本作戦の決行日は7月30日。作戦に参加する者は3日前の27日6:00に佐世保鎮守府に向け出発、翌日12:00に入港する。しかし、作戦の前に日本近海に潜む深海棲艦を排除し、後顧の憂いを無くさなければならない。明後日から横須賀鎮守府は常時戦闘配備に移行する。皆には苦労をかけるがよろしく頼む。」
中村提督は全員を見渡し、どこか納得した様な表情になった。おそらく、全員の顔が自信に満ち溢れたものだったからだろう。
中村「それでは、作戦に参加する者を発表する。長門頼む。」
中村提督がマイクから離れ、長門秘書艦がマイクの前に立つ。
長門「それでは、参加メンバーを発表する。まず、主力艦隊。赤城、加賀、翔鶴、瑞鶴、妙高、羽黒、阿武隈、木曽、秋月、照月、夕立、江風。支援艦隊、金剛、榛名、千歳、千代田、吹雪、叢雲。遊撃艦隊、デスピナ、朝潮、霞。以上だ。残りは明後日からの日本近海の警戒にあたってもらう。参加メンバーはこの後、第1会議室にて詳細の説明を行う。以上解散。」
さっそく、長門秘書艦の指示通り第1会議室に向かう。
09:37
鎮守府本館第1会議室
中村「全員いるな?これより作戦について説明する。」
大きなスクリーンに地図が表示される。
中村「作戦は、先ほど言った通り7月30日が決行日である。そして、その2日前に佐世保鎮守府に入港する。そこで、主力艦隊、支援艦隊は他の鎮守府と確認のための訓練を行う。遊撃艦隊は我が鎮守府からのみ参加するため、訓練に関しては一任する。そして作戦決行前日に最終打ち合わせを行う。」
中村提督はここで言葉を切り、質問が無いか確認する。質問が無かったので説明を再開する。
中村「我が鎮守府は沖ノ島海域の南側から敵侵攻主力艦隊を捜索し、撃滅する予定だ。確定は最終打ち合わせの時になる。説明は以上だ。何か質問は?」
裕一「一つよろしいですか?」
中村「デスピナか、なんだ?」
裕一「まず私、遊撃艦隊は深海棲艦の撃滅、および主力艦隊の援護でよろしいですね?」
中村「あぁ、その通りだ。」
裕一「私に一つ作戦があるのですが、それをあちらでの打ち合わせ時に提案させてもらいたいのですが、いいでしょうか?」
中村「うーん…、あらかじめ私に聴かせてくれ。大丈夫そうなら許可する。」
裕一「わかりました。鎮守府出港前までに。」
中村「他はあるか?では、解散。各自準備にかかれ。」
全員「「「「はい。」」」」
中村提督が退出し、艦娘達も動き始めたので自分は作戦を詰めようと部屋に戻ろうと考えた時、声をかけられた。
翔鶴「デスピナさん。」
裕一「翔鶴さん、どうかしましたか?」
翔鶴「いえ、遊撃として参加するとは思っていませんでしたから。」
裕一「俺も、支援艦隊で参加と思っていたのですが、この前の迎撃戦を踏まえてのことでしょうね。」
翔鶴「なるほど。ところで、ここ最近私とご飯を食べてくれないのはなぜですか?」
翔鶴さんが笑顔で尋ねてきているのだが、背後からなにかオーラが見える。
裕一「いやー…、あの…、他の艦娘とのコミュニケーションも大事なので。別に翔鶴さんを避けている訳ではありませんよ。そうだ、よかったら今日のお昼一緒どうですか?翔鶴さんと一緒に食べたいなー。」
翔鶴「では、今日のお昼一緒に食べましょうね。デスピナさ·ん。」
裕一「はい、よろしくお願いします!」
翔鶴さんの背後にあったオーラが消えひとまず安心である。
そういえば、翔鶴さんってこんな感じだっけ?と考えてしまった。
10:45
空母寮、自室
部屋に遮音フィールドと不可視フィールドを展開する。
使う時に、これフォーリナーテクノロジーなのか?やりすぎじゃね??と考えてしまう。
そして、デスピナ艤装内の主要メンバーが出てくる。
裕一「さて、国防省から沖ノ島海域奪回作戦が発令された。」
副長「いよいよですね。」
砲雷長「今回はどの様な立ち回りで?」
裕一「遊撃だそうだ。」
航空参謀「敵を倒しつつ、本隊の援護ですか…。」
第一航空大隊長「ぜひ、我ら航空隊を!」
航空大隊長達「「「「「お願いします!!」」」」」
裕一「まぁ、落ち着け。今から俺の案を話してやる。と言っても簡単だけどね。」
俺は、ニヤリとして説明を始める。
裕一「敵の侵攻主力艦隊の位置はある程度絞り込めているらしいが、それでも沖ノ島海域全域を探して殲滅しなきゃいけない。こちらも大艦隊を投入する事になっているが、それでもめんどくさいと思う。そこで、海域全域を空爆で火の海にし、敵艦隊の生き残りを友軍に掃討してもらう。どうだ?」
副長「ただの数のゴリ押しですね。」
砲雷長「友軍の機会を奪ってしまいますね。」
航空参謀「艦長!素晴らしいです!!」
航空大隊長達「「「「「「皆、貴方について行きます!空爆、万歳!!!!」」」」」」
航空参謀「提案があります!」
裕一「なんだ?」
航空参謀「兵装制限Bアルマゲドンの使用を具申します。」
裕、副長、砲雷長「「「!?」」」
副長「貴様!あれは、ただの兵器では無いのだぞ!」
副長が航空参謀を張り倒す。
砲雷長「艦長、私はこの提案に反対いたします。あれは、制限Bではありますが戦略兵器です。まだ味方、敵に見せるのは得策ではありません。」
裕一「一理あるね…。確かにあれはおいそれと使う訳にはいかない。しかし、今回は使おうと思う。」
副長「!?正気ですか?」
裕一「あぁ、一度その威力を見ておきたい。それに敵、味方に見られても問題無いだろう。程よい抑止力になる。」
副長「ですが…、国防軍が難題を吹っかけてきますよ?」
裕一「その時は、その時だ。問題の先送りになるが、アルマゲドンが本当に強力な手札になりうるか。こちらの確認の方が重要と見た。」
航空大隊長達「「「「「好きー!抱いてー!!」」」」」
砲雷長「…納得いきませんが、艦長を支持します。」
副長「砲雷長が折れたらどうにも出来ませんね。私も艦長を支持します。」
裕一「ありがとう。では、作戦に向け明日より訓練を行う。」
全員「「「「了解!」」」」
さぁーて、明日から頑張らないとな。
妖精さんが変なことになっているが気にしないで下さい。