今回は、開発回です。やっぱり、これは外せないですね。
この先もこのような回が出てくるのでお楽しみに。
第2章 沖ノ島海域編
第18話 開発
遠征のあった次の日、俺は執務室にいた。
中村「今日は工廠で開発を行ってもらう。詳しいことは工廠長に聴いてくれ。」
裕一「分かりました。」
中村「よろしく頼む。さて、何を開発してくれるかな?空母だから…烈風とか欲しいなー。」
女の様にオネダリしてくる。ちょっと気持ち悪いが、我慢して普段どおりの返事をする。
裕一「そんなこと言われましても、開発なんて運でしょう。狙っても出ないでしょう。物欲センサーが働きますよ。」
中村「それもそうだな。」
裕一「では、失礼します。」
俺は執務室をでて工廠へむかう。
工廠
開発は、建造ドックと同じ建物にある。建造ドックに行くと工廠長がいた。
工廠長「待っていたぞ。さぁ、さっそく始めようか。」
裕一「はい。」
建造ドックの中に入り、横に何かメーターの様なものが付いている扉の前に連れてこられた。
工廠長「ここが開発を行う場所だ。横のメーターに各資材を指定してレバーを下げれば中で開発が行われる。今回はデータをとることになっているから、まずは最低値で3回行ってくれ。」
裕一「分かりました。」
最低値、各資材オール10で、レバーを下げる。
10秒後。
チーン。
音が鳴り、扉が開く。そこには…ペンギンがいた。
工廠長「失敗の様だな。では後2回頼む。」
裕一「はい。」
続けて2回開発するも結果はペンギンだった。
工廠長「最低値では何も無し、と。では、次に空母ということで艦載機レシピをまわしてくれ。レシピは、燃料20、弾薬60、鋼材10、ボーキ110で同じく3回だ。」
資材を指定してレバーを下げる。
チーン
扉が開き、中には一機の艦載機があった。
工廠長「お!流星改か。これは期待できそうだな。では、あと2回頼むぞ。」
2回目は、紫電改二ができた。
3回目は、烈風が出てきた。
工廠長「うんうん、烈風の数が少なかったからな。いやはや、よかった、よかった。」
と、満足そうに言った。
工廠長「それでは次は、全て最高値で3回頼む。」
今度は、各資材オール300で開発する。
チーン
扉が開くとそこには緑の箱があった。
裕一「工廠長、何でしょう?これは。」
工廠長「箱か…。うん?開くぞこれ。」
裕一「開けてみますね。」
中にはひとつの銃があった。
裕一「?」
工廠長「今説明書持ってくる。おい、今の開発した説明書出力して持ってきてくれ!」
そして、工廠の妖精が持ってきた書類には
Lv.55ノヴァバスターDA
射程 1240.0m
精度 S+
一発限りでリロード不可の代わり、桁外れの威力を持つレーザーライフル。
Lv.18のノヴァバスターの上位互換。
工廠長「…なんだ、これは…。艤装ではないのだが。」
裕一「あー…、EDFの装備がきたよ。あははー…。」
工廠長「一応、艦娘も装備出来るみたいだな。」
裕一「リロード出来ないですし、お倉入りですかね。」
工廠長「かもな。さぁ、次だ!」
再び、各資材オール300で開発すると、
今度も緑の箱が出てきた。
工廠長「…説明書持ってきてくれ。」
Lv.38 FG02高高度強襲ミサイル
ロックオン距離 500m
ロックオン対象数 10
ロックオン時間 0.5秒
誘導性能 A+
自分の真上に射出し、高高度まで上昇。その後目標に降下するミサイル。
射出から点火までの間があり、射出したミサイルが慣性の影響を受け少し下に落ちた後点火となる。そのため自爆注意。
また、艦娘に搭載することで、ロックオン距離は30kmにまで延長される。
しかし、その分消費する資材は多くなり補給時に痛い目をみる。ご利用は計画的に。
裕一「ずいぶん親切な説明書ですね。誰が書いているんでしょうか?」
工廠長「大妖精が送ってくるんだよ。」
中間管理職はなかなか大変である。
工廠長「さぁ、ラスト頼むぞ。」
オール300でレバーを下ろし、
チーン
扉が開くとそこには妖精達がいた。
裕一「?」
俺は、何が起こっているのか理解するのに少し時間を要した。そして
裕一「はい?」
工廠長がもう慣れたかのように説明を始める
レンジャー妖精×12名
アーマー 150…訓練により上昇する。
とある世界の軍事組織、EDFの兵科の一つであるレンジャーを妖精化した。
開発でできた装備を持たせることができる。装備によっては深海棲艦を撃沈可能。
アーマーが0になっても死なず、任意の場所に蘇る。しかし、24時間は戦闘行動が出来なくなる。
裕一「うん、兵器じゃなくなりましたね。ついに兵士を呼び出してしまった…。」
俺は、もう自分のチートについていけなくなりそうになる。
工廠長「デスピナー!戻ってこーい!」
工廠長が何とか俺を現実に引き戻してくれた。
工廠長「とりあえず、兵士は君のところの艤装に入れておけ。」
裕一「分かりました。使う機会がありますかね?」
工廠長「さぁな、とりあえず開発は終了だ。これを提督に渡してくれ。今日の開発結果が書かれた書類だ。」
裕一「分かりました。では、お疲れ様でした。」
工廠長「うん。また頼むぞ。」
執務室
裕一「提督、本日の開発結果です。」
中村「お、どれどれ…。流星改と紫電改二、烈風…。なかなかいい成果だな。次が…、ノヴァバスター?」
裕一「EDFの装備ができまして…。」
中村「そうか…。お!ミサイルもあるじゃないか。最後は……、ナニコレ。なんで開発で妖精だけがでてくんの??」
裕一「さぁー…。」
執務室にしばし沈黙が訪れる。
中村「…まぁ、とにかくご苦労だった。次も頼むよ。」
裕一「…はい。」
中村「さて、これから一緒に鳳翔の店で飯でもどうだ?もちろん、俺の奢りだ。」
裕一「えぇ、ぜひ!」
中村「そうか!ではさっそく行こう!」
こうして俺は中村提督と夕食を食べに鳳翔の店に向かった。
居酒屋鳳翔
ガラガラ
鳳翔「いらっしゃいませ。あら、提督。」
中村「こんばんは、鳳翔。今日は連れがいるんだ。」
裕一「こんばんは…。」
鳳翔「うふふ、いらっしゃいデスピナさん。今日が初めてですね。」
裕一「えぇ、まぁ。」
中村「とりあえず、前のボトルを出してくれ。」
裕一「じゃあ、私はウーロン茶を。」
俺と提督は席につきながらに注文をする。
中村「うん?お前酒が飲めないのか?」
裕一「俺はまだ17歳ですよ。未成年ですから無理です。」
鳳翔「はい、どうぞ。」
鳳翔さんが飲み物を持ってきてくれた。
中村「では、乾杯。」
裕一「乾杯。」
中村「く~、うまい。人生この時のために生きてるようなもんだ。鳳翔、何か適当に繕ってくれ。」
鳳翔「はい、少々お待ちくださいね。」
鳳翔さんが何か調理を始めた。
裕一「そういえば、提督は食堂であまり見ませんがこちらで夕食をとっていらっしゃるのですか?」
中村「あぁ、酒を飲むからな。駆逐艦の子達のいる環境で酒を飲みながらってのは問題だろ。」
裕一「確かに。」
そんな感じで雑談していると、
鳳翔「お待たせしました。まず枝豆とポテトサラダ。今日はクリームコロッケを作ってみました。」
中村、裕「「おー!」」
中村「では、さっそく。いただきます。」
提督がクリームコロッケを食べる。
中村「うーん、うまい!」
俺もクリームコロッケを食べてみる。
裕一「…美味しい。」
外はサックとしていて中はアツアツの濃厚でクリーミーな味が口に広がる。
鳳翔「お口に合ったようで良かったです。」
裕一「ところでここでは夕食も普通にたべるんですよね?」
鳳翔「えぇ。その時は前日までに予約して頂ければ大丈夫ですよ。」
裕一「では、お給料貰ったら食べに来ます。」
鳳翔「お待ちしています。」
そんなやりとりをしつつ、今日も夜は暮れていく。
開発から妖精だけ出るんですねー。
いったい、いつ使うのでしょうか。
EDF装備での戦いはまだ先になりそうです。そのため倉庫で眠っていただきます。