ロクでなし魔術講師とコード・キャスター   作:皿無き河童

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投稿が遅れました。
特別忙しかったわけではないんですが、なんかこう筆が進まなかったり、書くために原作を読み込んでたり、買ってそのままだった本を読んでたり、新しく買った本を読んでたりとしてたらこうなりました。あと、今回で1巻分を終わらせることはできませんでしたので、もう少し1巻の内容が続きます。

それとアンケートの結果、ヒロインはセリカにしていこうかと思います。ですが作者には恋愛とか書く才能が皆無なのだ甘い展開はあまり期待しないでください。


code07 事件の終わりは近づく

魔術実験室についたハクノたちは、無事グレンと合流することができた。その後は互いの情報を交換していた。

 

「そうか、グレンの方も襲われたわけか。それで今この学院は結界がいじられて外に出ることができないと」

 

「だな、出ようとするならこの問題を解決しないといけねぇ」

 

「そうだね、そして今回この事件を引き起こしたのは…」

 

「「天の智慧研究会」」

 

情報を交換してハクノのが今回の事件に関わっているであろう組織の名前を出そうとするとグレンもその組織の名前を同時に言う。

『天の智慧研究会』アルザーノ帝国に蔓延る最古の魔術結社の一つ、魔術を究めるためなら例えどんなに非人道的な行為も平然と行い、研究会に所属する自分たちは世界を導く唯一無二の存在だと、これまでも多くの事件を起こしている外道魔術師集団であり、帝国政府と今もなお長い抗争を続ける魔術界の最大の闇でもある。

 

「ただなんでルミアを狙ったのかわからない。学院自体を狙うならまだしも1クラスの1人の女の子を狙うなんて、何を考えてるのかわからない組織だけど今回のは特にわからないよ」

 

「まあ、今はそんな事はどうでもいいだろ。それで、ルミアの居場所はわかってるのか?」

 

「それは今から調べるよ。それで、調べてる間そこの捕まえてるのから情報を吐かせて欲しいんだけど」

 

そう言ってアーチャーに連れてきてもらった今もなお気絶しているジンを指さす。

 

「どうせ何も知らんと思うがなぁ。まぁ聞きだせるだけ聞き出してみるか。それじゃハクノあれ貸してくれ」

 

グレンがそう言ってくるので、多分あれだろうとカバンから恐ろしく赤い液体が入った〔泰山〕と書かれた小瓶を渡す。

その後、何か悲鳴のような声が聞こえて、なんとも言えない笑みが溢れそうになるのを堪えて、ルミアの居場所を探すための作業を開始する。

 

「≪code・view_map≫」

 

そうして表示されたマップからルミアの居場所を探していく……

 

ルミアを探し始めて数十分漸くルミアを見つけだしグレンたちに報告しようと振り向く。するとそこには哀れみの顔でジンを見るシスティーナとアーチャー、今にも死にそうな顔で倒れているジン、誰かと通信しているのか通信用魔導器を耳にあてて会話しているグレンがいた。

 

「ルミアの居場所を特定したけど……これは今どういう状況なの?」

 

「えっと……先生が貴方から貰った小瓶をこいつの口に突っ込んで……それで……」

 

「アレの味に耐えきれず目を覚ましたが、話を聞く限り何も知らないようでね。残りをもう一度飲ませてまた気絶して貰った。今は見ての通りグレンは通話中だが…」

 

そう言われてグレンの方を改めて見るとまだ話している。そして、通信相手が誰なのかは予想がついているため、そのまま話しかける。

 

「グレン、ルミアの居場所がわかったよ…転送塔にいた。それと学院内にいる敵はあと二人、両方とも転送塔だよ」

 

それを聞いたグレンが通信相手ーセリカにまた何かを聞き始めた。それがまだ続くだろうと思いアーチャーとシスティーナの側まで行きアーチャーにまたジンを担いでもらい移動の準備をするように言う。そうして準備をしている間に会話も終わったのかグレンも近づいてきた。

 

「相変わらずハクノは仕事が早くて正確だから助かる。おかげで今回もどうにかできそうだ」

 

「そんな事はないよ。それで、これからここにいるメンバーで転送塔に向かうでいいのかな?」

 

「あぁ。俺の考えがあってればルミアは余裕で助けられる。……それはいいとしてそいつ本当に連れていくのか?」

 

「別に置いて行ってもいいけど、それで下手に死なれたら感じ悪いからね。例え誰であっても助けられるなら俺は助けるよ」

 

「諦めろグレン。一度決めたら止まらない…マスターの諦めの悪さは君がよく知っているだろう?」

 

「……はぁ。そう言えばそうだったなぁ。そんじゃ次、白猫、お前本当について来るんだな?今ならまだ引き返せるぞ?」

 

「絶対について行きます!確かに先生が言った通り魔術なんてロクな物じゃなかった!そのせいでルミアは連れていかれた!でも…だからこそ私はルミアを助けてあげたいんです!」

 

「わかったよ。でもお前は無茶するなよ、危なかったらお前は真っ先に隠れろわかったな」

 

「はい!」

 

「それじゃグレンにも、

≪code・boost_mp≫≪code・gain_str≫≪code・gain_mgi≫」

 

そう唱えてアーチャーやシスティーナに施したのと同じ魔術を付与する。

そうして準備が整ったため四人で転送塔に向かって進み出す。そして、道中これと言った問題も無く転送塔の近くまで辿り着いた。

だが、転送塔の入り口近くまで近づこうとすると、突然、転送塔の入り口付近の空間が揺らぎ、その揺らぎの中から剣や盾などで武装した骸骨が召喚され、周りの木々からは、学院内を守護するガーディアン・ゴーレムがハクノたちを囲むように現れ、転送塔の入り口からはダークコートの男ーレイクが現れた。

 

「ただの学生と第三階梯の講師かと思ったがそうではなかったようだな。だが、この状況ではどうにもなるまい」

 

「ふっ…それはどうかな。……投影開始(トレース・オン)

 

アーチャーが担いだジンをいつの間にか下ろしてそう言うと、空中に無数の刀剣が出現し、ガーディアン・ゴーレムや骸骨に向かって雨のように降り注ぎ、突き刺さっていく。そして骸骨たちの数がかなり減った所で刀剣の雨はその勢いを弱めていき、敵は周りには刀剣の雨から逃れた数体の骸骨とガーディアン・ゴーレム、入り口近くに佇んで驚愕しているレイクしか残っていなかった。

 

「先に行けマスター。あの男と残った雑魚の相手は俺がしておこう」

 

アーチャーがその両手にいつもの白と黒の夫婦剣を持って前に出ながらそう言った。

 

「わかった、ここは任せたよアーチャー。グレン、システィーナ行こう」

『アーチャー、宝具の解放はアーチャーの判断に任せるから』

 

グレンとシスティーナについて来るように言いながら、アーチャーに念話でそう言う。

 

『わかった。…そうだマスター、別にあいつらを圧倒しても構わんのだろう?』

 

『アーチャー…それ死亡フラグだから…慢心するのは王様だけで十分なんです。真面目にしてくださいお願いします』

 

突然アーチャーが頭のおかしいこと(死亡フラグ)を言うので、釘を刺しながら、入り口近くまで近づく。

 

「…!?。これ以上先には行かせん!」

 

そこに正気に戻ったのかレイクが襲いかかって来る。

だが、

 

「それは私のセリフだ。マスターたちには指一本触れさせん」

 

アーチャーが割って入りそれを防ぐ。そしてアーチャーとレイクを置き去って転送塔へと入っていく。

 

 

 

事件の終わりは近づく




次回の投稿もまた少し遅れるかも。
それと週間ランキング63位、週間「その他原作」ランキング12位入り。
書き始めはランキングになんて乗らないだろなんて思っていましたが、こうしてランキング入りしているのもこの作品を読んでくださる皆様のおかげです。
これからも少しずつ頑張っていくので、これからもこの作品を読んで楽しんでいただけたら幸いです。

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