UA1000越え
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( ゚д゚)えっ!
(つд⊂)ゴシゴシ
( ゚д゚)えっ!……嘘やん
となりました。
どこまで行けるかわかりませんが、頑張らせてもらいます
村が襲われ、唯一の生き残りとしてグレンたち帝国宮廷魔道士団特務分室に拾われる形になったハクノは、帰るべき居場所が無くなったために、仕方なく特務分室に籍を置く事になった。
それからは、特務分室の魔道士たちやグレンの育ての親であり元・特務分室所属のセリカの世話になりながら、籍を置いて一年後には特務分室の執行者ナンバー18≪月≫として仕事をこなす生活を続けるようになっていった
そして、村が襲われ特務分室に拾われてから四年が経った、ある日のとある館での朝の出来事
「なぁ、俺は思うんだ。人間ってのは働いたその瞬間から負け組の仲間入りなんだって」
気絶していた自分を見つけ出し保護してくれた男———グレンが、これぞ世界の真理だと言いたそうな顔をしながら自分とこの部屋にもう一人いる妙齢の女性に話しかけてくる
「二人のおかげで、俺はそんな負け組の仲間入りなんてせずにこうしてダラけていられる。二人がいてくれて本当によかった」
そんなグレンのセリフを聞いて、女性は額に薄く青筋を浮かべながらも、優雅な振る舞いでティーカップを傾けながらこう返した。
「ふ、そうか。死ねよ、穀潰し」
それに続くように自分も返答する
「はじめのセリフはまず論外。最後のセリフはセリカが言うべきであり、お前の言うセリフじゃねぇ」
「あはっは!セリカとハクノは厳しいなぁ!……あ、おかわり」
グレンは自分たちのセリフをあっけからんと笑い飛ばしながら、空になったスープの皿を出してくる
「グレン…お前年下のハクノにあんな事言われて恥ずかしくないのか?たとえお前がどうしようもないロクでなしだとしても、年上としての威厳とかプライドくらいあるだろ。それと、なにもしない居候っていうのは普通もっと謙虚になるものだろ」
「ふっ、馬鹿だなぁセリカ。俺はあえてダラシない姿を見せてハクノにこうはなりたくないと思わせて働くよう反面教師を演じてるんだよ。それにやれ威厳だプライドなんて必要ないもの俺は持ってないんだよ。あー、後今日のメシはちょっと塩っ辛かったぞ?俺はもっと薄味の方がいいね」
「お前のその言い訳と図々しさには、呆れを通り越して尊敬すら覚えそうだよ。」
セリカはそう言うとしばらくの間、にこにこと笑って……
「≪とりあえず・一度・果てろ≫」
不意にルーン語で三節のおかしな呪文を唱えた。
その直後にセリカの唱えた魔術が発生し、爆発により視界が紅蓮に染め上げられ、爆風を直に受けたグレンは吹き飛ばされ、その余波により室内は無残な姿になった。
自分はいち早くセリカの背後に隠れる事によって爆発や爆風の被害から逃れた。
「ばっ、馬鹿野郎!お前、俺を殺す気か!?てっ言うかハクノ!お前一人だけ逃げ隠れるなんてひでぇぞ」
真っ黒焦げになったグレンがごほごほと咳き込みながら、わめき散らす。
「殺す?違うな。邪魔なゴミを排除する行為を掃除というんだぞ?グレン」
「グレン因果応報って知ってる。居候させて貰ってるんだから、このぐらいは受け入れないとダメだよ」
「子供の間違いを優しく諭す母親みたいなノリでひどいこと言うな!?ってかハクノ俺がいつ悪い事したって言うんだよ!俺にだって人権があるんだから最低限人間扱いして下さい!」
変わらず口の減らないグレンに二人してため息をつく。
だがセリカは直ぐに真剣な顔になり、真紅の瞳で真っ直ぐにグレンを見つめながらある言葉を口にする
「なぁ、グレン……働きたくないと言っていたが、いい加減新しい仕事を探してもいいんじゃないか?」
ようやく起き上がったグレンは動きが一瞬止まる。
「ハクノはまだ現役だが。お前があの仕事を辞めて、私の家の居候になってから早一年。働き者のハクノと違ってお前は毎日毎日、何もせず食って寝て、食って寝ての繰り返し。人生の無駄遣いだぞ?」
ため息混じりに呆れた目でグレンを見るセリカに、グレンは胸を張り、自信満々に応えた。
「大丈夫。俺は今の自分が好きだ。社会に使い潰されるように生きていた昔の俺より、今の俺の方がずっと生き生きとして輝いている」
「何をどう比較したら、引きこもりの無駄メシ喰らいな生き方が輝いてることになるんだ、もう死ね、もしくは本当に働け、頼むから」
そんなセリカ言葉すらどこ吹く風で爽やかな笑顔で親指を立てるグレンにまたもやため息をつく。
「まったくお前は……ハクノは真面目に働く上にお世話になったお礼と言って贈り物までくれると言うのに。お前は面倒を見てやっている私に少しぐらい親孝行しようとは思わないのか」
「えっいやそんな事より今なんて言った?俺もハクノに色々世話してやったのに何も貰ってないんだけど」
「≪其の摂理の円環へと帰還せよ・五素は五素に・象の理を…≫」
「≪原初を語り・元素は混ざり・固まり…≫」
流石にこのグレンの対応には呆れではなく怒りの感情が勝り我慢強さには定評のある自分ですら、危ない呪文を無意識に唱え始めていた
「まてまてまて!?二人してなんて呪文唱えてるんだよ!?それだけはやめて!?俺跡形もなく消えちゃうから!?嫌ァァアアアッ!?」
焼け焦げた壁を背にそんな奇声をあげるグレン。そんな情けない事この上ないグレンの姿を見た二人は、何度ついたかわからないため息をつきながら発動しようとしていた魔術を解除した。
「はぁ、私も暇な人間じゃないんだからそろそろ真面目に話を聞け。どうせお前のことだ、仕事を探せ仕事をしろと言っても何もしようとしないだろう。だから私がお前のために仕事を斡旋してやろう」
「仕事?」
「そうだ。実は今、アルザーノ帝国魔術学院の講師枠が、一つ空いていてな。それで、だ。お前にしばらくの間、非常勤講師をやってもらおうと思う。なに心配するな別に小難しいことを教えろとは言わないし、ハクノも別件で魔術学院に編入する事になっているから寂しがることもない。と言うか学院長には既に話をしているからもう事後報告のようなものだ」
「はぁ!?なんだそれ。セリカお前なに勝手に決めてんだよ!俺が魔術のことを、名前も聞くのも嫌いなくらいに大っ嫌いなの知ってるだろ!ハクノも魔術学院に行くってんならハクノに講師をさせればいいじゃねぇか!俺は嫌だからな魔術講師になんてなるぐらいならいっそ物乞いにでもなった方が……」
「≪其の摂理の円環へと帰還せよ・五素は五素に・象と理を紡ぐ縁は乖離せよ≫」
「≪氷天よ・砕け≫」
今度は止まることなく口早に呪文を唱えると、グレンの傍を光の波動と氷の塊が駆け抜け、壮大な破壊音が響き渡った。
グレンはゆっくりと破壊音がした方を向くと壁が盛大にぶっ壊れていた。
「ちっ、外したか。だが次はない」
「大丈夫ですよ。つい投げつけてしまったけど今度は足元を氷づけにするので」
「そうかなら尚のこと外すわけにはいかないな…」
「≪其の摂理の円環へと帰還せよ・五素は五素に・象の理を……≫」
「≪氷天よ・…≫」
「いっ、イヤダァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
こうして、半ば強制的にグレンは社会復帰し再就職先は決まったのである。
そして、アルザーノ帝国魔術学院を中心とした物語は幕を開ける
おまけ
〜冒頭前、ハクノとセリカの会話〜
「セリカ渡すものが有るって聞いたけど?」
「あぁ、これのことだ。まあ内容は見てみればわかる」
「ええっと、なになに『アルザーノ帝国・帝国宮廷魔道士団特務分室所属、執行者ナンバー18≪月≫ ハクノ=キシナミ。其方に魔術学院に在学する、ルミア=ティンジェルの護衛を依頼する。 アルザーノ帝国女王 アリシア=アルザーノ』
『編入届 ハクノ=キシナミ
上記の者のアルザーノ帝国魔術学院への編入を許可するものとする
アルザーノ帝国魔術学院学院長リック=ウォーケン』えっとこれは一体」
「見ての通りお前への任務とそのために必要な資料だ。なに心配するなグレンも非常勤講師として一緒に学院にいる事になるから何があっても大丈夫だろう」
その後グレンが部屋に入ってきて朝食をとり冒頭に戻る
〜ネタ〜
「グレンそう言えばお礼が欲しいんだっけ?」
「えっなになに何かくれんの?」
「うん、オススメのお店の料理を奢ってあげようかなって」
「えっ!?もしかしてもしかしなくてもその店って」
「うん。グレンの想像どおり泰山の麻婆豆腐だよ」
「イヤ、ヤッパリオレイハイイヨ」
「え〜本当?後になってやっぱり欲しいって言っても奢らないよ」
「あんな殺人料理奢られても食べねぇよ。と言うかハクノ以外に好んであんなの食べるのいるのかよ」
「いるよ」
「え!?」
ハクノ=キシナミ
17歳 男
第三階梯程度
魔術特性
【逆境からの逆転・踏破】
使用魔術
コード・キャストを中心とした固有魔術や、かなり劣化したサーヴァントのスキルなどを魔術化したものも使う。
特徴
集団の中で三番目くらいの顔立ち
固有魔術以外の汎用魔術などはどれも三流程度にしか使えない
異能者と疑われるほどの精神力と忍耐力の持ち主