悪役令嬢なんて、冗談じゃあないわ!〜アルストロメリア〜 作:アラセイトウ
ロメオントが、いなくなってから、一年が経ちましたわ。
風の噂で聞こえて来るのは、ゲーム通りの生活。
私、あんなに女たらしにならないように言いましたわよね‼︎
しかもその俺様皇子とか、最悪過ぎませんこと‼︎
これもゲーム補正の結果なのかしら?
嫌ですわ‼︎絶対に‼︎
ゲームでは、私、オブシディアン王子とは婚約していませんし、なんとか原作通りにしないようにしていますわ‼︎
そういえば、お兄様に婚約者が出来たそうですの。
お名前は、確かそう、アイリス・ヴァン・メディテッラーネオ様。原作でも、お兄様の婚約者でしたわ。侯爵家の長女でありますわ。
碧色の髪に太陽の光を閉じ込めたような綺麗なオレンジ色の瞳。まっすぐで優しい方ですわ。私と同じ悪役なのに、この方は、絶対に死なないのですわ。私の押しキャラですわ‼︎
会うのが、楽しみ過ぎて今日は、少し眠いですわね〜。
実は、今日アイリス様とお茶会なんですの♪
普段知らないお兄様の話が、聞けると思うとワクワクしますわ。
それに、妹のユイリス様も一緒だった気がしますわ。
さぁ、お茶会の始まりですわ‼︎
「初めまして、アルストロメリア様。私は、アイリス・ヴァン・メディテッラーネオと申します。こちらは、妹のユイリス。アルストロメリア様と同い年になりますわ。
ユイリス。ご挨拶を。」
はぁ、なんというか、とても綺麗で優雅な女ですわね。
ユイリス様も、
「はっ、初めまして。先程、紹介されました。ユイリス・ヴァン・メディテッラーネオと申します。」
少し、噛んでいてとても可愛いですわ。
あらっ返事を出さなければなりませんわよね。
「初めまして。アイリス様。ユイリス様。私は、アルストロメリア・ヴァン・アメジルチリカと申しますわ。
これから、どうぞよろしくお願いいたしますわ。」
アイリス様は、優しげに微笑んで
「ええ。こちらこそよろしくお願いいたしますわ。私のことは、アイ と呼んでくれると嬉しいですわ。ユイリスのことは、ユイ と呼んでください。」
私は、ついつい嬉しくなってしまいましたわ。だから、はしたないかもしれませんけど少し早口になってしまいましたわ。反省ですわね。
「よろしいのですか?」
ユイリス様もアイリス様もにっこりと笑って、『もちろん』と笑った。
私は、にっこりと笑い返しながら、嗚呼可愛い。
「私のことは、アリアと呼んでくださること嬉しいですわ。アイ様。ユイ様。」
ユイ様は、呆然としていたが、アイ様は、さすが、お兄様の婚約者、にっこりと微笑み
「光栄ですわ。アリア様。あの、お願いが有るのですが、よろしいですか?」
私は、その言葉ににっこり笑って、
「私に出来る事でしたらかまいませんわ。」
アイ様は、ホッとしたように笑い
「少し耳を貸してくれませんか?アリア様。」
私は、
「ええ。良いですわ。」
と言って耳をアイ様の口もとに近づけた。
アイのはどこか緊張しているように私に
「アリア様は、転生者ですか?」
と爆弾発言を起こしてくれたのである。
転生者キターーー。
原作と違う展開へでもまだまだ死亡フラグは消えていない。