悪役令嬢なんて、冗談じゃあないわ!〜アルストロメリア〜 作:アラセイトウ
お兄様。素敵すぎる。さすがは私の押しキャラ第二位。
一位はないクライス様です。そこは譲りませんわ。
金髪碧眼の美男子が剣を振っている。
眼の保養になりますわね〜。
あらっ気づかれてしまいましたわ。
一応「お兄しゃまぁ」と鈴がなるような可愛いらしい声をかけて、窓から身を乗り出して手を振って置きますわ。
お兄様は輝く笑顔でこちらに手を振ってくださいます。
嗚呼、可愛い。
それにしてもこの家族。私の事可愛がりすぎません?
だって何をしても褒められる。元庶民オタク女子にはキツすぎますわ。
でも、原作のアルストロメリアが我儘な悪役令嬢になったのも納得です。
謙虚な心、庶民の生活を忘れないように。
でも、最近慣れてきてしまって。慣れって………恐ろしすぎる。レディのマナーを早く学びたいですわ。清楚で上品なね。クライス様の好みにぴったりのね。
「おねぇしゃまぁ〜〜アリアおねぇしゃまぁ〜」
んっ?誰かが呼ぶ声が聞こえる。この可愛らしいボーイソプラノはロメオントじゃあないの。私と同じ金髪に少し紫が混じっている青目。只今2歳。とても可愛い。始めて見た時可愛すぎて気絶するかと思いました。マジで。
ついつい、甘え声で「ロメオント〜おねぇしゃまはここでしゅわぁ〜。」と言うと、ロメオントは姉の姿を見つけパァっと顔を輝かした。嗚呼、生きているって素晴らしい。眼福、眼福。いつ死んでも良い。
それにしても、何故原作のアルストロメリアがロメオントを可愛がらなかったか理解に苦しみますわ。
まぁ、自分より可愛い、又は、大切にされている。
私的には、扱いは同じなのですが………。
こう考えると、アルストロメリアってかなり凄いですわね。恐ろしいぐらいに。おっと、ロメオントが抱きついて来ましたわ。どうしましょう。押しキャラが、順位が、ああ、もう良いですわ。ロメオントは2位で。
お兄様は、3位で。何故、1位ではないかですって?それはクライス様が1位だからですわ。
聞き飽きたですってぇ。あら、ごめんあそばせ。
まぁ、お兄様ですから。きっと、許してくださるでしょうね。
まぁ、今は原作なんて忘れてロメオントを愛でて生きたいと思いますわ!
嗚呼、私の癒し。これが将来プレイボーイ(フェミスト)のヤンデレになってしまうなんて。絶対に、ごめんですわ!
なので、今日もお兄様と共にダンスの練習。ピアノやヴァイオリンやその他の楽器の練習。政治などのお勉強。これははっきり言ってとても眠い。
そして、マナーレッスン。たまーにロメオントも混じって日々楽しく活動していますわ。
嗚呼、早く、クライス様に逢えないかしら。
素敵な淑女になりますから、待っていてくださいね。