悪役令嬢なんて、冗談じゃあないわ!〜アルストロメリア〜 作:アラセイトウ
拝啓
アリアお姉様。
帝国での暮らしは大変ですが、日々充実して過ごしています。
ですが、アリアお姉様と2年も会っていなくてアリアお姉様不足で死にそうです。
ですが、アリアお姉様を娶るためだと思い我慢して過ごしています。
誰にも文句は言わせないつもりなのでご心配なく。
アリアお姉様の様子は聴いています。
さすが、アリアお姉様ですね。
私も負けないように頑張ります。
アリアお姉様、浮気はしないでください。
その人を嫉妬で殺してしまいそうになるので。
特に、クライス様とオブシディアン殿下に気を付けてください。
アリアお姉様は、気を抜き過ぎなので。
私が、帝国での暮らしは、伝わっていると思いますが、私が愛しているのはアリアお姉様だけですので。
また、学園で逢いましょう。
ロメオント・カル・ゲッケイジュ
「アイお姉ちゃん。これ読んでどう思います?」
「嗚呼、そう言えば、ロメオントってヤンデレでしたよね。これ、監禁コース一直線でしょうね〜。ちなみにこのコースは、R18だから、ドンマイとしか言いようがないですわ〜。とりあえず、対策を考えましょう」
といつものようにおっしゃいましたわ。聖母のような、出来の悪い妹を見るような……………。
ゔゔ、そんな目で見ないでください。知らなかったんですの。
アイお姉ちゃん。ユイ。そんな可哀想な娘を見る目で見ないでください。
ええ。私が馬鹿でしたから………。
嗚呼、そういえば、学園の事も聞きたいですわ‼︎
現実逃避で何が悪い‼︎
➖➖➖➖➖1時間後➖➖➖➖➖
本当にどうしましょう。アイお姉ちゃんとユイに匙投げられそうになってしまっていますわ。
執事が、こちらの方に歩いて来ましたわ。
なんとなく嫌な予感がするのですが………。
逃げても良いでしょうか?
嗚呼、やっぱり。お兄様にクライス様オブシディアン殿下ですわね。
どうしましょう?逃げてもよろしいでしょうか?
いえ、無理ですわね。
アイお姉ちゃんが、私の手を離してくれませんわ。
ゔゔ、恥ずかしいですわ。
なんで、逃げられないんですの!
私、悪役令嬢でしたわよね?
パニック状態になっていたら、お兄様がアイお姉ちゃんの手を取って手の甲にキスをしましたわ。
アイお姉ちゃんは、頬を赤らめ、お兄様は、慈しむようにアイお姉ちゃんを見つめていますわ。
お兄様。アイお姉ちゃん。まるで、物語に出て来る姫と王子ですわね‼︎
憧れますわ〜。ユイは顔を真っ赤にしていますわね〜。
私も人の事言えませんが。
とても顔が熱いので、私もユイと同じくらい真っ赤なのでしょうね。
「きゃあ!一体何をなさるんですの!クライス様!離してください!」
なっ…何故か突然クライス様に抱きしめられました…わ。
顔が熱いですわ………。
胸もなんだかドキドキが止まりませんし。
恥ずかしいですわ。
クライス様が近いですわ〜。
ええ。妄想をしていた事も有りますわ!もしもを考えた事もアイお姉ちゃんとユイにクライス様が好きだと言いましたわ。
でも、恥ずかしいですわ。
息を耳に当てないでください〜。
変な気分になりますわ〜。声が出そうですわ。
「ふふっ。可愛いなぁ〜。アリアは、このままずっと抱きしめていたいよ。ジャックとシアン殿下に感謝しないと。アリアは、僕の癒やしだね〜。」
と言われ私の額にキスをされました。
お兄様とアイお姉ちゃんは唇にキスをされていましたわ。
オブシディアン殿下はユイに釘付けで、私達と同い年なのにオーラを撒き散らしながらユイと話されていますわ。
私は、何故かクライス様に頭を撫でられていましたわ。
気持ち良いから好きですが…………。
淑女として、女としてどうなのかとは思いましたが。
この状態が今日は少なくとも2時間はずっとこの体勢でしたから。
あれを学園行ったら、毎日されるのでしょうか。
恥ずか死にますわ………。
オブシディアン殿下、ユイリスに一目惚れ?