ハイスクールD×S×G   作:汰灘 勇一

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限定解除の未来と調がでないー


第八話「聖女と烈槍 ガングニール」

 ロイミュード眼魔事件から一週間後、弦十郎さんに呼ばれた俺は二課の司令室に来ている。

 

「はぐれ堕天使達の目的が分かった。奴らの目的は彼女だ」

 

 弦十郎さんがそう言うと、モニターに金髪の美少女が写る。彼女が堕天使の目的?

 

「正確には彼女の神器、聖女の微笑みだ。対象の傷を治すとても珍しい神器だ。堕天使達は彼女から神器を抜き出そうとしている。それがレイナーレいや・・・・・・夕麻君からの情報だ」

 

「質問です。神器を抜き出したら彼女はどうなりますか?」

 

「死ぬな・・・・・・」

 

「そうですか・・・・・・」

 

 神器を手に入れるために彼女の命を奪う・・・・・・堕天使は人の命をなんだと思ってるんだ!

 

 あ、いや・・・・・・夕麻ちゃんはやさしいし、他の堕天使にも優しい人もいるんだろうな。

 

「眼魔が何を目的に堕天使に力を貸してるかは分からん。だが、彼女を見捨てることなどできん! 眼魔とはぐれ堕天使の討伐、並びに彼女の保護を最優先事項とする!」

 

 弦十郎さんの号令で俺たちは解散する。

 

 

 

 二課の本部から出た俺は響と未来と共に行動している。俺一人だとまた無茶をするだろうって

 

「こんな可愛い子の命を奪おうとするなんて許せないよね~」

 

「そうだね」

 

「だけど・・・・・・簡単に見つかるか?」

 

 弦十郎さんの話ではこの町に来ているらしいが、この町も広いからそう簡単に見つから・・・・・・

 

『はうっ!』

 

 派手にこけているシスターの制服を着ている金髪美少女がいた。

 

 もしかしてこの子・・・・・・。

 

「ええと、大丈夫ですか?」

 

 俺は彼女に近づき、手を差し出す。

 

『あ、ありがとうございます。私は、アーシア・アルジェントと申します。あなたのお名前は?』

 

 彼女は俺の手を取り、立ち上がり、話しかけてくる。名前を言って、お礼を言ってるのは分かった。だけど、俺も英語、そんなに詳しくは話せないからなー

 

「未来、英語分かるか?」

 

「うーん、私もイッセーと同じくらいだよ。響は全然出来ないと思うけどね」

 

「そうだな。全然だめだよな」

 

「二人とも酷くない!?」

 

 俺と未来は響の成績を思い出してため息をついて、響は抗議してくる。

 

 抗議されてもな・・・・・・

 

「お前、英語いつも赤点取りかけてるだろ? そうじゃなかったときあった?」

 

「ええと・・・・・・それより、あの子と会話できるようにしないと・・・・・・ええと、確か・・・・・・」

 

 まずいと思ったのか、話題を変えようと鞄の中に手を入れて何かを探す響。

 

「ほんやくこんにゃく~お味噌味~」

 

「ていっ!」

 

 ドラえもん風に鞄からこんにゃくを取り出した響はハリセンを持った未来に叩かれた。・・・・・・どこから出したそのハリセン。

 

 叩かれた衝撃で響が持っていたこんにゃくはどこかに吹っ飛んだ。

 

「いたっ!」

 

「響みたいなお馬鹿さんがドラえもんにはなれません」

 

「なる気ないよ~酷いな未来は~。せっかく、このためにこんにゃくをいつも鞄に入れてるのに・・・・・・」

 

「このためだけに鞄にこんにゃく入れてるのかよ。驚きなんだけど」

 

 ハリセンで叩かれた頭をさする響。俺はこのボケのために鞄にこんにゃくをずっと入れてた響に呆れてしまう。

 

「翻訳アイテムはこっちでしょ」

 

 そういうと未来はイヤホン型のアイテムを取り出して金髪の美少女、アーシア・アルジェントに渡す。

 

 あれはなんだ?

 

「これはイヤホン型全自動翻訳機。春二に自分の話した言語を相手が分かる言語に自動翻訳するアイテムだよ」

 

「グロンギ語、古代アンデット語、古代ファンガイア語、フェムシェンム語、それにオンドゥル語も翻訳できる優れものなんだ」

 

「凄いな一つ、可笑しいのが混ざってる気がするけど」

 

「ちなみに、これは了子さんが片手間で作ったんだよ」

 

「片手間で!?」

 

 イヤホン型のアイテムの効果に驚いたが、これを片手間で作った了子さんの事でさらに驚く。

 

 こんな凄い物を片手間に作るって了子さんは何者なんだ?

 

「取りあえず、今はアーシアさんと会話できるようにしないと」

 

 未来はイヤホン型全自動翻訳機をアーシアに付けて、俺達も翻訳機を付ける。

 

「ええと、私達の言葉、わかる?」

 

「はい、分かります! これは何ですか?」

 

 未来が確認すると、アーシアは不思議に思ったのか、イヤホン型翻訳機を指さす。まあ、気になるよな。

 

「これは日本が開発した最新の翻訳機だよ。これが日本語を君が話す言語に、君が話したことを日本語に翻訳するんだ」

 

「そうなんですか! 流石日本です! こんなにすごい機械があるなんて」

 

「そう・・・・・・だな。俺の名前は兵藤一誠。みんなからはイッセーって呼ばれている。よろしくな」

 

 俺の説明にアーシアは感動している。これは販売してるものじゃないんだけど、それを説明するとややこしくなりそうなので苦笑いして自己紹介して誤魔化す。

 

「私は立花響。よろしくねアーシアちゃん!」

 

「私は小日向未来。よろしく、アーシア」

 

「イッセーさんに、響さん、それに未来さんですね。よろしくお願いします」

 

 響と未来も自己紹介して、アーシアは律儀に頭を下げる。あ、この子良い子だな

 

「それでアーシア、何か聞きたいことあったみたいだけど、何かな?」

 

「あ、はい・・・・・・ここの教会に行きたいんですけど・・・・・・」

 

 何か聞いてきたことを思い出した俺はアーシアに聞くと、この町の地図を見せて、教会を指さす。

 

 ここって・・・・・・確か何年も前から廃教会になっていて、地元でもかなり有名な心霊スポット。実際に、礼がよく集まるホットなスポットって知り合いの幽霊が言っていた。

 

「アーシア、君にとって気の毒な話しだけど、その教会は誰もいない廃教会なんだ」

 

「えっ? そうなんですか?」

 

「そうなんだよ。最近、シスターを騙す詐欺が流行って居るみたいで、政府や日本の神社、お寺に騙されたシスターが居たら保護するように通達があったんだ」

 

「そうだったんですか・・・・・・私はどうしたらいいでしょうか・・・・・・」

 

 俺はアーシアを保護するために、嘘を言って、教会に行かせないようにしようとした。おそらく、あの廃教会には堕天使や眼魔が潜伏しているはずだ。

 

 しかし、アーシアは俺の嘘を疑いもせず、信じ切っている。純粋なのは良いことだと思うんだけど、彼女の将来が心配だ。

 

「それは・・・・・・俺のじいちゃんの家に来ないか? じいちゃんの家はお寺でそこがダメなら政府関係者が君を保護するよ」

 

「・・・・・・いいんでしょうか。異教徒の私が日本のお寺に入って」

 

「大丈夫だって、人間困ったときは助け合わないと。困った人を助ける。それがキリスト教の教えじゃないのかな?」

 

「それでは・・・・・・お邪魔します」

 

「ああ。響、未来、俺は司令に連絡するからアーシアを見ていてくれ」

 

 断ろうとするアーシアを何とか説得すると、了承してくれたので、俺は三人から離れて弦十郎さんに報告を入れる。

 

「弦十郎さん、アーシア・アルジェント、保護しました」

 

「そうかご苦労。二課に連れてきてくれ・・・・・・と言いたいんだが、実は日本神話勢との交渉がまだ終わってなくて彼女を二課に入れることが出来ないんだ」

 

「あー元教会の人間を簡単に入れるわけにいかないんですね」

 

「すまない。交渉は三時間、いや二時間で終わらせるから彼女を守りつつ、暇つぶしていてくれないか?」

 

「分かりました。では二時間後ぐらいにまた連絡します。では、失礼します」

 

 弦十郎さんの頼みを聞いて俺は電話を切って三人の元に戻る。

 

「イッセー、師匠は何て?」

 

「準備があるから2時間ほど、どこかで暇つぶししててくれってさ」

 

「そう・・・・・・じゃあ、どうしようか・・・・・・」

 

『ぐきゅるるる・・・・・・』

 

「はうっ!」

 

 俺達は二時間をどう過ごすか話し合おうとしたとき、腹が鳴る音が聞こえてアーシアは顔を真っ赤にしている。

 

 ・・・・・・アーシア、腹減ってるのか?

 

「あー響、未来。腹減ったからハンバーガー屋行こうぜ。ちょっと用事を思い出したから」

 

「いいねーどこのお店?」

 

「駅前のミャックだ」

 

「あそこね。アーシアちゃんもいいよね?」

 

「えっ?は、はい・・・・・・」

 

 だいたいの目的地を決めて俺達は移動を開始する。アーシア、ハンバーガー気に入ってくれると良いけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェアアアアアアッ! どこだ! どこにいるんだアーシア・アルジェント!!」

 

 瓢箪天性は顔にガーゼを張って、叫びながら町を徘徊していた。アガートラーム魂で殴られた傷がまだ治っていないのだ。

 

 彼は焦っている。何故か知らないが、塔城小猫の名前が白音で、イッセーの周りにいる一年生の女子二人とイッセーの膝の上を取り合っている。姫島朱乃はイッセーに興味を持ち、イッセーに身体を密着して慌てるクリスの反応を見て楽しんでいる。

 

 リアスもイッセーと積極的にコミュニケーションを取っている。木場さえもイッセーと修行したりと仲良くしていてオカルト研究部に彼の居場所がないのだ。

 

 なので、せめてアーシアだけでも自分の物にしようとしてるのだ

 

「俺はオリ主なんだ! 赤龍帝の籠手を宿した最強の主人公だ! 絞りかすなんかには負けねえ! アーシアをゲットして巻き返す。俺こそ真の主人公だ! ブハハハハハハッ!」

 

 

 狂ったように笑う瓢箪を見て周りの人は後ずさりして、何人かはスマホから110番をかけようとしている。

 

 瓢箪はゾンビのような動きで町中を徘徊している。その目は焦点が合わず、足下も、目の前の物すら見えていない。

 

「俺こそが主人公だアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ! ヴェアハハハハハハハハハハハハハッ・・・・・・ヴェアッ!?」

 

足元を見てなかったことが災いしたのか、道端に落ちていたこんにゃくを踏み、滑って後頭部を強打して気絶した。

 

さらに、瓢箪が踏んだこんにゃくは空中を舞って瓢箪の口に入った。どこかのウニ頭の不幸な主人公並みに不幸である。

 

 

 

 

 

「あうっ・・・・・・」

 

 駅前のハンバーガー店に来た俺達、響と未来はメニューを決めて、席を取って貰っている。俺も注文する物は決まっていて、あとはアーシアだけなのだが、こういう経験がないのか、メニューを決められない。

 

「アーシア、どれが食べたい?」

 

 見かねた俺はアーシアに近づいて、サポートすることに。

 

「え、ええとこれです・・・・・・」

 

 俺に言われてアーシアはメニューを指さす。ふむふむ。

 

「店員さん、チーズバーガーセットが一つ、フィッシュバーガーセットが一つ。ダブルチーズバーガーセットが一つ。あと、ジュージューバーガーコラボセットを一つお願いします」

 

「かしこまりましたー!」

 

 俺が注文をして、アーシアと共にハンバーガーが出来るのを待った。

 

 ちなみに、チーズバーガーセットがアーシアで、フィッシュバーガーセットが未来でダブルチーズバーガーセットが響だ。

 

 俺がこの店を選んだのも、流星コーポレーションが発売したハンバーガーが大好きなモンスターバガモンの注文通りにハンバーガーを作り、バガモンを笑顔にするゲーム、ジュージューバーガーとコラボしたジュージューバーガーコラボセットが目的でこのセットには、ジュージューバーガーで仕える特殊レシピがついてくる。

 

 待ってる間、暇なので、少し、アーシアの方を見ていると、十字架の他にも何かを首からかけている。

 

「アーシア、その首からかけているのは?」

 

「これですか? これはナイチンゲール様が戦場で助けた兵隊さんから貰った手作りの天使の彫り物です。ナイチンゲール様は私の憧れなんです」

 

 アーシアは俺にその彫り物を見せてくれた。ナイチンゲールさんゆかりのものか。

 

「アーシアにとってナイチンゲールさんは憧れの存在なんだな」

 

「はいっ!」

 

 雑談をしていると、ハンバーガーができあがる。 

 

 そして、注文したハンバーガーが出来て席まで運ぶ。響達は広場が見える窓際の席にいた

 

「襲いよイッセー!」

 

「悪い悪い。ほら、お前の分だよ」

 

 来るのが遅れてぶーたれる響にダブルチーズバーガーセットを渡す。

 

「イッセー、ご苦労様」

 

「ん、大した事じゃないから」

 

 ねぎらってくれた未来にもフィッシュバーガーセットを渡す。

 

 ふと、視線を窓の外に向けると、何かイベントをやっていた。

 

『みんなー、今日はバガモンと一緒にハンバーガーを作ろう!』

 

『みんなで美味しいハンバーガーを作るンガー!』

 

 外では司会のお姉さんとハンバーガーみたいなキャラ、ジュージューバーガーのキャラクターバガモンが子供達とハンバーガーを作っていた。そういえば、子供向けのイベント、バガモンとハンバーガーを作ろうってイベントがあるってチラシに書いてあったな。

 

 しかし、あのバガモン、リアルだけど、着ぐるみなのか?

 

 

「イッセー、どうしたの?」

 

 窓の外をボーッと見ていると響が心配してきた。

 

 未来はハンバーガーの食べ方が分からなくて苦戦しているアーシアに食べ方を教えて助けている。

 

「いや、何でもないよ。これからどうする? 食べ終わった後にも一時間ぐらいは時間あるし」

 

「うーん、ゲームセンター行かない? アーシアちゃん、そう言う経験ないっていうから」

 

「そうか・・・・・・ならアーシア、遊ぶぞ」

 

「ふあい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「天才ゲーマーのゲームプレイ、見せてやるぜ!」

 

 俺が操るレースマシーンは相手に差を付けてゴールする。

 

『すげえ、新記録更新だ!』

 

『あいつ、何もんだ!?』

 

『もしかして、あいつは天才ゲーマーI!?』

 

「すごいですイッセーさん!」

 

 俺のゲームプレイに周りのギャラリーやアーシアは驚いていた。

 

 ハンバーガーを食べ終えた俺達は駅前のゲームセンターに来ていた。

 

 俺はレーシングゲームをしていて、アーシアはそれを見ていて、響はパンチングマシーンをしていて未来が響の監視をしている。

 

「ふう、さてと、アーシアもやるか・・・・・・あれ?」

 

 アーシアの姿が見えないので探すとクレーンゲームの所で見つけた。

 

 あれは人気キャラのラッチュウくんのぬいぐるが・・・・・・あれが欲しいのかな。

 

「アーシア、取ってあげようか?」

 

「え? 良いんですか?」

 

 俺はコインを投入して、アームを動かしてラッチュウ君を掴んで取り出し口まで落とす。

 

「ほい」

 

「ありがとうございます! 大切にしますねイッセーさん!」

 

 俺がぬいぐるみを渡すとアーシアは笑顔になる。その笑顔はまるで太陽のように輝いていた。

 

 あー、この笑顔が見えただけで十分だな。

 

「うおおおっ!」

 

『うおっ!? 女の子が思いっきりパンチングマシーンを殴った!?』

 

『壊れないかあれ!?』

 

「ていっ!」

 

「ぐふっ!?」

 

 響が何故か思いっきりパンチングマシーンを本気で殴って壊そうとしたので未来に思いっきりハリセンで殴られた。

 

 その後、俺は他のクレーンゲームで好きなゲームであるマイティアクションXのゲームキャラ、マイティのジュージューバーガーコラボグッズがあったため、全種類一つずつゲットした。

 

 

 

 

 

 

 そして、一時間後、弦十郎さんから許可が取れたと連絡が入り、俺達は特異災害対策二課へと向かう。ただ、図書館まで行くと時間が掛かるから、駅近くの公園にある基地に繋がる特殊な通路、シューターを使って向かうことに。

 

 アーシアには知り合いの会社の新製品と嘘をついた。簡単に信じてしまい、彼女の将来が心配になった。

 

 シューターの場所まで行こうとしたとき、目の前で男の子が転んで怪我をしたのか泣き出した。

 

「ちょっと待っててください」

 

 アーシアはそう言って男の子に近づき、手をかざす。すると彼女の手が淡く緑色に輝き、男の子の怪我が瞬く間に治った。

 

 あれがアーシアの神器か。

 

「はい、コレで治りましたよ。男の子なんですから、こんな事で泣いてはいけませんよ?」

 

「ありがとうお姉ちゃん!」

 

 男の子はアーシアにお礼を言って走っていく。

 

「アーシア、その力・・・・・・」

 

「はい、治癒の力です・・・・・・神様からいただいた素敵な物です」

 

 アーシアは微笑みながら言うけど、どこか悲しそうだった。

 

 少し、話そうと、近くにあったベンチに座り、話を聞いた。

 

 アーシアは小さな頃、発現したこの力で聖女と崇められるようになったこと。だけど、傷ついた悪魔を治したことで魔女と罵られて教会を追い出されたこと

 

「私がいけないんです。私がダメダメだからきっと、神様は私に試練を与えたのです。だからもっと修行しないと・・・・・・」

 

 アーシアは涙を流しながら言う。

 

 ・・・・・・何でだよ。傷ついてる人を放っておけない優しいアーシアを見捨てるんだよ。神様は何でこんな酷いことが出来るんだよ!

 

「私、夢があるんです。友達を作って一緒にお花を買ったり、本を買ったりたくさんおしゃべりして」

 

「なら、俺と友達にならないか?」

 

「えっ?」

 

 俺はアーシアの手を取って言う。

 

 神様がこの子を救わないなら、俺が助ける。

 

「俺で良いなら何でも付き合うよ。花や本を買いに行こう。そうだ。映画やカラオケに行ったりしよう。アーシアの行きたいところにつれて行ってやる!」

 

「私なんかがイッセーさんの友達になって良いんですか?」

 

「ああ、俺がなりたいんだ! だから、俺と友達になってくれ、アーシア!」

 

「俺だけじゃないでしょイッセー、私達とも友達になろう!」

 

「そうね。私もアーシアと友達になりたいな」

 

 俺の思いを伝えると、響と未来も笑顔で手を差し出し、友達になろうとした。

 

 アーシアは差し出された手を取ろうとしたその時・・・・・・・

 

「ここにいたか、探したぞ。アーシア」

 

 コートを着た一人の男性が現れた。・・・・・・堕天使か?

 

「ドーナシーク様・・・・・・」

 

 アーシアは怯えていた。あいつの名はドーナシークか。

 

「お前は我々の計画に必要不可欠。来て貰おうか」

 

「私は・・・・・・」

 

「悪いけど、アーシアはつれて行かせない。アーシアは俺達が守る!」

 

「何だ、貴様は人間風情が図に乗るなよ!」

 

 ドーナシークは怒り、光の槍を構える。俺達の正体を知らないのか?

 

「イッセーさん・・・・・・」

 

「大丈夫だ。アーシアのことは俺達が守る。行くぞ、響、未来!」

 

「うん!」

 

「任して!」

 

 俺は腰に手をかざしてゴーストドライバーを出現させる。懐からオレゴースト眼魂を取り出して起動状態にしてカバーを外し装填して、カバーを閉じてトリガーを引く。

 

『アーイ!』

 

『バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

ドライバーからオレパーカーゴーストが召喚されて俺の周りを飛び回る。

 

 

「変身!」

 

『開眼! オレ!』

 

『レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

  俺の身体は黒い素体、トランジェントに姿を変えてパーカーゴーストを纏い仮面ライダーゴーストに変身した。

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 響が聖唱を唱えると服は分解され、オレンジと白のボディースーツに白と金色の籠手、二本のアンテナのようなヘッドギアにマフラーに金色の脚甲を装備した。

 

「Rei shen shou jing rei zizzl」

 

 未来が聖唱を唱えると白と紫のボディースーツに姿を変えて頭には動物の牙のようなヘッドギアを纏い、鋭い脚甲、それに鉄扇を掴んで構える。

 

「イッセーさん、響さん、未来さんその姿は?」

 

「アーシア、この姿のことはまた今度説明するよ。今はそれどころじゃないから。響、アーシアを守っていてくれ。未来、俺が堕天使の相手をするから援護を頼む」

 

「「了解!」」

 

 変身した俺達の姿を見たアーシアは驚き、その説明は後回しにしてもらう。急遽、俺が響と未来に指示を出した。二人は俺の指示に従ってくれる。

 

「貴様ら、仮面ライダーと装者か!」

 

「そうだ。この町の平和を乱す、お前達を倒す!」

 

「ふっ! なら、お前達の相手はこいつらだ!」

 

 俺達の正体を知ってドーナシークは驚いたが、直ぐに冷静になり、大量の眼魔眼魂を投げる。それにより、大量の眼魔コマンドが誕生した。

 

「命、燃やすぜ!」

 

 俺はベルトからガンガンセイバーを取り出して、眼魔・コマンドの群れに突っ込んでいった。

 

 

 

「はあっ!」

 

「えいっ!」

 

 ゴーストはガンガンセイバーで眼魔・コマンドを切り伏せて、未来が援護で鉄扇から紫色のビームを放ち、眼魔・コマンドを焼き払っていく。

 

「ていっ! セヤアアッ!」

 

 響は響で近づいてくる眼魔・コマンドを殴り飛ばしていく。

 

「これで終わ・・・・・・ぐあああっ!」

 

 ゴーストはドーナシークに向かって飛んでガンガンセイバーを振り下ろすが、背中に激しい痛みを感じて落ちてしまう。

 

 ・・・・・・今の攻撃はどこから・・・・・・

 

「どうやら、お困りのようだな堕天使。俺が力を貸そうか」

 

「ああ、仮面ライダー達の相手を頼む。私は・・・・・・彼女を回収して戻る」

 

 すると、林の方から一体の眼魔が現れた。そいつは、赤い髪にインディアン風の衣装に身を包んだ身体から斧を生やした眼魔、斧眼魔だった。

 

 斧眼魔が現れたことを確認したドーナシークは手に魔力を集める。

 

「きゃっ!?」

 

 すると、アーシアの悲鳴が聞こえて振り返ると、アーシアが消えていた。どういうことだ?

 

「アーシアならここだぞ!」

 

 ドーナシークの叫びで振り返ると、アーシアはドーナシークの腕の中にいた。どうなっているんだ?

 

「もしかして、転移魔法!?」

 

「その通りだ。斧眼魔、後は頼んだぞ」

 

 ドーナシークは斧眼魔にこの場を任せて撤退しようとしていた。

 

「巫山戯るな! アーシアを返せええええええっ!」

 

 ゴーストはガンガンセイバーをドーナシークへ振り下ろしてアーシアを取り返そうとするが、斧眼魔に遮られる。

 

「悪いな。奴らを守るのも依頼の一つ何でね」

 

「邪魔をするな!」

 

 ゴーストは白と黄色の眼魂を取り出して、ドライバーに装填してトリガーを引く。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

 ドライバーから黒色のパーカーゴーストが飛び出て、ゴーストを見下ろしている。

 

『開眼! ガングニール!』

 

『君と私! つなぐ拳!』

 

 ゴーストがトリガーを押し込むとゴーストは、ゴースト・ガングニール魂にフォームチェンジしたのだが、その姿は奏の姿や響の姿とは似ても似つかなかった。

 

「黒い・・・・・・ガングニール?」

 

 ゴーストの姿を見て響は思わずつぶやく。

 

 響の言うとおり、ゴーストのガングニールは黒く染まっていた。まるで怒りのような負の感情で心を失ってしまったようだ。

 

 色の他にも、違いはあった。イッセーの纏うガングニール魂は、マントを羽織っていた。

 

「ウオオオッ!」

 

「させるか!」

 

 ゴーストは雄叫びを上げて飛んで逃げようとするドーナシーク追いかけようとするが、斧眼魔に遮られる。

 

 斧眼魔は斧を投げるがゴーストはマントで防ぐ。

 

「どけええええええっ!」

 

 ゴーストは腕の籠手を合体させてアームドギアの槍を形成する。

 

『HORIZON†SPEAR』

 

 アームドギアの槍の先端が割れて高出力のビームを放つ。斧眼魔はバリアーを作り防ぎ、爆発が起こって土煙が起こり何も見えなくなる。

 

 土煙が晴れたときには誰もそこには居なかった。

 

「どこだ! アーシア! アーシアアアアアアアアアッ!」

 

 ゴーストの叫びが公園に響いた。

 

 

 

 

 

 

『あれが兵藤一誠・・・・・・仮面ライダーゴーストか」

 

『まったく、短絡的で醜く愚かだ。だから愛おしい。後先考えずに突っ込む。まるであなたみたいですね』

 

『ほんと、見てられませんわ。彼は本当に仮面ライダーなのかしら』

 

『だが、友の為にあそこまで熱くなれる。見所はあるさ、お前はどう思う・・・・・・』

 

 ゴーストを見ている四つの影が・・・・・・それは目玉のようだった。

 

 この影達は何者なのか・・・・・・




やっと更新できました。

リアルの仕事とシンフォギアXDのイベントが忙しくて更新が遅れました。

申し訳ないです。

次回予告です

『何であんな戦い方をしたの!』

『君は待機だ』

『俺はどうしたら・・・・・・』

『お前にとって彼女は何だ』

『困った人を助ける。それが人間のルールではないのか?』

『認めるさ、お前は泊進之介と現さんが認めた男だ』

次回「決めるぜ覚悟!」

『考えるのはやめた! ジーッとしててもドーにもならねえ!』



注 某ウルトラマンとは関係ありません



あと、この作品は心を持った機械龍さんの作品、彼の者は赤き龍を纏わず、神となるとコラボさせて貰っています。

こんな作品とコラボしてくださった心を持った機械龍さんには感謝しても仕切れません。

ありがとうございます。

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