・・・・・・クリスちゃんの星5とメモリアル欲しいなー
翼姉と戦う事になった俺は翼姉と共に先ほどいた司令室より深いところにあるトレーニングルームへと移動する。
このトレーニングルームはシンフォギア装者九人が本気で戦っても壊れない頑丈さを持っているらしい。
「では、始めましょうか」
『Imyuteus amenohabakiri tron』
翼姉は赤いネックレスを取り出して、何かをつぶやいた。・・・・・・これが聖唱なのか?
聖証を唱えたと同時に服が爆ぜて・・・・・・って!
「ぶっ!」
翼姉の服は分解されて全裸になり、青と白のボディースーツを纏い、脚にはブレードに似た甲脚がセットされ他にもアーマーが装備されていって耳の辺りには大きなヘッドホンのようなパーツが装備された
俺は鼻を押さえる。・・・・・・ばれないと良いな。翼姉の裸を見て鼻血が出そうになったって
「? どうしたのイッセー? 早く変身しなさい」
翼姉は変身しない俺を見て怪訝に思ったのか首をかしげる。
うん・・・・・・気づいてないのか。普段からこうなのか、もう慣れてしまって疑問に思わないのか?
「あ、ああ、変身するよ」
俺は腰に手をかざす。
イッセーは腰に手をかざし、炎と共にゴーストドライバーを出現させて、カバーを開けて、懐から取り出したムサシの眼魂のスイッチを入れて、眼の部分を01と書かれた数字の絵柄に変えてベルトに装填して、トリガーを引いた。
〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉
すると、赤い羽織を模したパーカー、ムサシゴーストが召喚されて、イッセーの周りをぐるぐると回る。
「変身!」
『開眼!』
『ムサシ! 決闘! ズバッと! 超剣豪!』
光と共にイッセーの体はゴーストの素体、トランジェストになり、ムサシゴーストを纏い、仮面ライダーゴースト ムサシ魂に変身した。
「命・・・・・・燃やすぜ!」
「風鳴翼、推して参る!」
ゴーストはドライバーからガンガンセイバーを取り出す。取り出すと同時にガンガンセイバーは縦に割れて太刀と小太刀の二刀流になり、構える。
翼も甲脚から柄らしき物を排出してそれを掴む。すると、柄は剣へと変化した。
翼は跳躍してゴーストとの距離を詰めてアームドギアである剣を振るう。ゴーストはガンガンセイバーで応戦するが、防ぐだけで精一杯だ。
「どうしたの? 防いでるだけでは私には勝てない!」
「ウオオッ!」
ゴーストは太刀で翼の剣を弾き、小太刀を翼に振り下ろすが、翼は後ろに飛んで回避する。
千ノ落涙
翼は空間から大量の剣を具現化してゴーストに向けて射出する。
「ちょっ! 嘘だろ!?」
ゴーストは必死に避けるが、避けきれないタメ、ガンガンセイバーで弾くが捌ききれず、剣はゴーストの体を切り裂き、倒れこむ。
「ぐっ……」
「どうしたの? これで終わり?」
「っ……まだた!」
痛みで呻くゴーストに対して挑発する翼。
ゴーストは、痛みに耐えて立ち上がる。
「なら、これはどう?」
翼は甲脚から柄を取り出し、小太刀にしてゴーストに向けて投げる。
「この程度なら!」
ゴーストは小太刀を弾いて、小太刀はゴーストの後ろの地面に刺さる。
「今度はこっちの番だ!」
ガンガンセイバーをドライバーにかざして必殺技を放とうとしたが、出来なかった。
「っ! 動かない!?」
影縫い
ゴーストの影に小太刀が刺さり、動けなくなっていたのだ。
「……これで、終わりよ」
蒼ノ一閃
翼はアームドギアを大剣に変えて青い斬撃をゴーストに向けて放つ。
影縫いのせいで、動くことが出来ず、モロに蒼ノ一閃を受けてしまい吹っ飛んだ。
「ぐああああっ!」
『OYASMIー』
吹っ飛んだゴーストは地面をゴロゴロと転がり、ドライバーから眼魂が落ちて変身が強制的に解除される。
変身が解除されて、ゴーストからイッセーに姿は戻る。イッセーの体は切り傷だらけである。
「先輩やりすぎだろ! イッセー、ボロボロじゃねえか!」
クリス達は司令室から翼とイッセーの戦いを見ていた。
戦いは翼がイッセーを圧倒していて、もう、勝負はついたも同然だ。
「あいつ……全然力を出してないじゃないか」
「はあっ!? 奏! 何処を見てんだよ! イッセー、ボロボロだろ!」
イッセーがボロボロなのに冷静な奏に興奮してるクリスが突っかかる。
「落ち着きなさいクリス。私たちが戦うには何が必要?」
「そりゃあ、歌……っ!」
興奮してるクリスをマリアは落ち着かせて、あることをクリスに尋ねて、それを答えるときに気が付いた。
翼は歌っていないのだ。装者達は歌うことで力を発揮するのだ。
「でも、何で翼先輩はこんなことをするんデスか?」
「イッセーに戦って欲しくないんだろ。イッセーは優しすぎるからって」
「でも・・・・・・他にも方法が・・・・・・」
「不器用なんだよ翼は・・・・・・だから、あんな方法しかできない。昔から変わらないなあいつは・・・・・・」
翼のやり方に納得がいかない切歌と調に対して、奏は落ち着いて翼のやり方を最後まで見届けようとしている。
調達の様に納得がいってない人物が・・・・・・翼の叔父である弦十郎だ。翼は自分が嫌われることでイッセーを守ろうとしているが、この方法では翼が傷ついてしまう。イッセーも、喜ばないだろう。
二人を止めようと席を立とうとした、弦十郎。だが、彼を止める人がいた。
「待つんじゃ、弦十郎」
「イーディスさん・・・・・・」
その人は二課の協力者でゴーストドライバーの開発者のイーディスだった。
何故、彼は止めるのか。
「あれはイッセーの試練なんじゃ。あの程度の試練を乗り越えられんようなら、この先戦えんよ」
「そうそうあれは二人の問題よ。私達が口を挟んで良い物じゃないわよ」
「了子君もか・・・・・・」
「それに・・・・・・彼はそんなことをしても納得しないわよ」
了子の視線の先には立ち上がろうとするイッセーの姿が・・・・・・。
目の前にいるイッセーはボロボロだ。私がやったのだ。
私はイッセーには戦って欲しくなかったのだ。・・・・・・彼は優しすぎる。見知らぬ幽霊を救おうと奔走し、見知らぬ幽霊の為に泣ける男なんだ・・・・・・
イッセーが戦いに参加し、その優しさを敵に利用され、そのせいで仲間を失ったら・・・・・・彼は立ち直れないほどの心の傷を負うだろう。だから、引き返せる今なら・・・・・・彼が戦う事を恐れ、眼魂を捨てれば普通の生活に戻れる。
だから、私はイッセーと戦う・・・・・・嫌われても良い、避けられても罵倒されても良い。彼が戦う事を放棄して普通の高校生に戻れれば。
・・・・・・もう、立たないでイッセー、これ以上あなたを傷つけたくはない。だから・・・・・・諦めて。
だけど、そんな願いは通じなかった。地面に手をつきながらも、イッセーは立ち上がる。
「・・・・・・まだ、立ち上がるの? あなたの負けなのは明白よ。諦めなさい」
「まだだ・・・・・・俺が負けたと思わない限り、負けてなんかない!」
イッセーは立ち上がると、オレ眼魂を取り出して、スイッチを押して起動状態にしてドライバーに装填して、トリガーを引く。
〈アーイ!〉〈バッチリミナー! バッチリミナー!〉
ドライバーから、オレンジのパーカーを着たオレゴーストが召喚され、イッセーの周りを踊りながら飛ぶ。イッセーはそれを尻目にドライバーのトリガーを押し込んだ。
「変身!」
〈開眼! オレ!〉
〈覚悟! ゴ・ゴ・ゴ! ゴースト!〉
〈ゴーゴーゴーゴー!〉
イッセーの体はトランジェストに変化し、オレゴーストを纏って、仮面ライダーゴーストへと変身した。
ゴーストはフードを脱ぎ、ガンガンセイバーを構える。
「命・・・・・・燃やすぜ!」
「・・・・・・あなたの意志が折れないなら、その意志をへし折るまで戦い続ける!」
戦闘BGM 絶刀・天羽々斬
天ノ逆鱗
翼は歌を歌いながら、空中へ飛び上がり、刀を投げて巨大化させ、スラクターと併せてゴーストに向けて蹴り飛ばす。
『バカ野郎! 彼を殺す気か!』
『イッセー! 逃げて!』
弦十郎は翼に叫び、響はゴーストに逃げるように叫ぶが、ゴーストは逃げなかった。
ゴーストはガンガンセイバーをベルトにかざして、アイコンタクトをする。
『大開眼! ガンガンミナー! ガンガンミナー! ガンガンミナー! ガンガンミナー!』
「俺は俺を信じる!」
ガンガンセイバーはオレンジ色のオーレを纏って輝く。その状態で翼の放った巨大な剣とぶつかり、激しく火花を散らす。
「はあああっ!」
「うおおおおっ!」
『オメガブレイク!』
ゴーストはガンガンセイバーのトリガーを引く。ガンガンセイバーは巨大な剣を粉々に粉砕した。
「きゃああっ!」
衝撃で翼の纏うシンフォギアは解除されてしまい、このままでは地面に落下して大けがを負ってしまう。
「っ! 翼姉!」
ゴーストは飛び上がって翼をお姫様抱っこで受け止める。
「ふえっ!? な、何をするの! 離しなさい!」
お姫様抱っこをされた翼は顔を真っ赤にして暴れる。暴れる翼の腕と脚がゴーストの体に当たる。
「いたたっ・・・・・・翼姉! 腕が当たって痛い!」
全身が傷だらけのため、ゴーストは悲鳴を上げる。
「あっ・・・・・・ごめん」
翼はおとなしくなり、ゴーストは地面に着地して変身を解除する。
「ふー」
「・・・・・・イッセー、何で、あなたは戦いをやめなかったの? 普通なら、あそこで諦める」
「うーん、意地があったからかな?」
「意地?」
翼に理由を聞かれてイッセーは考えた。自分があそこまでボロボロになっても諦めなかったのか。
「うん、翼姉に譲れない物があったように、俺にも譲れない男の意地があったんだよ。もう、翼姉達だけを戦わせたくない。今度は俺が翼姉達を守りたいって言う、俺のちっぽけな意地が俺を支えて戦っていたんだよ」
「・・・・・・イッセー、あなたは甘い甘すぎる!」
「あー、うん。自覚はしてるよ。だけど、その甘さが俺の強さなんだと思う。それにそう言う翼姉も甘いよ。俺と戦ったのは、おおかた、俺を戦わせまいとしたんだろ?」
「・・・・・・そんなことあなたに分かるわけ、ないでしょ?」
「・・・・・・分かるさ。俺は何年も翼姉の幼なじみをしてるから。翼姉は、不器用なくせに強がる優しい、俺の幼なじみだよ」
イッセーは翼を抱きしめて頭を撫でながら優しく言い聞かせる。
すると、イッセーが砕いた大剣のかけらが光り始めた。
それはムサシ眼魂を生み出したときの武藏の刀の鍔のような光だ。
「これはもしかして・・・・・・」
イッセーは大剣のかけらを手に取り、眼の紋章を描く。すると、青と白の煙と共に両手が剣で翼の纏うシンフォギアのような柄のパーカーのゴーストが誕生して、イッセーの腰にあるドライバーに吸い込まれて青と白の眼魂が生成された。
その眼魂には『SG01 AMENOHABAKIRI』と書かれていた。
「これは・・・・・・シンフォギアの眼魂? だが、イーディス殿はシンフォギアの眼魂があるなど・・・・・・」
「あーごめん。翼姉、もう疲れたから・・・・・・」
眼魂について疑問を持った翼だが、何かを言いかけたイッセーの方に意識を向けると、イッセーは翼に倒れ込んできた。
「っ!? イッセー!?」
倒れ込んだイッセーに翼は慌ててイッセーの呼吸を確認する。
イッセーからは規則正しい呼吸音が・・・・・・どうやら、疲れて眠っているだけのようだ。
初めての眼魔との戦いからの連戦で疲れが溜まっていたのだろう。
『至急彼をメディカルルームへ!』
弦十郎は部下に指示を飛ばす。
「イッセー、お疲れ様・・・・・・あなたの勝ちよ」
翼は眠っているイッセーを優しく撫でる。
今回は今までで一番短いかも。
今回は翼とイッセーの戦いでしたが、どうでしたか? 翼さんは色々、不器用なのです
次回予告です
『イッセー君、君にコレを』
『ワシからもプレゼントじゃ!』
『・・・・・・ごめんなさい、イッセー』
『謝らないでくれ母さん』
次回、『母の願い、子の決意』