ハイスクールD×S×G   作:汰灘 勇一

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最初に言っておきます。

くそ長いです。

一万超えちゃったよ・・・・・・


第一話「未覚醒の眼」

『こんなやつらのために、これ以上誰かの涙は見たくない! みんなに笑顔でいてほしいんです! だから見ててください! 俺の、変身!』

 

 

 ある男はみんなの笑顔を守るために戦った。

 

『俺は戦う! 人の為に、アギトの為に!』

 

 ある男は神々の戦いに巻き込まれた人々を守るために戦った。

 

『俺は人を守るためにライダーになったんだ・・・・・・だったら、ライダーを守ったっていい!』

 

 ある男は願いを叶えるための戦いの中、全てを守るために戦った。

 

『知ってるか? 夢ってのはな、時々スッゲー熱くなって、時々スッゲー切なくなるらしいぜ・・・・・・俺には夢がない。けど、守ることは出来る!』

 

 ある男は人々の夢を守る夢の守り人となって戦った。

 

『俺は運命と闘う! そして、勝ってみせる! お前は・・・・・・人間達の中で生き続けろ』

 

 ある男は世界の運命と友を救うために自分を犠牲にして両方を救った。

 

『心だけは強く鍛えておかないと、自分に負けちまうじゃないか』

 

 ある男は身と心を常に鍛え、二人の少年を導いた。

 

『同じ道を行くのはただの仲間にすぎない。別々の道を共に立っていけるのは友達だ』

 

 ある男は友共に強敵を撃破し、別々の道を進んだ。

 

『悪いけど、時は消させない』

 

 ある男はみんなの過ごす時間を守るために戦った。

 

『僕は生きてみたいんだ。人間とかファンガイアとかじゃなくて。僕は僕として、変身!』

 

 ある男は人が奏でる音楽を守るため、そして、人とファンガイアの共存を実現するために戦った。

 

 

『通りすがりの仮面ライダーだ。よく覚えておけ!』

 

 ある男は世界を巡り、世界を破壊し、世界を救う。今も、自分の居場所を探して旅を続けている。

 

 

『俺達はこの町の涙を払う二色のハンカチ・・・・・・』

 

『行こう翔太郎』

 

『ああ、行くぜ』

 

『『さあ、お前の罪を数えろ!』』

 

 ある男達は町を泣かせる悪を懲らしめるために戦った。

 

『手が届くのに、手を伸ばさなかったら、死ぬほど後悔する。それが嫌だから手を伸ばすんだ』

 

 ある男は自分の欲望を見つけるために戦い、それを手に入れた。

 

『仮面ライダーフォーゼ! タイマン張らせて貰うぜ!』

 

 ある男は戦った敵とも友達になろうとした。

 

『さあ、ショータイムだ!』

 

 ある男は絶望を希望に変えるため、希望を守るために戦った。

 

『ここからは俺のステージだ!』

 

 ある男は世界と人類を守るために戦い、変身した。

 

『怪物ども、ひとっ走り付き合えよ!』

 

 ある男は止まったエンジンをかけてベルト(相棒)と共に機械生命体と戦った。

 

『俺は俺を信じる!』

 

 高校生ぐらいの少年は腰に両手をかざして、一つ目のお化けの様なベルトを装着して、目玉の様な物のボタンを押してベルトに装填する。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

『変身!』

 

『開眼! オレ!』

 

 少年は全身を黒いスーツに包まれた状態になって、ベルトのトリガーを押す。

 

 すると、ベルトから服のお化けが飛び出し、少年の周りを飛び、黒いスーツの少年はそれを纏った。

 

『レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!』

 

 ベルトから流れた音声と共に少年の姿はオレンジの顔に黒い瞳、剣のように鋭い角。そして、パーカーを羽織った姿に変身した。

 

『ゴーストだけど、命、燃やすぜ!』

 

 少年はベルトから剣を出し、何かに立ち向かっていった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピピピピピッ!

 

 鳴り響く目覚ましを止めて俺は起きる。

 

「・・・・・・またあの夢か」

 

 頭をかきながらパジャマからジャージに着替える。

 

 俺の名は兵藤一誠。あることを除けばスケベなただの高校生だ。

 

 さっきのは二年前から見続けている不思議な夢。仮面を付けた戦士が異形の怪物と戦う夢。

 

 殆どの戦士が見たことがない戦士だが、一人だけ、見たことがある戦士がいた。

 

 仮面ライダードライブ。

 

 三年前、機械生命体ロイミュードから人類を守るために戦った英雄。警視庁の刑事、泊進之介が変身した姿。特状課の仲間、それに仮面ライダーマッハ、仮面ライダーチェイサーと共にロイミュードを撲滅した。

 

 ロイミュードが撲滅されてからは変身システムは封印されたと聞いている。

 

 そんな仮面ライダードライブが出てきた夢・・・・・・もしかして、他の仮面の戦士も仮面ライダー?

 

「・・・・・・それにあの戦士の使う道具・・・・・・」

 

 目玉の様な物で変身した戦士。あれは・・・・・・

 

「っ! 急がないと! ジョギングしないと!」

 

 俺は慌てて部屋から出て階段を駆け下りて家を出る・・・・・・前に・・・・・・

 

「じいちゃん、ジョギング行ってきます!」

 

 俺はじいちゃんの・・・・・・天空寺タケルじいちゃんの仏壇に手を合わせてジョギングに行く。

 

 

 

 

 

 

 

 しばらく、家の近くをジョギングしてから俺は家から少し離れた公園に向かう。

 

 そして、近くの自販機でジュースを二本買ってある電柱の近くまで来る。

 

 そこには花が供えられていた。俺は持っていたジュースの一本をそこに置いた。

 

『お兄ちゃん、今日も来てくれたの?』

 

「・・・・・・やっぱり、まだそこにいたのか」

 

 声がして振り返るとそこには頭部が血まみれな小学校三年生から四年生ぐらいの少年がいた。

 

『うん・・・・・・あっ、お兄ちゃん。僕をひき逃げした犯人を捕まえてくれてありがとう』

 

「気にしなくていいよ。俺はお前が見てた車のナンバープレートを伝えただけだ」

 

『それでもありがとう。誰も僕の声が聞こえなくてお兄ちゃんだけが僕の声を聞いてくれたんだから』

 

 誰も聞こえない。何故ならこの少年はすでに死んでいるからだ。つまり、幽霊である。

 

 よく見ると、少年の体は少し透けている。

 

「それはまあ、相性もあるからな。波長が合わないと見たり聞いたり出来ないから」

 

『そうだね・・・・・・・』

 

「だけど、お前まだこの公園にいるのか? お前が死んでから一週間は経つけど、犯人は捕まえたし、何が未練なんだ?」

 

 この少年は一週間前にひき逃げにあって死んでしまったのだ。次の日、俺はこの公園を通り、この少年に出会った。そして、少年が最後に見た車のナンバープレートの番号を俺が警察に伝えて犯人は捕まった。犯人は飲酒運転をしていてそれがばれるのが怖くて逃げたそうだ。

 

 犯人は捕まっただけど、まだこの少年は成仏できていない。

 

 この少年はこの場所から動けない。場所に縛れれている。いわゆる地縛霊という奴だ。

 

 このままこの場所に居るといつかは悪霊になってしまう。そうなると、俺の手には負えない。

 

『う、うん・・・・・・・』

 

「もしかして、両親を置いていくのが心残りなんじゃないか?」

 

 自分が居なくなったらお父さんとお母さんが悲しむ。そんな思いが少年にはあるのかもしれない。

 

「いいか、坊主。お前の姿はな、お父さんとお母さんには見えないんだぞ。お前が見えている俺が特殊なんだ。それにお前はここから動けないんだし、会いに行くことも出来ない」

 

『そうだね・・・・・・』

 

 俺はあえて厳しく言う。ここで本当のことを言わないとこいつのためにならないからな。

 

「・・・・・・だから待っててやれ。先に天国に行ってお母さん達が来たら笑顔で迎えてやれ」

 

『うん・・・・・・』

 

 少年は俺に言われて頷く。すると、少年の体は金色に輝いて光の粒子となっていく。

 

 ・・・・・・成仏する気になったか。

 

『お兄ちゃん。今までありがとう。お話ししてて楽しかったよ』

 

「気にするな。これは俺が好きでやってたことだ。これくらいしか、俺に出来ることはないからな」

 

『それでもありがとう・・・・・・・最後に一つだけお願いがあるんだけど良いかな?』

 

「良いけど、何だ?」

 

『お父さんとねお母さんにね。僕はお父さんとお母さんの子供に生まれてきて幸せだったよって伝えてくれる?』

 

「・・・・・・会ったらな伝えておいてやるよ」

 

 少年は俺が願いを聞いてやると泣きながらも笑顔を向けた。そして、光の粒子となって消えていった。

 

「いったか・・・・・・」

 

 俺は空を見上げた。・・・・・・許してくれ、こんな方法でしかお前を救ってやれない俺を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 名前  兵藤一誠

 

 職業  駒王学園高等部二年生

 

 髪の色 茶色

 

 瞳の色 茶色

 

 特技  『幽霊が見える』

 

 

 俺は物心ついた頃から幽霊が見えた。最初は生きている人間と区別がつかなくて、誰もいない所に話しかけたりして両親に心配された。

 

 タケルじいちゃんはそんな俺を理解してくれた。じいちゃんにも幽霊が見えていてじいちゃんの家系は代々幽霊が見える家系なのだが、じいちゃんの娘、俺の母さんには幽霊が見える能力はないみたいだ。

 

 じいちゃんは幽霊が見えることを人に話してはいけないと言われた。人は自分と違う異物を排除しようとする傾向がある。

 

 ・・・・・・まあ、違うことでいじめられてはいたんだよな。

 

 今は俺が幽霊が見えることは信頼できる友達と幼なじみにしか話していない。

 

「さてと、そろそろ帰るか・・・・・・」

 

 俺は空き缶をゴミ箱に捨てて家に帰ろうとした。

 

「おやっ? イッセー殿?」

 

 名前を呼ばれて振り返るとそこには緑色の袈裟を着たお坊さんが・・・・・・

 

「御成さん、おはようございます」

 

 俺はお坊さん、御成さんに頭を下げる。

 

 彼は御成さん。祖父が住職をしていた大天空寺のお坊さんで、今は住職代理をしている。

 

「おはようございます。イッセー殿は今日も少年の所に?」

 

「ええ、さっき、彼は天国に旅立ちました」

 

「そうですか、それは良かった」

 

「御成さんもあの子に会いに来てくれたんですか?」

 

「はい。念仏をと思いましたが、必要なかったですな。よくやりました。流石、イッセー殿。タケル殿の自慢の孫ですな」

 

 少年が成仏したと聞いて喜んで俺を御成さんは褒めてくれるが、あまり俺は喜べなかった。

 

「・・・・・・俺は大した事はしてないです。あの子の話を聞いてあげただけであの子を完全に救うことは出来なかったです」

 

 俺は幽霊に触れたり話したり出来るだけで、某高校生死神の様に刀で成仏させたり除霊することは出来ない。だから悪霊にでもなると手が出せない。 じいちゃんは成仏させたり除霊することが出来た。

 

 じいちゃんは住職をしながらもゴーストハンターとして悪い幽霊を退治していた。俺もじいちゃんに憧れていてゴーストハンターになろうと思っていたが、ゴーストハンターとしての技術を教わる前にじいちゃんは二年前になくなった。

 

「・・・・・・それは違いますぞ。イッセー殿」

 

「えっ?」

 

「確かに、イッセー殿はタケル殿に比べたら未熟者です。ですが、イッセー殿は幽霊を見ることが出来て話が出来ます。拙僧はまだまだ未熟者で見ることも出来ません。話を聞いてくれるだけでも気持ちがラクになり、未練が無くなっていくでしょう。イッセー殿は幽霊の心を救っているのです。ですからイッセー殿は胸を張ってください。ご自分を卑下になさらないでください」

 

「御成さん・・・・・・」

 

 御成さんの言葉に俺の心でもやもやしていた物がすっきりしたように感じた。

 

「ありがとうございます。何か気持ちがラクになりました」

 

「どういたしまして。これからも何かあったら大天空寺に。相談に乗りますぞ」

 

「はい!」

 

「では、そろそろお帰りなさい。学校に遅刻しますぞ」

 

「やべっ! 御成さん、さようなら!」

 

 俺は御成さんに頭を下げて走り出す。

 

 

「タケル殿、イッセー殿は立派に育ちましたぞ」

 

 御成は誰も聞いていないが空に向けてつぶやいた。

 

 

 

 

 

「ただいま!」

 

 俺は玄関を開けて勢いよく家に入る。

 

「お帰り」

 

「お帰りなさいイッセー。シャワー浴びてご飯食べなさい」

 

 帰ると台所では母さんが朝ご飯を作っていて、リビングではソファーに座りながらニュースを見ている鳥の羽の様な髪型をした女性、天羽奏、奏姉がいた。

 

「ありがとう母さん。あと、おはよう奏姉」

 

 俺は母さんに礼を言って奏姉に挨拶をしてシャワーを浴びる。

 

 奏姉は俺が小さい頃、父さんと母さんが引き取って家に来た。何でも仲が良かった友達が事故でなくなって引き取ったとか。

 

 奏姉はいじめられた俺を助けてくれた。そして、励ましてくれた。

 

 本人には内緒だけど、奏姉は俺の初恋の人だ。

 

 

 シャワーを浴びた俺は制服に着替えて朝食を取る。

 

 今日の朝ご飯はご飯に味噌汁。鮭の塩焼きだ

 

『次のニュースです。今日の午前零時ごろ、駒王町の博物館に強盗が侵入しました、強盗は特別展示会場にある世界の偉人展の展示品を盗み、今も逃走中です』

 

「まじか・・・・・・結構楽しみにしてたんだけど、中止かな」

 

 ニュースを見て軽くショックを受ける。

 

『芸能ニュースです。先日、武道館でのライブを行うことを発表したトリニティウイング。ファンはかなり熱狂しています』

 

 次のニュースで芸能関係のニュースになり、そのニュースの映像には奏姉の姿が。

 

 奏姉は親友の風鳴翼、マリア・カデンツァヴナ・イブの二人と共にアイドルユニット、トリニティウイングをやっている。

 

 二人とは昔からの知り合いで俺は二人のことをそれぞれ翼姉、マリア姉と呼んでいる。

 

「おー盛り上がってるな。あ、イッセーこのライブのチケットやるから響達と来いよ」

 

「ありがとう奏姉」

 

 トリニティウイングのライブのチケットは直ぐに完売するからなかなか買えなくて困っている。休日から販売する奴なら徹夜で並んで買うんだけど、平日だと学校あるからなー。

 

 そういえば、土曜日に新曲発売だったな。CD買わないと。

 

「にゃ~」

 

 すると、黒い猫。飼い猫のクロが俺の脚にすり寄ってきた。

 

「どうしたクロ? お前も朝ご飯か?」

 

 俺はクロを抱きかかえる。

 

 クロは二年前、怪我してるところを俺が保護してそのまま飼うことになった猫だ。俺によくなついていて時々一緒に寝ている。

 

 ・・・・・・あの戦士達の夢もよく見るんだけど、クロが来てから誰か分からない美人な女の人の胸に顔を埋めている夢を見るんだよな。

 

「イッセー、学校に行かなくて良いのか?」

 

「あっ、やばっ!」

 

 俺はクロを降ろして慌ててご飯を食べて、母さんが作ってくれた弁当を鞄に入れて、歯を磨く。

 

「じいちゃん、行ってきます!」

 

 俺はまたじいちゃんの仏壇に手を合わせる。そして、じいちゃんに貰った俺の大切な宝物。宮本武蔵の刀の鍔に紐を通して作ったペンダントを首にかける。

 

「母さん、奏姉、クロ、行ってきます!」

 

 そして俺は家を出て学校に向かう。

 

 家を出て少しすると、見慣れた二人組を見つけた。

 

「おはよう、響、未来!」

 

 俺は幼なじみの内の二人、元気いっぱいって感じの立花響、大人しめのみんなのストッパー、小日向未来。二人とも俺の大切な幼なじみだ。二人とは小学校に入った頃、いじめられている二人を助けて知り合った。そこから仲良くなって小中高一緒だ。

 

「おはようイッセー」

 

「おはよう。今日遅かったね。どうしたの?」

 

 二人とも挨拶を返してくれたけど、未来が心配してくる。

 

 普段は俺ももう少し早くて二人と一緒に登校している。

 

「ああ、ちょっとお話しが長くなってな」

 

「それって幽霊との?」

 

 未来は話しをしていたと言っただけでだいたい分かったようだ。響と未来は俺が幽霊を見える事を知っている。他にも奏姉とマリア姉、翼姉も知ってる。他にも知ってる人はあと八人いる。

 

「そうだな。なんとか成仏させることが出来て良かったよ」

 

 空を見ながらさっきのことを思い出してしまった。御成さんのおかげでだいぶ楽になったけどな。

 

「えいっ!」

 

 すると、突然響が抱きついてきた。抱きついてきたため、響の柔らかいおっぱいが当たってしまう。

 

「ひ、響さん!? な、何をしてるんでしょうか!?」

 

「響! 何をしてるの!?」

 

 俺と未来は狼狽えて取り乱す。何で、抱きつくの!?

 

「ちょっと落ち着いた?」

 

「えっ?」

 

 響の言ってることが分からなかった。何が落ち着くんだ?

 

「イッセー、ちょっと辛そうだったから抱きついたら落ち着くかな~って」

 

「辛そうってそんなに?」

 

「うん」

 

「まだまだやりきってないって感じ」

 

 やりきってないか・・・・・・御成さんに相談に乗って吹っ切れたと思ったんだけどな。

 

「イッセー、私達は幽霊を見ることが出来ないけど、イッセーの力にはなることは出来る」

 

「だから、自分だけで背負わないで。私達を頼って」

 

「響・・・・・・未来、ありがとうな」

 

 背負わないで頼る。御成さんにも最後、相談してくれって言われたな。

 

「良いってお礼を言わなくて。さっ、学校に行こう!」

 

「・・・・・・その前にいつまで響は抱きついてるの?」

 

 学校に行こうと俺の腕を引っ張る響を未来はジト目でにらむ。

 

「うーん? 学校に着くまで?」

 

「疑問系!? そんなにくっついてたらイッセーの迷惑でしょ!?」

 

「えーそんなことないよ。イッセー、私にくっつかれるの嫌?」

 

 響は涙目の上目遣いで俺のことを見てくる。うっ・・・・・・そんな目で見るのやめてください。あと、おっぱいはもっと押しつけてください。

 

「い、イヤジャナイヨ」

 

「・・・・・・イッセー、鼻の下が伸びてるよ?」

 

 目をそらして答える俺をにらむ未来。・・・・・・スケベでごめんなさい。

 

「未来も抱きつけばいいのに。片方空いてるよ?」

 

 響は空いている俺の左腕を指さす。・・・・・・あの焚きつけないでください。

 

「ううっ・・・・・・えいっ!」

 

 意を決したのか未来は顔を真っ赤にして左腕に抱きついてくる。って未来さん!?

 

「ちょっ未来さん?!」

 

「ひ、響に比べたら小さいけど、私だってあるんだからね・・・・・・」

 

 恥ずかしそうにする未来・・・・・・可愛いな。

 

「え、ええと・・・・・・」

 

「さてと、学校へGO!」

 

 反応に困ってる内に響に引っ張られて学校に向かう。

 

 えっちょっ、ダレカタスケテー!

 

 

 

 

 

 結局二人が抱きついたまま、学校の近くまで来てしまった。

 

 ・・・・・・周りの視線がとても怖いです。男子から嫉妬や羨ましそうな恨みを込めた黒いオーラが視線が俺に注がれてるんです。

 

「あの~二人ともそろそろ離れて・・・・・・」

 

「「嫌!」」

 

「ですよね~」

 

 離れて欲しいことを伝えたけど、拒否されてしまった。

 

 このまま教室に行くのかなー。

 

「イッセー先輩おはようデース!」

 

「ドボルベルク!?」

 

 すると、誰かがいきなり誰かが抱きついて変な声を出してしまった。

 

 ・・・・・・誰かは独特な語尾で分かった。

 

「お、おはよう切歌・・・・・・」

 

「デスデース!」

 

 ちょっとむせながら俺も挨拶をする。

 

 俺に勢いよく抱きついてきたのは暁切歌。あともう一人いる俺と響達の後輩である。

 

「・・・・・・切ちゃん、急ぎすぎ。おはようございます。イッセー先輩。響先輩、未来先輩」

 

「おはよう、イッセー君。響、未来」

 

「おはよう、調。セレナ」

 

 切歌に遅れて黒髪のツインテールの少女、俺の後輩の一人である月読調と俺と響達の同級生桃色の髪の少女、マリア・カデンツァヴナ・イブの妹のセレナ・カデンツァヴナ・イブがやってくる。

 

 切歌と調は小学校中学年ぐらいの時に知り合った。転校してきた二人の面倒を見ていたらなつかれた。

 

 マリア姉とセレナともこの時知り合った。

 

「おはよう切歌ちゃん、調ちゃん。セレナ」

 

「おはよう。切歌、調、セレナ」

 

 響と未来の二人もあいさつをする。

 

「・・・・・・で、何で切ちゃんはイッセー先輩の背中に抱きついてるの?」

 

「それは響先輩と未来先輩が抱きついてるのを見て羨ましくなったからデース」

 

「・・・・・・成る程」

 

「ははは・・・・・・」

 

 何で抱きついたか切歌は説明するそれに調は納得して、セレナは苦笑いをする。

 

「ったく、朝から騒がしいぞお前ら」

 

 呆れたような顔をした銀髪の少女が近づいてくる。

 

「あ、おはようクリス」

 

「おはようクリスちゃーん!」

 

 俺と響は近づいてきた銀髪の少女、雪音クリスにあいさつをする・・・・・・と同時にクリスに殴られた。

 

「「あだっ!?」」

 

「お前ら学校ではあたしは先輩なんだから敬えって何度もいってんだろ! いい加減、呼び捨てとちゃん付けはやめろ!」

 

 呼び捨てにされて怒るクリス。・・・・・・でもなあ、付き合い長いし。小さい頃から呼び捨てだったから今更変えるのはなー。

 

「良いじゃん。俺とクリスの仲なんだし」

 

「だから呼び捨てにすんじゃねえよ! このバカイッセー!」

 

ブチ切れたクリスが俺にヘッドロックをかましてくる。

 

い、痛い痛い! 痛いけど……クリスのでかいおっぱいが当たって気持ちいい!

 

やばい。あまりの気持ちよさに鼻血が……

 

「ちょっ! クリス先輩! 今すぐイッセー先輩を離したほうがいいデス!」

 

「……先輩のデカパイでイッセー先輩の顔面パイズリしてて鼻血が出そう」

 

「っ! っ〜!」

 

切歌と調に指摘されて気がついたクリスは顔を真っ赤にして俺を殴り飛ばす。……理不尽だ。

 

 

 

 

 

俺を殴り飛ばした後、クリスはダッシュで自分の教室に向かった。俺も起き上がり、響達と教室に向かう。

 

 

「おはよう〜」

 

「イッセー!」

 

「死ねー!」

 

教室に入るとハゲとメガネ、俺の親友である松田と元浜が殴りかかってきた。

 

俺はそれを避けてカウンターパンチを二人におみまいする。

 

「「そげぶ!?」」

 

「相変わらずだなお前ら。少しは学習しろよ」

 

「うるせー!」

 

「おまえばっかモテやがって!」

 

 二人は良い奴なんだけど、響達といると何故か襲ってくる。

 

 ちなみに二人は俺が幽霊を見える事を知っている。それでも俺のことを差別したりしない。良い奴だ。

 

「モテるって俺はモテてる訳じゃないし、響達はただの幼なじみだし」

 

「・・・・・・お前、本当に鈍感だな」

 

「響ちゃん達が可愛そうだぜ」

 

 あれ? 何で松田と元浜は呆れてるんだ?

 

「まあ、良い。今日はお宝を持ってきたぜ!」

 

 すると、松田は鞄から卑猥な本やDVDを机にぶちまける。

 

「ひっ・・・・・・」

 

 それを見ていたクラスメイトは悲鳴を上げる。

 

 まあ、あんなの見たらなー。

 

「みるな、コレは俺達の楽しみだ!」

 

「さあ、イッセー見ようぜ!」

 

 二人はコレを俺に見せようとしたが・・・・・・。

 

「イッセーミナイヨネ。ガッコウデヒワイナコトハダメダヨ」

 

 未来がハイライトが消えた眼で俺を見て強い力で掴んでるんです。

 

 未来は俺が学校で卑猥なことをしないように見張ってるんだ。スケベな俺には辛いことだ。

 

「いや、俺はこっちの方が良いかな」

 

 俺は鞄から世界偉人録という、世界の偉人について書いてある本を取り出す。この本は昔じいちゃんが俺に宮本武蔵の刀の鍔と一緒にくれたんだ。まあ、小さい俺では読めないところが多かったけど、じいちゃんに読んで貰った。

 

 じいちゃんが聞かせてくれた英雄達の話に俺は心を躍らせた。

 

「お前、本当に好きだよな」

 

「ああ、俺はいつか英雄達のように命を燃やし尽くして生ききってみたい。それが俺の夢だ」

 

 じいちゃんは言っていた。英雄は命を燃やし尽くして生ききった人なんだと。

 

「おいおい、俺達の夢はハーレム王になることだろ?」

 

「そうだな。その前にこの女子が多いこの駒王学園に・・・・・・」

 

 俺達が夢というか、野望について話していると、チャイムが鳴り、HRが始まった。

 

 

 じいちゃんから貰った宝物は世界偉人録と宮本武蔵の刀の鍔だけではない。

 

 二年前、じいちゃんは亡くなったんだけど、亡くなる一ヶ月前の俺の誕生日に白い目玉のような物をくれた。

 

 これは夢に出てきた幽霊を纏った戦士が持っている物によく似ている。じいちゃんはいつかコレが必要になると言って渡したんだけど、横にあるスイッチを押しても何も反応しない。どうすれば、これは使えるんだ?

 

 

 そういえば、じいちゃんが亡くなってからだなあの夢を見るようになったのも。

 

 

 

 

 

 

 時は流れ、放課後、俺は鞄に教科書を詰めて帰る支度をする。

 

「おいイッセー」

 

 帰ろうとしたら松田が話しかけてきた。どうしたんだ?

 

「良い場所を見つけたんだけどさ、覗きにいかね? 剣道場の所の更衣室近くなんだ」

 

 覗きの誘いだった。・・・・・・昔の俺だったら乗るんだけど。

 

「いや、遠慮する。前にも言ったけどさ・・・・・・・」

 

「分かってるって。雪音先輩達にばれたらやばいんだろ。一応誘っただけだから気にするな」

 

 クリス達にばれたらやばい。それは俺が中学生になって少しした頃、女子の更衣室を覗いてそれが翼姉、クリス、未来にばれてお話し、いや、OHANASIを受けた。あの時の三人はまじで怖かった。

 

「じゃあ、俺は帰るわ」

 

 鞄を手に取り、教室を出ようとドアへ向かおうとしたとき、廊下から殺気を含めた視線を感じた。

 

 廊下には見た目は黒髪イケメンな奴が俺をにらんでいた。

 

 あいつの名前は瓢箪天性。こいつとも幼小中高から一緒の奴なんだが、仲は良くない。というか、こいつに俺は幼稚園の時にいじめられていた。幼なじみ一号のイリナがいた頃はイリナに助けて貰ったりしていた。イリナが居なくなってからはさらにいじめが酷くなったが、じいちゃんに宮本武蔵の刀の鍔を貰ってこんな奴に負けるかと思うようになり、反抗するようになっていじめはなくなった。

 

 あと、セレナはあることが原因で天性のことが嫌いだ。

 

「・・・・・・また隣の瓢箪がお前のことをにらんでる。お前、何であいつに嫌われてるんだ?」

 

「知るか。興味ないし。お前も行かなくていいのか?」

 

「そうだった。おい、元浜! 行くぞ、俺達の理想郷!」

 

 松田と元浜は覗きをしに、剣道場の方へ向かう。

 

 そういえば、最近あの辺の見回りを生徒会が強化しているって匙と由良が言っていたな。・・・・・・二人とも、無茶するなよ。

 

 俺は親友二人に合掌をして教室を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ! 赤龍帝の籠手を奪ったのになんであいつの周りにはあんなに美少女が集まるんだよ!」

 

 瓢箪天性は嘆いた。彼こそ、兵藤一誠が手に入れるはずであった赤龍帝の籠手を奪って転生した転生者なのである。

 

「つうか瓢箪天性とか巫山戯てんのか。どんだけ名前付けるセンスがねえんだよ。兵藤一誠の兄弟に転生するかと思ったらまさかの違う家族の子供として生まれるとかありえねえだろ・・・・・・」

 

 彼は自分の名前に不満を言ってるが、彼が転生するときに兵藤一誠の兄として転生とか頼まなかった彼の落ち度である。

 

「いや、もうこのさい名前はどうでも良い! 兵藤一誠の周りにいる美少女達は何者だ! あいつら、原作には居なかったぞ! それにイリナも俺の物にしようとしたが、俺の物にならないし! しかも、一誠のことをいじめぬいて自殺に追い込もうとしても邪魔するし・・・・・・どうなってるんだよ!」

 

 どうやら、彼は兵藤一誠の周りに美少女達が居るのが気にくわないようだ。

 

 兵藤一誠がモテるのは、彼の人となりが関係しているのだが瓢箪天性はそれに気がつかない。

 

 しかし、こいつのやり方は汚すぎる。吐き気がするほどに。

 

「ふふふ、まあ、良い。もうすぐ原作が始まる。原作が始まればレイナーレが俺を殺しに来るはずだ。そうすればリアス・グレモリーが俺を転生させる。赤龍帝であるこの俺を! ただの人間で! 無能で無価値の兵藤一誠に何て見向きもしない! 悪魔になれば俺は強くなれる! そうすればイリナも! あいつの周りにいる女達も俺の物だ! 俺こそが主人公だ! ハハハハハハハハハハハッ!」

 

「ママーあのおじちゃんどうしたの?」

 

「しっ、見ちゃいけません!」

 

 狂ったように笑う瓢箪天性は子供に指を指されてそのお母さんには不審者扱いされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『どうしてこうなったんだ相棒』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅いな響達・・・・・・」

 

 俺は校門で響達を待っていた。今日はお好み焼きやのふらわーにみんなで行く予定だったんだけど、響達は先生に呼び出しを受けて俺は校門で待ってることになった。

 

「暇だしニュースを・・・・・・」

 

 スマホで愛読しているニュースサイト、OREジャーナルを開いて読む。

 

「何々・・・・・・駒王町の博物館の強盗、犯人は幽霊か? 監視カメラに犯人の姿は映らず、展示品が宙を飛ぶ! か・・・・・・普通なら馬鹿馬鹿しいと思うところだけど、幽霊とか見えちゃうからな・・・・・・今度、調査してみるか」

 

 記事を読んで俺は少し、興味をそそられた。悪霊の仕業かどうか確かめるか。この記事を書いたのは・・・・・・城戸真司さんか。どんな人なんだろ?

 

『『ギャーッ!』』

 

 すると、剣道場の方から聞いたことがある声が悲鳴として聞こえる。・・・・・・二人とも、強く生きろ。

 

「あ、あの、兵藤一誠君だよね?」

 

「うん?」

 

 名前を呼ばれて振り返るとそこには黒髪の清楚なお嬢様という感じの綺麗な女の子がいた。

 

 ・・・・・・誰だろう。見たことのない制服を着てるし、こんな綺麗な女の子と知り合っていたら覚えてないわけはないと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「告白された!?」」」」

 

「「むぐうっ!?」」

 

「響、切歌!? 大丈夫か!?」

 

 響達と合流した後、ふらわーに行って、お好み焼きを喰いながら何があったか説明していたら響と切歌がお好み焼きをのどに詰まらせた!

 

 俺は慌てて二人に水を飲ませる。・・・・・・これで対処法あってるかな?

 

 

「ぷはあっ!」

 

「死ぬかと思ったデス!」

 

「まったく、慌てて食べるからだ」

 

「それでなにがあったんですかイッセー先輩」

 

 何とか生還した二人に安心して、調が何を合ったか詳しく聞いてきた。

 

「ああ、見知らぬ女子高生に付き合ってくれって言われた。それだけだけど」

 

「な、何て答えたの?」

 

「ん? 断ったよ。何も知らない子といきなり付き合えないし」

 

 あの後、俺は謎の黒髪美少女・・・・・・天野夕麻って言ったか。夕麻ちゃんに告白された。だけど、俺は夕麻ちゃんのことを何も知らないいきなり恋人になるのは出来ないと答えた。

 

「そ、そうなんだ。良かった・・・・・・」

 

「あ、でも今度の土曜日、デートすることになった」

 

 ピキッ・・・・・・

 

 交際を断ったことに何故か未来はほっとして、デートすることになったことを伝えると、響達は持っている箸をへし折った。え?

 

「・・・・・・どういうことイッセー君」

 

 セレナが怖い顔で聞いてくる。

 

「いや、なら一度だけでもデートにってかなり必死に頼まれてな・・・・・・って何でみんな不機嫌なんだよ」

 

「「「「「「知らない!」」」」」」

 

 不機嫌になっている理由を聞くと、みんなお好み焼きをやけ食いしていく。・・・・・・何で?

 

 

 

 

 この時の俺はそのデートが俺の運命を変えることになるなんて思っても居なかった。




どうも、作者の米田です。

シンフォギアのキャラの口調、これで良かったかなと不安になりながら書いてました。

イッセーの幽霊が見える設定は唐突に思いついて使いました。この設定が最後まで残るか・・・・・・

イッセーと奏者達の関係は幼なじみで、イリナが外国に言った後に知り合いました。

みんなイッセーに惚れています。・・・・・・ただ、年上三人組の奏、翼マリアがどうして好きになったかまだ思いついてません

明後日のエグゼイドが楽しみです。貴利矢さん復活!? しかもクロノスの仲間!?

貴利矢さんはエグゼイドでかなり好きなキャラです。まあ、最初は嫌いでしたが、ギリギリチャンバラの回で好きになりました。

エムを奮い立たせての協力プレイ。これからエムの相棒として一緒に戦っていくかなと期待したらゲンム ゾンビゲーマーに・・・・・・社長ぜってえ許せねえ!と思いましたね

貴利矢さんが残したデータで作ったガシャットとドライバーでゲンムを倒した時は嬉しかったですね。

社長が死んだときはざまあとか思いましたが、ポッピーを身を挺して守った時は社長、格好いいじゃねえか・・・・・・と思ってしまう自分は何なんでしょうか



次回予告です

「ねえ、イッセー君・・・・・・最後に一つ良いかな?」

「俺は、俺を信じる!」

『開眼! オレ!』

次回、「開眼! オレ!』ご期待ください

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