ハイスクールD×S×G   作:汰灘 勇一

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第十一話「断罪する追跡者」

 斧眼魔との戦闘で負った傷の痛みを抱えながら階段を上り、扉を開けて中に入る。

 

「ほう、斧眼魔を倒したかだが・・・・・・時間切れだ」

 

「イヤアアアアアアアッ!」

 

 アーシアの身体から緑の球体が飛び出してドーナシークの中に入っていく。

 

「ふはははははっ! これで私は究極の堕天使だ!」

 

「貴様アアアアッ!」

 

 狂ったように笑うドーナシークに俺はガンガンセイバーを振り下ろそうとしたが、ドーナシークに止められてしまった。

 

「お前の相手はこいつらだ」

 

 ドーナシークは片手をあげるとどこからか眼魔コマンドとエクソシスト達が現れる。まだいたのか!

 

 眼魔コマンド達が邪魔でアーシアの元にいけない!

 

「イッセー伏せろ!」

 

「っ!」

 

 俺を呼ぶ声が聞こえたからその通りに伏せると、大量の槍と剣、鋸が眼魔コマンド達を貫き、切り裂いた。

 

「みんな!」

 

 槍が飛んできた方向にはみんなの姿があった。みんな、倒す敵を倒してきたんだな。

 

「ここは私達に任せて」

 

「先輩は早くアーシアさんを連れて逃げるデス!」

 

「すまない!」

 

「イッセー!」

 

 後輩二人に言われて、俺は駆ける。それと同時にクリスがアーシアの腕に絡みついていた鎖をアーシアを傷つけないように打ち抜いた。

 

 アーシアを縛る物がなくなり、落ちる瞬間、俺が滑り込み、受け止めた。

 

「イッセーさん・・・・・・」

 

 アーシアは弱々しく俺の名を呼ぶ。・・・・・・何でアーシアがこんなめに・・・・・・

 

 俺は走って地下を抜け出し、地上を目指した。

 

 

 

 

『オヤスミー』

 

 一階に着いた俺はアーシアをゆっくりと地面に降ろして変身を解除する。何とか耐えてきたけど、体中の痛みが・・・・・・

 

 すると、アーシアは手を伸ばして俺の頬を優しく撫でる。

 

「アーシア・・・・・・」

 

「私のために・・・・・・こんなに傷だらけになってすみません・・・・・・」

 

「謝るな! これは俺が選んで起きたことだ! だから謝らないでくれ・・・・・・」

 

「・・・・・・私にあの力があればイッセーさんの傷を治せるのに・・・・・・」

 

 アーシアは俺が傷だらけのことを気にしている。俺はアーシアの手を握って安心させようとする

 

「大丈夫だって! こんなのはかすり傷だ!」

 

「・・・・・・イッセーさん、私は幸せでした・・・・・・イッセーさんや響さんと未来さんに出会えて、ハンバーガーを食べてゲームセンターで遊んで楽しかったです・・・・・・最後に良い思い出が出来ました」

 

「最後なんて言うな! まだだ! これからだ! これから色んな場所に連れて行ってやる! カラオケ! 遊園地! 映画館! 水族館! 動物園! まだまだ楽しいことはこの世界にたくさんあるんだ! それにまだ紹介したい人達が居るんだ! アーシアときっと仲良くなれる! だから・・・・・・目を開けてくれ・・・・・・生きるのを諦めるな!」

 

「ありがとうございます・・・・・・イッセーさん・・・・・・」

 

「アーシアッ!」

 

アーシアは弱々しく呟き、目を閉じて力尽きた……

 

……何でだよ。何でアーシアが死なないといけないんだ。あんなに優しい子が死なないといけないんだ! 何で神様はこんな子を見捨てたんだよ!

 

 俺は地面に拳を叩きつけた。すると、アーシアの持つ天使の彫り物が光り出した。これは・・・・・・もしかしたら!

 

 天使の彫り物に向けて印を結ぶと、光と彫り物が分離して白いナース服のようなパーカーゴーストが誕生した。これがナイチンゲールゴースト・・・・・・ナイチンゲールさんなら!

 

「ナイチンゲールさん! お願いです! この子を、アーシアを助けてください! この子は優しい子なんです! あなたのように傷ついた人を助けたいと願っているんです!」

 

 俺はナイチンゲールさんに向けて叫ぶ。戦場の天使と言われたナイチンゲールさんならもしかしたら・・・・・・

 

 だけど、ナイチンゲールさんは首を振る。

 

『それはできません・・・・・・私は死んだ人を生き返させることはできません』

 

「・・・・・・そうですか」

 

『ですが・・・・・・リアス・グレモリーなら生き返させることができるかもしれません。悪魔として。それでも彼女を蘇らせようと思いますか?』

 

「・・・・・・はい。例え悪魔になっても俺はアーシアに生きてて欲しいです。俺のエゴでも俺はアーシアの笑顔を取り戻したいです!」

 

『そうですか・・・・・・なら、彼女の魂は私が守ります。天国に行こうが地獄に行こうが私が引き戻して治療します・だから、あなたはあの堕天使から神器を取り返してください。転生するためには神器が必要不可欠です』

 

 そういうとナイチンゲールさんは眼魂になり、アーシアの身体の中に入っていった。

 

「お願いします、ナイチンゲールさん」

 

「ふははははっ! 死んだか! 捨て駒にしてはよくやった。見ろ! 貴様の仲間にやられた傷も癒えた!」

 

 笑いながらドーナシークがやってきた。奴の身体の傷は消えていった。

 

「・・・・・・黙れよ三下」

 

「あっ?」

 

「それはアーシアの力だ! 返せ!」

 

 思わず叫んでしまった。あの力はアーシアの物だ。傷ついた人を助けようと願った女の子の力なんだ!

 

 そんなアーシアから神器を奪ったこいつは許せねえ!

 

『イッセー、落ち着け。怒りに呑まれてはダメだ。熱くなりすぎるな』

 

 すると、チェイスさんが俺のそばに現れて落ち着かせる。

 

「分かってます。チェイスさん、力を・・・・・・いえ、ひとっ走り付き合ってください!」

 

『ああ、付き合おう』

 

「ドーナシーク、お前は俺が・・・・・・俺達が倒す!」

 

 俺は懐からチェイサー眼魂を取り出して構える。

 

 

 

 

「イッセー!」

 

 ドーナシークを逃がしたマリア達は眼魔・コマンド達を倒してイッセーの元に向かって、追いついた。だが、彼女たちが目の前に広がった光景はドーナシークと対峙するイッセーと倒れてぴくりとも動かないアーシアだった。

 

「そんな・・・・・・」

 

「間に合わなかったの!?」

 

 響と未来はアーシアが死んだことにショックを受けていた。装者の中で二人はアーシアと仲が良かった二人にはかなりショックなのだ。

 

「私を倒す? ふははははっ戯れ言を! 究極の堕天使となった私の力を見せよう!」

 

『ソードロイミュード!』

 

 ドーナシークは懐から眼魔眼魂を取り出してスイッチを押して、手を押すと腰に眼魔達が付けている目玉の様なベルトが現れて眼魔眼魂を取り込み、両腕に兼のついた赤い化け物、ソードロイミュード・・・・・・いや、ソードロイミュード眼魔に姿を変えた。

 

『ふははははははっ! どうだ! 私は眼魔の力を手に入れた! どんな傷も治す治癒の力と眼魔の力を手に入れた私こそが究極の堕天使だ! ふんっ!』

 

 ドーナシークは地面に手を叩きつけると、周りの動きが遅くなった。重加速を起こしたのだ。

 

「これって・・・・・・」

 

「どんよりデース!」

 

「イッセー! 逃げなさい!」

 

 マリア達は重加速で動けないながらもイッセーを気遣う。

 

「究極ね・・・・・・この程度で究極って笑わせるね」

 

 だが、イッセーはそんなことをお構いなしに肩をすくめる。

 

「なっ! 何故貴様はどんよりの中で動ける!」

 

「うん? それは俺がドライブの眼魂を持ってるからだろ。おそらく、ドライブの眼魂にはドンよりを無効化する力があるんだろう。さて・・・・・・今度は俺達の番だ」

 

 イッセーはドライブの眼魂を見せて、紫と銀色の眼魂を構える。

 

 それと同時にイッセーの横に紫色のライダースーツを着た青年が現れた。青年の身体は透けていた。

 

「デデデデース!? あれはお化けですか!?」

 

「いえ、あれは英雄・・・・・・」

 

 切歌は透けている青年を見て幽霊と怯えるが、マリアは彼のことを知っていた。彼は人々を守るために戦った戦士の一人・・・・・・

 

「アーシアの運命は俺が変える!」

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

 イッセーは眼魂のスイッチを押してドライバーに装填する。青年の動きもイッセーとシンクロして動く。

 

 ドライバーからは仮面ライダーチェイサーによく似たパーカーが飛び出てイッセーの周りを飛んでいる。

 

 ベルトのトリガーを押し込むと、イッセーの姿はトランジェストに変わり、パーカーゴーストを纏ったと同時に幽霊の青年もイッセーと一体化した。

 

『カイガン! チェイサー! ダチは宝! ズーットチェイサー!』

 

 パーカーを羽織ったトランジェストは仮面ライダーチェイサーによく似た姿、仮面ライダーゴースト・チェイサー魂へと変身した。

 

「な、何だ貴様は・・・・・・」

 

 ドーナシークは怯えていた。何故怯えているのか彼は自分でも理解できていなかった、だが、怖い。それだけは分かる。

 

 彼は知らなかった。自分の変身してるソードロイミュードはかつて、仮面ライダーチェイサーと戦い負けているのだ。しかも初戦闘で。

 

「これから倒される者に名乗る名はない・・・・・・」

 

「巫山戯るな!」

 

 ゴーストは名乗らず、ドーナシークは切れて腕についているソードを振り下ろすが、ゴーストはそれを避けて拳をたたき込む。

 

「ふっ!」

 

「がっ!」

 

 ドーナシークは負けじとソードを振り下ろすが、また避けられてしまう。

 

 ドーナシークの攻撃を避け続けるゴーストはベルトに手をかざす。すると、大きな信号機のような形をした斧が出てくる。

 

『シンゴウアックス!』

 

 

「はあっ!」

 

 ゴーストはシンゴウアックスを振り下ろすと、ドーナシークの身体から火花が散り、ドーナシークはよろめく。

 

「どうした。究極の堕天使の力とはそんなものか」

 

「なめるな!」

 

 挑発するようなことを言うゴーストに向かって大量の眼魔眼魂を投げるドーナシーク。すると、大量の眼魔・コマンドが誕生する。 自分だけでは勝てないので数の力で圧倒しようとしている

 

「ふははははっ! いくら貴様が強かろうがこの数には勝てん! 行け!」

 

 眼魔・コマンドはワラワラとゴーストに向かっていく。

 

「はあっ・・・・・・」

 

 ゴーストはシグナルランディングパネルにドライバーから出したシグナルチェイサーを装填してシンゴウアックスを立てて、エネルギーを充填する。

 

『マッテローヨ! マッテローヨ!』

 

「ハアッ!」 

 

 シンゴウアックスにエネルギーを充填している間、向かってくる眼魔・コマンドをドライバーから取り出したブレイクガンナーをガンモードにして銃弾を放ち、眼魔・コマンドを牽制する。

 

『イッテイーヨ!』

 

 エネルギーを充填し終えたシンゴウアックスをゴーストはつかみ、トリガーを引いた。

 

『フルスロットル! チェイサー!』

 

 刃のブレイクエッジがエネルギーを纏い、それを眼魔・コマンド向けて振るう。振るう前、横断歩道のような形をしたエネルギーが眼魔・コマンドの動きを封じて纏めて全員切り伏せた。

 

 眼魔・コマンドは爆発して粉々になった。

 

「なっ・・・・・・! 一撃で!?」

 

「残りは貴様だけだな」

 

 一撃で全ての眼魔・コマンドが倒されたことにドーナシークは狼狽えている。

 

 だが、ゴーストには関係ない。ドライバーのトリガーに手を伸ばそうとした。

 

「なっ!? ま、待て! 私についてくれば貴様の望む者を与える! 金! 地位! 女! 何でもくれてやる!だから・・・・・・」

 

「遺言はそれだけか?」

 

 殺されると思ったドーナシークは必死に命乞いをするが、ゴーストは聞く耳を持たない。ドライバーのトリガーを押し込む。

 

『ダイカイガン! チェイサー! オメガドライブ!』

 

 右脚にエネルギーを溜めてゴーストは飛び上がり、チェイサーエンドを放つ。

 

「はあああああっ!」

 

「ぐああああっ!」

 

 チェイサーエンドを喰らったドーナシークは爆発して、ゴーストは着地する。その手には緑色の光が・・・・・・

 

 

 

 

『オヤスミー』

 

 俺は眼魂を取り出して変身を解除した。手にはアーシアの神器が・・・・・・これでアーシアを蘇らせることが出来る。

 

「イッセー!」

 

 すると、マリア姉達が走ってきた。そういえば、ドーナシークが倒されたからどんよりが解除されたのか。

 

「みんな・・・・・・」

 

 みんなと話そうとしたとき、赤い魔方陣が現れる。あれは・・・・・・グレモリー家の紋章?

 

 魔方陣からは部長と朱乃先輩が現れた。

 

「部長・・・・・・あの・・・・・・」

 

「分かってるわイッセー。この子が例のシスターね・・・・・・祐斗から話は聞いてるの」

 

「なら・・・・・・!」

 

 木場から話を聞いているのなら話は早い。アーシアを!

 

「ええ、この子を悪魔に転生するわ」

 

「っ! ありがとうございます!」

 

「・・・・・・勘違いしないでね。この子は私の力になる。そう判断したから転生させるの。だから、あなたが借りを感じることはないわ」

 

 お礼を言おうとしたが断れる。俺を気遣ってくれてるのか?

 

 部長は紅いチェスの駒を取り出して悪魔に転生する準備をする。さてと、俺は・・・・・・

 

「ひっく・・・・・・ぐすっ」

 

 隣を見ると、ミッテルトちゃんが泣いていた。どうやら先ほどまでずっと夕麻ちゃんに尻を叩かれていたみたい。

 

 俺の戦闘してる中でも続いたとか・・・・・・何やってんだか。

 

「ええと、大丈夫? アメちゃん、なめる?」

 

「ありがとうっす・・・・・・」

 

 可愛そうだったので、糖分補給のために持ち歩いているアメちゃんをあげると、受け取ってなめる。これで元気が出ると良いな。

 

「ふうっ、こっちは終わったわ」

 

 俺がミッテルトちゃんと話してる間に悪魔の転生儀式が終わったみたいだ

 

アーシアの胸の上のチェスの駒が消えると同時にアーシアの体からナイチンゲールさんが出てきた。

 

『あなたの活躍、見事でしたよ。さすが、仮面ライダーゴースト、これからの活躍、期待しています』

 

 ナイチンゲールさんはドライバーに吸い込まれて眼魂になる。

 

「ナイチンゲールさん、お疲れ様です」

 

「う・・・・・・うーん・・・・・・」

 

 俺はナイチンゲール眼魂に頭を下げてお礼を言うと、ちょうど、アーシアが目を覚ました。

 

 眼魂を仕舞ってアーシアを抱き起こす。

 

「イッセーさん?」

 

「お帰り。アーシア」

 

「は、はい・・・・・・あの、イッセーさん、いったいどうなってるんですか?」

 

 アーシアは何がどうなってるのか分からないようだ。まあ、そうだよな。

 

「ああ、これは・・・・・・」

 

「二人とも、感動の再会の所悪いけど、今は避難するわよ。どこかの誰かさんのぶっ放したミサイルのせいでこの教会が崩れそうなの」

 

 部長は申し訳なさそうに言う。どこかの誰かさん・・・・・・

 

 みんなクリスを見る。クリスは申し訳なさそうに視線をそらす。

 

「みんな、魔方陣の中に入って」

 

 俺達は部長の創り出した魔方陣の中に入って廃教会から転移した。その直ぐ後、廃教会は崩れ去った。

 

 後に教会から来た二人の戦士が来てみたら拠点になるはずだった教会が無くて途方に暮れるのはまた別の話。

 

 

「あれ? 何か忘れているような・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イッセー達が去ってから少しした頃、瓦礫の山が崩れて・・・・・・。

 

「ふうっ!」

 

 そこからすすで真っ黒になって髪がアフロになったフリードが出てきた。

 

「いやー、死ぬかと思った。アフロになったら死なないってギャグマンガのオチって本当だったんだなーさて、アジト無くなったし・・・・・・帰ろ」

 

 フリードはきびすを返してすたすたと帰って行く。

 

「ぐえっ!?」

 

「うん? 今、何に踏んだか? まあ、どうでもいいかなー」

 

 途中、何か踏んだように感じたが、気にせず帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 廃教会から離れた場所にトランクケースを持った眼鏡をかけた男性と、白いスーツの男性が立っていた。すると、眼鏡の男性の手にソードロイミュード眼魔眼魂が飛んできた。

 

「感謝しますドーナシークさん、あなたのおかげで良いデータが取ることが出来ました」

 

「しかし、ロイミュードの眼魂が四つも向こうに行ったことは誤算でしたね・・・・・・どうしましょうか」

 

「なら私に力を貸していただけませんか」

 

 眼鏡の男性と白い服の男性が今回の実験の成果について話し合っていると、暗闇から腰にLの文字みたいのようなベルトを着けた銀色の戦士が現れた。ベルトにはDと書かれたメモリみたいなのが刺さっていた。

 

「おやっ、何故あなたがこの町にいるのですか? あなたの担当は風都ですよね。ディストピア」

 

「ええ・・・・・・しかし、私にある目的がありまして、それには貴方達眼魔の技術があれば確実に成功するので、是非とも力を借りたい。それに貴方達にとっても悪い話しではありません。成功したあかつきには怪人眼魔の素材を提供いたします。手始めにまずコレを」

 

 ディストピアと呼ばれた仮面の戦士はどこからか杖と帽子を取り出して眼鏡の男性に渡す。

 

「これは・・・・・・?」

 

「これは風都を恐怖に陥れたドーパントの遺留品です。コレでドーパント眼魔を誕生させて見てください。面白くなりそうですよ」

 

 ディストピアは楽しそうに笑う。彼がもたらした物が呼ぶのは希望か絶望か・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京某所

 

 満月で照らされた夜、牛の頭に身体が人間の異形の存在、ミノタウロスが走っている。時折、後ろを振り返る。

 

 何かに追いかけられて怯えているようだ。

 

 何度か後ろを振り返り、誰もいないことを確認してミノタウロスは安心したのか胸をなで下ろす。

 

 

 だが、彼に絶望が訪れる。

 

 カツン・・・・・・カツン・・・・・・と何かが近づいてきた。

 

「っ!」

 

 ミノタウロスはその足音に怯え出す。ミノタウロスの身体にノイズが走り出す。

 

 月に照らされてそれは姿を現した。

 

 それは腰にマゼンダと蛍光グリーンのカラーリングのベルトが巻き付いていて、ゲーム機のようにカセットを入れるスロットがある。そのうちの一つには紫のゲームカセットが刺さっていた。

 

 黒を基調としたトゲトゲした髪のような頭部、さらに顔には大きなゴーグルを付けていた。ボディも黒と紫、さらに胸にはライフゲージのようなものがある。腕には紫のパッド型のゲーム機みたいな物を装備している。それにも白いカセットが刺さっている。

 

 ベルトを着けたそれはまるで仮面ライダーであった。

 

「何なんだよ! お前は一体何者なんだ! 何が目的だ!」

 

「・・・・・・」

 

『ガッシューン!』

 

『ガシャット! キメワザ!』

 

 ミノタウロスは怯えて叫ぶが黒い仮面ライダーは何も答えない。ベルトから紫のゲームカセットを取り出して腰についているホルダーにセットしてボタンを押す。

 

『MIGHTY CRITICAL STRIKE!!』

 

 右脚にエネルギーが溜まり、黒い仮面ライダーは飛び上がり、蹴りをミノタウロスに向けて放つ。

 

「ぐああああっ!」

 

 跳び蹴りを喰らったミノタウロスは爆発して肉片となる。

 

『会心の一発!』

 

 ミノタウロスが爆発した後、オレンジ色のデータのようなものが出てきて、それを黒い仮面ライダーの腕のパッドの機械で回収してそれを眺める。白いカセットも紫の光を放つ。

 

「ふふふふふっ・・・・・・」

 

 黒い仮面ライダーは嬉しそうに笑っている。そんな仮面ライダーをビルの上から見下ろしている青年が居た。

 

「ったく、ゲンムの奴。無茶して『レーザー』と『ワッフル』それにミオに怒られても知らないぞ・・・・・・早くお前とゲームがしたいぜ。なあ、イッセー」

 

 青年はそう言い残すと、身体をオレンジ色のデータにしてその場から消えた。

 

 果たして、この黒い仮面ライダーと青年は何者なのか・・・・・・

 

 

 See you Next game




やっと更新できました!

仕事が忙しかったり、他の小説を書いたりしていてなかなか更新できませんでした。

三月の三日にシンフォギアライブに行くのですが、初めてのライブで色々不安です・・・・・・

次回予告です



『ヴラド・スカーレットが使者、鬼崎 陽太郎、ただいま参上しました』

『あなたを連行します』

『お願いします陽太郎君』

『司令、現場には何も異常はありません』

『転生者、瓢箪天性だな・・・・・・その魂、狩らせて貰う』

『何で人間が眼魔を!』

『電王・・・・・・?』

『いや、違う。僕は・・・・・・』


『仮面ライダー隷汽、鬼崎 陽太郎……渾沌の夢に沈もう……』

次回『渾沌と狂宴をもたらす煉獄の覇者』

『ヴェハハハハハッ! これで邪魔する奴は居なくなった! すべて私の計画通り!』

『英雄と絆をつなぐ戦士よ! 君は九人の歌の女神、それに九人の海の女神も攻略できるかなぁっ!』



次回は悪維持さんとのコラボ編です。

次回は何時更新できるか分かりません

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