ハイスクールD×S×G   作:汰灘 勇一

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平成ジェネレーションfinalのオリキャス豪華過ぎて夢かと疑ってしまった


第九話「決めるぜ覚悟!」

 パシィィン!

 

 二課の司令室で乾いた音が響く。マリア姉が俺の頬を叩いたのだ。

 

「何であんな戦い方をしたの!」

 

 マリア姉は俺が公園で戦ったときの行動を非難していた。

 

 俺はアーシアを取り返すことだけを考えて周りを見ていなかったもっと冷静に戦っていれば結果は違ったはずだ!

 

「ごめん・・・・・・マリア姉」

 

「戦いに私情を挟むなんて戦士として失格だわ!」

 

「マリア、その言い過ぎだぞ! 今は過去のことを悔やんでいる場合ではないはずだ!」

 

 俺を責めるマリア姉を翼姉が止める。

 

「翼の言うとおりだ。今、俺達がすることはこれからどうするか対策を練ることだ。アーシア・アルジェント救出作戦を実行するために」

 

 弦十郎さんは翼姉の意見に賛成して纏める。

 

「だが、マリア君の言うことももっともだ。イッセー君、君はしばらく自宅で待機していなさい。今の君は冷静に判断が出来ないだろうから」

 

「分かりました・・・・・・失礼しました」

 

 俺は弦十郎さんに頭を下げて司令室を後にして家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 家に帰った俺はベッドに倒れ込む。

 

「・・・・・・何がアーシアを守だよ。守れてねえじゃんかよ。女の子一人守れないで何が仮面ライダーだよ! 俺は仮面ライダー失格だ・・・・・・」

 

 俺は自分の無力さを痛感している。俺は慢心していたのかもしれない。何度も眼魔を倒して自分でも強くなったと思い込んでいたのかもしれない。

 

「俺はどうしたらいいですか泊さん・・・・・・」

 

 ドライブの眼魂を持ちながら眺める。すると、目の前に突然、四つの眼魂が現れた。赤と金色の眼魂、緑と金色の眼魂、黒と金色の眼魂、紫と銀色の眼魂だ。

 

 何だろうこの眼魂達見たことがないけど・・・・・・っ!

 

 俺の身体は光に包まれて眼魂に吸収された。

 

 

 

 

「っ・・・・・・ここは?」

 

 気がつくと、俺はどこかの廃工場らしき所にいた。

 

 ここはもしかして、眼魂の中?

 

 辺りを見渡すが、誰もいない。

 

『お前は何是彼女を助けようとする』

 

「えっ?」

 

 すると、誰もいないのに声が聞こえた。

 

 姿が見えない・・・・・・幽霊か? いや、幽霊なら俺は見えるはずだけど・・・・・・待てよ。さっき、俺は眼魂に吸い込まれた。と言うことはここは眼魂の中?

 

 この声は英雄の声?

 

『お前とあのシスターは今日、出会ったばかりの赤の他人だ。なのにお前は何故、そこまで彼女にこだわる』

 

『あなたを突き動かすのは仮面ライダーとしての使命ですか? それとも、特異災害対策二課のメンバーとしての義務ですか?』

 

『もしかして、彼女の事が好きなんですの? なら、諦めなさい。あなたの周りには魅力的な女の子が居るじゃない』

 

 さらに三人分の声が聞こえる。最初の一人を会わせた三人が男性、最後の一人の声は女性だ。四人の英雄?

 

 俺がアーシアを助けたい理由・・・・・・人々を守るのが仮面ライダーの使命だから? 彼女を保護することが特異災害対策二課のメンバーとしての仕事だから? アーシアのことが好きだから? いや・・・・・・

 

「違う! 俺がアーシアを助けたいのはアーシアの笑顔を取り戻したいんだ!」

 

『『『『っ!?』』』』

 

「使命とか義務とか仕事とかそんなのは関係ない! 俺はアーシアの笑顔がまた見たい! ただそれだけだ!」

 

 俺がアーシアを助けたかったのは仮面ライダーとしてではなくてただ一人の男として、兵藤一誠として助けたかったのかもしれない。

 

『ぶっははははははっ! 成る程、お前はやはり面白い男だ! 兵藤一誠!』

 

『進ノ介が認めただけはある』

 

『非常識で直線的で愚かですが……何故でしょう。嫌いにはなれませんね』

 

『それが、あなたの彼女に対する愛・・・・・・ですね』

 

 すると、どこからか四つの眼魂が現れて人の姿に変わった。

 

 金と赤の眼魂は赤のコートを着たガタイの良いイケメンに、紫と銀色の眼魂は紫色のライダースーツを着たイケメンに、金と緑の眼魂は眼鏡をかけた神経質っぽいような男性になり、金と黒の眼魂は黒色のドレスを着た綺麗な女性に姿を変えた・・・・・・って!

 

「仮面ライダーチェイサーこと、チェイスさんに・・・・・・能見荘!? 何で眼魂に!?」

 

 俺は驚いた。亡くなったはずの仮面ライダーチェイサーこと、チェイスさんと、泊さん達特状課を陥れようとしたロイミュードの能見が居ることに驚いた。

 

 眼鏡をかけた男、能見はずっこけてずり落ちた眼鏡を治す。

 

『ずいぶんと懐かしい名前で呼ばれましたね・・・・・・』

 

『俺達は泊進之介が認めてからお前のことをずっと見ていた。お前を見極めるために』

 

『私たち、ロイミュードの力を貸すのにふさわしいのかと』

 

「ロイミュード・・・・・・あなたたちも?」

 

『ああ・・・・・・コレが俺達の姿だ』

 

 すると、チェイスさん以外の三人の身体はオレンジのエネルギーを纏い、姿を変えた。いや、元の姿に戻ったと言うべきか。

 

 赤いコートを着た人は身体が金色の鬼のような姿に、能見は脳みそが丸見えな賢者のような姿に、黒色のドレスを着た女性は金色をベースにした赤い触手を肩に装備している姿になった。

 

「脳みそが丸見えだから能見荘ってセンスな・・・・・・」

 

『だまらっしゃい!』

 

 俺が思ったことを言うと、ブレンさんはすねてそっぽを向く。あ、気にしてるんだ。

 

「変身」

 

『シグナルバイク!』

 

 チェイスさんは青と銀色のベルト、マッハドライバー炎に黒と紫の小さなバイク、シグナルチェイサーを装填して押し込む。

 

『ライダー!』

 

『チェイサー!』

 

 チェイスさんの体を紫の車輪が覆って白銀と紫、黒の仮面ライダー、仮面ライダーチェイサーに変身した。

 

『俺の名は、ハート、ロイミュードのリーダーだ』

 

『私の名はブレン! ロイミュードの頭脳!』

 

『私の名はメディック、ロイミュードの紅一点で回復担当ですわ』

 

『俺はチェイス。生きとし生けるものを守る戦士、仮面ライダーチェイサー!』

 

 四人は名乗った。すげえ・・・・・・・仮面ライダーチェイサーはかっこいいけど、三体のロイミュードも神みたいな神々しさを感じた。

 

 

『お前に俺達の力貸そう』

 

「俺の事を認めてくれるんですか?」

 

『認めるさ・・・・・・泊進ノ介と現さんが認めた男だからな』

 

『困った人を助ける。それが人間のルールではないのか?』

 

 ハートさんとチェイスさんは俺の肩に手を置いて、優しく言ってくれる。すると、俺は光に包まれて意識を失う。

 

 

 

 気がつくと、俺は自分の部屋にいた。俺の手には四つの眼魂が・・・・・・ありがとうございます。ハートさん、ブレンさん、チェイスさん、メディックさん。

 

「もう考えるのはやめた! ジーッとしてても、ドーにもならない!」

 

 眼魂を握りしめて俺は部屋を飛び出してヘルメットをかぶり、バイクに乗って廃教会に向かおうとした。

 

「やっぱり、行くんだねイッセー」

 

 呼ばれて振り返ると、そこには響、未来、セレナに切歌と調、クリスと翼姉と奏姉にマリア姉のシンフォギアメンバーと、夕麻ちゃんにオカルト研究部の木場と白音ちゃんがいた。

 

「ああ・・・・・・ごめん、やっぱり、俺はアーシアを助けたいんだ。例え、二課の命令に逆らう事になったとしても」

 

「それなんだけど、司令からイッセー君に伝えたいことがあるんだって」

 

「弦十郎さんが?」

 

 セレナに言われて俺は弦十郎さんに電話をかける。

 

『イッセー君か』

 

「弦十郎さん、すいません俺・・・・・・」

 

『アーシア君を助けたいんだろ。なら、君の好きなようにしなさい』

 

「いいんですか?」

 

『ああ、構わない! 子供のやりたいことをフォローする、それが大人の仕事だ!』

 

 俺のわがままを弦十郎さんは受け入れてくれた。やっぱり、弦十郎さんには敵わないな。

 

「ありがとうございます。失礼します」

 

 俺は弦十郎さんにお礼を言って電話を切る。

 

「私達も戦うよイッセー」

 

「アーシアは私にとっても友達だよ」

 

「私に頼ってよイッセー君」

 

「アタシ達もアーシアさんと友達になりたいです!」

 

「右に同じ」

 

「後輩が困ってんだ。アタシも力貸してやるよ」

 

「これが先輩の風を吹かせる者の果たすべき使命だ」

 

「困りごとならアタシも力になるぜ」

 

「その・・・・・・さっきは殴ってごめんなさいね」

 

「用事があって部長と朱乃さんは居ないけど、僕たちが力を貸すよ」

 

「イッセー先輩もオカルト研究部の仲間です・・・・・・」

 

 みんなが俺の力になろうとしてくれている。

 

「ありがとうみんな・・・・・・みんなの力、貸してくれ!」

 

 俺は仲間達の力でアーシアを助けてみせる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あそこが眼魔達が居る廃教会か・・・・・・」

 

 俺達は離れたところで廃教会の様子をうかがっていた。緒川さん率いる調査部の方達が仕入れた情報を照らし合わせて作戦を決めた。

 

 まず、翼姉、奏姉、マリア姉に木場の四人が騒ぎを起こして、眼魔達を揺動して貰い、その隙に俺達が廃教会に潜入するという作戦だ。

 

 ちなみに俺と響達シンフォギア装者は変身していて、何時でも動ける。

 

「じゃあ、みんな、作戦通りに・・・・・・」

 

『ぐあああっ!』

 

 すると、廃教会から誰かが投げ出される。

 

 それは瓢箪だった・・・・・・あっ、忘れてた。

 

『侵入者だ!』

 

『者ども、であえであえ!』

 

 そして、廃教会から眼魔コマンドやエクソシストが大量に出てきた。

 

「ああっ! あいつのせいで作戦が台無しです!」

 

「瓢箪死すべし」

 

「へえ、あいつが・・・・・・ぶっ殺して良いかしら」

 

 切歌と調が悪態をつく。マリア姉、あんなくず、殺さなくて良いから。

 

「ごめん、イッセー君、うちの瓢箪君が」

 

「いいよ、あいつをアガードラーム魂で百発ぐらい殴っとくから」

 

 気にすんなと木場には言っておく。取りあえず、あいつらを蹴散らして廃教会に潜入しないと。

 

「メディックさん、早速使わせていただきます」

 

 俺はオレゴースト眼魂をドライバーから取り出して金と黒色の眼魂、メディック眼魂を装填してトリガーを引く。

 

『アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!』

 

『カイガン! メディック!』

 

『女神に愛を、超進化!』

 

 ドライバーからはメディックにそっくりなパーカーゴーストが現れる。メディックと違い、色が金色ではなくて白を基調としている。

 

 ゴーストはメディックパーカーゴースト纏い、仮面ライダーゴースト メディック魂に変身する。

 

「はあっ!」

 

 ゴーストが手を振ると、触手が鞭のように動き、眼魔コマンドを叩き、眼魔コマンドから眼魂をえぐり出す。

 

『うわああっ・・・・・・』

 

 俺の戦い方を見て何故かみんな引いてる。

 

 だけど、まだまだ眼魔やエクソシストが居るな。

 

「イッセー、先に行きなさい」

 

「良いのかマリア姉」

 

 すると、マリア姉が先に行くように促す。

 

「ええ、ここは私に任せて先に行きなさい!」

 

「姉さん、それフラグゥ!」

 

「ふえっ?」

 

 盛大にフラグを立てるマリア姉にセレナはツッコミを入れる。マリア姉は理解してないのか不思議そうに首をかしげる。

 

 いや、可愛いけど・・・・・・

 

「セレナ、マリアの思いを無駄にしてはいけないデス」

 

「・・・・・・惜しい人を亡くした」

 

「いや、二人とも、姉さん死んでないからね!?」

 

 ぼける切歌と調にも突っ込むセレナ、大変だな・・・・・・

 

「私達も居るから安心しろ」

 

「ほらほら、行った行った」

 

「作戦通り僕達も残るよイッセー君」

 

「悪いな。翼姉、奏姉、木場。マリア姉を頼む」

 

 三人にマリア姉のことを任して俺達は廃教会に向けて走る。

 

「ぐえっぐえっ!」

 

 走るとき、何かを踏んだ感触があったけど、気のせいか!

 

 待ってろよアーシア! 絶対に助けるからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別編 セレナ・カデンツァヴナ・イブ誕生日記念

 

 そこは燃えるどこかの研究所・・・・・・白い化け物に立ち向かう少女の姿があれは・・・・・・小さいセレナ?

 

『私、歌うよマリア姉さん』

 

『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl』

 

 歌を歌うことでセレナのエネルギーは増大した。

 

『Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el zizzl』

 

 歌い終わるとセレナから放たれたエネルギーで周りのものを吹き飛ばした。

 

 そして、セレナは崩れた瓦礫に巻き込まれて・・・・・・

 

 

「セレナっ!」

 

 気がつくと、俺はベッドで寝ていた。

 

「どうしたのイッセー君・・・・・・」

 

 すると、隣でねていたセレナが眠そうに目をこすりながら起きた。

 

「いや、怖い夢を見ただけだから気にするな」

 

「そうなの? 私もなの」

 

「えっ?」

 

 俺はセレナも怖い夢を見ていた事に驚いた。

 

「ねえ、イッセー君・・・・・・私が死んだらどうする」

 

「そんなの決まってる。セレナが死なないように俺がセレナを守るさ。絶対にセレナを死なせない」

 

 不安そうにするセレナを後ろから抱きしめる。

 

俺はみんなを守りたい。大切な人達を、愛する人達を守りたいんだ。誰も失いたくない。だから、誰も失わないためにもみんなで強くなりたい。

 

「ふふ、ありがとう。なんか幸せすぎてバチが当たりそう」

 

「これぐらい良いだろ? 今日はセレナの誕生日なんだしさ。もっと欲張って良いんじゃないか」

 

寄りかかってくるセレナの頭を撫でながら俺は言う。

 

「じゃあ、キスしてイッセー君」

 

「お安い御用です。お姫様」

 

俺はセレナに顔を近づけて優しくキスをした。

 

柔らかいな……

 

「大好きだよイッセー君」

 

「俺もだよセレナ」

 

 

生まれてきてくれてありがとうセレナ。ハッピーバースデー!




今回はイッセーの覚悟と、ハート達の出会い、如何だったでしょうか?

セレナの誕生日記念の奴は思いついたので書きました。一応、今の話の先の未来の出来事です

次回予告です

「サババの刃は何でも切り刻むデス!」

「ちょ、レイナーレ様!? 冗談っすよー」

「華麗で強力で素晴らしい毒をどうぞ!」

「吹っ飛べ!」

「弱点が分かりましたぞイッセー殿!」

「ガイガン!ロビンフット!」

次回「全てを射抜く狩人の弓」

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