「これでいいのですか?」
「ああ、問題ない」
何もない空間で美しい一人の女性とチャラそうな男性が会話していた。
「・・・・・・この特典だと世界が変わるかもしれませんよ?」
「はっ別に良いだろ変態に変わって主人公になってヒロイン達を救ってやるんだから」
「はあっ・・・・・・ではどうぞ転生してください」
呆れた女性は男性の足下に魔方陣を展開させる。男性は消えていった。
「はああああああっ! たっく! あんのエロボケ爺! 私に自分のミスを押しつけやがって! これで世界が変わったらどうするのよ!」
女性・・・・・・女神は文句をたれる。この女神、上司のミスを押しつけられたかわいそうな女神なのだ。
「だけど、どうしよう・・・・・・このままだと、あのくそ転生者のせいで原作が無茶苦茶になるわね。下手したら元の主人公をいじめて排除しそうだし・・・・・・赤龍帝の籠手以外の戦闘手段を何かしら用意しないと・・・・・・うん?」
女神が悩んでいると、十五の光の魂が女神の周りを飛ぶ。
その光の魂達を見て女神は驚く。
「貴方達、行ってくれるのですね・・・・・・本来なら英雄になるべきはずだった男の元に。私達の不始末を貴方達に押しつけてしまい、すいません。彼のことを、お願いします」
女神は光の魂達に頭を下げると、光の魂達は頷いた。
先ほどの魔方陣と同じ魔方陣を展開してその魔方陣を数百の光の魂達が通って行った。
「英雄達よ。どうか、彼を導いてください・・・・・・」
女神は彼らに託したその世界の希望を・・・・・・・
「あれ? 何か数が多かった気が・・・・・・」
その世界、ハイスクールD×Dの世界は変わった。赤龍帝になるはずだった兵藤一誠は転生者により、神器を取られてしまった。しかし、それだけではない。兵藤一誠に備わった新しい力に引き寄せられたのか、原作にはいないある化け物が世界に誕生してしまったのだ・・・・・・
『ジリリリリリリ!』
深夜の駒王町博物館に警報が鳴り響く。
強盗団が展示してある金銀財宝を奪っていった・・・・・・わけではなかった。
『おい、さっさと運べ! 奴らが来る前にずらかるぞ!』
博物館から物を盗んでいたのは人間ではなかった。それは影のような黒い体に青い双眼、胸の骨のような模様が特徴的な眼魔・アサルトと呼ばれる化け物だ。
五体の眼魔・アサルトは、アサルトと似たのっぺらぼうの様な化け物、眼魔・コマンドと呼ばれる戦闘員のポジションの怪人、三十体ほどと古い刀などの武器に絵などの美術品を運び出していた。
そんなアサルトとコマンドに指示を出しているのは肩に燕を乗せた片手が刀になっている刀眼魔、長い槍を持ち、槍のような兜をかぶった槍眼魔。この二体はアサルトより上の位の眼魔である。
『・・・・・・ったく偉そうにしやがって!』
『強化体だからって!』
『今に見てろよ! これがあれば俺達だって!』
アサルトは運んでいる宝の中から古い刀を取り出して眺める。
今回盗んだ物は眼魔達のある計画に必要な物だった。
盗む物も盗んであとは逃げるだけ・・・・・・だが、そうは問屋が卸さなかった。
突然、どこからか歌が聞こえてきた。眼魔達はどこから歌が聞こえてきたか辺りを見渡した。そんな眼魔達に向かって巨大な剣が落ちてきた。
『ヌルッ!?』
その巨大な剣に斬られた十体の眼魔・コマンドは消滅していく。
『っ! 何者だ!』
刀眼魔は今の攻撃がどこからか放たれたのか探した。
すると、博物館の屋上に九人の人影が・・・・・・
「私達は!」
「・・・・・・究極の救世主!」
「宇宙戦隊、キュウレンジャー! デース!」
九人の内の三人がポーズを取る。
「何やってんだ! てめえら!」
すると、赤と白のボディースーツを着て頭に大きなヘッドギア、スカート状のリアアーマーを装備した女の子がポーズを取った三人に拳骨をお見舞いする。
「あたっ!?」
「・・・・・・痛い」
「デデース!?」
三人は拳骨の痛みで頭を押さえて座り込む。
「・・・・・・ちょうど、九人なのでいいかな~って思って」
「バカか」
「あははっ・・・・・・」
拳骨を喰らった三人の内の一人、オレンジと白のボディースーツに白と金色の籠手、日本のアンテナのようなヘッドギアにマフラーに金色の脚甲を装備した女の子が言い訳をする。
そんな言い訳を聞いて呆れる先ほどの赤い女の子。紫と白のボディースーツを着た女の子は苦笑いをしている。
「立花、雪音、小日向。今は戦闘に集中しろ」
「漫才なら後にしなさい」
「ほら、切歌と調も立って」
青と白のボディースーツと刀を持った女性が、注意をして白銀色のボディースーツを着た顔立ちが似ている二人は殴られたピンクと白のボディースーツの女の子と緑と白のボディースーツの女の子を立たせる。
『貴様ら、もしかして奏者か!』
「ああ、そうだ・・・・・・みんな、やっこさんは待ちかねて居るみたいだ。そろそろ行こう!」
槍眼魔はしびれをきらし、立花と呼ばれた女の子と似たボディースーツを着た女性がみんなに呼びかける。
眼魔に奏者と呼ばれた彼女たちはそれぞれ武器を構えた。
立花と呼ばれた女の子はファイティングポーズを取って、雪音と呼ばれた女の子はクロスボウのような銃を構える。小日向と呼ばれた女の子は鉄扇を、調と呼ばれた少女は円形の鋸とヨーヨー。切歌と呼ばれた少女は鎌を構え、白銀のボディースーツの姉と思われる女性は籠手から剣を生成する。青と白のボディースーツの女性は刀を構え直して、最後にオレンジと白のボディースーツの女性は大きな槍を構える。
『貴様らの相手はこいつらだ!』
槍眼魔と刀眼魔は眼魔眼魂を大量に投げる。すると、眼魔・コマンドが生成される。その数、百体。
少女達は眼魔・コマンドの群れに向かって飛び降りる。
戦闘BGM 絶刀・天羽々斬
青と白のボディースーツの女性は歌いながら刀で眼魔・コマンドを切り裂いていく。
逆羅刹
突然彼女は逆立ちをしてそのまま横回転をして脚部にあるブレードを展開して周囲の眼魔・コマンドを切り裂く。
「鉛玉のバーゲンセールだ!」
BILLION MAIDEN
雪音と呼ばれた女の子は手に持っているクロスボウが変形した4問の3連ガトリング砲から弾丸を一斉掃射する。
ガトリング砲から放たれた弾丸は眼魔・コマンドの体を風穴だらけにする・
「うおりゃああっ!」
立花と呼ばれた女の子は眼魔・コマンドを殴り飛ばしていく。そして、眼魔・コマンドが運ぼうとした盗難品の一部を回収する。
「やったあっ!」
回収できたことを喜んだが、彼女の後ろにはナイフを持った眼魔・コマンドがいた。眼魔・コマンドは彼女にナイフを振り下ろそうとした・・・・・・が巨大な槍で弾かれる。
「油断するな響!」
「すいません、奏さん!」
槍を持つ女性・・・・・・奏は彼女を叱咤する。
「背中は任せてマリア姉さん!」
「ええ、頼りにしてるわよセレナ!」
白銀の剣を構えて姉妹が背中合わせで戦う。マリアと呼ばれた姉が蛇腹剣で眼魔・コマンドを切り裂いて、セレナと呼ばれた妹が剣を振るうと白銀の剣が空中を舞い、眼魔・コマンドを貫いていく。
「・・・・・・行くよ切ちゃん」
「はいです!」
「「お前達の運、ためしてやる(デス)!」」
切歌と調の二人の少女は眼魔・コマンドに向けて言い放つ。
切歌は肩のブースターを点火してスピードを上げ、鎌で眼魔・コマンドを切り裂く。
α式 百輪廻
調は武器の鋸から小型の鋸を大量に射出して攻撃していった。
「みんな、あまり暴れて展示品を壊さないでね! 特に響!」
小日向と呼ばれた女の子は武器の鉄扇を広げて鏡の様にしてビームを放ち、眼魔・コマンドを焼き払っていく。
『おいおい、何だよあいつら強いぞ!』
『このままじゃ、全滅ジャね?』
『さっさと、眼魔ホールを繋げえええっ!』
次々と眼魔・コマンドがやられていくのを見て眼魔・アサルト達は焦って紋章を書いている。
『っ! 出来た! おらっ! 逃げるぞ!』
紋章を書き終わり、移動用の特殊空間を作りアサルトと数体のコマンドは盗難品を運んで逃げた。
『・・・・・・貴様らのような強者と戦いたいが、今回は任務を優先しないとな。また今度戦おう!』
刀眼魔は盗難品が運び終わったのを確認し、戦えないことを残念そうにしながら紋章をくぐろうとする。
「待ちなさい!」
マリアは蛇腹剣を刀眼魔に向けて振るうが、刀眼魔は当たる直前に紋章をくぐり終える。
刀眼魔と槍眼魔、眼魔・アサルトと盗難品を運んでいたコマンドには逃げられてしまった。
戦闘を終えた女性達は片付けを始める。
「・・・・・・すいません、司令。逃げられてしまいました。展示品も殆どが奪われてしまい、一部しか回収できませんでした。はい、すみません」
青と白のボディースーツの女性は電話で報告する。
「みんな、司令があとの処理は処理班に任せて撤退するようにだそうよ」
「分かったわ。切歌達は明日も学校だから早く寝ないとね」
「「「ああっ!!」」」
学校と聞いて切歌と調、響の三人は何かを思いだしたのか思いっきり叫んだ。
「ど、どうしたの?」
「「「宿題忘れてた・・・・・・」」」
ものすごく大事なことなのかと思っていたが、大した事ではなくみんなずっこけてしまう。
「何だそんなことかよ」
「今日は徹夜だね」
「「「ひええええ~!」」」
夜の博物館に三人の悲鳴が響く。
果たして彼女たちは何者なのか、眼魔の目的とは何か、この世界はどうなってしまっているのか、謎は深まるばかりである。
初めての人は初めまして。作者の米田です。
今回は前々から書いてみたかったハイスクールD×D×戦姫絶唱シンフォギアのクロスオーバー作品を書いてみました。
今年はシンフォギアAXZとXDがあるので書いてみたくなりました
仮面ライダーゴーストは自分の趣味です
奏さん、セレナ生存で未来さんも奏者です。
次回はイッセーもでます!