とらドラ!腐った目の物語 作:手乗りタイガー
北村と川島と別れたあと逢坂は自分のマンションに戻っていった。
小町に言われた通りご飯は俺が作りいつものちゃぶ台の上に三人分のご飯を準備している。
だが何時まで経っても逢坂がうちに顔を出すことはなかった。
「大河さん....どうしちゃったのかな....。お兄ちゃん何かしたの?」
「知らねーよ....くそ.....美味しくねえ」
カレーを甘口で作ったが味気が無く、部屋がいつもより広く感じ落ち着かなかった。
「........」
「........」
小町も同じことを考えているのかそれ以上は何も言わずにご飯を食べ終えた。
「はぁ......」
一人自分の部屋に戻りベットに項垂れながら今日の出来事を思い出す。
逢坂は北村に嫌われたと思って落ち込んでいるのだろう。なら解決するのは簡単だろう、だがそれは俺では力不足だ。
それが出来るのは友達か北村だけ。
それならどうする......俺が出来ること、俺がやらなくてはいけないこと。
逢坂は俺に告白を手伝ってくれと頼んだ。それなら今回のすれ違いもその依頼の範疇に入るだろう。
俺は親父に電話をかけた。
「もしもし親父か?」
[ん?どうした、まだ言い忘れていたことでもあったのか?]
「少し調べてもらいたい事があるんだが.....」
[.....良いだろう]
「頼んでおいてなんだが理由は聞かないのか?」
[お前が親に何かを頼むなんて初めてだからな、何か大切な事なんだろう。ほら言ってみろ]
「今年、大橋高校に入学する生徒で北村祐作って奴の住所を調べてほしいんだ。完全に犯罪になるから無理なら無理って言ってくれ」
[......良いだろう。一時間ほど時間を貰えるか?]
「すまないな、親父」
[いいさ。その代わり小町を頼んだぞ]
「ああ」
通話を切り俺はベットに座る。
「親父には迷惑をかけちまったな.....」
「お兄ちゃん....入っても良い?」
襖を挟んで小町が言ってくる。
「ああ」
「お兄ちゃん.....大河さん....どうかしたの?」
やはりというか小町は逢坂の事が気になって聞きに来たようだ。
「ふぅ.....大丈夫だ。安心しろって明日の夜には解決すると思うからな」
「そう.....なんだ。ねえ?お兄ちゃん」
「ん?」
「お兄ちゃん何かする気なの?」
「......何もしねーよ。むしろ俺が他人の為に何かするなんて俺がリア充になるくらいあり得ないまである」
「.......そっか。うん分かった、もう小町はなにも聞かないよ。でもねこっちに引っ越してきた理由.....ううん何でもない。それじゃあまた明日ね」
「ああ」
小町は納得はしてないのだろうが俺の部屋から出ていった。
そのあと丁度親父から電話がかかってきた。
「もしもし親父か?」
「ああ。予想より早く分かったぞ。-------------だ」
「親父.....ありがとな」
「ああ、気にするな。それじゃまたな」
こうして電話は切れて俺は深呼吸をした。
一つの決意を胸に込めて今日は布団に身を任せて目を閉じた。
目を覚ますと外は生憎の曇り。
いや良い天気なのかもしれない。
俺はI Love 千葉のTシャツを着て朝御飯も食べずに家を出た。
北村との家は電車を乗り継げば20分程でつく距離だった。
大橋駅で電車に乗り次の駅で降りて徒歩15分。
北村の家の前まで来た俺は少し気後れしていた。
だって友達の家とか行ったことないし、北村とも友達ってわけではないが。何でも初めては緊張するものだ。
呼鈴をならすことを躊躇していると中から北村が中学の時のジャージだろうか。ジャージ姿で出てきた。
「ん?あれ比企谷じゃないか?うちの前でどうしたんだ?」
「あ、いやちょっと用事があってな。今忙しいか?」
「そうだな、走りに行こうとしていたが別の日にすることにしよう。急用みたいだしな。近くに川原があるんだそこで話そうか」
「ああ」
俺と北村は歩いて15分くらいの所にある川原に座る。
「それじゃあ、話してもらえるか?」
「その前に一つこの間の事を訂正したい」
「この間の事?何を訂正したいんだ?」
「俺が逢坂の事を理解しているから一緒にいるって言ったよな?」
「ああ。確かに言ったな。その気持ちは今でも変わってないぞ」
「残念ながらそれは違う。俺はあいつの事なんて少しも分かっていない」
ああ、そうさ。俺は何も分かっちゃいないんだ。たった一週間で分かった気になっていただけだ。
「何故なら俺は逢坂の事が嫌いだからだ」
「.....それはどういう意味で言ってるんだ?」
「どういう意味ってそのままだろ?俺はあいつが嫌いだ。すぐ暴力はするわ、人のこと犬扱いするわ、最悪だ」
「......」
「だってそうだろ?人間は自分が一番可愛いんだ。危害を与えてくる者は皆敵。それが俺の理論だ」
「なら比企谷はどうして逢坂と一緒にいたんだ?」
逢坂と一緒にいたのは小町に言われたからだ...そう、それで良いんだ。
あの時の気持ちはきっと逢坂を哀れんだからだ...だからあの時感じたあの気持ちはきっと嘘だ。
それだけだ------------。
「別に。ただ可哀想だと思ったから優しくしてやっただけだよ。そしたらなついてきやがってよ、本当に単純だよな。はっ笑えてくるよ」
「そうか。それでそんな嘘を態々言うために俺の家まで来たのか?」
「は?おいちょっと待てよ。俺は嘘なんて一言も言ってないし本当に思ったことしか言ってない」
「なあ比企谷。お前がどれ程逢坂を思っているのか俺には分かった、何て言えない。けど逢坂の為にそこまで出来るお前は素直に凄いと思うよ」
「.......」
こいつさっきから何を言ってるんだ?俺が嘘を?いや違う、俺は嘘なんて。
「今こうしているのが逢坂の為だというのは伝わってきたからな。本意はまだ良く分からんが、比企谷とは良い友達になれる気がするよ」
「俺は.....お前が思っているような奴じゃねーよ」
北村は立ち上がりながら言ってくる。
「そうか?俺は逢坂と同じくらいお前が気に入ったよ。だからこそ今の逢坂の事は比企谷に任せる」
任せる?こいつは逢坂の気持ちに気付いてるのか?
「北村....お前は」
「あ、勘違いしたのなら謝るが今の逢坂の状況は俺には分からない。ただ比企谷の反応を見て何かあると思っただけだ」
「.......そうか」
「それじゃまたな。比企谷、今度は学校で会おう!はーっはっはっは!」
手をふりながら走って行く北村の背中を俺はただ見つめることしか出来なかった。
何故何!?小町ターイム!!のお時間です!
小町「お久し振りですっ!この回は質問等にお答えするコーナーの筈がただ小町が遊んでいるというコーナーになりつつあることに気が付いた小町です」
小町「なので小町考えました....ここで本編よりも人気を取ってやろうと!小町頑張ります!」
小町「次回!お兄ちゃんと美人さんがまた再開するみたいですっ!て!お兄ちゃんこんな綺麗な人小町知らないよ!」
八幡「......今日はここまでだ。」
続く?