とらドラ!腐った目の物語   作:手乗りタイガー

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どんなタイトルだよ!って感じですが他に思いつかなかったという....。


因みに書き溜めは10話までしてあります。なのでそれまでは絶えずに更新できると思います。


6話「俺の財布の中身はこうして無くなっていく」

 

無事国産和牛ではなく、豚肉の小間切れを買って家に向けて歩を進める。

 

考えてみればかなり時間がかかってしまった。最初はただ逢坂の好物を聞いて俺だけで買いに来てもいいと思いながら逢坂の家に行ってみれば異臭はするわ、木刀で殴られるわ、ラブレターを見付けてしまい、何故か告白を手伝う事になるわで時刻は午後6時になっている。

 

辺りは既に暗くなり、店の灯りや外灯の灯りで明るくなっている道を見て引っ越して来たんだと改めて感じる。

 

Prrr。と携帯から着信音が鳴り携帯に出る。

 

「もしもし」

 

[あ、お兄ちゃん?時間かかってるけど何かあったの?]

 

電話の相手は小町だった。俺の携帯の番号を知ってるのは家族しかいないので分かってはいたが。

 

帰りが遅い俺の事を心配して連絡してくれたのだろう、この行動は八幡的にポイント高いぞ小町。

 

「誰から電話?」

 

「ん?ああ、小町だ。帰りが遅くなったから心配してかけてきたんだよ」

 

「....あんたもしかして、さっきの事言うつもりじゃないでしょうね?」

 

「いやいや言わねーから」

 

[ん?お兄ちゃんどうしたの?]

 

「いや何でもない。ちょっと仕度に手間取ってな。ほら逢坂も女の子だし、女の子は仕度とか色々大変なんだろ?」

 

[ふむふむ成る程ね~]

 

小町の声はどこか含みのある声で気になったが聞いてはいけない気がした。

 

「他人の事なんてどうでも良いって言ってたお兄ちゃんが女の子の事を語るとはね~」

 

「.....別に語ってねーよ。変なこと言ってると逢坂に小町の恥ずかしい想い出話しちまうぞ」

 

[ふーん。お兄ちゃんがそうくるなら小町も全部話しちゃおうかな!]

 

電話越しなのに小町がどや顔で無い胸を張っているように感じるほど自信満々に言ってきた。

 

「な、なにをだよ」

 

別に俺がボッチだったことを話されても俺は痛くも痒くもない。だってボッチ崇拝してるし、むしろボッチで良かったまである。

 

[お兄ちゃんの部屋のタンスの一番下に上げ底になってる部分があるんだけどそれを剥がすと一冊のノーt「すいません、すいません...本当にすいません。俺が悪かったからまじで勘弁してくれ」]

 

その場で土下座したわ。周りの目なんて気にしてられない。てかなんで小町そんなこと知ってんだよ!俺の黒歴史を.....。

 

[それじゃあお兄ちゃん、帰りにケーキもよろしくね♪小町はモンブランが食べたいでありますっ!]

 

はっはっは....こうやって俺の懐事情は苦しくなっていくんだな.....。

 

俺は地面から立ち上がり電話を切りポケットにしまった。

 

「はぁ.....」

 

「.....どうしたのよ」

 

「なあ逢坂....お前は何のケーキが食べたい?」

 

「え?」

 

その後、頼む。理由は聞かずにケーキを選んでくれと半泣きで逢坂に言い、ケーキを自分の以外買った俺は逢坂と共に帰路に着いた。

 

時間も時間だからと、そのまま家に来てもらったのだ。

 

 

「お兄ちゃん待ってたよ!小町心配で心配で!あっ!今の小町的にポイント高い!」

 

「お前が心配してたのはケーキだろ。ほれ」

 

「流石お兄ちゃん!当たりだよ!」

 

「私も買ってもらっちゃって良かったの?」

 

「ああ。むしろ逢坂の買ってこなかったら家に着いた時点でもう一度買いに行かされるからな」

 

「あれ?お兄ちゃん自分のは?」

 

「懐が寂しくてな...気にせず食べてくれ」

 

ここで普通なら半分ずつ食べる?とか言うと思うだろ?だがその考えは甘い。小町は「そっか」だけ言って冷蔵庫にしまいにいったからな。

 

「にゃー」

 

我が家の愛猫かまくらが俺の足にすり寄ってきた。

可愛いと思うかもしれないが甘いな、うちのかまくらはそこらの猫とは違う。

 

「悪いな、かまくら。今日は何も買ってきてないんだ」

 

「にゃー.....」

 

かまくらは尻尾をだらんと垂れさせて部屋の隅で丸くなった。

こ、心が痛い!

 

「あー、かーくん。可哀想」

 

可哀想なのは分かる....でも、でもなこの現況を作ったのは小町なんだからそんな目で見られても困る。

 

料理は小町が作ってくれるというのでテレビでもつけて待とうと思ったが逢坂がいるのを思い出し、居心地も悪かったので自分の部屋に戻った。

 

自分の部屋と言われても襖を開けられれば丸見えなのだがそれでもこの壁の差は大きいと思う。

 

部屋に入って襖を閉めて椅子に座り音楽プレイヤーから音楽を選びイヤホンを耳につける。

 

不意に視線を感じで後ろを向くと逢坂がかまくらを抱き抱えながら俺の部屋にいた。

 

俺は仕方なくイヤホンを片方外して逢坂に聞く。

 

「なにしてんの?」

 

「別に....暇だっただけよ。それに話したいこともあったし」

 

小町以外に抱き抱えられるのが嫌なはずのかまくらは嫌がる素振りを見せず欠伸をしている。

 

べ、別に家の主人より懐いてるからって悔しいとか思ってないし....高級キャットフード買ってくれば俺にだってあれくらい出来るし!

 

「あんた何泣いてんのよ.....私何かした?」

 

あれ知らない間に目から汁が流れていたようだ。

 

「....気にするな。少し羨ましいと思っただけだ」

 

「ん?まあいいけど.....それより北村君との事よ!告白するのに協力してくれるって言ったけどどうやって協力してくれるのよ?」

 

そうなんだよなぁ。まだ同じ高校なら...いや同じ高校でも無理だな。

 

何故なら俺が友達作るとか無理だから。

 

「......黙ってないで早く答えなさいよ」

 

そう言われてもなぁ......。

 

「逢坂は俺にどんな手伝いをしてほしいんだ?俺が何かを手伝うにしても逢坂なりのビジョンがないと手伝いようが無いんだけど?」

 

「.......分からない。そんなの分からないわよ....北村君の前だとテンパっちゃって言いたいこと言えないし....あんたが同じ高校なら北村君と接点を持ってもらってそこに私も入るっていうのが一番かなとは思うけど......」

 

「友達の友達として話の和の中に入るつもりか。確かに話しやすいし、話せるだろうな。だけどなそんなのは所詮友達の友達だ。それじゃ今までと何も変わらないし変えられない」

 

「でも話すきっかけにはなるし」

 

「逆に聞くが俺がその場からいなくなったとして逢坂は、俺がいたときと同じように北村と話が出来るのか?」

 

「......」

 

「友達の友達としてじゃ限界がある。だからこそ逢坂から北村に寄り添わないと意味がない」

 

「北村君に.....」

 

「ああ、そうだ。北村がどんな性格で逢坂とどれだけ親しいのか分からない俺じゃ役に立つことは殆ど無いだろう。でも約束しちまったから、やれることはやってやる」

 

「そっか.....うん、分かった。少し考えてみる」

 

「おう」

 

「お兄ちゃんー、逢坂さーん。ご飯できたよー」

 

話が終わるとご飯も丁度出来たので立ち上がった。  

 

かまくらは話の途中で寝てしまったのか逢坂の腕の中で寝息をたてている。

 

「はぁ.....」

 

「およ、お兄ちゃん。ため息なんてはいてどうしたの?」

 

「いや....なんでもねえよ」

 

かまくらは起きそうもないということで食事中ずっと逢坂の膝の上で寝ていた。

 

今度お小遣いをもらったらマタタビを買ってこようと心に誓うのだった。

 




何故何!?小町ターイム!!のお時間です!

もうお馴染みの企画になってきて小町嬉しいです!

それでは今回のゲストをお迎えしましょう!

小町「逢坂大河さんでーすっ!」

大河「......こんにちは」

小町「それでは今回は大河さんから悩み相談があるそうなので小町が頑張ってその悩みを解決しようと思いますっ!」

大河「小町にだけ話すけど...私高校1年になるのに身長が145㎝しかないのよ....」

小町「ふむふむ?ちょーっと待ってくださいね~」

ぺらっ。ぺらっ

大河「何見てるの?」

小町「大河さんのプロフィールに決まってるじゃないですか。えーとここに書いてある通りだと143.6㎝になってますよ?」

大河「.......」ぷるぷる

小町「あ、あれ?大河さん?」

大河「小町?世の中にはね知らなくても良いことなんて沢山あるのよぉ!!」

ビリ!ビリ!

小町「ああ!大河さんのプロフィールが!」

大河「ふん!ざまぁみろよ!」

小町「でも大丈夫ですっ!お兄ちゃんにも預けてあるので!」

大河「なっ!?なんですって?」

小町「実はですね?お兄ちゃんの部屋のタンスの一番下には上げ底になっていてそこにノートがあるんですよっ♪」

大河「ふ、ふふふ....へえそうなんだぁ....小町悪いけどちょっと用事思い出したわ....」

小町「大河さん足早いなぁ~。さて今日はここまで!皆さんまたお会いしましょうね!」

              続く?

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