とらドラ!腐った目の物語   作:手乗りタイガー

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3話「汚部屋訪問」

「なん....だと?」

 

サイゼリアで会った逢坂という女の子と小町が原因でご飯を食べることになり何故か途中まで一緒に家に帰ることになった。....なったのだが。

 

 

「おいおい....冗談だろ」

 

俺は自分の新しい住居になっているマンションの前で呆然と立ち尽くしている。

 

「大河さんがお隣のマンションだなんて小町嬉しいですっ!」

 

「お、落ち着きなさいって....でも私も驚いた」

 

小町は嬉しさからなのかピョンピョン飛び跳ねてるし....。

 

「あ、そうだ!大河さん、良ければ今夜うちにご飯食べに来ませんか?」

 

小町がとんでもないことを言い出しやがった。

家が隣の時点で言うとは薄々思っていたが....。

 

「え?良いの?」

 

「勿論ですよ!うちの両親あまり家に帰ってこないので兄と小町しかいないので平気です!小町腕によりをかけてご飯作りますよ!」

 

こうなった小町を止めるとあとがめんどくさいしなと、俺は既に諦めモードである。

別に自分の部屋から出なければ迷惑にもならないだろう。

 

「それじゃ、後でお邪魔するわ」

 

「はい!それでは後で来てくださいね!」

 

「うん、あとでね。.....あんたは黙ってるけど何か言いたいことでもあるの?」

 

女子の楽しいトークに入らないように静かにしてたのにどうして俺に聞いてくるんだよ....。

 

「いや何も。むしろ何も考えていないまである」

 

「ふーん。なんか変わってるわねあんた」

 

お前にだけは言われたくねぇ.....。

 

逢坂と一旦別れた俺と小町は部屋の掃除を再開した。今の時間は1時なので夜ご飯までらまだ5時間程余裕がある。掃除も後は風呂とトイレを残すのみだ。

 

ご飯の仕度も問題なく出来るだろう。

 

「それじゃあ掃除を再開するか。小町は風呂掃除とトイレ掃除どっちがいい?」

 

「トイレ掃除を頑張るでありますっ!」

 

敬礼しながら完全装備した小町がトイレに向かっていった。

 

トイレの方が狭いので掃除する量は少なくてすむから選んだのだろう。その辺の頭の回転は流石だと思う。

 

「さて俺も始めますかね」

 

カビとヌメりと格闘すること2時間。ようやく綺麗になったことで居間に戻ると完全装備の手袋だけ外した小町が漫画を読みながら笑っていた。

 

ふぅ......ていっ。

 

「痛っ!お兄ちゃん....ははは見付かっちゃった」

 

それで隠れているつもりだったのか?居間の真ん中で漫画を読んでるとか隠れる気さえ皆無だろ。

 

「見付かっちゃったじゃないだろ。トイレ掃除は終わったのか?」

 

「いやーそれがね....ほ、ほら中々手強くて」

 

「終わってないんだな?」

 

「........てへ♪」

 

あー今回ばかりは本気でムカつくな。

 

「どうするんだよ、夜ご飯まで後3時間くらいしかないぞ?スーパーにおかず買いに行かなきゃならないし」

 

「あはは....あっそうだお兄ちゃん!小町一人で掃除してるから、大河さんの所に行って二人で買い出ししてきてよ」

 

いやどうしてそうなるんだよ。閃いたみたいな顔してるなよ。

 

「意味が分からないんだが?」

 

「ほら大河さんの好き嫌いとか分からないでしょ?だから次いでに嫌いなものとか聞いてきてよ」

 

「それなら小町が行けよ。俺が掃除やっておくし」

 

「ちっちっち。ここは小町の担当なのです。だからお兄ちゃんはお兄ちゃんのやるべきことをやってください」

 

八重歯を出しながら人指し指を立てながら、ちっちっちとする小町に本日2度目のチョップをする。

 

ていっ。

 

「痛っ!お兄ちゃんこれ以上小町の身長が伸びなかったらお兄ちゃんのせいだよ!」

 

「いやいやそんな事で成長はとまんねーから」

 

「ともかくお兄ちゃんは早く行ってきて!」

 

「やだよ...めんどくさいし。それに逢坂さんに迷惑だろ?」

 

俺みたいな男が訪ねてくるとか絶対嫌だろう...てか呼び鈴鳴らして入って帰れとか誰?とか言われたら間違いなく泣く自信ある。

 

「大丈夫大丈夫。ほら早く」

 

「小町ちゃん。お兄ちゃんの心は意外と繊細でナイーブなんだよ?」

 

「ナイーブ?はぁ?ナイーブナイーブってやたらと使うやつに限ってナイーブじゃねーんだ。だいたいお兄ちゃんの心がナイーブなわけあるかよ」

 

「小町ちゃん。何その言葉使いお下品よ」

 

「お兄ちゃんの真似だよ」

 

「うっ...似てねえだろ」

 

「まっともかくさ。結局お兄ちゃんは小町の言うことに逆らえないんだしさ早く行った方が良いと思うよ?」

 

「はぁ....分かったよ」

 

俺は気乗りしないが小町に逆らっても良いことはないので隣のマンションに行くことにした。

 

「お兄ちゃん。大河さんの部屋は2階って言ってたから表札探してね」

 

「.....ああ」

 

俺は逢坂の哀愁漂う顔を思い出しながらマンションのエレベーターに入り2階のボタンを押した。

 

「独り暮らしって言ってたが.....いや止めておこう」

 

人の悩みなんてそいつの問題で他人が分かったように勝手に考えたりするのは筋違いだ。

俺は首を降ることで考えを止めて逢坂と書かれた表札を探した。

 

表札は直ぐに見付かり呼び鈴を鳴らす。

 

ガチャっと半分だけ開かれたドアからちょこんと顔を半分だけ覗かせた逢坂が出てきた。

 

「なんだあんたか」

 

機嫌が悪いのか分からないが目が鋭く迫力があり気後れしそうだ。

 

「お、俺で悪かったな。誰か待ってたのか?」

 

「別に待ってないし、どっちでもいいでしょ?それでなんのよう?夜ご飯まではまだ時間あると思うけ....はっ....」

 

「は?」

 

「はっ.....ぶくしゅ.....」

 

「うっ....取り合えずティッシュ使うか?」

 

「.....使う」

 

鼻をかませてようやく話を戻そうと思ったがやけに中から臭ってくる生ゴミの臭さに鼻が曲がりそうになった。

 

「あ、逢坂さん」

 

「何よ」

 

「掃除とかってちゃんとしてるのか?」

 

「掃除は苦手なのよ」

 

............。

 

よし帰るか。

小町ごめん....お兄ちゃんにはハードルが高すぎたよ。

 

「そ、それじゃあな。急にお邪魔して悪かった」

 

「ちょっと待ちなさいよ。今あったことを小町に話すつもりでしょ?」

 

「いや話さねえよ....」

 

「信じられないわ。だから.....」

 

逢坂は何処に隠していたのか木刀を取り出した。

 

「は?」

 

意味が分からない俺は硬直である。

 

「今からあんたの記憶を消す。こいつで脳天ぶったたけば死にはしなくても記憶くらいなら無くせるだろうさ」

 

「いやいやいや意味わかんねえって。確かに人を信じられないのは俺も同じだ。赤の他人なら尚更だ。だがそいつを木刀で叩くってのはおかしくないか?」

 

「こんな掃除が出来ない高校生だなんて知られたくないの....知られたら死ぬ....でも死にたくない。だから....死なないためにお前の記憶を無くさせる!」

 

無茶苦茶な理論だ....つかなんだよ....俺が何したんだよ。てかこいつ高校生だったのか?.....いやどう見ても小学生。よくて、中学生にしか見えん。

 

木刀を突きだし迷わずに俺の顔面に向かって突き刺す。

 

頬を掠めながらもなんとか避けたが木刀は曲線を描き俺の左肩を強打した。

 

「痛っ....」

 

「あんた今。こんな小さい高校生がいるはずない。とか思ったでしょ?」

 

顔を俯かせながら聞いてくる逢坂、声のトーンは低く怒っていることがわかる。

 

「べ、別に思ってねーし....てか本気で殴りやがったなお前!」

 

「当たり前じゃない。それにまだ記憶は消せてないんだから終わりじゃないわよ!」

 

木刀を構え直し今度は振りかぶってそのまま勢いよく俺の頭を狙ってきた。俺は先程の恐怖心から逢坂の脇を潜ることでなんとかかわして家の中に逃げ込んだ。

外に逃げ場はないし、1階に降りる方法はエレベーターのみ。この方法が最善だと思った。

 

だがこの選択が後々の俺のボッチライフを狂わすことになるだなんて思ってもみなかった。

 




何故何!?小町ターイム!!のお時間がやってきました!

ですが残念ですが今回は話すことがないのでゲストとしてお兄ちゃんに来てもらってまーす!

小町「ではお兄ちゃん!どうぞ!」

八幡「.....うす」

小町「もう!お兄ちゃんしっかり挨拶くらいしてよね!」

八幡「いや前回したからいいだろ.....てか小町ちゃん?」

小町「何お兄ちゃん?」

八幡「どうして軍服なんて来てらっしゃるのでしょーか?」

小町「似合うと思ったんだけど似合ってないかな?」

八幡「いや、うん。ビックリするくらい似合うんだけどさ...てか俺の知ってるアニメに出てくるキャラと被るんだけど...」

小町「ふーん。そうなんだー。おっと!今日も時間になってしまいました!」

八幡「早くないか?」

小町「それでは!またこの時間にお会いしましょう!」


                   続く?

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